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派遣か正社員か悩む…両者のメリットは?自分に合った働き方を見つけよう
更新日
派遣か正社員か迷っています…どうしたら良いでしょうか
25歳のフリーターです。派遣と正社員のどちらの雇用形態で働くか迷っています。パソコンは一通り使用できますが、正社員の経験はなく人付き合いが苦手です。周囲には派遣を勧められますが、正社員を目指したい気持ちもあります。それぞれの雇用形態で働くメリットが知りたいです。
どちらの働き方にもメリットはありますが、5年後や10年後の将来を考えたときに、派遣よりも正社員を目指されたほうが質問者さんにとって良い結果になるといえるでしょう。まずは、雇用形態ごとの特性や魅力、メリット・デメリットについて知ることをおすすめします。
キャリアアドバイザーに詳しく聞いてみました!
派遣か正社員か、どちらの雇用形態で働くのが良いか迷っている方もいるでしょう。両者にはそれぞれ長所・短所があるため、自分の適性を把握したうえで選択することが重要です。 このコラムでは、派遣と正社員の違い、メリット・デメリットについてキャリアアドバイザーに聞いてみました。より自分に合った働き方を見つけるための参考にしてください。
派遣か正社員か…どちらが良いかは人によって異なる
正社員と派遣社員では雇用形態や就業期間などに違いがあるため、人によって「どちらが良い」かは異なります。とはいえ将来を考えた場合、雇用や収入が安定する正社員として働くほうが安心感を得られるかもしれません。
詳しくは後述しますが、収入や雇用の安定性を求めるなら正社員、変化を求めたり多くの職場で経験を積んだりしたいなら派遣社員がおすすめです。派遣か正社員か悩んだら、自分の適性や仕事に求めるものを明らかにしてみましょう。
正社員と派遣社員の違い
ここでは、正社員と派遣社員の違いについて解説します。派遣か正社員か迷ったら、まずはそれぞれの違いについて知ることが大切です。
雇用形態(働き方)
派遣社員は「非正規雇用契約」、正社員は「正規雇用契約」を締結します。派遣会社と雇用契約を結ぶ派遣社員に対し、正社員は就業先の企業に直接雇われるのも違いの一つです。そのため、労務管理を行う際、派遣社員は派遣会社が行い、正社員は勤務先の会社が行うことになります。
給与形態(賃金形態)
派遣会社との契約内容によって異なりますが、派遣社員は働いた分だけ賃金を受け取れる「時給制」の給与形態が一般的です。正社員は、ひと月に支払われる給料が固定された「月給制」が多く、時給制に比べて毎月の収入が安定しているという違いがあります。
派遣と正社員はどちらが稼げる?
企業規模や職種、求人案件によって異なるため、どちらのほうが稼げるかは一概にはいえません。厚生労働省が導入した「同一労働同一賃金」の施策により社内規定の見直しが進み、企業内で非正規雇用労働者と正規雇用労働者の待遇差を改善する動きもあります。
しかし、高い時給で働ける派遣の仕事がある一方で、雇用や給与の安定性、キャリアアップのしやすさなどを考えれば、正社員のほうが稼ぎやすいとも考えられるでしょう。
どちらの雇用形態が稼げるか気になる方は、「正社員と派遣社員はどっちが稼げる?それぞれのメリット・デメリットも解説」をあわせてご覧ください。
参照元
厚生労働省
同一労働同一賃金特集ページ
就業期間(無期・有期)
就業期間の違いは、派遣社員の場合は「有期雇用契約」、正社員の場合は「無期雇用契約」という点です。派遣社員は派遣先企業で働ける期間が3ヶ月や1年などあらかじめ決まっており、必要に応じて契約の更新を行います。正社員は、雇用期間の定めがないため、基本的に入社したら企業が定めた定年まで勤務が可能です。
待遇面(福利厚生)
前述した「同一労働同一賃金」が導入されたことで、派遣社員にも交通費が支給されたり、派遣先企業の食堂や休憩室などの福利厚生施設が利用可能になったりと、ポジティブな変化がありました。これに伴い、派遣会社は、派遣社員を派遣先企業の従業員と同等の待遇とする「派遣先均等・均衡方式」か、同じ業務に従事する一般労働者との平等性を図る「労使協定方式」のいずれかの採用が義務化。制度に沿って派遣社員の待遇を決定しなければなりません。
