転職回数の平均を年齢別に紹介!面接を通過するコツや注意点も解説

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この記事のまとめ

  • 転職回数の平均は、20~34歳までの年齢で1回の割合が最も多い
  • 転職回数が平均より多いと不利といわれるのは早期離職のリスクがあると思われるため
  • 転職回数が平均より多くなる原因は「企業研究」「自己分析」ができていないため
  • 転職回数が平均より多くても面接を通過するコツは転職理由をポジティブに変換すること
  • エージェントを利用することで、転職回数が平均より多い場合の面接対策をしやすくなる

「転職回数の平均はどれくらい?」「多いと転職に不利になる?」と、不安に思っている方もいるでしょう。転職回数が多いことで生じるデメリットもありますが、必ずしも転職が不利になるわけではありません。アピール方法を工夫すれば、良い印象を与えることも可能です。
このコラムでは、転職回数の平均を年齢別にご紹介。また、転職回数が平均より多い場合に面接を通過するコツや転職活動の注意点についても解説しています。

年齢別に見る転職回数の平均

ここでは、e-Statの「雇用の構造に関する実態調査」をもとに、転職回数の平均をご紹介します。年齢別に、20代から50代にかけての転職回数を紹介するので、「同年代の人はどれくらい転職しているんだろう?」と疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

20代の場合

20代の平均的な転職回数は、1〜2回ほどといわれています。なかでも、20代で転職した回数は1回という人が一番多いようです。

年齢/回数1回2回3回4回5回6回以上
20~24歳69.7%16.9%9.9%1.2%-1.2%
25~29歳49.3%23.9%17.8%5.9%2%1%

参照:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査令和2年報告書統計表個人調査 第6表性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合

25歳以降になると、2〜3回転職している人の割合も増えていることが分かるでしょう。4回以上転職している人の割合は、20〜24歳、25〜29歳ともに10%以下となっています。

30代の場合

30代の平均的な転職回数は、2〜3回ほどといわれています。20代では1〜2回に偏っていた転職回数も、30代になると1〜3回でばらつきが見られました。

年齢/回数1回2回3回4回5回6回以上
30~34歳27.1%24.9%23.6%14.8%3.5%5.7%
35~39歳14.6%22.2%25%17.5%8.3%12.2%

参照:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査令和2年報告書統計表個人調査 第6表性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合

30〜34歳では転職回数が1回の割合が多く、35〜39歳になると3回の割合が多くなっています。30代になると、20代よりもスキルや経験が求められやすくなるでしょう。

40代の場合

40代の平均的な転職回数は、3〜4回ほどです。40代は20代や30代と比べ、転職回数が増える傾向にあります。

年齢/回数1回2回3回4回5回6回以上
40~44歳14.9%12.9%20%15.4%11.5%25.1%
45~49歳13.9%14.1%22.6%17.1%11.7%20.6%

参照:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査令和2年報告書統計表個人調査 第6表性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合

40代になると、転職回数全体の割合にばらつきが見られるようになります。40代の応募者に対しては、転職回数よりこれまでの実績や身についているスキルを重要視して採用する企業が多いようです。

50代の場合

50代では、6回以上転職をしている割合が最も多いようです

年齢/回数1回2回3回4回5回6回以上
50~54歳14.1%18.3%17.5%14.1%11.4%24.6%
55~59歳17.9%14.6%17.6%14.9%11.6%22.9%

参照:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査令和2年報告書統計表個人調査 第6表性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合

50代では、キャリア形成のために転職を選択する傾向にあります。転職回数の平均はいずれの回数にも大きな差はなく、選考において「50代までに何回転職したか」はあまり重要視されないといえるでしょう。

参照元
e-Stat
雇用の構造に関する実態調査

企業が「転職回数が多い」と感じる目安

一般的に、転職回数が4〜5回以上になると、多くの企業は「転職が多い」と感じる傾向があります。この感覚は企業の文化によって異なるため一概にはいえませんが、特に若い年代で転職回数が増えるほど、企業は「自社に入社してもまた転職をするのでは」と不安を抱く可能性があるでしょう。

