30代男性は転職できる？スキルなしから目指せる職種は？転職活動のコツも

30代男性のなかには、「転職したいけど成功するのかな」と不安に感じている方もいるでしょう。ある程度のキャリアや経験を積んでいる30代も、転職の対策はしっかりと練ることが大切です。
このコラムでは、転職活動のコツや30代男性の転職事情をまとめています。「スキルがない」「未経験の仕事に挑戦したい」といった方向けに転職を成功させる方法も解説。今後のキャリアについて考える際の参考にしてみてください。

30代男性の転職は難しい？苦戦する理由とは

30代の男性が転職することは十分に可能です。30代は、新卒入社していれば10年ほどの正社員経験をもっています。労働力不足により即戦力を求める企業が増えていることから、すぐの活躍を期待できる30代の転職者を好意的に捉える企業も多いでしょう。

一方で、30代の転職者に対する企業ニーズを把握しないまま、やみくもに転職活動を行うと、転職に苦戦する可能性もあります。

企業が30代転職者に求めるスキルがないと難航しやすい

30代男性の転職活動では、20代よりも社会人としての基礎や経験があると期待されるのが一般的です。そのため、「企業が求める人材に見合わない」「30代として身につけておくべきスキルが足りない」といった状態だと、転職の難易度は上がるでしょう。

30代後半は転職のハードルが上がる傾向にある

同じ30代の男性であっても、30代前半と後半では企業からの評価や求められる内容が異なります。30代前半なら、若手としてのポテンシャルを評価してくれる企業も少なくありません。

一方、30代後半の転職希望者に対しては、企業は経験年数に応じた給与設定や、人材育成コストの削減などを念頭に採用を検討する企業もあります。「給与に見合ったスキルや経験があるか」も採用の判断材料とされるため、30代後半での正社員転職はハードルが上がる傾向にあるようです。

高卒の場合は大卒より転職の選択肢が狭まる場合も

高卒の30代男性は、大卒者よりも転職先の選択肢が狭まる場合もあります。20代と比べ30代はスキルや正社員経験を重視されやすいですが、なかには学歴を採用基準の一つとする企業もあるようです。また、募集要項や歓迎する人材などの項目に「大卒以上」の学歴制限があると、高卒の方は応募できません。

とはいえ、学歴不問の求人も世の中には数多くあります。そのため、高卒の方は業界や職種などを限定し過ぎず、幅広く仕事を探すのが転職成功のカギといえるでしょう。高卒の転職事情が知りたい方は、「高卒の転職は厳しい？おすすめの仕事は？内定のコツや求人の探し方も紹介！」のコラムもあわせてご覧ください。

30代男性の転職は難易度が高いが可能

前項で30代男性の転職は難しくなると解説しましたが、難易度は上がるものの転職ができないわけではありません。以下では、30代男性が企業に歓迎されたり転職で有利になるケースについてご紹介します。

企業にとって即戦力になる30代は歓迎される

冒頭で触れたように、30代の男性転職者がもつ正社員経験に期待を寄せる企業は多い傾向にあります。また、人材不足の業界や企業では、30代を若い働き手として迎え入れるところも少なくありません。一般的には、20代よりも30代のほうが業務経験が豊富であることが想定できるため、即戦力になるスキルをもっている人や、企業の中核となりうる人材は歓迎されるでしょう。

企業が30代男性に何を求めているかは、後述する「企業が30代男性の転職者に期待する4つの要素」で解説します。

転職活動は早めに行動するほど有利になる

30代の転職活動は、早めに行動するほど有利になります。30代は20代よりも経験豊富でスキルも身についている人材として期待される一方、先述したように30代前半と後半で求められる経験やスキルは異なるのが一般的。少しでも転職しやすい時期を逃さないよう、転職後のキャリアも考慮して早めに行動を起こすのがおすすめです。

企業が30代男性の転職者に期待する4つの要素

一般的に企業は、30代の転職者に対し「年齢相応のコミュニケーション力」「即戦力」「マネジメント能力」などを求めています。以下でこれらの要素について解説するので、自身に該当するかどうか確認してみてください。