基本的に、派遣社員は派遣先企業が独自に導入する福利厚生に関しては適用対象外です。しかし、派遣会社が上記どちらの方式を採用しているかで、派遣先企業の福利厚生を受けられるか否かや退職金制度の有無が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
派遣と正社員の違いについては、「派遣社員とは?正社員との違いや勤務時間・雇用形態などを解説」のコラムもご参照ください。
正社員経験がある派遣社員の割合
学校卒業後、初めて就いた仕事の雇用形態が正社員である方の割合は、72.4%でした。厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査の概況/(4)学校卒業後に初めて就いた仕事の就業形態」をもとに、正社員として就職したことがある派遣社員の割合を以下の表に示しています。
性別 | 正社員 | 正社員以外 |
---|---|---|
男性 | 75.7% | 22.2% |
女性 | 69.7% | 28.8% |
総数 | 72.4% | 25.8% |
参照:厚生労働省の「令和4年派遣労働者実態調査の概況/(4)学校卒業後に初めて就いた仕事の就業形態」
男女別で見ると男性が75.7%、女性が69.7%。総数では7割以上の派遣社員が正社員として働いた経験があるようです。
派遣社員になった理由
同調査によると、派遣社員になった理由として「自分の都合のよい時間に働きたいから」が30.8%、「正規の職員・従業員の仕事がないから」が30.4%と、両者が高い割合を占めています。そのほかの理由については以下の表にまとめました。
性別 | 自分の都合のよい時間に働きたいから | 家計の補助・学費等を得たいから | 家事・育児・介護等と両立しやすいから | 専門的な技能等をいかせるから | 正規の職員・従業員の仕事がないから |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 23.0% | 8.0% | 3.9% | 23.3% | 31.0% |
女性 | 37.1% | 27.2% | 18.0% | 6.2% | 29.8% |
総数 | 30.8% | 18.6% | 11.7% | 13.8% | 30.4% |
参照:厚生労働省「令和4年派遣労働者実態調査の概況/7 派遣労働者として働いている理由 【新規調査項目】」
女性が派遣社員になった理由の割合順は総数と同様の結果ですが、男性は「正規の職員・従業員の仕事がないから」という理由が31.0%、次いで「専門的な技能等をいかせるから」という理由が多く、派遣労働者として働いている理由には男女差があるようです。
参照元
厚生労働省
令和4年派遣労働者実態調査の概況
派遣社員のメリット・デメリット
ここでは、派遣社員として働くメリット・デメリットについて紹介します。長所と短所を把握し、雇用形態を選択する際の参考にしてください。
メリット
派遣社員として働くメリットには、正社員に比べてプライベートの時間を確保しやすいことや、多くの職場・仕事を経験できることが挙げられるでしょう。
勤務時間の融通が利きプライベートを確保しやすい
派遣社員のメリットとしてまず挙げられるのは、正社員に比べてプライベートの時間を確保しやすいことです。派遣社員は、派遣先との労働契約書に残業に関する記載がなかったり、派遣会社との雇用契約で残業の労使協定が締結されていなかったりする場合、残業や休日出勤を断ることができます。育児や介護、趣味など、プライベートで大事にしたいことがある方には大きなメリットといえるでしょう。
自分のスキルを活かせる仕事を選べる
派遣の場合、あらかじめ派遣先の部署や営業所は契約書に明記されています。能力に応じて会社が配属先を決める傾向にある正社員と比べて、派遣社員は希望する業務を行う案件を選べるため、自分のスキルを活かして働きやすいでしょう。
さまざまな職場でやりたい職種や業務に就ける
1つの職場にとどまらず、さまざまな職場で働けるのも派遣ならではのメリットです。未経験者歓迎の案件も多く、短期間でやりたい職種や業務にチャレンジしやすい働き方といえます。
「多種多様な企業や業界を知っておきたい」「未経験から正社員を目指すのが難しい職種に就くために、派遣で経験を積みたい」「あらゆるスキルやノウハウを吸収したい」などの方にとって、魅力的な働き方といえるでしょう。
