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失業保険は自己都合退職でいつからもらえる?金額の計算方法や手続きを解説!
この記事のまとめ
- 自己都合退職だと給付制限期間があるため、離職後に失業保険をすぐもらうのは難しい
- 自己都合退職後に失業保険をもらうには、受給条件を満たしている必要がある
- 自己都合退職(一般離職者)の場合、1~3ヶ月の給付制限期間が設けられている
- 正当な理由での自己都合退職に該当すれば、給付制限期間が免除される
- 自己都合退職に限らず、失業保険についてはハローワークで手続きをしよう
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自己都合退職後に「失業保険をすぐにもらうことはできるのか」「いつからもらえるのか」と、疑問に思う方もいるでしょう。自己都合退職の場合、失業保険の受給には1〜3ヶ月の給付制限期間があるため、すぐに手当が支給される訳ではありません。このコラムでは、自己都合退職後に失業保険をもらうための条件や受給額の計算方法などを解説。失業保険の申請手順も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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失業保険は自己都合退職でもらえる
自己都合退職しても、下記で紹介する条件を満たしていれば、失業保険を受給できます。ここでは、失業保険を受け取るための条件と、もらえない場合についてまとめました。
原則として1年以上雇用されていた場合には、失業中に失業手当が支給されます。失業手当の額は在職中の給与や年齢によって異なるものの、定期的に一定の額が支給されることは、失業中の生活を大きく安定させるでしょう。
また、失業手当を受けていれば、無収入の状態よりも再就職活動に専念しやすくなり、より良い条件の再就職先を見つける助けにもなります。
自己都合退職で失業保険を受給するための条件
ハローワークインターネットサービスの「受給要件」によると、自己都合退職した際に失業保険を受給するための条件は、次のとおりです。
- ・失業状態であり、就職する意思と能力がある
- ・離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある
失業保険は雇用保険の加入者が対象となっています。自己都合退職の場合は、退職日以前の2年間のうち、通算12ヶ月以上の被保険者期間が必要です。
失業状態で就職する意思と能力がある
自己都合退職で失業保険を受給する条件は、失業状態であること。失業状態とは、就職の意思や能力はありながらも、現時点で雇用されていない状態を指します。したがって、出産や育児のために一時的に仕事を辞めた場合は、失業状態には該当しません。
離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある
自己都合退職で失業保険を受給するには、退職前の2年間において雇用保険に通算12か月以上加入していることが必要です。
また、退職前の2年間で転職をしていた場合、前の雇用期間が6か月以上であれば次の職場での雇用期間が6か月以上であれば対象となります。
ただし、ケガや病気、身内の介護、妊娠・出産・育児などの正当な理由による自己都合退職の場合、条件が軽減されることも。退職前の1年間に通算6ヶ月以上雇用保険に加入すれば失業保険を受け取れます。
自己都合退職後3ヶ月以内に就職したら失業保険はもらえる?
給付制限期間が3カ月の方は、給付制限期間中に就職が決まったら失業保険を受け取れません。
一方、給付制限期間が1〜2ヶ月の方は、給付制限期間が終了してから就職日前日までの失業保険を受け取れる可能性があります。
なお、給付制限期間が3カ月の方とは、離職日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職が2回あり、失業保険の受給資格決定を受けた方です。
失業保険の受給条件について教えてください
失業保険を受給するには、原則として1年以上の勤務が必要
失業手当は、離職日以前の2年間に雇用保険に加入していた期間が12ヶ月以上あることが必要です。そのため、雇用保険加入の条件を満たしているのであれば、通常1年以上勤務した場合、失業手当が支給されます。しかし、失業の状態であればよいというわけでなく、「再就職の意思があること」が重要です。
失業手当は、ハローワークに求職の申込みを行ったうえで、失業の認定を受けなければ支給されません。失業の認定を受けるためには、認定対象期間に原則として2回以上の求職活動を行うことが必要です。
倒産や解雇によって離職した場合には、離職日以前の1年間に6ヶ月以上雇用保険に加入していた期間があれば、失業手当が支給されます。また、自己都合でない離職の場合、給付日数が通常に比べて多くなり、支給総額も優遇されるでしょう。
自己都合退職で失業保険がもらえないことはある?