1.30代相応のコミュニケーション力

30代男性の転職活動では、年齢相応のコミュニケーション力が問われるでしょう。厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、企業が中途採用者を正社員採用するにあたって重要視したことの2位が「コミュニケーション能力」でした。

（単位：％）

参考：厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況（7p）」

基本的な挨拶や立ち居振る舞いをはじめ、社会人としてビジネスシーンを意識した対応ができれば、採用担当者からの評価を高められるでしょう。仕事をするうえでどのようなコミュニケーション力が必要かは、「知っておこう！仕事に必要なコミュニケーション力を解説」のコラムでご紹介しています。

2.ポータブルスキル

ポータブルスキルとは、特定の職種や業種に限らず、どの職場でも活用できるスキルを指します。たとえば、問題解決能力やリーダーシップのほか、先述したコミュニケーション能力もポータブルスキルの一例です。ポータブルスキルはどのような仕事に転職しても活用できるため、各職種や業界の企業が応募者に期待する能力の一つといえます。

3.即戦力（年齢に即した経験やスキル、人脈）

30代男性の転職者が仕事で培ったスキルや経験に対して、「自社で活かしてほしい」と期待する企業は多い傾向にあります。実践で身につけたスキルや経験は、会社が変わっても活用できる30代の強みです。正社員経験が浅い20代のように基礎的な研修も必要としないため、30代には即戦力としての活躍が期待されるでしょう。

前出した厚生労働省の資料（7p）を見ても、新卒者よりも中途採用者のほうが「業務に役立つ職業経験・訓練経験」を求められていることが分かります。

30代の転職では経験やスキルに加え、これまでに仕事で築いた人脈を活かせる可能性も。職種によっては、人とのつながりをもとに業務が発展する場合があるためです。面接の際は前職との共通点を探したうえで、転職先の会社で活かせそうな人脈があればアピールしましょう。

ただし、直接的に「●●会社の△△さんとつながりがあります」と伝えるのは避け、業務でどのような人と関わった経験があるかを示すのがポイントです。その人脈が会社の利益につながると判断されれば、採用へ一歩近づく可能性もあるでしょう。

参照元
厚生労働省
平成30年若年者雇用実態調査の概況

4.マネジメント能力と将来性

30代の人材は中堅といわれるため、チームリーダーやマネジメント能力に期待する企業も多いようです。また、労働年齢が高くなっていることから、30代の男性を「若手で伸びしろがある」と転職活動で評価する企業も。役職者やリーダー候補として、将来性を期待されることもあるでしょう。

30代の男性が転職時に評価されやすいスキル

ここでは、30代の男性が未経験の仕事に挑戦する場合、転職活動でアピールできるスキルについてご紹介します。一般的な企業は30代の求職者に即戦力を求めるため、30代の男性が未経験の仕事に正社員として転職するのは簡単ではないでしょう。未経験の仕事では前職での経験やスキルを発揮しにくく、企業側に教育・研修コストが掛かります。また、20代と比べて就業経験が長いことから「自分の考えが確立されていて柔軟性に欠けるのでは？」と考える企業もあるようです。

30代男性が未経験の仕事に挑戦するなら、転職サイトと転職エージェントを併用したり、自己PRや仕事の探し方を工夫したりすることをおすすめします。そのうえで、選考では転職時に評価されやすいスキルをアピールしていきましょう。

仕事に対する姿勢

30代男性が転職活動で未経験職種にチャレンジする場合、新しい仕事に意欲的に取り組む姿勢や、新しいことを学ぶ積極性などをアピールすると良いでしょう。未経験の仕事に対して意欲的に取り組む姿勢は、年齢を問わず評価される可能性があります。

マネジメントスキル・リーダーシップ

仕事そのものは未経験であっても、これまでの社会人生活で身につけたビジネスの基礎や、マネジメントスキルは十分に活用できるでしょう。また、チームのリーダーとしてプロジェクトを進行した経験がある場合は、複数の人の上に立って意見をまとめ、牽引する力をアピールできます。

30代男性で自身のアピールポイントに悩んでいる方は、「マネジメント経験とは？転職時にアピールするコツや例文を紹介」のコラムもぜひご覧ください。

柔軟性

業務経験がなくても、新しい環境や仕事に柔軟に取り組めるスキルは重要です。30代の男性が未経験の仕事に就くと、上司が年下という場合も。また、前職とは仕事のやり方や考え方が異なる可能性もあるでしょう。

