出戻り社員を目指すなら早いほうがいい?後悔しない転職のポイントとは

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この記事のまとめ

  • 出戻りとは、一度会社を退職しほかの会社へ転職した社員が元の会社へ再雇用されること
  • 再雇用制度を導入する企業が増えつつあり、出戻り社員は歓迎される傾向にある
  • 円満退職者や転職先で習得したスキルを活かせる人が採用されやすい
  • 出戻り転職は、以前と同じ条件で採用されるとは限らないのがデメリットの一つ
  • 後悔しない転職をするためには、出戻り以外の選択肢も検討するのがおすすめ

出戻り転職を考えているものの、既存社員の反応やデメリットが気になり迷う方もいるのではないでしょうか。実際のところ、出戻りを「ジョブリターン」「アルムナイ」などと言い換えて歓迎する会社も増えているといわれています。このコラムでは、出戻り転職のメリット・デメリットや、制度の実態などを解説。また、出戻り社員を採用する企業側の懸念点も紹介します。転職成功のポイントもまとめたので、就活の参考にしてください。

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ビジネスにおける出戻りの意味とは?

転職や起業で一度会社を辞めた社員が、前の職場へ再び入社することを「出戻り」や「出戻り転職」といいます。また、育児や介護などやむを得ない事情で退職し、空白期間を経て元の会社に再就職するのも「出戻り」に含まれるようです。これらの社員を「出戻り社員」と呼びます。

出戻りは歓迎される傾向にある

かつては、一度辞めた社員をポジティブに捉える企業は少なく、出戻り転職は稀なケースでした。しかし、労働人口の減少や人材の流動化が進み、定年まで定着する社員が減ってきたことから、人材確保に悩む会社が増えているといわれています。そのような社会的背景から、出戻り社員は歓迎される傾向にあるようです。

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出戻り転職の実態

厚生労働省が2015年に委託調査した「企業アンケート調査結果」によると、再雇用制度(定年後の再雇用制度を除く)を設けている企業は当時16.7%でした。しかし、前述の通り人材確保のため出戻り社員を採用する企業は2015年当時より増えているといわれています。ここでは、2015年の厚生労働省の調査をもとに、出戻り転職の実態について考察しますので、参考にしてみてください。

出戻り社員が退職した理由

同調査によると、再雇用制度は希望者に適用されており、離職理由としては「妊娠・出産・子育て」が1位でした。

出戻り社員が退職した理由の画像

引用:厚生労働省「企業アンケート調査結果 (4)再雇用制度の対象の設定方法(図表53、53p)

上記理由を見ると私生活での変化が退職に影響しており、辞めざるを得なかった背景が見て取れます。また、36.1%を占めている「その他」の内訳は、以下の通りです。

「その他」の理由割合・件数
介護12.0%(13件)
自己都合・理由なし4.8%(5件)
体調不良・病気2.8%(3件)
ボランティア、留学等0.9%(1件)

引用:厚生労働省「企業アンケート調査結果 (4)再雇用制度の対象の設定方法 ②離職理由(53p)

ここでは、介護や病気といった理由が挙げられている一方で、自己都合の人もいるのがポイント。割合としては少ないですが、本人の希望で退職した出戻り社員を受け入れるケースもあることが分かります。

「出戻り」をアルムナイ、ジョブリターンと言い換える会社もある

出戻り社員をアルムナイ(卒業生)と言い換えたり、再雇用制度をジョブリターン制度と名付けて歓迎ムードを表す会社もあります。また、出戻り社員が他社で身につけた知識を共有する勉強会を開催し、社内全体のスキルアップに役立てている職場もあるようです。

企業規模が大きいほど出戻り社員の受け入れが可能

再雇用制度の導入は従業員数が1,001人以上の企業で最も多く、36.4%となっています。全体では16.7%なので、大企業における導入割合が高いことが分かるでしょう。

従業員数(正社員)再雇用制度を
設けている
再雇用制度を設けていないが、今後、設けることを検討再雇用制度を設けておらず、検討の予定もない
100人以下15.2%21.8%61.8%
101~300人12.8%17.9%69.4%
301~1,000人16.1%10.9%71.8%
1,001人以上36.4%9.1%54.5%
全体16.7%16.1% 66.4%

引用:厚生労働省「企業アンケート調査結果 (1)再雇用制度(定年後の再雇用制度を除く)の整備状況(図表49、51p)