厚生労働省の「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~(Q2)」によれば、就業する意思がない場合や病気・ケガ、妊娠・出産などですぐに働けない場合は、受給条件を満たせないので失業保険をもらえません。
そのほか、「家事や学業に専念している」「自営業を営んでいる」といった場合も失業保険をもらえないため、注意しましょう。
参照元:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
参照元:厚生労働省「雇用保険制度」
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自己都合退職で失業保険をすぐもらうことは可能?会社都合との違い
自己都合退職と会社都合退職では、失業保険のもらい方に違いがあります。会社都合退職では、過去1年間の雇用保険加入期間が6ヶ月あれば失業保険を受け取れるでしょう。
この措置は、望まない退職の場合に失業した方を支援するためのもの。会社都合退職には給付制限期間がなく、失業保険の受給が速やかです。
一方で、自己都合退職ではこれらの待遇が適用されず、失業保険の受給にはより厳しい条件が課されます。基本的な手続きは同じですが、自己都合退職が会社都合退職に比べて不利な点があることを理解しておく必要があるでしょう。
自己都合退職で失業保険をすぐもらうことは難しい
自己都合退職の場合、失業保険をすぐもらうのは難しいでしょう。失業保険の受給資格が認められると、7日間の待期期間があり、さらに1〜3カ月の給付制限期間があります。
一方、会社都合で退職した場合は、7日間の待期期間が終了後、すぐに失業保険が受給可能です。
詳しくは後の項で解説します。
失業保険をもらえないケースについて教えてください
失業保険を受けとれない主な6つのケース
「失業保険を受けとれない」と相談をうけたなかで、比較的多いケースについてそれぞれ解説します。
【1】雇用保険の加入期間が12ヶ月未満
失業保険を受給できるもっとも重要な要件は「離職日以前の2年間で、雇用保険に加入している期間が通算12ヶ月以上ある」ことです。
【2】現時点で働く意思と能力がない
意欲的に働く意思がなく積極的に仕事を探していない方や、病気やケガで働けない方が該当します。
【3】定期的な失業認定を受けていない
ハローワークにて求職を申し込んだだけでは失業保険は受給されません。28日間に一度、ハローワークで失業認定を受ける必要があります。
【4】傷病手当金を受給している
【2】の内容にも関連します。傷病手当金を給付されている場合は、失業保険を受給できません。
【5】副業をしている
副業をしている場合は、失業状態ではありません。ただし、雇用保険の加入要件を満たしていない副業であれば、副業をしていることを申請したうえで「失業状態である」と認められる場合もあります。
【6】自営業やフリーランスになる
個人事業主など独立して働いていく場合は、失業状態ではありません。そのため、失業手当の受給対象外となります。
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自己都合退職で失業保険を受けるデメリットはある?
自己都合退職で失業保険を受け取るときは、待期期間が発生したり、会社都合退職よりも給付日数が少なかったりするデメリットがあります。この項では、それぞれのデメリットを解説いたします。
自己都合退職で失業保険を受けるデメリット
- 給付日数が会社都合よりもが少ない
- 総支給額にも差が生じる
- 7日間の待期期間と給付制限が発生する
給付日数が会社都合よりもが少ない
自己都合退職で失業保険を受けるデメリットには、給付金を受給できる日数が限られていることが挙げられます。自己都合退職の場合、失業保険の給付日数は90〜150日です。年齢は関係なく、雇用保険の加入期間によって給付日数が変わります。
| 加入年数 | 1年~10年未満 | 10年~20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|
| 給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数 2. 1及び3以外の離職者」
上記からも分かるように、雇用保険の加入年数が1〜10年未満の場合、給付金を受給できる日数は90日です。一方、会社都合退職では、給付日数は最大で330日に達することがあり、加入期間が同じでも自己都合退職よりも長く設定されています。
自己都合で退職する際は、早期の再就職を重視して就活に取り組むほうが良いでしょう。
自己都合よりも長い会社都合の失業保険の受給期間
会社の倒産や解雇といった理由で退職した場合は、特定受給資格者となり、失業保険の加入年数と年齢によって受給期間が決まります。
| 加入年数 | 1年~5年未満 | 5年~10年未満 | 10年~20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
| 30歳以上 35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上 45歳未満 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数 1. 特定受給資格者及び一部の特定理由離職者」