30代男性が転職活動を行う際は相手の年齢や過去のやり方にとらわれず、柔軟な姿勢で業務と向き合い、人間関係を構築できる旨をアピールすることが大切です。

コミュニケーションスキル

30代男性のみに限りませんが、転職においてコミュニケーションスキルは役立ちます。基本的にどのような業界・職種であっても、最初から最後まで誰とも関わらず1人で完結できる仕事はないでしょう。業務を円滑に進めたり、問題を発見・解決したりするためには周囲とのコミュニケーションが不可欠です。

転職の際は「コミュニケーション能力とは？スキルを鍛える具体的な方法をご紹介！」のコラムで、コミュニケーションスキルを鍛えるコツをチェックしてみてください。

成長意欲の高さ

転職を検討する30代男性のなかには、新たな物事に挑戦するよりも「安定」や「現状維持」を望む方もいるでしょう。しかし、「30代相応のコミュニケーション力」の項目でも触れたように、厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況（7p）」では、選考にあたって企業は「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神（新卒77.9％、既卒76％）」を最も重視していることが分かります。

働くうえでは年齢に関わらず新しい知識や技術を学んだり、今あるスキルをさらに高める努力をしたりする意欲を持ち続けることが大切です。30代男性の方が転職活動をする際は、転職先の会社で何を身につけたいか、あるいはスキルを高めるために取り組みたい業務などをアピールすると評価してもらえる可能性があるでしょう。

参照元
厚生労働省
平成30年若年者雇用実態調査の概況

30代男性が転職を目指せる職種と年収

30代の男性が転職を目指す際は特別なスキルや経験、資格なしで就ける職種、あるいは前職での経験を活かしやすい仕事を選択すると良いでしょう。

以下に、30代男性におすすめの職種をご紹介します。あわせて、厚生労働省の職業情報提供サイト（日本版O-NET）jobtagに公表されている各職種の全国平均年収も触れているので、転職の参考にしてみてください。

営業職

営業職は経歴不問の求人が多く、30代男性が未経験・スキルなしから正社員として転職しやすい職種の一つです。お客さまに自社の製品やサービスを紹介し売り込むのが主な仕事のため、コミュニケーション力が求められます。「人と関わるのが好き」「相手のニーズに応えるのが得意」といった方に向いているでしょう。

住宅・不動産営業の全国平均年収は約579万5,000円、保険営業（生命保険、損害保険）が約469万2,000円、営業（IT）は約620万4,000円です。

システムエンジニア

30代男性で未経験の仕事に正社員として転職したい方には、システムエンジニアもおすすめの職種です。システムエンジニアはIT関連職に含まれ、主に情報システムの開発や設計といった上流工程に携わる人を指します。世間でのIT化が急速に進んだ影響からIT系の人材は不足している傾向。そのため、システムエンジニアの求人の中には、未経験歓迎・OKとするものもあります。

未経験者を歓迎する企業の場合、入社後の教育体制が充実していることも。このような職場であれば、働きながらシステムエンジニアとしてのスキルを身につけられるでしょう。より転職の可能性を高めるなら、プログラミング言語を習得しておくのが有効です。

システムエンジニア（業務用システム）の全国平均年収は約557.万6,000円、システムエンジニア（基盤システム）は約684万9,000円となっています。

接客業（飲食・販売など）

30代男性が未経験職種への転職を目指す際は、接客業もおすすめ。接客業の種類は飲食や宿泊、販売など多岐にわたり、経歴不問や無資格で就ける求人が多いのが特徴です。

接客業では、お客さまに心地良いと感じてもらえるような、丁寧な対応が求められます。そのため、転職すれば正社員経験を通じて身につけてきたマナーや立ち居振る舞いを活用できるでしょう。接客業に興味がある方は、「接客業とは？どんな職種がある？必要なスキルや志望動機の書き方も解説」のコラムもご確認ください。