年齢を重ねるほど派遣の仕事探しが不利になる場合も
派遣は年齢を重ねるほどスキルや実務経験が求められるため、未経験の分野や職種に挑戦しづらくなるなど、仕事探しが不利になる可能性があります。また、派遣会社によっては、派遣先企業の従業員の平均年齢に合わせた人材を優先的に紹介する場合があるのも理由の一つです。
派遣社員から正社員へ転職する際も、年齢を重ねるほど応募できる求人数が減少したり、受けられる就職支援サービスが限られたりします。「派遣で適職を見つけて正社員を目指す」「一つのスキルを極めてあらゆる会社で求められる人材になる」など、目標を立てたうえで働き方を選択するのがおすすめです。
あらかじめ業務の範囲が決まっている
正社員と異なり、派遣社員はあらかじめ業務の範囲が細かく定められています。たとえば、「電話対応を含まないデータ入力事務」として契約を結んだ場合、電話対応は派遣社員の業務範囲外です。派遣先企業から電話対応をするよう指示されたら、企業側は契約違反になります。
業務内容が明確なので、イレギュラーな対応に負担を感じやすい方にとってはメリットの一つでしょう。
派遣先とミスマッチが起こる可能性が低い
派遣先とミスマッチが起こる可能性が低いことも、派遣社員の働き方ならではのメリットです。自分の希望条件とスキルに合わせて派遣会社に勤務先の選定を行ってもらえるほか、「顔合わせ」と呼ばれる職場見学で勤務先の雰囲気を知れるため、安心して働き始められます。求人案件の募集を一つひとつ探す手間がかからないのも魅力です。
派遣会社のサポートを受けられる
派遣先企業に直接言いにくいことや聞きにくいことがある場合、派遣会社があいだに入ってサポートしてくれるというメリットも。派遣会社の担当者が悩みの相談に乗ってくれたり、トラブルが起きた際も対応してくれたりと、手厚いサポートが受けられます。いざというときに頼れる相手がいるのは、心の余裕にもつながるでしょう。
デメリット
派遣社員は雇用期間に定めがあるため、キャリアパスを描きにくいのがデメリット。また、正社員と比べて収入面や待遇面が劣る場合もあります。以下で派遣社員のデメリットを紹介するので、参考にしてみてください。
雇用期間に定めがあるためキャリアパスを描きにくい
前述のとおり、派遣社員の雇用期間には、3ヶ月や1年といった定めがあるのが特徴です。契約期間を過ぎると原則として自動的に労働契約満了となりますが、派遣先企業と派遣社員双方の合意をもって契約を更新する場合もあります。
しかし、平成27年の労働者派遣法の改正に伴い、派遣社員が派遣先企業の同一部署・事業所で働ける期間は原則3年までとなりました。同一部署・事業所で3年以上勤務を続けたい場合は、企業との直接雇用契約が必要です。派遣社員のキャリアアップと雇用安定を図るための制度ですが、必ずしも直接雇用されるとは限らないことを念頭に置く必要があるでしょう。
参照元
厚生労働省
平成27年労働者派遣法の改正について
「常用型派遣(無期雇用派遣)」という働き方もある
常用型派遣(無期雇用派遣)とは、派遣会社と無期雇用契約を結び、派遣先の企業に勤務する働き方のこと。派遣先企業での契約が満了しても「派遣会社の正社員」としての雇用契約が継続するので、給与が発生するのが特徴です。常用型派遣については、「常用型派遣は正社員とは違う制度?メリット・デメリットを詳しく解説」をご覧ください。
裁量や責任の大きな仕事を任せられる機会は少ない
派遣社員は、裁量や責任の大きな仕事を任せてもらえる機会が少ない傾向にあるため、人によってはデメリットになり得るといえます。「あらかじめ業務の範囲が決まっている」で述べたように、派遣社員の業務は契約の範囲に基づいた限定的なものです。業務の幅が決まっているほうが働きやすいという方にとってはメリットになる一方で、自分の裁量で働きたい方や責任のある仕事に興味がある人にとっては仕事に物足りなさを感じる場合があるでしょう。
正社員と比べると収入面や待遇面が劣る場合がある
正社員と非正規雇用労働者では、月収に約11万円の差があり、年収で換算すると約132万円の差となるようです。厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況/(6) 雇用形態別にみた賃金」によると、正社員の月収が33万6,000円なのに対し、派遣社員を含めた非正規雇用労働者の月収は約22万6,000円。これに12を掛けて年収を単純計算すると、正社員の年収は約403万円、非正規雇用労働者の年収は約271万円で、前述したように約132万円の差が生じます。