また、病気やケガ、家族の看護など正当な理由がある自己都合退職の場合も、特定受給資格者として失業保険が受給できます。詳しくはハローワークインターネットサービスの「特定受給資格者の範囲」で確認してみてください。
参照元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
参照元:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
総支給額にも差が生じる
失業保険の一日当たりの支給額は、退職理由にかかわらず一律です。しかし、給付日数の違いから失業保険の総支給額に差が生じるため、自己都合退職は会社都合退職と比べて受け取れる金額が少なくなる点を考慮しておきましょう。
失業保険の総支給額は、「1日当たりの失業保険の金額×給付日数」で計算できます。
7日間の待機期間と給付制限が発生する
自己都合で退職した場合、失業手当の受給手続き日から7日間の待機期間が設けられます。この待機期間が終了した翌日から、原則として1ヶ月間は基本手当が受給できません。これが受給制限期間です。
給付制限が1ヶ月の場合
2025年4月より、自己都合で退職した場合の失業手当の給付制限期間は1ヶ月になりました。2025年3月までは2ヶ月だったため、退職時期によって給付制限期間が異なります。
| 離職日 | 給付制限期間 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降 | 1ヶ月 |
| 2025年3月31日以前 | 2ヶ月 |
参照:厚生労働省「離職されたみなさまへ(p.4)」
これから退職する方で、正当な理由のない自己都合退職の場合は、給付制限期間は1ヶ月です。
給付制限が3ヶ月の場合
「自身の責任による重大な理由で退職した場合」「直近5年間で2回以上自己都合で退職している場合」は、受給制限期間が3ヶ月に延長され、合計で約3ヶ月と7日間は失業手当を受け取れません。
2025年4月以降も、5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合離職があった場合は、これまでと同様に給付制限期間は3ヶ月となるため、注意が必要です。
参照元:厚生労働省「雇用保険制度」
給付制限なしで自己都合退職の失業保険をもらえる状況
自己都合退職であっても、給付制限なしで失業保険を受け取れる場合があります。どのような状況が当てはまるのか、以下をチェックしてみましょう。
正当な理由で自己都合退職する場合
正当な理由での自己都合退職者(特定理由離職者)や会社都合退職者(特定受給資格者)などは、給付制限期間が設けられていません。特定理由は、以下の理由で退職した人が当てはまります。
・妊娠や出産、育児など(雇用保険法第20条第1項の「受給期間延長措置」を受けている必要あり)
・親族の看護といった、急な家庭事情の変化が生じた
・結婚に伴う住所の変更といった理由で通勤が困難または不可能になった
参照:ハローワークインターネットサービス「特定理由離職者の範囲」
上記のようなやむを得ない事情や、倒産や解雇といった会社都合で仕事を失った場合、早期に転職活動の準備を行えない可能性もあるため、待期期間を終えるとすぐに失業保険の支給が始まります。
職業訓練を受ける場合
職業訓練を受講すると給付制限期間が免除になるため、自己都合退職であっても待期期間なしで失業保険を受給可能です。
また、職業訓練を受講中は失業保険を受給し続けられるので、人によっては給付日数が伸びる場合もあります。
職業訓練とは、求職者向けに国が行っている支援制度で、就職に必要なスキルや知識を身につけられる制度です。志望職種に関連する講座を受けて、就活のアピールにつなげることもできるでしょう。
参照元:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
e-Gov法令検索
自己都合退職した際の失業保険の計算方法
失業保険は、「給付日数×基本手当日額」で算出されます。基本手当日額とは、1日あたりの失業保険の給付額のこと。これは、原則として「賃金日額(退職前6ヶ月の賃金合計÷180)×給付率」で計算されます。
厚生労働省の発表をもとにした、2025年8月1日から適用される賃金日額と基本手当日額は下記のとおりです。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限額 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|---|
| 29歳以下 | 1万4,510円 | 7,255円 |
| 30~44歳 | 1万6,110円 | 8,055円 |
| 45~59歳以下 | 1万7,740円 | 8,870円 |
| 60~64歳以下 | 1万6,940円 | 7,623円 |
参照:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」
なお、賃金日額の下限額は全年齢共通で3,014円。基本手当日額の下限額は全年齢共通で2,411円です。
賃金日額と基本手当日額には上下限が定められているため、どれだけ前職で高収入を得ていても上限以上を受給することはできません。
自己都合退職した場合の失業保険はいくら?
