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離職理由と失業保険の関係とは?給付内容の違いも解説
更新日
この記事のまとめ
- 離職理由は、職場環境や待遇面などに対する不満が上位を占めている
- 離職理由によって失業保険の受給資格が適用され、給付日数などが区別される
- 離職理由が自己都合に見えても、内容次第で適用される受給資格は変わる
- 一般受給資格者には基本手当の給付制限があるが、ほかの受給資格者にはない
- 再就職支援の給付には、「再就職手当」や「就業促進手当」などもある
「離職理由と失業保険って関係あるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。失業保険では、申請者に対して離職理由ごとの受給資格を適用し、給付内容を区別しています。このコラムでは、離職理由ごとに適用される失業保険の受給資格をご紹介。給付日数などの違いについても解説しています。失業保険を受給しながら転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
離職理由
離職理由は人によってさまざまです。満18歳~29歳のフリーター、正社員男女を対象に調査を行ったハタラクティブの「若者しごと白書2024」によると、男女別の離職理由上位5つは以下のとおりです。
順位 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1 | 労働環境・時間が不満 | 結婚・出産などのライフステージの変化 |
2 | 人間関係がうまくいかなかった | 労働環境・時間が不満 |
3 | 健康上の理由 | 人間関係がうまくいかなかった |
4 | 上司や経営層の仕事の仕方が気に入らなかった | 健康上の理由 |
5 | 社風が合わなかった | 社風が合わなかった/給与が低かった |
参照:ハタラクティブ「若者しごと白書2024」
上記の離職理由は、自己都合によるもので失業保険の申請では一般受給資格者の範囲だと考える人も中にはいるでしょう。しかし、場合によっては特定受給資格者もしくは特定理由離職者に当てはまり、基本手当の給付日数や給付制限に違いが出る可能性があります。詳しくは、次の項目で解説します。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
離職理由で変わる?失業保険の受給資格と適用条件
失業保険では、申請者に対して離職理由ごとの受給資格を適用し、基本手当の給付日数や給付制限、受給条件を区別しています。この項目では、「一般受給資格者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」それぞれの適用条件について見ていきましょう。
一般受給資格者
ハローワークインターネットサービスの「よくあるご質問(雇用保険について)」によると、一般受給資格者の適用条件は以下のとおりとなっています。
- ・離職し、働く意思と能力があるにもかかわらず職に就けない状態であること
・積極的に求職活動を行っていること
・離職の日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間(※)が通算して12ヶ月以上あること
(※)雇用保険の被保険者であった期間を離職日から1ヶ月ごとに区切り、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、またはその時間数が80時間以上ある月を1ヶ月として計算する
これらのすべての条件を満たす場合に、一般受給資格者が適用されます。
特定受給資格者
特定受給資格者は、離職理由が倒産や解雇の場合に適用されます。具体的な条件は、ハローワークインターネットサービスの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」によると、以下のとおりです。
倒産により離職した場合
- ・勤め先が倒産した
・1ヶ月に30人以上の離職者が生じて大量雇用変動の届出が出された
・事業主に雇用されている被保険者の3分の1以上が離職した
・事業所が廃止された(事業活動の停止後、再開の見込みのない場合を含む)
・事業所の移転により、通勤が困難となった
解雇により離職した場合
- ・自分に非がない理由で解雇された
・労働契約内容と事実が著しく相違していた
・退職手当を除く賃金の3分の1を超える額が期日までに支払われなかった
・賃金が85%未満に低下した、またはその予定(低下の事実を予見し得なかった場合に限る)
・離職の直前6ヶ月間のうちに、「いずれか連続する3ヶ月で45時間」「いずれか1ヶ月で100時間」「いずれか連続する2ヶ月以上の期間で、1ヶ月で平均80時間」を超える時間外労働をさせられた
・上記を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業主が必要な措置を講じなかった
・事業主が法令に違反し、妊娠、出産、子の養育、家族の介護を抱えている中で就業させられた(もしくは、雇用を継続するための制度利用を不当に制限された※制度利用を理由として、不利益な扱いを受けた場合も含む)
・職種転換などに際して、事業主が必要な配慮を行わなかった
・3年以上の期間に渡る有期労働契約で更新されなかった
・更新が明示されている有期労働契約が更新されなかった
・上司や同僚などからパワハラやセクハラを受けた
・事業主が上記の事実を把握していながら必要な措置を講じなかった(職場での出産、育児、介護などに関する言動で就業環境が害された場合も含む)
・事業主から直接もしくは間接に退職するよう勧奨を受けた(早期退職優遇制度は該当しない)
・会社都合の休業が引き続き3ヶ月以上となった
・事業所が法令に違反した業務をしていた
特定理由離職者
離職理由が契約更新や正当な理由のある自己都合の場合は、特定理由離職者が適用されます。ハローワークインターネットサービスの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」によると、以下いずれかの要因で離職していることが条件です。
- (1)有期の雇用契約が満了し、継続を希望したが、更新されなかった(※)
(2)体力不足や心身障害、疾病などによって業務を続けるのが困難になった
(3)妊娠、出産、育児などで退職し、受給期間延長措置を受けた
(4)父または母の死亡、疾病などによって扶養や介護が必要になるなど、家庭事情が急変した
(5)単身赴任者などで、家族との別居生活を続けることが困難になった
(6)結婚などに伴う居住地の変更や交通機関の廃止などで、会社への通勤が困難になった