20代や30代のうちは、派遣社員の給与が正社員の給与よりも高くなる「給料の逆転現象」が起こることもあるでしょう。しかし、正社員と異なり派遣社員は昇給や賞与といった好待遇を望みにくいのが一般的です。長期的に考えた場合、正社員のほうが収入が高くなる傾向があるといえます。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
時給が高めに設定された派遣の仕事もある
派遣の求人のなかには、相場より高時給の仕事もあります。たとえば、一定のスキルを要するIT系の技術職、看護師や語学教師といった専門的な資格・免許を要する仕事などです。成果によってインセンティブをもらえるコールセンターの仕事も、高収入を見込める場合があるでしょう。
詳しくは「正社員より高給与も可能?派遣社員とは?」でも紹介しているので、あわせてご一読ください。
雇用が不安定なのでローン審査に通りにくい場合がある
派遣社員は、派遣先企業の経営状況や人員の割合によって契約を左右されやすく、雇用が不安定な傾向にあります。そのため、「安定した収入があるか」「返済能力はあるか」といった部分が判断基準となる各種ローン審査において、派遣社員は正社員と比較すると審査に通りにくい場合があるようです。
将来住宅ローンや車のローンを組む予定がある方にとって、雇用が不安定な派遣社員の働き方はデメリットを感じやすいといえます。
正社員のメリット・デメリット
ここでは、正社員として働くメリット・デメリットについて紹介します。前項の派遣社員と比較しながらチェックしてみてください。
メリット
正社員は無期雇用契約を結ぶため、特別な理由がない限り入社したら定年まで働き続けられるのが魅力です。正社員として働くメリットはほかにもあるので、以下で確認してみましょう。
雇用・収入が安定する
正社員として就職する大きなメリットは、雇用と収入の安定です。基本的に正社員は長期の雇用を前提とした無期雇用契約を結びます。仕事を失うリスクが低いうえ、給与も月給制や年俸制になるので、毎月一定の収入を得られるでしょう。
給与形態については、「日給月給制ってなに?社会人なら知っておきたい給与形態一覧」のコラムでご確認ください。
賞与や退職金などの待遇面や福利厚生が充実する
このコラムの「待遇面(福利厚生)」で説明したように、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇格差を解消する動きが進んでいます。しかし、実際には昇給や賞与、退職金などの福利厚生は正社員のほうが充実しているのが現状です。
正社員を対象とした保養施設の利用やスキルアップのための資格支援など、プライベートと仕事の充実を両立できる福利厚生もあるため、制度を利用しながらモチベーション維持を図りたい方には特にメリットとして感じられるでしょう。
キャリアパスの仕組みが確立されている
正社員は長期雇用が前提のため、社内でキャリアパスの仕組みが確立されているというメリットも。次に目指すべき職位や、自分が目標とするポストまでの道筋が明らかになっていると、今やるべきことに集中でき、成長する意欲の助けになる場合もあります。
社会的信用が得られる
雇用や収入が安定している正社員は、非正規雇用の派遣社員に比べて社会的信用を得やすいのもメリットの一つでしょう。社会的信用が高いとローン審査に通りやすくなるため、長期的な支払いが必要なマイホームやマイカーを購入したいといった夢を叶えられる可能性が高まります。
正社員になるメリットについては、「派遣と正社員の違いとは?それぞれのメリットとデメリットを紹介」のコラムもご参照ください。
デメリット
正社員として働くと雇用や収入は安定しますが、以下のようなデメリットも考えられます。
仕事の責任が増える
担当する仕事や業務範囲があらかじめ決まっている派遣社員と比べて、正社員は責任のある仕事を任される機会が多いでしょう。ストレスやプレッシャーを感じやすい方は、個人にかかる責任が大きいほど仕事が重荷になることもあります。