自己都合退職の場合、失業保険の支給額は退職時の年齢に応じて、賃金日額の約50〜80%の範囲で決定されます。賃金日額は、退職日前の直近6ヶ月間の賃金合計を180で割って算出。この計算では、賞与は除外されますが、残業代は含まれます。
- ・計算式:賃金日額 × 0.5〜0.8
- ・失業保険の総支給額:失業保険の日額 × 給付日数
また、給付率は年齢と賃金日額によって異なります。
以下、詳細を表にまとめました。※離職時の年齢が45~59歳までを抜粋
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,014円以上5,340円未満 | 0.8 | 2,411円~4,271円 |
| 5,340円以上13,140円以下 | 80%~50% | 4,272円~6,570円 |
| 13,140円超14,510 円以下 | 0.5 | 6,570円~7,255円 |
| 14,510円(上限額)超 | ー | 7,255円(上限額) |
離職時の年齢が29歳以下
離職時の年齢が30~44歳
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,014円以上5,340円未満 | 0.8 | 2,411円~4,271円 |
| 5,340 円以上13,140円以下 | 80%~50% | 4,272円~6,570円 |
| 13,140円超16,110円以下 | 0.5 | 6,570円~8,055円 |
| 16,110円(上限額)超 | ー | 8,055円(上限額) |
離職時の年齢が45~59歳
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,014円以上5,340円未満 | 0.8 | 2,411円~4,271円 |
| 5,340 円以上13,140円以下 | 80%~50% | 4,272円~6,570円 |
| 13,140円超17,740円以下 | 0.5 | 6,570円~8,870円 |
| 17,740円(上限額)超 | ー | 8,870 円(上限額) |
参照:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更 基本手当日額の計算方法(p.2)」
たとえば、29歳以下で賃金日額が5,000円であれば、給付率は80%で4,000円です。支給残日数が20日であれば、4,000円×20日で8万円になります。
参照元:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」
失業保険を受け取れる期間
失業保険の受給期間は、原則として「退職した日の翌日から1年間」です。この1年間に、ハローワークに求職の申し込みをすれば、給付日数分の失業保険を受け取れます。ただし、1年を経過するとそのほかの要件を満たしていても失業保険の受給ができないため、注意が必要です。
失業保険の受給期間は延長できる
また、受給期間中に怪我や病気、出産・育児などの理由で30日以上働けない場合は、受給期間を延長してもらえます。ただし、この延長は、受給を先延ばしにすることであり、期間が伸びるわけではない点に注意してください。
受給期間を延長するためには、ハローワークへ申請を行う必要があります。また、延長できるのは最長で3年です。
自己都合で失業保険を受け取るときの手続きの流れ
退職理由にかかわらず、失業保険はハローワークで受給申請を行います。この項では、自己都合退職で失業保険を受給するための大まかな手順をまとめました。
失業保険はすぐに受給できるわけではないことに注意
失業保険は、失業後、自動的に支給されるわけではありません。受給するためには、ハローワークで求職の申込みを行うことが必要です。求職の申込みを行った後は、企業の採用面接を受けるなどの求職活動を行い、失業の認定を受けましょう。失業の認定を受けたら、その期間に失業手当が支給されます。失業認定日は4週間に1回ですが、面接の日時と被るなどハローワークに行けない場合にはすぐに連絡を行い、認定日の変更を申し出ましょう。
また、失業手当には給付制限期間が設けられています。倒産や解雇など会社都合の場合、給付制限期間はなく、すぐに支給が開始されます。しかし、自己都合の場合、給付制限期間は原則として2か月です。
そのため、支給開始までの期間は在職時の貯金などを切り崩して生活することになります。自己都合での退職の場合には注意しましょう。
自己都合で失業保険を受け取るときの手続きの流れ
1.雇用保険被保険者証を受け取る
「雇用保険被保険者証」は、退職後の失業保険の手続きで必要になります。雇用保険被保険者証は、入社時もしくは退職時に会社側から渡されるのが一般的です。
入社時に受け取った場合は、退職するまでしっかりと保管しましょう。雇用保険被保険者証を受け取っていない場合は、会社が保管している可能性もあるため、退職前に確認することが大切です。
2.離職票を受け取る
退職が決定し、かつ離職票が必要となる場合は、事前に会社に離職票の発行を依頼しておきましょう。
離職票は退職後に郵送され、2〜3週間程度で届くことが一般的。あまりに遅くなるようでしたら会社に問い合わせるのがおすすめです。
3.ハローワークで申し込みをする
退職時に会社から渡される書類を受け取ったら、居住地最寄りのハローワークで失業保険の受給手続きをしましょう。失業保険を受給するために必要な書類は下記のとおりです。
個人番号確認書類は、マイナンバーカードや通知カード、個人番号が記載されている住民票のいずれかで問題ありません。本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなどが該当します。
離職理由に納得いかないときは?