ただし、転職の理由やキャリアの成長が明確であれば、回数が多くてもポジティブな評価を得ることが可能です。たとえば、キャリアアップや新しいスキルの習得を目指した転職がある場合、企業はその人の前向きな姿勢を評価するでしょう。重要なのは、転職の背景や目的をしっかりと説明できることです。

転職回数が平均より多いと不利といわれる理由

転職回数が平均より多いと不利といわれる理由は、「早期離職のリスクがあると思われる場合があるため」「会社や業務に不満を抱えやすい印象を与える可能性があるため」が挙げられます。転職理由や状況によって必ずしも不利になるとは限りませんが、主な理由を以下で解説するので、参考にしてみてください。

早期離職のリスクを懸念されるため

主に20代の若年層の場合に該当しますが、転職回数が多いと在籍期間が短くなりがちです。たとえば、4回の転職経験がある20代の人と、4回の転職経験がある40代の人とでは、同じ転職回数であっても印象が異なるでしょう。企業によっては、若くして転職を繰り返している人に、「すぐに辞めるのでは」と懸念を抱くことがあります。一般的に、在籍期間が3年未満の離職は短期離職と見なされるため、結果として、早期離職のリスクが高いと判断される可能性があるでしょう。

会社や業務に不満を抱えやすい印象を与える可能性があるため

転職回数が多く在籍期間が短い場合、企業は応募者に対し「会社や業務に不満を抱えているのでは」という印象を受ける可能性があります。転職の理由はさまざまで、介護やキャリアチェンジなども考えられますが、頻繁な転職は不満から来ていると捉えられるリスクもあるでしょう企業は安定して長く働いてくれる人材を求めるため、短期間での離職が多い応募者は、採用をためらうことがあるのです

ネガティブな転職理由は企業に良い印象を与えない

転職理由がネガティブな場合、企業に良い印象を与えることは難しい可能性があります。ハタラクティブの若者しごと白書「1-3. 正社員の仕事を辞めた理由」では、正社員経験がある方が仕事を退職した理由をまとめており、「労働環境・時間」や「人間関係」「健康上の理由」といった回答が多く見られました。

これらのネガティブな退職理由をポジティブに言い換えることが、面接においては重要です。過去の経験でどのようなことを学んだか、学んだことをどう活かすかを伝えると、転職経験を前向きにとらえてもらいやすく、採用に効果的に働くでしょう。

転職理由のポジティブな言い換えについて知りたい方は、「転職理由を言い換える方法とは?ポジティブな伝え方を例文とあわせてご紹介」を参考にしてみてください。

参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書

仕事のスキルがないと思われることがあるため

転職回数が平均より多いと不利といわれる理由の一つに、仕事のスキルが身についていないと思われることが挙げられます。入社して間もない従業員は簡単な業務から始めることが多く、経験を積み徐々に重要な作業を任されるようになるのが一般的です。したがって、転職回数が多いと十分なスキルが身についていないとみなされる場合があるでしょう

転職回数が平均より多くなる原因

転職回数が多くなる原因として、企業研究が十分でいなかったり、自己分析ができていなかったりする場合が考えられます。また、キャリアプランを立てられていない可能性もあるでしょう。それぞれの原因について、以下で詳しく解説していきます。

企業研究が十分ではない

転職回数が多くなる理由として、企業研究が十分にできていないことが考えられます。企業について深く理解しないまま転職したために、自分のやりたいことや適性にミスマッチが起こっている可能性があるでしょう。企業のWebサイトや転職サイトなどを利用し、企業や業界についてリサーチすることで、自分が働く姿をイメージしやすくなり、早期離職を防げる可能性があります。

企業研究のやり方が分からない方は、「企業研究のやり方とは?情報収集の方法や得られるメリットなどを解説!」のコラムを参考にしてみてください。

自己分析ができていない

自己分析ができていないと自分の適性が分からず、得意分野ではない仕事を選んでしまう場合があります。早期離職を防ぐためには、自分のこともよく理解しておく必要があるのです。自己理解を深めることで、自分に合う仕事を見つけられる可能性が高まるでしょう。