接客担当（ホテル・旅館）の全国平均年収は約329万6,000円、飲食チェーン店店員が約327万9,000円、スーパー店員は約361万円です。

企画職

30代男性の転職先として、企画職も検討してみると良いでしょう。企画職は、企業や組織において、新規プロジェクトや事業の企画立案、戦略策定、市場調査、競合分析、プレゼンテーションなどを担当する職種です。企画職の仕事は、会社のビジョンや目標を考え、具体的な計画や戦略を立てて実行に移すことが求められます。また、市場の動向や顧客ニーズを分析し、競合他社との差別化を図るための施策を考えることも重要な役割です。企画職には、クリエイティブな発想力や分析力、コミュニケーション能力が求められることが多いでしょう。

なお、企画・調査担当の全国平均年収は約645万5,000円です。

マーケティング職

30代男性の転職には、マーケティング職もおすすめです。マーケティングの仕事は、市場調査の実施と分析、さらに営業活動や商品開発など多岐にわたります。実店舗をはじめ、オンラインショップやWebサイト運営に携わるマーケティング職を募集している企業も。マーケティング職には、情報収集力・分析力・提案力が求められます。ロジカルシンキングや数字を扱うのが得意な方に向いているでしょう。

Webマーケティング（ネット広告・販売促進）とマーケティング・リサーチャーの全国平均年収は、どちらも約645万5,000円

です。

マーケティング職に向いている人の特徴や、転職の際に仕事で役立つ資格は「マーケティングに向いている人の特徴とは？仕事内容や目指す方法も解説」のコラムでご紹介しています。あわせてチェックしてみてください。

コンサルタント

コンサルタントの仕事では、依頼された会社や店舗などの課題点を見つけ出し、経営回復および発展のために何をすべきかを計画し提案を行います。財務や人事、マーケティング方法など多様な観点から、最適な解決策を見出すことを求められるでしょう。また、経営全般に関わるコンサルタントのほか、「人事コンサルタント」「ITコンサルタント」「広報コンサルタント」のように、提案を行う分野が細分化されています。

コンサルタントを目指すために必須とされる資格はないものの、応募条件として公認会計士や税理士などの資格、あるいは実務経験を求める企業もあるようです。未経験からコンサルタントへ転職する場合は、経営や情報に関して学んだ経験や身につけた知識をアピールしましょう。

コンサルタントに求められる能力については、「コンサルタントになるにはどんな能力が必要？採用プロセスも解説！」でご紹介しています。

経営コンサルタントとM&Aマネージャー、M&Aコンサルタント／M&Aアドバイザーの全国平均年収は約947万6,000円、ITコンサルタントが約684万9,000円です。

ドライバー

インターネットショッピングの普及により人手不足の傾向にあるドライバーは、経歴不問や未経験歓迎・OKの求人が多く、未経験者も正社員採用されやすい仕事の一つです。具体的にはタクシー運転手や配達ドライバーなどが挙げられます。

ドライバーへ転職するには、普通自動車運転免許が必須。加えて、一定期間以上の運転歴や車の種類ごとに運転免許取得が必要な場合もあります。しかし、なかには免許取得支援制度を設けている会社もあるので、30代男性の方がドライバーへ転職を目指す際は確認してみると良いでしょう。

ルート配送ドライバーの全国平均年収は約393万6,000円、ダンプカー運転手が約485万3,000円、宅配便配達員は約393万6,000円です。

ドライバーへ転職するコツは、「正社員ドライバーになるには？転職成功のポイントや求人の探し方を解説！」で詳しく解説しているのでご確認ください。

製造業

30代での転職には、製造業もおすすめといえます。製造業は、製品や製品に必要な部品などを生産する仕事です。原材料や部品を加工・組み立てて製品を作り出す工程が行われ、生産されるものは自動車や電子機器、食品、衣料品などさまざま。近年では、生産プロセスの効率化や品質管理の向上が進んでおり、未経験やスキルなしの状態から挑戦できる職種も増えています。

建具製造の全国平均年収は約420万5,000円、半導体製造は約414万円、医薬品製造は約508万8,000円です。

介護・福祉業界

日本の少子高齢化の影響に伴い、介護・福祉業界の需要が高まっています。専門的な仕事ではあるものの、未経験・無資格からスタートできるのが特徴です。30代で介護・福祉業界へ転職し、業務を通じて知識と技術を学びながら資格取得を目指すことも可能でしょう。また、事務職の経験がある場合は、医療事務を目指すのも一つの方法です。