前の職場が発行した離職票に記載されている離職理由に納得がいかないという場合には、失業保険を申請する際にハローワークに見直しの相談をしてください。ハローワークが事実関係を調査したうえで、最終的な離職区分が決まります。
4.7日間の待機期間を過ごす
ハローワークへ離職票を提出したあと、7日間は待機期間となり、この間は失業保険の給付が受けられません。待機期間中にアルバイトなどの収入を得ると、その期間だけ待機期間が延長されるので、注意が必要です。
5.雇用保険受給者向けの説明会に参加する
失業保険の受給資格者として認定されたら、雇用保険受給説明会について案内されます。一緒に渡される雇用保険受給資格者のしおりも確認のうえ、「雇用保険受給者初回説明会」に参加しましょう。
説明会に参加すると、「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が渡されるとともに、1回目の「失業認定日」を教えてもらえます。
6.失業認定を受ける
ハローワークインターネットサービスの「失業の認定」によると、原則として4週間に1回、失業認定が行われます。失業保険を受給するには、認定期間中に原則2回以上の求職活動が必要です。
求職活動として認められる活動については、ハローワークインターネットサービスの「雇用保険の具体的な手続き」で確認しましょう。
参照元:ハローワークインターネットサービス「[雇用保険の具体的な手続き」
失業認定を行った日から、5営業日で失業手当が支給されるのが一般的です。失業手当を受け取るためには、必ず失業認定を受ける必要があるため、指定された日にハローワークに出向いて手続きを行いましょう。
なお、求職活動のために失業認定日にハローワークへ行けない場合は、必ず連絡をしてください。面接や採用試験といった理由であれば、認定日の変更が可能です。
前後のアルバイトは可能?失業保険をもらう際の注意点
ハローワークでの手続きを完了すると、失業保険の受給が可能になります。ただし失業保険の受給期間の前後にアルバイトを行う場合は、注意が必要です。
以下では、待期期間中・給付制限期間中・失業保険の受給中に分けて、アルバイトの可否を紹介します。
「待機期間中」のアルバイトはできない
ハローワークに離職票を提出してから7日間は待期期間とされ、この間は通常アルバイトや仕事を行えません。もし、アルバイトを行うと、そのぶんの待期期間が延長され、失業保険の受給開始が遅れます。待機期間中は、「失業状態」を維持するように心掛けてください。
「給付制限期間中」のアルバイトはできる
自己都合退職の場合、待期期間を経過したあとに1ヶ月(2025年3月31日以前に退職した方は2ヶ月)の給付制限期間が設けられます。この期間中はアルバイトできますが、条件があります。
- ・・週の所定労働時間が20時間未満であること
- ・・雇用期間が31日未満であること
給付制限期間中のアルバイトは、上記の条件を満たさなければなりません。これらの条件を満たさない場合、雇用保険の加入が必要と見なされる可能性があります。実際に勤務する場合も、週の労働時間が20時間を超えないように気をつけましょう。
「失業保険受給中」のアルバイトには制限がある
失業保険を受給している間も、アルバイトが可能です。ただし、給付制限期間中のアルバイトと同様に、労働時間や雇用期間が制限されています。週20時間以上勤務する場合は、失業給付の受給ができないので注意が必要です。
また、失業保険の受給中にアルバイトをしたら、失業認定申告書への記載が求められます。失業認定日にアルバイトをしていた事実を伝えないと、不正受給として扱われる可能性があるので注意しましょう。
失業保険受給中に制限時間を超えて働いてしまうと、失業保険を受給できなくなります
失業保険受給中にも、アルバイトをすることがあるでしょう。その際には、勤務する時間に注意が必要です。
アルバイトで働く場合、会社と雇用契約を結びます。雇用保険に加入できる「週の所定労働時間20時間以上」「31日以上の雇用が見込まれる」という働き方の場合は「就職」と判断され、失業保険は給付されません。
雇用保険に加入していない場合も、「1日の労働時間が4時間以上」であれば「就労」と見なされます。ただし、「就労」とみなされた日の失業手当については、失業保険の受給期間が延長される形で後に給付されます。
