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就業手当と再就職手当を両方もらうことは可能?受給の条件や仕組みを知ろう
更新日
この記事のまとめ
- 就業手当と再就職手当は支給の目的や受給条件が異なるため、両方もらうことはできない
- 就職先の雇用期間が1年未満なら就業手当、1年以上なら再就職手当が受け取れる
- 就業手当と再就職手当の受給条件は、失業給付の支給残日数が3分の1以上あること
- 所定給付日数が120日以下の場合、就業手当の受給に必要な支給残日数は45日以上
- 再就職手当のほうが就業手当よりも給付率が高い
- 安定した雇用を目指すなら、正社員就職して再就職手当をもらおう
「就業手当と再就職手当は両方受け取れる?」「そもそも何が違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。就業手当と再就職手当は支給の目的や受給条件が異なるため、両方受け取ることはできません。このコラムでは、それぞれの対象者や受給額の計算方法を解説します。そのほか、受給条件や申請方法についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
就業手当と再就職手当は両方もらえる?
就業手当と再就職手当は受給条件や、何のための手当かという趣旨が異なるので、両方もらうことはできません。この項では、就業手当と再就職手当の対象者と目的を解説しますので、それぞれが何のための手当なのかを理解しましょう。
就業手当とは
就業手当とは、失業給付の受給期間中に、雇用期間1年未満のアルバイトやパートに仕事が決まった際に受け取れる手当です。
失業給付は、新しい仕事が決まると受給できなくなります。雇用形態は正社員でもアルバイトでも関係ありません。失業給付の支給期間中に「まずはアルバイトから始めよう」と就業を決めた場合、失業給付がなくなることを不安に思う方は、就業手当で補填することができます。
ただし、厚生労働省の「就職促進給付について」によれば、就業手当は2025年3月31日に廃止されるため、2025年4月1日以降の申請はできません。
再就職手当とは
再就職手当とは、失業給付の受給期間中に雇用期間1年以上の安定した仕事に就職が決定した場合にもらえる手当です。「ハローワーク就職祝い金」とも呼ばれています。雇用形態は正社員だけでなく、契約社員や派遣社員も対象ですが、1年以上雇用され続けることが確実でなければなりません。
再就職手当には、「失業給付を全額受け取ってから就職したい」と就職活動を遅らせることがないように、早めの就職にメリットを持たせる目的もあります。
就業促進定着手当もある
再就職手当の受給者が、再就職先で6ヶ月以上雇用され、その間の賃金が前職より安い場合は、就業促進定着手当が受け取れます。ただし、「基本手当日額×失業給付の支給残日数×40%(再就職手当の給付率が70%の場合は30%)」が上限です。就業促進定着手当の受給条件や計算方法については、「就職祝い金とは?ハローワークで受け取る方法!いつ・いくらもらえる?」のコラムで紹介していますので、ご覧ください。参照元
厚生労働省
就職促進給付について
就業手当と再就職手当の受給条件
就業手当と再就職手当には、共通する受給条件がいくつかあります。一方で、就業手当と再就職手当の違いの1つに「雇用期間が1年未満なら就業手当」「雇用期間が1年以上なら再就職手当」があります。また、そのほかにも異なる条件があるので注意が必要です。以下では、どちらを申請するにしても満たさなければならない条件と再就職手当にのみ適用される条件を、北海道ハローワークの「就業手当の支給は」とハローワークインターネットサービスの「再就職手当のご案内」を参考にまとめました。
失業給付の支給残日数が3分の1以上ある
就職日の前日時点で、失業給付の支給残日数(給付を受け取れる残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あることが共通する条件の1つです。ただし、就業手当を受け取る方は、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり一定の要件に該当する場合に支給されます。
失業給付の支給残日数が3分の1未満または45日未満の場合は、就業手当や再就職手当の受給ができません。また、再就職手当の場合は支給残日数が手当の金額に影響します。手当の受給額を多くしたいなら、早めに就職を目指すのが賢明でしょう。
前の会社への再就職ではない
離職前に働いていた会社に戻る場合は、就業手当も再就職手当も受給できません。また、前の会社の関連会社へ再就職した場合も、受給の対象外です。