訪問介護員／ホームヘルパーの全国平均年収は約390万円、施設介護員が約371万4,000円、医療事務は約478万3,000円となっています。

介護・福祉関連の求人に興味がある30代男性は、「就活アドバイザーが教える！社会福祉士･介護士･ホームヘルパーのお仕事」のコラムを参考にしてみてください。

建設業界

職人の高齢化に伴い、建設業界も人手不足の傾向にあります。ただし、建設業界は若いうちから働き始める方も多いため、30代男性が未経験で挑戦するなら関連資格を取得するといった対策をしておくのがおすすめです。

建築施工管理技術者の全国平均年収は約632万8,000円、建設・土木作業員が約411万1,000円、建設機械オペレーターは約474万7,000円となっています。

「施工管理技士とはどんな資格？級による違いや難易度を詳しく解説」のコラムでは、建設業界の代表的な資格である施工管理技士についてまとめているのでぜひご覧ください。

「30代から未経験分野に転職するのは厳しい？おすすめの業界と成功のコツ」のコラムでは、30代の転職で挑戦しやすい業界や活かしやすい資格などを詳しくご紹介しています。気になる方はチェックしてみてください。

参照元
厚生労働省
職業情報提供サイト（日本版O-NET）jobtag

30代男性によく見られる転職理由

30代男性によく見られる転職理由には、「転職する以外に現職での不満を解消できないから」「働いている業界の将来性が低くなったから」などといったものがあります。それぞれの転職理由について詳しく解説するので、参考にしてみてください。

転職する以外に現職での不満を解消できないから

30代の男性が転職を考えるのには、転職する以外に現職での不満を解消できないからという理由が多いでしょう。たとえば、成果を出しても給与が上がらなかったり、健康に影響が出るレベルで労働環境が悪かったりなどが挙げられます。新しい職場でより良い環境や条件を見つけることで、仕事へのモチベーションや満足度を高められるでしょう。

働いている業界の将来性が低くなったから

働いている業界の将来性が低下していると感じて、30代で転職を検討することもあるでしょう。将来性の低下は、自身のキャリアや今後の安定性に影響を与える恐れがあります。新しい業界や分野でのチャンスが見込める場合、転職することで自己成長やキャリアの発展につながる可能性があるでしょう。

将来に役立つスキルを身につけられないから

将来に役立つスキルを現職で身につけられないことも、30代男性に多い転職理由の一つです。スキルアップや自己成長のためには、新しい知識や技術を習得することが重要。キャリアアップのためにも、スキルを磨ける環境への転職を考えることは珍しくないでしょう。

参照元
厚生労働省
令和4年雇用動向調査結果の概要

30代男性が転職活動の企業選びで重視することは？

30代の転職では、「スキルの活用」「仕事に対するやりがい」「勤務条件や待遇（ワークライフバランス）」などに重点を置いて仕事を選ぶ人が多いようです。厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、男性の転職者（全年齢）が現在の勤務先を選んだ一番の理由（その他を除く）は、以下のとおりでした。

参考：厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況（22p、表21-2）」

上の表から、「自分のスキルを転職先で活かしたい」「自分が満足できる仕事がしたい」と考える男性が多いことが分かります。なお、同資料における女性の1位は「仕事の内容・職種に満足がいくから（20.3％）」でした。次いで、「労働条件（賃金以外）がよいから（16.6％）」「自分の技能・能力が活かせるから（13.7％）」となっています。男性・女性で仕事選びの基準に多少の違いがあるようです。

参照元
厚生労働省
令和2年転職者実態調査の概況

転職で重視すること1：前職で得た経験・スキルの活用

「自分の経験やスキルが活かせる職場に転職したい」と思う30代の男性は多いようです。新卒入社してから30代になるまでに培った経験やスキルは、転職活動での強みになります。スキルアップ目的やチャレンジ精神から、新たなステージで自分の力を発揮したいと考える人もいるでしょう。