また、アルバイトでの日給と失業保険の日額の合計額が「離職前の賃金日額の80%」を超えてしまうと失業手当が減額されます。1日の労働時間を4時間未満におさえても、賃金によっては失業保険が減額されるケースもあるので注意してください。
自己都合退職の場合は再就職手当を受け取れる
自己都合退職してから早めに再就職すれば、再就職手当をもらえる可能性があります。再就職手当は、失業保険の支給日数の3分の1以上を残しているときに申請が可能で、再就職先で働きながら受給できます。
そのため、給料とあわせれば、失業保険をすべて受給する場合よりも収入が多くなることもあるでしょう。退職後の収入に不安がある方は、早めに再就職のために行動をするのも手です。
再就職手当を受け取るための条件
再就職手当は、失業手当を受給しながら安定した職に再就職した場合に支給されます。再就職手当を受け取る条件は以下のとおりです。
これらの条件を満たすことで、再就職手当の受給が可能となります。
再就職手当の支給額
再就職手当の支給額は以下の計算で算出可能です。
| 基本手当の支給残日数 | 再就職手当の支給額の計算式 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 基本手当日額×所定給付日数の残日数×70% |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 基本手当日額×所定給付日数の残日数×60% |
基本手当の支給日数が多く残っているほど、再就職手当が多く受け取れます。したがって、「失業保険を満額受け取ってから就職しよう」と引き延ばすのはおすすめしません。
早めに就職を叶えたほうが再就職手当の受給額が多くなるほか、キャリア形成の観点からも望ましいといえます。
再就職手当の支給日数
再就職手当の支給額は、支給残日数と給付率に応じて異なります。再就職前に失業手当の支給期間の3分の2以上が残っている場合は、基本手当の支給残日数の70%。3分の1以上が残っている場合は、基本手当の支給残り日数の60%が支給されます。
支給残日数については、下記のとおりです。※所定給付日数240日まで抜粋
| 所定給付日数 | 支給残日数 | |
|---|---|---|
| 支給率60% | 支給率70% | |
| 90日 | 30日以上 | 60日以上 |
| 120日 | 40日以上 | 80日以上 |
| 150日 | 50日以上 | 100日以上 |
| 180日 | 60日以上 | 120日以上 |
| 210日 | 70日以上 | 140日以上 |
| 240日 | 80日以上 | 160日以上 |
参照:ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内/再就職手当の額(p.3)」
早く再就職するほど、より高い給付率で再就職手当を受け取ることが可能です。
なお、再就職手当の振り込みは早ければ2週間程度、遅い場合は2ヶ月ほどかかるようなので、すぐにもらえるわけではないことを念頭に置きましょう。
参照元:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
再就職手当を受け取るために大切なポイントは、雇用保険に加入する働き方をすることです。正社員は当然加入できますが、アルバイトやパートの場合は働き方により加入できないケースもあります。「週の所定労働時間が20時間以上で31日以上」雇用される見込みであれば、雇用保険に加入可能です。仕事を探す際の指針にしましょう。
また、「1年を超えて働く見込みがある」ことも再就職手当の給付を判断する材料となります。雇用契約が有期の場合、半年契約だと雇用保険に加入していたりその後の更新可能性があったりしても認定されない場合もあります。受給要件に該当するか迷った際には、事前にハローワークへ相談してください。
自己都合で退職する前に失業保険や再就職について考えよう
「どうせもらえるなら」と長期間にわたって失業保険を受給すると、経歴に空白期間ができるため再就職が不利になる可能性もあります。仕事を辞めて失業保険の受給を検討している方は、退職前に失業保険や再就職についてよく考えておきましょう。
失業保険の受給期間が長いと再就職に不利になる?