また、同調査(50p)によれば、再雇用制度を設けていない企業のうち、「制度を作らなくても、必要に応じて個別に対応している」が 58.4%となっており、実際に出戻り社員を採用している会社は上記の割合よりも高い可能性があります。

参照元
厚生労働省(調査:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)
出産・育児等を機に離職した女性の再就職等に係る調査研究事業 企業アンケート調査結果

出戻り社員になるメリット

出戻り社員になるメリットの画像


 

「出戻り」は新しい会社に転職するのに比べて職場に馴染みやすく、精神的な負担が軽いのがメリットです。業務内容もある程度分かっているため、スムーズに仕事を始められるでしょう。この項では、出戻り社員になる3つのメリットを解説します。

1.転職活動の負担が少ない

出戻り転職の場合、過去の仕事ぶりや人柄を会社側が把握していることから、選考が進みやすい可能性があります。また、一般的な中途採用とは枠が異なる会社も少なくありません。出戻り社員だからといって内定が確約されることはないものの、自社の経験者の採用を前向きに検討したい会社は多いでしょう。一般的な転職期間については、「転職はどれくらいかかる?準備期間の目安や早めに終わらせるコツを解説」のコラムを参考にしてみてください。

2.社風や人間関係を把握している

職場の雰囲気や社風、人間関係などは、実際に働いてみないと分からない点も多いです。出戻り転職の場合は実態を知ったうえで入社するため、ミスマッチが起きにくいのもメリットといえます。入社前の不安も少なく、すぐに適応できるでしょう。

3.実務が分かっている

出戻り社員は実務が分かっているため、すぐに仕事で活躍できるのもメリットの一つ。以前とまったく同じ仕事を任されるとは限りませんが、社内システムや組織体制を分かっているのは大きな利点です。多少ブランクがあったとしても、一から仕事を覚えるのとはわけが違うでしょう。

出戻り社員になるための条件

再雇用されやすい人には、以下のような傾向があります。

・円満退職をしている人
・病気や育児、介護など、退職理由が仕事以外である人
・出戻りして自分が何をやりたいのか明確にできる人
・転職先で得たスキルや経験、失敗から学んだ事柄など、しっかり伝えられる人

一度は会社を退職し、ほかの会社に転職した人です。会社側としては、退職の理由や勤務態度など、再雇用にあたって慎重になることも。くれぐれも「転職先の待遇が悪かった」「転職先の人間関係に恵まれなかった」など、ネガティブな理由はNG。会社側からは、また同じ理由で転職を繰り返すのではないかと歓迎されにくいようです。

出戻り社員になるデメリット

出戻り社員になると、元の職場だからこそのデメリットもあるようです。出戻り転職を目指す場合は、以下の点を考慮したうえで慎重に検討する必要があります。

1.同じ条件で働けるとは限らない

出戻り社員は、以前と同じ雇用条件で働けるとは限りません。会社の体制や評価基準が変わり、給料が下がる場合もあります。かつての経験があるだけに、「給料が下がるなんて…」と不満を感じやすいのがデメリットです。

2.部下や後輩が上司になることもある

退職から出戻りまで時間が経っている場合は、以前の部下や後輩が上司になるケースもあります。自分は気にしなくても、相手に気を使わせてしまうこともあり、やりにくいと感じる人もいるようです。

3.将来の転職がしにくい場合もある

出戻り社員は、二度目の退職がしにくい場合もあるようです。再雇用の選考で「今度は長く働きたい」と意欲を示した手前、また辞めたいとはいいにくい状況もあるでしょう。スキルアップやキャリアチェンジを目指して転職したいと思っても、会社に申し訳ないとの思いからなかなか踏み切れずにタイミングを逃してしまう恐れも。出戻り転職をするなら、将来のキャリアプランをしっかりと考えておくのが重要です。

出戻り社員を採用する会社側のメリットは?