転職で重視すること2：仕事のやりがい

30代男性のなかには、仕事に対してやりがいを持てる、熱意をもって取り組めるという点を重視する方もいるでしょう。どれだけ給与が良く、休日が充実していても、仕事にやりがいが持てなければモチベーションを維持しにくくなり、転職を繰り返す可能性も。転職回数が多いと選考で不利になることもあるため、仕事選びでは「自分に合っているか」「長く働けそうか」といった点にも目を向けましょう。

転職で重視すること3：給与や待遇

今よりも良い給与や待遇を求めて転職する方は多いでしょう。30代になると家庭をもつ人も増えるため、この傾向は強まると考えられます。会社に対し家族を養えるだけの収入やボーナス、住宅手当・家族手当・子育て支援手当などを希望する30代男性もいるでしょう。

転職直後は、前職よりも収入が減少する場合があります。30代で転職する際は昇進・昇給のタイミングや条件、各種手当については面接の際に確認しておくのがおすすめです。

求人情報に給与や待遇が明記されていない、あるいは面接で質問しても明確な回答を得られないときは、「ブラック企業の特徴とは？入社前に見極める方法と対処法を解説」のコラムでブラック企業に該当しないかを確認してみましょう。

転職で重視すること4：ワークライフバランス

30代男性のなかには、「今の仕事は残業が多い」「休日も仕事で潰れてしまう」といった理由で転職を決意する方もいます。プライベートの時間が全く取れなければ、職場に対する満足度が下がることもあるでしょう。

ワークライフバランスについては、「ワークライフバランスとは？メリットや言葉の使い方を解説」のコラムもぜひ参考にしてみてください。

30代男性が転職成功のためにやるべき7つのこと

30代の男性が転職を決意したら、希望の会社に入社できるようしっかり準備を行うことが大切です。やみくもな転職活動は失敗につながります。転職活動の計画を立て、必要な対策を万全にしたうえで採用選考に臨みましょう。

1.過去の経験や培ったスキルを洗い出す

転職活動を本格的にスタートするまでに、ご自身のアピール材料を作ることが大切です。転職を意識し始めたら、30代までに正社員として働いた経験や培ったスキルを洗い出しましょう。過去の職歴ごとに携わった業務内容やプロジェクト、身につけたスキルなどを書き出してみるのがおすすめです。

たとえば、大きな組織やチームでなくても、少人数のチームリーダーや後輩の指導係などを担当した経験があれば、転職でのアピール材料になり得ます。

ひととおり洗い出せたら、「志望職種で活かせる経験は？」「応募企業が求めるスキルは？」というように、企業の採用を踏まえながらご自身のアピールポイントを取捨選択すると良いでしょう。

2.転職先に求める条件が多いときは優先順位を決める

転職先に求める条件に優先順位を決めることで、自分の希望に合致する会社を見つけやすくなります。転職先に求める条件が多い場合、優先順位を決めることは非常に重要です。求める条件が多過ぎると、条件を満たす求人を見つけることが難しくなります。自分にとって最も大切にしたい条件を明確にし、優先順位付けしておくことが、転職活動を効果的に進めるためのポイントです。

3.転職活動の計画を立てる

「転職はどれくらいかかる？準備期間の目安や早めに終わらせるコツを解説」のコラムで触れているように、一般的に転職にかかる期間は3ヶ月前後。これを踏まえて「いつまでに転職するか」を定め、逆算して計画を立てると良いでしょう。

なお、多くの企業では1～3ヶ月前に退職希望を伝えるよう就業規則で定められています。その点も考慮し、早めに転職活動を始めるのがおすすめです。

4.自己分析で転職の目的を再確認する

なぜ転職を希望しているのか、なぜ数ある中でその企業への入社を希望しているのかなどを、30代の目線から考えて自己分析しましょう。転職の目的を改めて確認することで、志望動機や自己PRに一貫性が生まれて話の信憑性も高まります。

「前職は仕事が合わなかったから」「人間関係が良くなかったから」などのネガティブな理由は志望動機として避けるべき。これまでの正社員経験を振り返って自己分析を行い、転職活動ではビジネスシーンを意識した受け答えができるようにしておきましょう。

