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文系の社会人におすすめの資格!取得するメリットや勉強法も解説
更新日
この記事のまとめ
- 資格は転職でアピール材料になるため、文系の社会人も取得するのがおすすめ
- 文系の社会人におすすめの資格は、時代のニーズに合うものや専門職向けのもの
- 資格取得を目指す文系社会人におすすめの勉強法は、通勤時間や通信講座の活用
- 資格選びで迷ったら、志望する転職先で活用できるかを考えよう
資格を取得しようか迷っている文系社会人のなかには、おすすめを知りたいと考える方もいるでしょう。転職活動を有利に働かせるためには、時代のニーズに合ったものや専門職向けの資格がおすすめ。
このコラムでは、文系の社会人におすすめの資格や選び方、勉強方法などをまとめました。「文系の社会人も資格取得を目指せるのか」「勉強時間はどう確保すれば良いのか」と疑問や不安を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。
文系の社会人におすすめの資格
文系の社会人が資格を取得するのであれば、時代のニーズを踏まえて選ぶのがおすすめです。
たとえば、近年はIT業界や介護業界での人材不足が深刻化しています。ITの知識を証明できるこのような時代背景を把握して取得する資格を選ぶと、求職活動時だけでなく入社後も役立つ可能性が高いでしょう。
以下では、おすすめの資格を業界別で紹介しています。
事務系の仕事で役立つ資格
事務系の仕事で役立つ資格には、「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」「日商簿記」といったものが挙げられます。以下でそれぞれを詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
MOSは、マイクロソフトオフィスのスキルがあることを証明する資格。マイクロソフト社の製品は世界中で使用されているため、世界で通用する国際的なものだといえます。
資格の対象となるのはExcel、Word、Power Point、Access、Outlookの5つで、製品のバージョンごとに試験が設けられているのが特徴。Excel、Wordは各バージョンに加え、一般レベルと上級者向けの「エキスパートレベル」に分けられています。
なかでも、使用頻度の高いExcel、Word、Power Pointの3つを習得すれば、5つすべてを取得しなくとも充分にアピール材料となる職場がほとんどです。
パソコン操作が得意な人も、仕事探しを機会に取得を目指してみるのがおすすめです。
日商簿記
簿記とは、企業の金銭の出入り・取引状況を記録するもの。これらの記録、計算、整理をすることで、経営成績や財政状態といった経営活動状況を明確にします。銀行や証券会社のほか、企業の経理職として働くときに求められるスキルです。経理以外の職種でも数字に強いことをアピールできるため、営業職をはじめとする数字を扱う業務を行う社会人の取得も少なくありません。
就職や転職を有利に運ぶには、2級以上の取得を目指すのがおすすめといえるでしょう。勉強のスケジュールによっては数ヶ月での取得が可能であることも。
簿記2級を取得したあとは、より難易度の高い1級に挑戦し、公認会計士や税理士などの資格取得を目指す人もいるようです。そのため、日商簿記は転職の幅が広がる将来性の高い資格の一つといわれています。
日商簿記については、「簿記は就職で役に立たない?何級から有利になる?資格が活かせる仕事も紹介」でも解説しているので、参考にしてみてください。
医療事務
医療事務は資格を「必須」「歓迎」とする求人が多く、取得しなければならないことも多いといえます。
医療現場の事務に関する資格である「医療事務」は民間資格で、種類が豊富。医療事務に関する資格で代表的なものは、以下の4つです。
- ・医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)
- ・医科医療事務管理士技能認定試験(技能認定振興協会)
- ・診療報酬請求事務能力認定試験(日本医療保険事務協会)
- ・医療事務認定実務者試験(全国医療福祉教育協会)
資格によって難易度は異なりますが、就職・転職後の業務内容は同じであることが多く、病院の受付や会計、診療報酬明細書作成業務を行います。専門学校や通信講座で学ぶほか、市販のテキストを使って独学で取得を目指す人も多いおすすめの資格です。
秘書検定
秘書検定は、「秘書向けの資格」と考える人が多いようです。しかし、秘書検定は、社会人に必要な知識や技能を保持していることをアピールできるおすすめな資格の一つ。目上の人への接し方や言葉遣いといったビジネスマナーのほか、文書やファイリング、オフィスの環境整備といった実用的な技能を身につけられます。そのため、秘書を目指していない場合でも、業種を問わず事務系全般で転職が有利になるといえます。