出戻り社員を再雇用するにあたって、会社としては以下のようなメリットがあるようです。

即戦力として業務を任せられる

前述の通り、出戻り社員は実務をある程度把握しているため、即戦力になれる点は会社にとってもメリットです。研修期間を設けずに業務を任せられるうえ、成果も期待できます。新入社員や一般の転職者に比べて、教育コストがかからないのが魅力です。

人柄や仕事の能力が分かっているので安心

出戻り社員は人柄や能力を分かっている人材なので、採用リスクが少ないのもメリットとなります。一般的な採用における書類審査や面接で、自社とのマッチ度を十分に把握するのは難しく、会社側にとってもリスクがあるものです。ミスマッチによる早期離職は避けたいため、リスクの少ない出戻り社員は歓迎されやすいでしょう。

採用コストが抑えられる

出戻り社員は新卒・中途採用よりも選考過程を省略でき、短期間で採用することができます。そのため、求人広告費や人材紹介会社へのコミッションが抑えられ、採用コストを削減できるのがメリットです。

他社で習得したスキルに期待できる

出戻り社員は、他社で習得した新たなスキルを自社に還元してくれると期待できます。新しいアイデアが入ることで社内が活性化され、既存社員のモチベーションが上がる効果も見込まれているようです。

自社の良さを再確認した人材である

出戻り社員は一度会社を離れ、自社を客観的に見て「良い会社」と判断した人材です。そのため、本人だけでなく、社内全体の離職率を下げる効果が期待されています。辞めた社員が戻ってくることで、既存社員が「やっぱりうちの会社はいいんだ」と自社の良さを再確認することも。また、出戻り社員が既存社員の相談相手となり、他社に比べて良いところを伝えてくれるケースもあるようです。

出戻り社員を採用する会社側の懸念点

出戻り社員を採用するのは会社側のメリットが大きい一方で、懸念点もあります。会社側がどのような点を不安視するのかを知り、それでも前の会社に戻りたいのか考えてみましょう。

地位や給与などの待遇に悩む

出戻り社員が以前と同じ、またはそれ以上の待遇を求めた場合、既存社員とのバランスを考えて悩むケースもあるようです。出戻り社員が会社を離れている間、既存社員が頑張って業績を上げているのを会社側は見ています。出戻り社員が高いポジションについたり、給与面で優遇されると、既存社員から不満がでることも。既存社員の反発を招くことなく、出戻り社員も納得のいく雇用条件を模索しなければならない点が懸念されるようです。

出戻り社員を良く思わない人もいる

出戻り社員に対して、ネガティブな印象を持つ社員もいるでしょう。「一度辞めたのだから、戻るべきではない」「また辞めるのではないか?」と考える人もいます。特に、業績が苦しいときに離れた人や、会社への不満を口にしていた人が戻るとトラブルになるのではと懸念する人事担当者もいるようです。

出戻り社員は「嫌われる」って本当?

出戻り社員が歓迎されるためには、既存社員への配慮が重要です。元社員とはいえ、改めて出直す覚悟と謙虚な姿勢を持ちましょう。一度辞めたことを卑下し過ぎる必要はありませんが、「新人のつもりでがんばります」といった気持ちを示すことで既存社員との関係が良くなる可能性もあります。

新しい業務や制度への対応

出戻り社員は「元に戻る」という意識が強い場合があり、新しい業務や制度に馴染みにくい人もいるようです。以前と同じ部署に戻ったとしても、新しい業務を担当したり、社内体制やルールが変わっていたりすることもあります。新しい状況に慣れるまでに時間がかかる恐れもあるのが、出戻り社員を採用する懸念点の一つです。

出戻りだけじゃない!後悔しない転職のポイント

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転職で重要なのは、「今後の仕事で何をやりたいのか」です。最初から「出戻り社員になる」と決めてしまうと、前の会社で実現できる範囲のキャリアプランを考えてしまう恐れがあります。後悔しない転職をするためには、応募先企業を限定せずに考えるのが大切です。

何をやりたいのか明確にする

まずは自己分析を行い、転職の目的を明確にしましょう。自分の経歴を振り返り、大切にしている価値観やモチベーションが上がるポイント、長所・短所などを洗い出します。そのうえで、転職して何を実現したいのかを明らかにしてみてください。目的が達成できそうな就職先が前の会社であれば、出戻り転職が良いでしょう。自己分析のやり方については「自己分析とは?実施のメリットと就活・転職活動での必要性を解説」のコラムで詳しく解説しています。

出戻り転職の志望動機はどうする?