5.長期的なキャリアプランを立てる

30代男性は転職するにあたって、「40歳には○○をしたいので、30代後半までに△△、30代前半では✕✕を行う」のように、具体的なキャリアプランを考えておくのがおすすめです。キャリアプランが曖昧だと、転職活動で採用担当者に「目標に向けた具体的な行動や指針がない」と思われ、内定が遠のく恐れがあります。

転職したい気持ちはあるもののキャリアプランの描き方に悩んでいる方は、転職サイトで情報収集するのも一つの手。また、転職エージェントを利用しキャリアアドバイザーに相談することで、キャリアプランを定めていく方法もあります。

6.業界・企業研究を徹底する

転職活動では、業界や企業研究をしっかりと行い、自分のスキルや経験が志望職種で活用できるのか、企業の求める人材に合致しているのかを確認しましょう。30代の男性は即戦力を期待されて採用されることが多いため、一般的に「教えてもらう姿勢」はあまり歓迎されません。

業界・企業研究を徹底し、業務で必要な知識や応募先企業の事業展開などを事前に把握しておくことが大切です。

7.綿密な志望動機を作る

転職活動では、綿密な志望動機を作ることも重要です。志望動機は、自分がなぜその企業や職種に興味を持ち、なぜその会社で働きたいのかを明確に伝えるための大切な要素。綿密な志望動機を作ることで、企業側に自分の真剣な意思や熱意を伝えることができます。自分のキャリアやスキルと企業の価値観がどのようにマッチしているのかを示すことで、採用担当者に自分の適性をアピールすることも可能です。

30代男性が転職する際の注意点

ここでは、30代男性が転職する際の注意点を解説します。転職活動を始めるときは、以下のような点を念頭に置いて行動を起こしましょう。

条件や転職先によっては年収ダウンになる可能性もある

「転職＝収入アップ」と考える方もいますが、条件によっては年収ダウンになることも想定しておきましょう。未経験の仕事に挑戦したり、インセンティブの割合が大きい会社に転職したりすると、収入が下がる場合もあります。

転職することで年収を上げたいと考えて考えている30代男性の方は、「転職で年収アップはできるの？職種や企業の選び方・ポイントを解説」をチェックしてみてください。

特定の職種や業界にこだわり過ぎない

転職活動を行う際は、特定の職種や業界にこだわり過ぎないようにしましょう。過度なこだわりは、自分の可能性を狭める可能性があります。柔軟に幅広い選択肢を検討することで、自分に最適な転職先を見つけやすくなるでしょう。現職とは異なる職種や業界にもチャンスが潜んでいることを念頭に置きながら、慎重に選択することが大切です。

面接で伝える転職理由はポジティブな内容にする

面接で転職理由を伝える際は、ポジティブな内容にするよう心掛けましょう。ポジティブな転職理由を伝えることで、自分の熱意や成長意欲をアピールできます。たとえば、新しい挑戦を求めている、スキルや経験を活かしたい、成長の機会を求めているなど、前向きな理由を述べることが効果的です。過去の職場での問題や不満を強調するのではなく、将来に向けたポジティブな展望や目標を伝えることで、面接官に良い印象を与えられるでしょう。

未経験職種へ転職を目指す30代男性は早めの行動がカギ

転職活動の選考において30代は、経験やスキルといった即戦力となる活躍を期待されるのが一般的。そのため、年齢を重ねるごとに、未経験職種へのハードルが上がる可能性を念頭に置くことが大切です。30代男性が未経験職種へ転職する場合は、できるだけ早めに行動を起こしましょう。

以下で、転職に役立つ資格やエージェント活用方法をご紹介します。

転職に役立つ資格を取得するのも手

30代男性が転職活動を始めるにあたって、入社後すぐ業務に役立つ資格を取得しておくのも一つの方法です。たとえば、事務職へ転職を目指すのであればMOSやITパスポート、介護職であれば介護職員初任者研修や介護福祉士が挙げられます。資格の取得はスキルの証明になり、転職活動の際に企業へのアピールとして役立つでしょう。

「30歳で転職！年齢に合った能力を証明できる資格とは？」のコラムでは、転職におすすめの資格をご紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