秘書検定には1~3級がありますが、実際に就職・転職でアピールしやすいのは2級から。秘書を目指す場合は、準1級、1級の資格が求められることが多いようです。
受験資格は特になく、高校生や大学生、短大生など学生のほか、社会人からの人気も高い資格の一つです。
金融業界で役立つ資格
金融業界で役立つ資格には、「#FP技能士」「証券外務員」などが挙げられます。
以下でそれぞれについて詳しく解説しているので、確認してみましょう。
FP技能士(ファイナンシャル・プランニング)
ファイナンシャル・プランナーとも呼ばれるFP技能士の資格は、国家試験であるFP技能検定を受験、合格することで得られます。ライフプランニングや資金計画、リスク管理などの知識が求められる学科試験と、資産設計提案業務、資産に関する相談業務など実際の業務に関連する実技試験があります。
FP技能検定は1~3級があり、履歴書などに記載する正式名称は「△級ファイナンシャル・プランニング技能士」で、より実用的な2級以上を採用条件に掲げている企業が多いようです。
FP技能士は、金融や会社のお金の流れを理解し、数字に強いことを証明できる資格の一つ。金融業界のほか、企業の経理職に転職する際にもおすすめの資格となっています。
証券外務員
証券外務員は、金融業界への転職を考えている文系社会人の方におすすめの資格です。顧客に対して金融商品を販売・勧誘する際に必要で、特に銀行や証券会社の窓口業務などで顧客と接するには、資格の取得が必須となります。銀行では、新卒入社から一定期間内の取得を義務付けている場合も。転職では、応募条件として証券外務員の資格を求められることもあるようです。
証券外務員試験は日本証券業界が実施しており、「二種」と「一種」に区分されています。金融商品や株式、債権、証券などについて幅広く出題されるもので、二種は基礎的な知識、一種はより専門的・実務的な知識が必要です。受験はコンピューターで行い、〇✕方式および五肢選択方式で出題されます。合格率は、7割前後であることがほとんどです。
日経経済知力テスト
日経経済知力テストは、日本経済新聞社および日本経済研究センターが実施し、経済やビジネスに関する幅広い知識を測定できる「能力測定テスト」です。会計や財務、生産、テクノロジーなど6つのジャンルから出題され、「基礎・実践知識」「視野の広さ」「知識を知恵にする力」「知恵を活用する力」の視点でビジネススキルが評価されます。
このテストは、個人のみならず法人での受験も多く、社員の昇進・昇格要件に採用している企業も。そのため、ビジネス力を高めたい人や転職で志望企業にビジネススキルをアピールしたい社会人におすすめです。
出題形式は、四肢択一の選択問題が100問で、1,000点満点評価となります。日経ビジネススクールの「よくあるご質問 スコア、成績表について」によると、過去10年間の平均点は501点とされているようです。合否はありませんが、目標点数を設定する際の目安にすると良いでしょう。
参照元
日経ビジネススクール
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介護業界で役立つ資格
介護業界で役立つ資格には、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」といったものが挙げられます。少子高齢化が進む昨今、介護業界は常に人手不足だといわれています。
以下でそれぞれについて詳しくまとめたので、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎を中心に、介護職員として必要な知識や技術などを身につけられる資格です。多くの介護施設では介護職員初任者研修を採用・歓迎条件に掲げています。
訪問介護員として身体介護を行うには、必須の資格です。厚生労働省の「介護に関する資格等について」によると、介護職員初任者研修は130時間のカリキュラムを修了後、筆記の修了試験合格で資格取得となります。受講資格は定められていないうえ、通信や通学で勉強を進められるコースもあるのが特徴です。
介護施設や企業によっては、無資格・未経験で採用し、働きながらの資格取得支援や、入職時に資格取得費用のサポートを実施している場合もあります。介護職に就きたいと考えている社会人の方は、資格取得支援を行っている企業を探してみるのもおすすめです。
介護福祉士実務者研修
介護職を長く続けたい人や介護職でキャリアアップを目指したい人は、介護福祉士実務者研修の資格を取得するのがおすすめです。