自己分析の効果的な方法については、「『自己分析のやり方が分からない』方へ、有効な方法や就活への活用を紹介」のコラムでまとめています。ぜひご一読ください。

キャリアプランを立てられていない

転職回数が多い原因の一つに、「キャリアプランを立てられていない」ことがあります。明確なキャリアプランがないと、目標ややりたいことが定まらず一貫性を欠くため、早期離職を繰り返してしまう場合があるでしょう。キャリアプランを設計することで、自分の進むべき道が明確になり、本当にやりたい仕事ができる企業を見つけやすくなります。

キャリアプラン例や具体的な立て方を解説!面接で効果的な答え方もご紹介」では、キャリアプランの立て方をまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

転職回数が平均より多くても面接を通過する5つのコツ

転職回数が平均より多い方が面接を通過するコツは、「転職理由をポジティブに変換する」「一貫性をもって転職していることを伝える」などです。ここでは「転職回数が多いからか内定がもらえない…」とお悩みの方に向け、面接を通過するための5つのコツを詳しく解説していきます。

転職理由はポジティブに変換する

転職理由をポジティブに変換することが、面接を通過するためには重要です。転職回数が多い場合、ネガティブな退職理由をそのまま伝えると、企業は「またすぐに辞めるのでは」と不安を抱くことがあります。

企業の懸念を払拭するために、たとえば「新しい挑戦を求めた」といった表現を使うことで、自己成長やキャリアアップを目指している印象を与えられるでしょう。ポジティブな言い回しをすることで、責任感や意欲をアピールでき、面接通過の可能性が高まります

一貫性をもって転職していることを伝える

転職回数が平均より多くても、一貫性を持って転職していることを伝えることが重要でしょう。異なる職種であっても、共通するスキルや経験を強調することがポイントです。たとえば、飲食業とアパレルは異なりますが、接客業という側面で一貫性があり、顧客対応や販売スキルをアピールできる可能性があります。このように、職務経験を通じて得たスキルの関連性を示すことで、転職回数のネガティブな印象を払拭することが可能になるでしょう

魅力的な職務経歴書の書き方を意識する

転職回数が多い場合はもちろんそうでない場合も、魅力的な職務経歴書を作成することは、選考において非常に重要です。自身のアピールポイントを明確にし、転職先で活かせるスキルや経験をしっかり伝えることで、企業に「採用したい」と思わせることができるでしょう。経歴は業務内容別に整理し、得意分野や業務に対する姿勢を具体的に示すことがポイントです。職種別にまとめることでアピールしたい内容が際立ち、転職回数が多いことのマイナス面を軽減できる可能性があります。

転職の目的やキャリアビジョンを明確に伝える

転職回数が多くても面接を通過するコツとして、転職の目的やキャリアビジョンを明確に伝えることが重要です。「その企業に入社したら何をしたいか?」という具体的なビジョンを示すことで、採用担当者に対して前向きな印象を与えられるでしょう。漠然とした理由ではなく、「なぜその企業を選んだのか」を具体的に説明することで、企業のニーズに合った人材であることをアピールできる可能性があります

転職の軸をもつ

早期離職を防ぐためには、「転職の軸」を持つことが重要です。これまでの転職理由や転職先を見つけるための基準を、転職の軸といいます。転職することで「何を実現させたいのか」「何を求めているのか」を明確にして、自分で把握しておくことが、早期の離職を繰り返さないポイントといえるでしょう。
転職の軸についてさらに詳しく知りたい方は、「転職軸の作り方を解説!面接時の答え方や例文も紹介」を参考にしてみてください。

身につけたスキルや経験をアピールする

転職回数が平均より多い場合であっても、身につけたスキルや経験をアピールすることで、面接を通過できる可能性があります。たとえば、「現職で発見した問題点に対し具体的な解決策を提示し、2年目に売上を△△%向上させた」といった実績を説明することで、ポジティブな印象を与えることができるでしょう。具体的な数字や事例を盛り込むことで説得力が増すだけでなく、転職回数が多いことのネガティブな印象も軽減でき、採用担当者に自分の価値を伝えやすくなります。