(7)会社の人員整理による、希望退職の募集に応じた
(※)契約更新条項で「契約の更新をする場合がある」などと明示はあるが、更新の確認まではない場合がこの基準に該当する。特定受給資格者の条件に該当する場合は除く
自己都合に見える退職理由も、内容によっては特定受給資格者や特定理由離職者の適用条件に該当する場合があります。自分の退職理由はどれに当てはまるのか、上記を参考にチェックして、適切な給付を受けましょう。
特定受給資格者や特定理由離職者の受給資格については、「特定受給資格者とは?特定理由離職者との違いや給付日数を解説」のコラムでも解説しています。こちらも参考にしてみてください。
参照元
ハローワークインターネットサービス
よくあるご質問
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
受給資格ごとの給付日数と給付制限
ここでは、ハローワークインターネットサービスの「基本手当の所定給付日数」をもとに、受給資格ごとに基本手当の給付日数と給付制限にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
一般受給資格者
一般受給資格者の給付日数は、年齢ではなく、被保険者期間によって変動します。具体的な給付日数は以下のとおりです。
被保険者であった期間 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
全年齢 | ‐ | 90日 | 120日 | 150日 |
参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
給付制限については、受給資格決定日から通算して7日間の待機期間が終了した翌日から3ヶ月間です。なお、2020年10月1日以降に離職した場合は、5年間のうち2回までは給付制限期間が2ヶ月間となります。
特定受給資格者と特定理由離職者
特定受給資格者と特定理由離職者の給付日数は、年齢と被保険者期間によって異なります。また、前述した特定理由離職者の適用条件(1)に該当する場合は、受給資格にかかる離職の日が2009年3月31日から2025年3月31日までの間にある方に限り、特定受給資格者と同様の給付日数となります。その場合の給付日数は、以下のとおりです。
被保険者であった期間 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ‐ |
30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
参照:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
適用条件(1)以外の特定理由離職者の給付日数は、一般受給資格者とほぼ同じです。取扱が異なるのは、被保険者であった期間が1年未満の場合。特定理由離職者は、離職日以前の被保険者期間が1年未満であっても、6ヶ月以上であれば基本手当を90日間受給できます。
なお、特定受給資格者と特定理由離職者には給付制限はありません。待機期間はありますが、基本的には一般受給資格者よりも早く支給が開始されます。
参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当の所定給付日数
再就職を支援するための手当
失業保険には、再就職を支援するための給付が基本手当以外にもあります。ここでは、ハローワークインターネットサービスの「就職促進給付」をもとに、3つの手当を紹介します。必要に応じて利用を検討しましょう。
再就職手当
再就職手当は、失業保険の受給資格がある方で、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額の計算式は、以下のとおりです。
支給額
- ・残日数が3分の2以上の場合:所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
・残日数が3分の1以上3分の2未満の場合:所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
基本手当日額には上限があり、2024年8月時点では6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)です。毎年8月1日に変更される可能性があるため、試算するタイミングで上限額を確認し、計算すると良いでしょう。
再就職手当については、「ハローワークで再就職手当をもらう条件は?必要書類や申請方法などを解説」のコラムでも解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
就業促進定着手当
就業促進定着手当は、再就職手当の支給を受けた方で、その勤務先に6ヶ月以上雇用され、6ヶ月間に支払われた賃金の1日分の額が、離職前の日額より低下している場合に支給されます。支給額とその上限額の計算式は以下のとおりです。
支給額
(離職前の賃金日額-6ヶ月間の賃金日額)×再就職の日から6ヶ月間内における賃金の支払いの基礎となった日数(※)
(※)月給制の場合は暦日数、日給月給制の場合はその基礎となる日数、日給制や時給制の場合は労働日数で計算する
上限額
基本手当日額(※1)×基本手当の支給残日数(※2)×40%(※3)
(※1)再就職手当と同様の上限あり
(※2)再就職手当の給付を受ける前の支給残日数で計算する
(※3)再就職手当の給付率が70%の場合は30%で計算。2025年4月1日以降に再就職手当の支給にかかる就職をした場合は、一律20%とする
就業促進定着手当について、さらに詳しく知りたい方は「就業促進定着手当とは?受給条件や申請方法も知っておこう!」のコラムもチェックしてみてください。
就業手当
就業手当は、下記の条件にすべて当てはまる人が支給対象です。
条件
- ・基本手当の受給資格がある
・再就職手当の支給対象とならない常用雇用など以外の形態で就業した
・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あり、一定の要件に該当する
支給額は、「就業日×30%×基本手当日額」で計算します。1日当たりの支給額の上限は、1,918円(60歳以上65歳未満は1,551円)です。なお、就業手当は、2025年3月31日をもって廃止されます。2025年4月1日以降に条件を満たしても支給されないため、注意しましょう。
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参照元
ハローワークインターネットサービス
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。