介護福祉士実務者研修は、初任者研修と同じく受講資格は設定されていません。しかし、厚生労働省の「制度改正の概要 実務者研修の指定基準について」によると、全450時間のカリキュラム修了が必須のため初任者研修よりも難易度が高く、無資格から目指す場合は資格取得まで原則6ヶ月ほどの期間を有するとされています。介護福祉士実務者研修の資格を取得すると、サービス提供責任者として働けるほか、多くの介護施設で資格手当がつく可能性が高く、給与アップにつながるといえるでしょう。
また、介護福祉士実務者研修の資格と3年以上の実務経験があれば、国家資格である介護福祉士の受験要件を満たすことが可能です。介護福祉士になればさらに資格手当がつくほか、生活相談員やチームリーダーなどを目指せるため、より一層仕事の幅を広げられるでしょう。
参照元
厚生労働省
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IT業界で役立つ資格
IT業界で役立つ資格には、「ITパスポート」「基本情報技術者試験」などが挙げられます。
以下で詳しく確認してみましょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識があることを証明する国家資格です。IT関連の業務に必要となる基礎知識だけでなく、情報セキュリティやモラル、企業コンプライアンスや法令遵守、経営戦略、財務といった内容も習得できます。
幅広い範囲が網羅されていますが、ビジネスシーンでの基本的な内容のため、IT業界での経験がなくても取得しやすいおすすめの資格です。就職・転職活動でも役立てられるため、「ITに興味がある」という方は取得を検討してみると良いでしょう。
受験資格は特になく、社会人全般のほか学生にも推奨されています。
「ITパスポートで就職が有利になる?資格や試験の概要を詳しく解説!!」でも、ITパスポートについて解説しているので、あわせて参考にしてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT業務に関する基礎知識があることを証明する国家資格です。エンジニアをはじめとする情報技術者向けの内容で、ITエンジニアとしてキャリアをスタートしたい場合は、受験することが推奨されています。受験料や受験資格はITパスポートと同様。技術者向けとされているものの、受験資格は設けられておらず、社会人・学生問わず受験可能です。基本情報技術者試験を主催する独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「試験情報 基本情報技術者試験」によると、試験時間は科目Aが90分、科目Bが100分で、科目Aは60問の四肢択一式、科目Bは20問の多肢選択式が採用されています。
どちらを取得するか迷う際は、将来どのようなキャリアを描きたいか検討してみるのがおすすめ。IT業界での活躍以外も検討しているのであれば、まずはITパスポートを取得してから今後について考えるのも良いでしょう。技術者としてキャリアを築いていきたい場合は、基本情報技術者試験を取得するのがおすすめです。
参照元
独立行政法人 情報処理推進機構
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TOEIC・TOEFL
TOEICとTOEFLは厳密にいえば資格ではないものの、IT業界をはじめ英語を使用する業界や職種での業務・転職活動に活かせるテストです。
TOEICは英語でのコミュニケーション能力が試されるテストで、リスニングとリーディングの2つから構成されているテストです。テスト内容は日常会話とビジネス会話がよく出題され、英語力を求める企業は応募資格としてTOEICスコアを設けていることがあります。
TOEICについては、「TOEICは就職に有利?取得しておきたい点数やアピール方法を解説」のコラムでも解説しているので、参考にしてみてください。
また、世界的に評価されやすいTOEFLは、海外留学時の入学・卒業の基準としても使用されています。TOEICはビジネス向けの内容が多いのに比べ、TOEFLは英語圏での生活がスムーズに送れることを目的としたテストです。
国内企業で働く場合にはTOEIC、外資系企業で働く場合にはTOEFLを取得するのがおすすめといえるでしょう。
専門性を高められる資格の取得もおすすめ
専門性の高さを証明できる資格も、転職活動や将来のキャリアアップなどに役立つでしょう。以下で転職やキャリアアップに役立つ資格を紹介します。
宅地建物取引士
国家資格である宅地建物取引士は「宅建士」とも呼ばれ、宅地建物取引業を行う不動産会社で重宝される資格です。不動産業では、従業員の5人に1人以上の割合で宅地建物取引士を配置しなければなりません。また、不動産売買や賃貸における重要事項の説明や重要事項の説明書類への署名・押印など、宅地建物取引士の資格をもっている人でしかできない業務もあります。そのため、不動産業界で働きたい人におすすめの資格といえるでしょう。