待期期間が終了したあとの就業である
失業給付の受給決定後、7日間は待期期間です。待期期間中に就職すると、そもそも失業給付が受給できません。就業手当と再就職手当は「失業給付を受給中」に就業が決まることが条件なので、待期期間中に仕事が決まれば自ずと受給対象外となります。
待期期間については「失業保険の待機期間とは?必要な日数やアルバイトできるかを解説」のコラムで詳しく紹介していますので、ご一読ください。
給付制限がある場合の就職方法
自己都合で退職した場合、失業給付には給付を制限する期間が設けられます。給付制限を受けた場合の待期期間満了後1ヶ月間については、ハローワークまたは職業紹介事業者で紹介された仕事に就いた方が対象となります。
求職申込みをする前に決まっていたわけではない
ハローワークへ求職申込みをする前に就業が決まっていた場合は、そもそも失業状態とはいえません。失業給付が認められなければ、就業手当と再就職手当の両方とも申請不可能です。
再就職手当にのみ適用される条件
再就職手当は就業手当より条件が多く、上記のほかに以下の3つも満たす必要があります。
過去3年以内の就職で再就職手当を受給していないこと
退職する前の3年以内に、再就職手当、常用就職支度手当を受給していると、再び再就職手当を申請することができません。
再就職先で雇用保険に加入すること
再就職手当を受けるには、雇用保険に加入するのが原則です。正社員だけでなく、アルバイトや派遣社員の方も条件を満たすことで雇用保険に加入できます。
雇用保険の加入条件については「雇用保険とはどんな制度?概要や加入条件を紹介!」のコラムで紹介していますので、参考にしてみてください。
再就職手当の受給日前に離職しないこと
再就職手当の受給が決定したにも関わらず、受給開始前に離職した場合は受給資格がなくなります。
参照元
厚生労働省 北海道労働局 北海道ハローワーク
ハローワーク一覧
ハローワークインターネットサービス
就職促進給付
就業手当の申請の流れ
ここでは、就業手当の申請に必要な書類と、手続きの流れを解説します。
必要書類は4点
就業手当の申請には、以下4点の書類が必要です。
- ・就業手当支給申請書
・雇用保険受給資格者証
・就業したことを証明する書類
・雇用契約や雇用期間を証明する書類
就業したことを証明する書類は、給与明細の写しで良いでしょう。雇用を証明する書類には、雇用契約書のほか雇入通知書(労働条件通知書)の写しがあります。
就業手当の申請手続きの3つのステップ
就業手当は失業認定日に手続きを行います。失業認定日は事前に分かるので、その日に合わせて必要書類を用意しておくと良いでしょう。
1.就業手当支給申請書を用意する
就業手当支給申請書はハローワークの窓口で受け取るか、ハローワーク インターネットサービスの「帳票一覧」からダウンロードが可能です。
申請書の以下の欄については事業主の証明が必要となる場合があります。
引用:ハローワーク インターネットサービス「就業手当支給申請書」
就職したあと、失業認定の必要のない方が書類を郵送、または代理人が提出して申請する場合、内容に誤りがないことを確認した証明として、事業主が「事業主指名」の欄に記入するのがルールです。
2.失業認定日に必要書類を提出する
失業給付の受給中は4週に1度、失業認定日にハローワークへ行きます。その際、臨時的な仕事に就いていることを伝えて、上記4つの書類を提出してください。
3.指定口座に振り込まれる
一般的に、書類提出から7日程度で、指定の銀行口座に就業手当が振り込まれます。
就業手当の受給方法については、「就業手当の受給条件は?再就職手当との違いと申請方法」のコラムでも紹介しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。
参照元
ハローワークインターネットサービス
帳票一覧
再就職手当の申請の流れ
雇用期間が1年以上の安定した仕事に再就職が決まったら、まずは、事業主へお願いして採用証明書を記入してもらう必要があります。その後、採用証明書をハローワークへ提出し、再就職手当支給申請書を受け取りましょう。再就職手当の申請の流れについて、以下で詳しく解説します。
必要書類は6点
再就職手当の申請に必要な書類は、以下のとおりです。
- ・採用証明書
・再就職手当支給申請書
・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
・就業したことを証明する書類
・再就職先が前の会社と関連がないことを証明する書類
再就職手当支給申請書には、事業主による記入が必須の欄があります。再就職手当の申請に必要な書類については「再就職手当とは?必要書類はいつ・どこでもらえる?」のコラムで詳しく紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