長期的に働く意思を伝える

転職回数が多い場合、長期的に働く意思を伝えることで面接を通過できる場合があります。明確な人生設計やビジョンを示すことで、「長く働いてくれる」と安心感を与えることができるでしょう。たとえば、採用担当者に「3年後には●●の資格を取得し、上流工程を担当したいと考えています」といった具体的な目標を伝えると、入社後の活躍イメージがしやすくなります。このように数字を用いてキャリアプランを伝えることで、長期的に働く意欲を伝えられ、転職回数の多さをカバーできるでしょう。

転職回数が平均より多い場合に面接で気をつけること

転職回数が平均より多い場合、面接では「嘘をつかないこと」「言い訳をしないこと」を意識しましょう。それぞれを詳しく解説していきます。

嘘の転職回数をいわない

転職回数が平均より多く、過去の職歴の一部を隠したいと思ったとしても、面接で嘘をつかないようにしましょう。選考の場で自身の学歴や職歴などについて嘘をつくのは、経歴詐称にあたります。転職回数を誤魔化して少なく記載した場合、たとえ書類審査を通過したとしても、面接の段階で矛盾が生じ、嘘がばれるリスクはあるでしょう。万が一嘘がバレずに採用されたとしても、採用後に嘘が発覚した場合、何らかの処分を受ける可能性もあります。

転職回数が多いことに対する言い訳をしない

転職回数が多いことについて、面接では言い訳をしないようにしましょう。面接で「上司と相性が悪かったから」「自分に合わない社風の企業だったから」といったネガティブな発言をすると、「自己中心的な考えをする人」「コミュニケーション能力に問題があるのでは」とマイナスに受け取られることもあります。

大切なのは、転職の理由を明確にし、「自身に何が足りなかったのか」を正直に伝えることです。さらに、新しい職場では過去の経験をどう活かすかをポジティブに語ることで、成長意欲や前向きな姿勢をアピールできるでしょう。

転職回数が平均より多い人が採用されるためのポイント

転職回数が平均より多い場合、「転職回数を気にしない傾向の企業や業界に絞る」「専門性の高いスキルを身につける」ことで、採用に効果的に働く可能性があります。また、転職エージェントを利用するのも一つの手でしょう。

転職回数を気にしない傾向の企業や業界に絞る

転職回数が平均より多い人が採用されるためのポイントとして、「転職回数を気にしない傾向の企業や業界」に候補を絞るのが有効だと考えられます。企業にもよるので一概にはいえませんが、以下で、具体的な業界は以下のとおりです。

・郵送、運送業界
・接客、サービス業界
・清掃業界
・保安業界 など

上記の業界は転職者が多い傾向にあり、転職回数が採用に影響しにくいと考えられます。とはいえ、企業研究や面接対策などが大切なことは変わらないので、選考の際はしっかり対策を行いましょう。

専門性の高いスキルを身につける

転職回数が多い場合、専門性の高いスキルを身につけることで、採用に優位に働く場合があります。専門性を持つことで、自分の市場価値を高められ、ほかの候補者と差別化できるでしょう。具体的には、資格の取得や専門学校での勉強を行って、客観的に証明できるスキルを習得することが効果的です。経験やスキルに対する信頼感が生まれ、採用の可能性が高まるでしょう。

職業訓練を利用するのも一つの手

スキルを身につけるには、職業訓練を利用するのも一つの手です。厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」によると、職業訓練は就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練のこと。コースは電気設備技術から介護サービス、OA事務まで種類豊富で、条件に合えば誰でも無料で受講できます。ただし、応募締め切りがあるほか、受講には面接や筆記試験などもあるので、興味がある方は事前にハローワークで確認しておく必要があるでしょう。
職業訓練に関しては、「職業訓練の種類はどれくらい?おすすめコース一覧と受講するメリットを紹介」で解説しています。ぜひご一読ください。

参照元
厚生労働省
ハロートレーニング

転職エージェントを利用する

転職回数が平均より多い人が採用されるためのポイントとして、転職エージェントを利用することが挙げられます。転職エージェントとは、求職者の転職活動を支援する民間のサービスのこと。求職者と人材を募集する企業との間に立ち、マッチングを行っています。担当のアドバイザーが求人紹介をはじめ、転職に関わるさまざまな相談に乗ってくれるので、転職の回数が多く面接に自信がない方も、安心して転職活動を進められるでしょう。

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