宅地建物取引士の試験の受験資格は、年齢や学歴など特別な制限がないため、誰もが挑戦できます。
宅地建物取引士については「宅建の資格概要や仕事内容をご紹介!スキルアップのコツとは?」で詳細をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の価値が適正であるかを判断する専門家です。建物や土地の適正価値を判断するだけではなく、土地を有効利用するためのコンサルティングも請け負います。建物や土地の価値を正確に評価できるようになることで、顧客にとって最適な提案ができるほか、土地の有効利用に対してアドバイスが可能。不動産業界で働くうえで、顧客のさまざまなニーズに貢献したい人におすすめの資格です。
不動産鑑定士の資格は不動産系の資格のなかでも最難関とされています。しかし、出題範囲には鑑定理論や民法、経済学、会計学なども含まれるため、文系社会人も挑戦しやすいといえるでしょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働・年金問題、社会保険など人事・労務管理の分野で活躍する人材におすすめの国家資格です。社会保険労務士の主な業務内容は、各種社会保険に関する手続き代行業務、賃金や就業規則に関する書類作成業務、人事や退職金などの制度や社員教育に関するコンサルタント業務の3つ。企業や実際に働く人の雇用、労働条件、各種保険についての相談や指導を担当します。なかでも、手続き代行や書類作成は、社会保険労務士の資格をもつ人しか行えない業務です。
社会保険労務士には、企業のなかで活躍する勤務社労士と、独立・開業している開業社労士の2つのタイプがあります。比較的開業資金が少ないため、資格取得後に自宅で開業する人も多いようです。高齢化の影響を受け、年金や医療制度への不安が高まるなか、社会保険制度の専門家ともいえる社会保険労務士のニーズは高まっているといえるでしょう。
社会保険労務士の試験はマークシート方式で、基準点以上を獲得すれば合格となります。厚生労働省の「第55回社会保険労務士試験の合格者発表」によると、第55回の合格率は6.4%でした。社会保険労務士の試験合格率は、例年6%前後と難易度が高い資格の一つです。
参照元
厚生労働省
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USCPA
USCPAはアメリカ各州が認定する公認会計士の資格で、この資格を取得すると、会計知識とあわせて高い英語力をアピールできます。多様な業種でグローバル化が進むなかで、活躍の可能性を広げるために価値のある資格といえるでしょう。国際的な活躍を視野に入れている文系社会人にとっても、会計知識と語学を均衡して学べるUSCPAはおすすめの資格です。
USCPAは、実施する州によって受験資格が異なります。基本的には、4年生大学卒業の学位である「学士号」を必須とする「学位要件」および、「単位要件」として経営学や経済学など、会計以外の多様なビジネスの単位を一定数取得していることが必要です。出題形式はシミュレーション問題と四択問題で、回答はコンピューターで行います。
資格の種類にはどのようなものがある?
資格の種類としては主に国家資格、民間資格、公的資格、国際資格の4つがあります。
それぞれどのような特徴があるのか、以下で確認してみましょう。
国家資格
国家資格は国の基準に基づいて認定される資格で、難易度は低いものから高いものまでさまざまです。そのなかでも、該当の資格がないと業務を行えない「業務独占資格」、有資格者だけがその職業を名乗れる「名称独占資格」などに当てはまる資格があります。
普通自動車免許
普通自動車運転免許は、日本の公道で運転するために必要な国家資格です。普通自動車運転免許は18歳以上から取得可能で、自動車や二輪自動車が運転できる「第一種運転免許」と、タクシーやバスなどの旅客自動車を運転できる「第二種運転免許」があります。また、「第一種運転免許」取得のために練習として公道を走る際には「仮運転免許」が必要です。
営業職やサービス業など外回りの仕事がある人や、交通機関の路線から離れた地域に住み、通勤や日常生活で車を使う人には必須の資格といえるでしょう。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類の作成や相談、提出の代理などを行える国家資格です。幅広い法律知識が必要とされるため難易度は高いですが、市民の身近な法律専門家としてさまざまな公的書類に携わる、社会貢献度の高い資格といえます。
行政書士の資格を持っていれば、企業勤務だけでなく、将来的には独立や開業も目指せるでしょう。
税理士