出戻り転職の志望動機では、「他社での経験を経て、なぜ戻りたいと思ったのか」が重要です。「転職活動がうまくいかなくて…」といったネガティブな理由は避けましょう。また、他社経験で身につけたスキルをどう活かせるかも大事なポイント。出戻りだからと気を抜かず、自分を採用するメリットをしっかりとアピールするようにしてください。

【出戻り転職の志望動機の例文】
「貴社では3年間、●●の仕事を担当しておりました。もっと仕事の幅を広げたいと考え、ジョブローテーションのある会社へ転職しました。いくつかのプロジェクトを経験するなかで、やはり●●の仕事を極めたいとの思いが強くなり、再び貴社を志望しております。前職で身につけた△△のスキルや経験を活かし、貴社で腰を据えて働きたいと考えております。」

転職先に求める条件を決める

勤務時間や給料、福利厚生といった転職先に求める条件も決めておきましょう。最初に希望の条件をすべて書き出し、次に優先順位をつけるのがおすすめです。条件が多過ぎると選択肢を狭めてしまうため、「譲れない条件」「妥協しても良い条件」などを整理しておくと良いでしょう。「仕事の探し方がわからない人へ!フリーター・新卒・転職など状況別に解説!」のコラムで、やりたい仕事を探すコツを紹介していますので、こちらもあわせてご覧ください。

キャリアプランが実現できそうな会社を選ぶ

長期的なキャリアプランを立て、それが実現できそうな会社を選ぶと転職成功の確率が高まります。将来の理想像、10年後・5年後・3年後の目標といったように、逆算して道筋を考えておくことで、どのような会社を選ぶべきかが明確になるでしょう。
前の会社でキャリアプランが実現できるのか、ほかの会社に挑戦したほうが目標に近づけるのかを見極めるのが重要です。

出戻り転職に興味があるものの迷っている方は、ハタラクティブに相談してみませんか。ハタラクティブは20代を対象とした就職・転職エージェントです。就活アドバイザーがあなたの悩みやキャリアの希望を聞いたうえで、どのような会社が合いそうかを一緒に考えていきます。1人で考えるより、プロのアドバイスを聞いたうえで判断できるため、自分に合った転職を実現しやすいでしょう。
また、自己分析や書類作成といった就活対策も就活アドバイザーの力を借りられるので、選考通過率を高められるのもメリットです。「今後は長く働ける会社に転職したい」という方は、ぜひご相談ください。

出戻り転職に関するFAQ

ここでは、出戻り転職に関する疑問や悩みをQ&A方式で解消します。

前の会社に出戻るのは「情けない」と思われる?

出戻り社員を歓迎する会社が増えているため、ネガティブなイメージを持つ人も減りつつあるでしょう。転職してスキルが磨かれ、仕事での貢献度が以前より高ければ、既存社員にとってもメリットとなります。ただし、円満退職でなかった場合は注意が必要です。「円満退職するための伝え方は?上司に切り出すときの注意点もご紹介」のコラムで円満退職について詳しく解説していますので、退職時の状況を振り返ってみましょう。

仕事における出戻りのメリットとは?

「業務を分かっている」「職場に馴染みやすい」といったメリットがあります。一般的に出戻り社員は以前と同じ部署に配属されることが多く、即戦力になりやすいといわれています。また、社風や人間関係も分かっており、すぐに馴染めるのも良いところです。このコラムの「出戻り社員になるメリット」で詳しく解説していますので、ご一読ください。

出戻りするなら早いほうが良い?

離れていた期間が短いほうが、仕事の感覚が戻りやすいという見方もあります。また、一緒に働いていた社員も残っている確率が高く、人間関係も築きやすいでしょう。ただし、焦って出戻り転職するよりも、自分に合った会社をじっくりと探したほうが良い場合もあります。「適職の見つけ方を解説!好きなことよりも得意なことを探そう」のコラムを参考にして、自分の適職について考えてみてください。

本当に出戻りで良いのか迷っています

転職して何がしたいのか、将来の目標は何かを考えましょう。また、なぜ迷っているのかを明らかにするのも大切です。転職先に求める条件を決め、迷っている事柄が妥協できる内容なのか、優先順位が高い条件なのかを見極めましょう。「5年後の自分がわからないときは?評価されやすい回答を例文付きで解説!」のコラムで、目標が分からない場合の対処法を紹介していますので、ご覧ください。そのほか、ハタラクティブの就活アドバイザーにプロの意見を聞くのもおすすめです。

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