仕事をするうえである程度の責任を背負うことは避けられないので、プレッシャーを感じやすい方は達成しやすい目標を立てたり、同僚や先輩を頼ったりして働き方を工夫すると良いでしょう。
残業や休日出勤をする場合もある
定時までに仕事が終わらなかったり繁忙期に突入したりすると、正社員の場合は残業や休日出勤を依頼されることも。その分、残業代などの手当を支給される可能性がありますが、自分の時間を大切にしたい方や、プライベートを充実させたい方にとってはデメリットに感じやすいでしょう。
転勤や異動の可能性が出てくる
正社員になるデメリットの一つに、転勤や部署異動の可能性があります。企業側から転勤や異動の辞令が下れば、社員は原則として従わなければなりません。自分の希望する勤務地や部署に移れれば良いですが、望まない環境に予期せず配属されてしまうこともあります。場合によっては、現在の働き方や生活環境が大きく変化してしまうでしょう。
派遣か正社員かで迷ったら自分の適性をチェックしよう
派遣か正社員かで働き方に迷ったときは、メリットやデメリットの比較だけでなく「自分はどちらの雇用形態に適性があるか」を考えることも重要です。どのように仕事をしたいか、優先したい条件は何かなどを踏まえて検討してみると、自分に合った働き方が見えてくるでしょう。
派遣社員が向いている人
ここでは、派遣社員に向いている人の特徴を紹介します。自分の適性を確認し、働き方を選ぶ際の参考にしてみてください。
1つの企業にこだわらず幅広い求人に携わってみたい
1つの企業や職種にこだわるよりも幅広い求人に携わってみたい方には、派遣社員が向いているでしょう。
「派遣社員のメリット・デメリット」の項でも触れましたが、派遣は最長でも3年で勤務する企業や部署が変わります。そのため、挑戦してみたい職種や興味のある業界が多い場合は、派遣社員のほうがやりがいを感じながら働けるでしょう。
定期的に環境を変えたい
定期的に働く環境を変えつつ仕事をしたいという方にも、派遣社員が向いているといえます。
派遣は正社員と異なり、定められた雇用期間が満了になると次の派遣先企業へ移るのが一般的です。そのため、一箇所に留まることなく、定期的に新しい環境や職場で仕事ができます。職場が変わってもすぐに馴染めたり、新鮮な気持ちで楽しめたりする方は、派遣社員として働くのも良いでしょう。
プライベートの時間も大切にしたい
退勤後や休日など、プライベートな時間を大切にしたいと考えている方は派遣社員がおすすめです。契約内容にもよりますが、派遣社員は基本的に定時で帰れることが多いため、正社員に比べて自分の時間を確保しやすい傾向にあります。
家族の行事や介護、友人付き合い、自分の趣味などを優先的に考えたい方は、派遣社員を検討するのも良いでしょう。
正社員が向いている人
次に、正社員が向いている人の特徴を紹介します。派遣社員と比較しながら一つひとつチェックしてみましょう。
着実に収入アップを図りたい
正社員は勤続年数が給与に反映される傾向にあり、1つの企業で長く勤務すれば毎月の収入や退職金が増える傾向があるのが特徴です。また、仕事の実績や成果が評価につながり、昇給のチャンスに恵まれやすいのも正社員ならでは。賞与や福利厚生も充実している場合が多いので、収入アップを図りたい方は正社員が向いていると考えられます。
自分の裁量で仕事を進めていきたい
職種にもよりますが、基本的に正社員はある程度自分の裁量で仕事を進められます。自分で判断して業務を進めていきたい方の場合は、正社員として働くほうが向いているでしょう。
とはいえ、入社後すぐに自由な裁量の仕事が与えられるとは限りません。最初から自分で企画を提案したり、自主的に動いてどんどん仕事を進めたりしたいという方は、就職先の候補として早い段階から責任ある仕事を任されやすいベンチャー企業を視野に入れてみるのもおすすめです。
キャリアアップを目指したい
正社員は派遣社員に比べて業務の範囲が広く、一定のスキルが求められます。そのため、専門分野のスキルを磨ける環境や経験を積める機会を用意しているだけでなく、福利厚生の一環として資格取得支援制度を導入している企業もあるようです。
「将来は管理職に就きたい」「専門性を高めてスペシャリストになりたい」など、明確な将来像がある方は、キャリアアップを目指して正社員として働くほうが向いているでしょう。