税理士は、税金に関する相談に対してアドバイスしたり、確定申告などの税務に関する書類を作成したりする税務のエキスパート。個人・法人問わず顧客となり、税金に関する業務については税理士が独占業務となる唯一の国家資格です。
国税庁の「税理士試験受験資格の概要」によると、令和5年度から受験資格が緩和され、会計学に属する科目についてはどなたでも受験可能となっています。ただし、税法に属する科目は学識、資格、職歴の要件を一つでも満たすことが必要です。
この資格を取得すれば、税理士法人や会計事務所だけでなく、コンサルティング業界や一般企業の経理部門など幅広い業界で力を発揮できる可能性があり、文系社会人にもおすすめの資格といえます。
参照元
国税庁
税理士試験
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題や財務を分析し、適切な助言を行える能力を証明する国家資格です。日本の多くを占めるのは中小企業であるため、社会的なニーズが高く、転職市場でもアピールポイントになる資格といえます。また、社会人になってから取得を目指す人も多い資格の一つです。
中小企業診断士の試験には、「1次試験」「2次試験(筆記・口述)」「実務補習・実務従事」があります。
公認会計士
公認会計士は、独占業務である監査業務を行うための唯一の国家資格。公認会計士が監査を行うことで、企業の財務状況への信頼性が保護されています。監査だけではなく会計や財務、監査の専門家として企業の経営状況を監査したり、専門的な知識を活かしてコンサルティングを行う公認会計士もいるようです。
経済産業省が主催する公認会計士の試験は、年齢や性別、学歴、国籍問わず受験できます。「短答式試験」と「論文式試験」がありますが、公認会計士の試験は「△点以上が合格」という絶対評価ではなく、ほかの受験者との相対評価で合否が決まるのが特徴です。
司法書士
司法書士は、専門的な法律の知識を基に、登記や信託、訴訟などの手続きを行う法律のエキスパートです。司法書士の独占業務としては、不動産登記や商業登記の申請代理などがあります。
司法書士試験には「筆記試験」と「口述試験」があり、年齢や性別、学歴を問わず受験が可能です。法務省の「令和5年度司法書士試験の最終結果について」によると、令和5年度の司法書士試験では、受験者数13,372人に対して合格者が695人となり、合格率は5.2%でした。司法書士の試験の合格率は例年およそ4〜5%を推移しており、難易度の高い資格です。しかしそのぶん、スキルアップや独立などの目標実現につながり、転職市場においても大きなアピールポイントとなります。
参照元
法務省
令和5年度司法書士試験
弁理士
弁理士は、主に特許や商標、意匠などを出願する際に、書類作成や申請代行などを行うための国家資格です。弁理士は知的財産の専門家として、「企業のロゴなどの商標」「文章や音楽など創作活動で生み出された著作物」「研究で生み出された新しい発明や技術」などに対して、作り手の権利を守るための手続きを行います。なかでも、物の色や形、デザインなどを扱う意匠や、商品やサービスを扱う商標の分野であれば文系社会人も活躍しやすいでしょう。
弁理士試験は3段階あり、試験内容は1次試験から「短答式試験」「論文式試験」「口述試験」です。それぞれ条文知識の正確性、条文の応用能力、口頭における応用能力が問われます。年に1回実施され、受験資格はありません。
「取得しやすい国家資格は?」と気になる人は、「取りやすい国家資格とは?取得するメリットや選ぶときのポイントを解説」のコラムでも詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
民間資格
民間資格とは、民間の団体・企業・個人が独自の基準で認定する資格。知名度が高く一般的にも高い評価を得られる資格もあれば、社外では有用性が認められないものまでさまざまです。
公的資格
公的資格とは、民間団体や公益法人が実施し官庁・大臣が認定する、国家資格と民間資格の間に位置づけられている資格です。公的性があり基準も明確であるため、一般的に有用性が認められる資格といえます。
国際資格
国際資格とは、複数の国家の合意のもと定められる資格で、海外の業務・規定に通用する基準が設けられています。日本国内だけでなく国際的に通用するスキルがあることを証明できるため、海外と関わりのある企業・職種で活用できるおすすめの資格です。
資格の種類によって、一般的な評価が変わる場合もあります。より高評価を得たい人は、種類や知名度の高さから、取得する資格を選ぶと良いでしょう。
文系の社会人が資格を取得する4つのメリット
文系の社会人が資格を取得するメリットとしては「転職活動でアピール材料になる」「資格手当や一時金が支給されることがある」などが挙げられます。
以下で詳しく解説するので、資格の取得を考えている方は参考にしてみてください。
1.転職活動でアピール材料になる