再就職手当の申請手続きの4つのステップ
再就職手当は、就職した日の翌日から1ヶ月以内が申請期限です。ただし、2年間は時効が認められているため、うっかり1ヶ月を過ぎてしまった場合でも、すぐに申請すれば問題ありません。時効期間を過ぎると申請できなくなってしまうので、早めの申請を心掛けましょう。
1.採用証明書をハローワークへ提出する
再就職が決まったら、採用証明書、雇用保険受給資格者証、失業認定申告書をハローワークへ提出して、再就職手当支給申請書を受け取りましょう。または、ハローワーク インターネットサービスの「再就職手当支給申請書」からダウンロードも可能です。
2.再就職手当支給申請書を事業主に記入してもらう
再就職先に入社後、再就職手当支給申請書の記入を事業主に依頼しましょう。企業によっては、支店から本社へ転送するため、時間がかかる場合があります。入社後すぐに依頼するのがおすすめです。
3.必要書類をハローワークへ提出する
再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証をハローワークへ提出します。また、就業したことを証明する書類と、再就職先が前の会社と関連がないことを証明する書類も併せて提出してください。
4.指定口座に振り込まれる
一般的に、書類提出から1ヶ月半~2ヶ月後に、指定の銀行口座に再就職手当が振り込まれます。
参照元
ハローワークインターネットサービス
帳票一覧
もらうなら就業手当と再就職手当どっちが得?
就業手当と再就職手当を比較して「どっちが得?」と考える人もいるようですが、そもそも手当をもらうことが目的ではなく、再就職に成功するのが重要であることを忘れないようにしましょう。
この項では、就業手当と再就職手当の計算方法を紹介し、実際の金額をシミュレーションで割り出します。
再就職手当のほうが給付率は高い
就業手当と再就職手当は計算式が異なります。どちらも失業給付の日額を基準に算出しますが、再就職手当のほうが給付率が高いです。
就業手当の計算方法
就業手当は以下の計算式で受給額が決まります。失業給付の日額に乗算する給付率は常に30%です。
失業給付の日額×30%×就業日=受給総額
また、2024年11月現在で、就業手当の1日あたりの受給上限額は1,918円(60歳以上65歳未満は1,551円)です。
以下の条件でシミュレーションを行います。
- ・失業給付の1日当たりの受給額:6,000円
・就業した日数:30日
・失業給付の支給残日数:50日
・年齢:25歳
上記の条件で1日あたりの受給額を割り出すと、6,000円×30%=1,800円です。
就業した日数は30日なので、1,800円×30日=5万4,000円が受給総額となります。
再就職手当の計算方法
再就職手当の計算では、失業給付の支給残日数によって給付率が異なります。
- ・失業給付の支給残日数が3分の2以上ある場合
失業給付の支給残日数×失業給付の日額×70%=受給額
・失業給付の支給残日数が3分の1以上ある場合
失業給付の支給残日数×失業給付の日額×60%=受給額
2024年11月現在の失業給付の1日あたりの受給上限額は6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)です。
以下の条件でシミュレーションを行います。
- ・失業給付の1日当たりの受給額:6,000円
・失業給付の所定給付日数:90日
・失業給付の支給残日数:30日
・年齢:25歳
この場合、「失業給付の支給残日数が3分の1以上」に該当するため、給付率は60%で計算します。
30日×6,000円×60%=10万8,000円
失業給付の支給残日数が30日の場合の再就職手当は、10万8,000円と算出されました。同じ日数分働いた場合の就業手当と比較すると、再就職手当のほうが給付率が高いため、受給額が高くなることが分かります。
安定した雇用を望むなら再就職手当の受給を目指そう
就業手当と再就職手当のどちらかの受給を目指す方で安定した雇用を望むなら、再就職手当がおすすめです。再就職手当がもらえるということは、1年以上の雇用が確定している仕事に就職が決まったということです。就業手当の受給対象となる仕事は1年未満の短期雇用であり、一時的な仕事といえます。また、アルバイトやパートは就活の選考では正式な職歴と見なされず、「空白期間が長い」とマイナスイメージに繋がる恐れもあります。安定した雇用を望む方は、再就職手当の受給を目指して就活を行うと良いでしょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。