失業保険を全額受給しようとすると、失業期間は短くても3ヶ月以上になるでしょう。空白期間(失業期間)が長くなるほど再就職は難しくなる可能性があります。
企業側は、空白期間のある応募者に対して、「何をしていたのか」「働く意欲はあるか」と
懸念を抱く場合も。その際、説得力のある説明ができれば問題ありませんが、失業保険をもらうために目的なく空白期間を過ごしてしまうとマイナス評価になりかねません。
自己都合退職後は早い段階で再就職先を決め、再就職手当を受給することも検討しましょう。
退職前に準備を始めて計画的な転職活動を進めよう
在職中から転職を考えているなら、会社を自己都合退職する前に転職活動を行うのがおすすめです。在職中は時間を作るのが難しく、なかなか転職活動が進まないこともあるでしょう。
しかし、前述したように、長い空白期間ができてしまうと再就職は難しくなりがちです。在職中に転職先を決めれば、就活への不安を抱える必要がなく、健康保険などの切り替えもスムーズに対応できます。
【まとめ】転職エージェントに相談して早めの内定獲得を目指そう
「在職中に転職活動できなかった」「転職活動が上手くいかなかった」とやむを得ない理由で自己都合退職をした方もいるでしょう。失業保険は受給期間が決まっているため、早めに転職先を決めたいものです。
一方、退職を繰り返さないためにも、自分に合った転職先を丁寧に探したいという希望もあるでしょう。そのような悩みを抱えている方は、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
「退職前に内定獲得を目指したい」「失業保険が終わるまでに転職が決まるか不安」という方は、転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。
ハタラクティブでは、専任のキャリアアドバイザーが、あなたに合いそうな求人を探すため、現職と同時並行で活動を進めることができます。また、書類の書き方や面接の受け方なども応募先企業に合わせてアドバイスを行うので、内定獲得の確率を高めやすいでしょう。
そのほか、円満退職についてのご相談や、面接での転職理由の答え方なども丁寧に対策します。サービスはすべて無料で受けられるので、お気軽にご活用ください。
自己都合退職で失業保険を受け取る際のQ&A
ここでは、自己都合退職や失業保険に関してよくある質問に回答いたします。
失業保険を一度もらうとどうなる?
次にもらえるのは1年後(会社都合の場合は半年後)になります。失業保険を受給する条件として、雇用保険の加入期間が1年以上必要です。失業保険を一度もらうと、加入期間がリセットされるため、就職して雇用保険に加入し、1年が経過しないと2度目の受給ができません。
自己都合退職では失業保険を何ヶ月もらえますか?
雇用保険の加入年数によって異なります。雇用保険の加入年数が1〜10年未満の場合は約3ヶ月、10〜20年未満の場合は約4ヶ月、20年以上の場合は4ヶ月と20日ほどです。
失業保険をもらいながらアルバイトはできますか?
失業保険の手当を受けていても、基本的にアルバイトは可能です。ただし、7日間の待期期間中にアルバイトをするのは避けましょう。少しでも収入があると、そのぶん待期期間が伸びて、失業保険の基本手当を受け取れるのが遅くなります。
退職理由を自己都合から会社都合に変えられますか?
ハローワークが退職区分の最終決定を行うため、その判定次第といえます。離職票に記載されている離職理由と、自分が考えている離職理由に乖離があれば、ハローワークに異議申し立てを行って調査してもらいましょう。
失業保険を全額もらってから再就職できますか?
可能ですが、そのあとの転職活動が難航する可能性があるでしょう。失業保険の受給期間はいわゆる「空白期間」。空白期間が長くなれば、「仕事に意欲はあるのか」「採用してもすぐ辞めるのでは」と思われる可能性があり、選考で不利になるリスクもあります。失業保険を受給していても、できるだけ早く再就職を目指すのがおすすめです。再就職について不安があれば、転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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