実際の業務に関わりのある資格をもっていると、就職や転職のときに評価の対象になる場合があります。その職種や業界での実務経験がなくても、基礎的な知識があるというアピールにつながり、無資格の状態よりも有利になるでしょう。
特に、専門的な職種は資格が必須であることが多いため、挑戦したい仕事があるときには事前に資格が必要か確認しておくことをおすすめします。
2.資格手当や一時金が支給されることがある
資格を所有していることで、企業によっては基本給に加えて資格手当の支給がされる点もおすすめする理由の一つ。入社後に資格を取得した場合、一時金や取得にかかった費用を支給する企業もあります。資格手当や一時金、補助金が支給される場合には、求人票にその旨もあわせて記載されていることもあるので、よく確認しておきましょう。
3.継続して成長できる
日々、学んでいくことで社会人として継続的な成長が期待できるのも、資格の取得をおすすめするポイントの一つです。
仕事に関する内容や趣味のものを問わず、資格を取得するには、少なからず勉強が必要になるはずです。仕事に直接関わる資格ではなくても、未知の領域を学ぶことで価値観や行動に影響をおよぼし、結果的に作業・成果に結びつく可能性もあります。
4.将来独立しやすくなる
将来を見据えて資格を取得していけば、独立への道も開ける可能性があります。資格があることで、これまでの実績の証明や仕事の獲得につながるほか、資格の有無によって依頼を決めるクライアントもいるからです。業務を遂行するうえで必要なスキルをもっていると判断されやすく、安心して依頼できるようになるからといえるでしょう。
「独立・起業するなら資格取得が効果的◎」のコラムでも、独立をするのに資格の取得がおすすめな理由について触れているので、あわせてご覧ください。
文系の社会人におすすめの資格勉強法
日中働いている社会人は、資格の勉強時間を確保しにくいものです。以下で、資格取得に向けて効率良く勉強に取り組む方法を紹介します。
独学する
残業が多いなどの理由から時間を決めて資格の勉強時間を確保できない場合、独学で知識を習得するのも方法の一つです。たとえば、「電車やバスでの通勤時間を有効活用する」「帰宅後の数十分間は学習すると決めておく」「休日にまとめて勉強する」など。あらかじめどのような方向性で学んでいくかを定めておくと、効率的かつモチベーションを下げずに学習していけるでしょう。
また、こうした学習方法を行う際は、以下で挙げる内容を活用するのがおすすめです。
試験範囲から学習計画を立てる
試験範囲を正確に把握して学習計画を立てることは、効率的に学習を進めるために有効といえます。試験範囲を確認する際は、試験要領や過去問をチェックし、出題範囲や注力するポイントを把握しましょう。
学習計画を立てるときに注意したいのは、スケジュールにある程度の余裕をもたせること。急な予定が入るなど、予定を変更せざるを得ない事態が起こる場合も想定して計画を立てることで、スケジュールに遅れが出た場合も焦らずに対応しやすくなるでしょう。
テキストや過去問題集の活用
上述した資格の多くは、書店でテキストや過去問題集などが販売されています。テキストや過去問題集を活用すれば、比較的費用も抑えられ、自分のペースで学べるため、自宅学習で時間を決めて取り組むのにおすすめといえるでしょう。
テキストを繰り返し読んで情報をインプットしたり、過去問は解くだけではなく解説まで読み込んだりして、知識を深く理解しながら定着させることがおすすめです。
通信講座の活用
通信講座の活用も資格取得のために効果的な勉強方法の一つ。自分のペースで学習を進められるほか、講師の指導や教材が用意されているなど学習の環境が整えられているため、多忙な社会人も持続しやすいといえます。
同じ資格であっても多様な通信講座が存在するため、自分の学習スタイルや予算に合わせて選ぶことも可能です。独学での対策だけでは不安な人や、講師からのサポートを受けながら学習したい人には通信講座の活用もおすすめです。
動画配信サイトやインターネットの活用
資格によっては、動画配信サイトにて無料または月額利用料を払い、好きなときに該当の映像教材・動画配信で学べるものもあります。動画配信サイトは、パソコンやスマホで視聴できるため、通勤時間を利用して勉強することも可能です。
特にIT系の資格では、サイトの種類が多い傾向にあり、配信サイトによって「録画された内容を何度も視聴可能」「教材や問題演習も含まれる」「有料記事を閲覧可能」などさまざまなサービスを受けられます。
通信講座を受講する
資格に関する通信講座は、講師による講座が受講できるほか、学ぶ際に必要な教材や問題集が用意されており、自分で学習環境を整える手間を省けます。また、「添削を受けられる」「質問がしやすい」といった学習サポートも万全で、「一人での学習には自信がないものの、通学は難しい」という場合におすすめです。