資格取得までに時間をかけ過ぎるのはNG

資格取得を目指す際は、長い時間をかけ過ぎて転職活動を始めるのが遅くならないよう注意が必要です。履歴書や面接では取得済みの資格だけでなく、勉強中の資格をアピールすることも可能。また、働きながら取得を目指せる資格もあるので、自身の年齢と資格取得にどれくらいの期間が掛かるかを照らし合わせて検討しましょう。

転職活動に不安がある人はエージェントを活用しよう

30代の男性は、転職サイトや転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。転職サイトは求人数が多いため、「どのような仕事があるか」を知るためにも役立ちます。

転職エージェントでは、アドバイザーがマンツーマンで転職をサポートしてくれるのが魅力です。「自分に合った仕事が知りたい」「転職活動の進め方に不安がある」「数ある求人から応募先を絞れない」といった人に向いているでしょう。

30代男性で転職を検討している方は、転職エージェントのハタラクティブにお任せください！ハタラクティブでは、専任のキャリアアドバイザーによるカウンセリングを実施しており、一人ひとりのご希望や適性に合った求人をご紹介いたします。また、書類添削や面接対策といったサポートも充実。「初めての転職でどうしたらいいか分からない…」「応募する求人選びに苦戦している」といったお悩みもぜひお聞かせください。

30代男性の転職に関するQ＆A

ここでは、30代の男性が転職活動で抱きがちな疑問やお悩みをQ＆A形式で解決していきます。転職を検討している30代男性の方はぜひ参考にしてみてください。

30代・スキルなしで転職するのは難しいですか？

企業が求めるスキルや経験がないと、30代での転職は苦戦する可能性があるでしょう。30代の転職では、仕事上の実績や即戦力が問われる傾向にあります。そのため、30代男性が未経験・スキルなしからの転職を目指す場合は、自己アピールや仕事探しのやり方を工夫することが大切です。
30代からの転職が可能か知りたい方は、「30歳からの転職事情を解説！メリットデメリットは？未経験の職種は無理？」をご覧ください。

30代で異業種に転職するとき今までのキャリアは活かせる？

30代で異業種に転職する場合も、今までのキャリアや経験は活かせます。職種や業界を問わず活かせるスキルや経験はあるからです。
たとえば、プロジェクト管理やチームリーダーシップなどのスキルは、異業種でも重宝されることがあります。また、異業種からの視点や経験は、新しい職場でのアイデアや判断に新鮮な視点をもたらせる可能性があるでしょう。転職を検討する際には、今までのキャリアを活かしつつ、新しい挑戦に向けて前向きに取り組むことが大切です。

転職活動は在職中と退職後のどちらがいい？

在職中に転職活動を行うのがおすすめです。退職後に転職活動を始めると、金銭面で不安を感じたり、なかなか仕事が決まらない場合に焦ったりする可能性があります。ただし、働きながらの場合は、応募するタイミングや面接日程の調整に難しさを感じやすいというデメリットもあるでしょう。
転職活動を始めるタイミングに迷っている30代の男性の方は、「転職活動は在職中と退職後のどちらですべき？伝えるタイミングはいつ？」も参考にしてみてください。

30代男性の転職活動の面接に適した服装は？

面接はスーツを着るのが基本です。紺や濃いグレーなど落ち着いた色合いのものを選びましょう。Yシャツは白色のシンプルな形がおすすめ。ネクタイも派手なデザインは避け、無地やストライプ柄などが良いでしょう。詳しくは、「面接の服装はどうする？転職時のポイントを男女別に解説」をチェックしてみてください。

30代男性が転職活動でアピールできる強みは？

30代男性の転職活動における強みは、前職を通じて得た経験やスキルなどです。リーダーや管理職の経験があるなら、マネジメント能力もアピールできます。このコラムの「企業が30代男性の転職者に期待する4つの要素」で説明しているとおり、30代に対して中堅的な立場での活躍を期待する企業は多いでしょう。
転職エージェントのハタラクティブでは、キャリアアドバイザーが丁寧なヒアリングを行ったうえで、一人ひとりの適性や強みを探すお手伝いをしています。転職活動でのアピール方法に悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。