1つの企業に長く勤めたい
1つの企業に長く安定的に勤めたい方も、正社員が向いています。正社員は、入社したら定年まで働ける無期雇用契約が基本です。一定の環境下で自分のキャリアを培っていきたいと考える方には正社員が合っているでしょう。
また、契約更新の有無を気にする必要がなく、じっくりと腰を据えて働けるのも正社員ならではの強みといえます。
正社員と派遣社員どっちが良い?考えるポイント
正社員と派遣社員のどちらで働くか迷った際は、自分の適性や両者のメリット・デメリットとあわせて、以下のポイントについても考えてみましょう。
仕事に充てられる時間や求める条件を考える
雇用形態に迷った場合は、仕事に充てられる時間や求める条件を整理してみるのがおすすめです。
たとえば、育児や家族の介護を担っている方は、1日のなかで仕事に充てられる時間はどれくらいかを計算してみます。そのうえで、「緊急時に柔軟な対応ができる働き方がしたい」「時間を詰め過ぎず余裕をもって働きたい」などの条件を洗い出し、優先順位をつけて、派遣社員か正社員かどちらが自分に合っているかを考えましょう。
ライフプランを立てこの先必要な収入を考える
「老後の資金を貯めるために、月▲▲万円以上の手取りが欲しい」「▲歳までにマイホームを建てたい」といったライフプランから、どちらが望ましいかを判断するのも一つの手です。
働き方を変えると、年収が大きく変わる可能性があります。ライフプランを立て「この先いくら必要か」をもとに考えると、目指すべき収入額や実現に向けた働き方が明らかになるでしょう。
派遣社員から正社員を目指すことも可能
現在派遣社員として働いている方も、正社員を目指すことが可能です。以下で2つの方法を確認してみましょう。
紹介予定派遣を経て正社員になる
派遣には、正社員登用を前提とした「紹介予定派遣」という種類があり、最長6ヶ月の就業を経て派遣先企業と本人が合意すれば、正社員として直接雇用契約を結ぶ働き方です。実際に働いてみたうえで、自分に合う仕事内容や職場環境かどうかを判断できるところが紹介予定派遣のメリットといえます。
「派遣から正社員登用を目指すには?メリットやデメリットも紹介」でも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
転職活動をして正社員になる
派遣で身につけたスキルをアピールしながら転職活動をし、正社員を目指すという方法もあります。特に、中途採用において企業は即戦力を求める傾向があるため、派遣社員時代に培ったスキルと志望先企業の業務内容がマッチしていれば、選考で有利に働く可能性も。派遣として働きながらであれば収入が途絶えることなく、納得いくまでじっくり転職先を探せるでしょう。
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派遣社員か正社員かで迷うときによくある質問
ここでは、派遣社員か正社員かで迷うときによくある質問に、Q&A方式で回答します。
派遣社員は社会保険に入れない?
派遣社員をはじめ、正社員以外の雇用形態の方も条件を満たすことで社会保険への加入が可能です。しかし、従業員が5人未満の個人事業所や、従業員が5人以上でも一部のサービス業や農業、飲食業などは社会保険の任意適用事業所になるため、社会保険が完備されていない場合があります。 雇用形態で損をしないよう、転職活動時には待遇や福利厚生などのチェックも十分に行いましょう。
派遣社員と正社員の違いについては、「正社員・派遣社員・フリーターの違いとは?収入や保障を比較」もあわせてご覧ください。
結婚したら派遣社員と正社員どちらがおすすめ?
家庭の事情は異なるため、一概にどちらがおすすめとはいえません。正社員や派遣社員以外にも、短時間正社員、パートなどさまざまな雇用形態があるので、自分に合った働き方を見極めて選ぶことが重要です。
結婚するとライフイベントが発生したり、家計のために転職や再就職をしたりする場合もあるでしょう。結婚を機に働き方に悩んでいる方は、「結婚を機に転職するのは難しい?適切なタイミングや転職理由の例文も紹介!」のコラムを参考にしてみてください。
派遣社員と正社員で自分の適性のある働き方を選ぶには?
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。