資格取得に特化したスクールで学ぶ
資格取得に特化したスクールでの学習は、「疑問点があればすぐに講師に質問できる」「知人・友人ができやすく切磋琢磨して成長していける」などのメリットがあります。ただし、「講座が開かれる時間が決められている」「金銭面での負担が大きい」などのデメリットもあるため、時間やお金にゆとりがある場合の手段といえるでしょう。
効率的な勉強方法、勉強時間の確保の仕方については「社会人が勉強時間を確保するには?意識したいポイントなどもあわせて解説」でもご紹介しています。勉強時間を確保できるか不安な人は、こちらもあわせて参考にしてみてください。
文系社会人が取得する資格で迷ったときの選び方
この項では、文系社会人が取得する資格で迷ったときの選び方をいくつか紹介します。資格の種類が多く、どれを取得すべきか迷う場合は、以下の内容を軸に検討してみましょう。
自分の状況を踏まえてよく検討する
転職を考えている場合、希望する業界や職種に関する資格を取得するのがおすすめです。現在と同じ業界・職種への転職を検討している人も、資格があると学習意欲の高さを証明できるため、取得すると良いでしょう。
すでに関連性の高い資格を持っている場合は、上位資格の取得を目指してみるのもおすすめ。ただし、仕事や家庭が忙しくて学習時間が取れないと難易度の高い資格は取得しにくいことがあるため、どのように取得を目指すか最初に考えておきましょう。
収入アップを目的に資格取得を検討しているのであれば、「稼げる資格には特徴がある!おすすめ10選と取得する際の注意点」のコラムも参考にしてみてください。
資格の難易度を参考にして決める
資格を取得するために費やす学習時間の目安は、資格の種類によって異なります。高難易度の資格はそれだけ学習時間や実務経験が必要になるので、まずは難易度の低いものから目指して、計画的に進めるのもおすすめです。
自分が関心のある分野から選ぶ
自分が関心のある分野から選ぶことも、取得する資格で迷ったときの選び方に適しているといえます。自分の興味や関心がある分野の資格取得は、学習のモチベーションアップにつながり、意欲的に取り組みやすくなるでしょう。
また、実際に学んでみると想像以上に難しかったり、実は得意ではなかったりすることに気づく場合もあります。こうした経験は、自分の関心や得意不得意の理解につながり、自己分析の一環として役立つこともあるでしょう。自分自身の理解を深めることで、将来のキャリアプランや仕事選びにおいて、より適性に合った選択ができる可能性もあります。
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文系の社会人が取得するのにおすすめな資格に関するQ&A
ここでは、社会人の資格に関する疑問をQ&A方式で解消します。
独学で取得しやすい文系社会人におすすめの資格は?
FP技能士や秘書検定、ITパスポートなどの資格は、働きながら独学で取得しやすい難易度といわれています。社会人として必要なスキルを全般的に学べる内容でもあるため、活かせる業界や職種も幅広く、どのような人にもおすすめの資格といえるでしょう。
勉強の仕方については、このコラムの「社会人が資格を取得するのにおすすめの勉強法」をご覧ください。
転職活動で活かせる資格とそうでないものの違いは?
転職活動の際に有用性がある資格とは、業務に必要なスキルや知識が身につけられるもの、認定基準が明確で認知度が高いもの、将来的にも評価が期待できるものなどが挙げられます。
反対に、応募企業の業務に無関係の資格だと、転職活動ではアピールポイントになりにくいでしょう。「就職に役立つ汎用性の高い資格とは?企業が求めるスキルを解説します!」のコラムでも就活に役立つ資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
社会人の女性に人気のおすすめ資格は?
社会人女性に人気の資格には、ネイリスト技能検定や登録販売者資格、医療事務検定試験などがあるようです。資格取得の難易度は比較的低いため、仕事やプライベートが忙しく学習時間が取りにくい方にもおすすめといえるでしょう。
「女性に人気の仕事を種類別に紹介!空港・ものづくり系など」では、女性におすすめの職種を紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
社会人の男性に人気のおすすめ資格は?
社会人男性に人気の資格には、宅地建物取引士やFP技能士、MOSといった専門職向けの資格や、ITパスポート、基本情報技術者試験など、近年注目されている業界で活かせるものが多いようです。難易度としても、社会人として働きながら目指せるレベルとされており、おすすめといえるでしょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。