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ワーキングプアとは?年収・月収の目安と対象者の割合や解決策を紹介!
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この記事のまとめ
- ワーキングプアとは、フルタイム勤務でも年収が概ね200万円以下の低所得者層を指す
- ワーキングプアの割合は統計上、全給与所得者の5人に1人が該当する
- ワーキングプアは、人材派遣業務の自由化や新卒採用を逃した若者の増加が背景にある
- ワーキングプアの問題点としては、生活の質の低下や貯蓄が難しいことなどがある
- ワーキングプアから抜け出すには、正社員就職や転職による年収アップがカギになる
ワーキングプアとは、どの位の手取りの人を指すのか気になる人も多いでしょう。今の日本では5人に1人がワーキングプアともいわれており、脱却するには早いうちに収入アップを目指す必要があります。このコラムでは、ワーキングプアの意味や、対象となる年収・月収の目安を解説。ワーキングプアになりやすい職業や問題点のほか、脱却のための解決策も紹介します。年収を増やして生活の質を上げるために、早く行動に移しましょう。
ワーキングプアとは
「ワーキングプア」とはどのような人を指すのか、わからない人も多いでしょう。まずは「ワーキングプア」の定義と実態から解説します。
ワーキングプアは年収192万円未満が一つの目安
「ワーキングプア(working poor)」とは、正社員または非正規社員としてフルタイムで働いているにも関わらず、生活保護の水準以下の収入しか得られない低所得者層を指す言葉です。日本語では、簡単に「働く貧困層」とも呼ばれています。
国内における貧困層の明確な基準はありませんが、厚生労働省が公表する「非正規労働者データ資料(41p)」では、年収192万円未満の場合、一般的にワーキングプアに含まれるとしています。月収で換算した場合、ボーナスなしだとすると、月収16万円以下の人が該当するといえるでしょう。
ワーキングプアは、もともと低所得者人口の増加が社会問題になりつつあった1990年代のアメリカで生まれた言葉ですが、日本ではバブル崩壊以降、賃金水準の低い非正規労働者の急激な増加を背景に使われるようになりました。しかし、ワーキングプアは景気が回復基調に入った2003年以降も一定数存在し続けています。
統計上でのワーキングプアの割合は全体の約20%
日本でのワーキングプアの割合は、給与所得者数の約20%、およそ5人に1人が該当するといわれています。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2018年以降の平均年収は約440〜460万円でありながら、年収200万円以下の人は約20〜22%いることが分かりました。給与所得者数が約4,500〜4,800万人なので、約900〜1,100万人が該当することになります。
給与所得者数 (万人) | 平均年収 (万円) | 年収100万円超200万円以下の割合 | 年収100万以下の割合 | |
---|---|---|---|---|
2003年 | 4466.1 | 443.9 | 12.8% | 7.4% |
2006年 | 4484.5 | 434.9 | 14.8% | 8.0% |
2009年 | 4505.6 | 405.9 | 15.6% | 8.9% |
2012年 | 4555.6 | 408.0 | 15.3% | 8.6% |
2015年 | 4550.9 | 423.4 | 15.0% | 8.6% |
2018年 | 4764.9 | 439.1 | 13.7% | 8.3% |
2021年 | 5137.5 | 445.7 | 13.2% | 8.3% |
2022年 | 5077.6 | 457.6 | 12.7% | 7.8% |
引用:国税庁「民間給与実態統計調査」
ただし、約1,000万人前後の人がすべてワーキングプアというわけではありません。年収200万円以下のなかには、配偶者や家族の扶養内で働いているなど、自ら希望して収入を抑えている人も含まれます。あくまで一つの目安として把握しておきましょう。
なお、年収200万の人の手取り金額は「年収200万の手取りはいくら?どんな生活レベルかシュミレーションしよう」のコラムで確認してください。
参照元
厚生労働省
第2回非正規雇用のビジョンに関する懇談会
民間給与実態統計調査
ワーキングプアになりやすい職業
比較的低賃金だったり、専門的なスキルを要しなかったりする職業の人は、ワーキングプアになりやすい傾向があります。たとえば、飲食サービス業や小売業の店員、宿泊施設のスタッフ、介護職、清掃スタッフなどです。介護職のように専門的なスキルがあっても賃金設定が低い場合は、ワーキングプアになる可能性があります。農業や漁業従事者も労働条件が厳しく、季節などの影響により収入が不安定になりやすいので、ワーキングプアになる恐れがあるといえるでしょう。ワーキングプア生活の現状と問題点
ワーキングプアの人は、自立した生活を維持するのも困難といわれています。実際にどのような生活を送り、どのような問題を抱えているのか具体的にみていきましょう。
生活用品の購入を我慢する人が多い
ワーキングプアの場合、手取りは月額で約14〜15万円ほどになります。家賃や通信費、光熱費などの固定費を除くと、手元に残る金額はわずかしかありません。手元に残る金額でやりくりしなければならないため、家具や家電、衣料品の購入まで回らず、生活の質が低下してしまう傾向があります。
食費や交際費を節約している
食費は比較的減らしやすい出費ともいえるので、自炊などで食費を抑えるワーキングプアの人も多くいます。交際費を抑えるために、友人から食事や飲み会に誘われてもやむを得ず断らなければならない人もいるでしょう。食費を節約しすぎて健康に影響を与えたり、友人などとの付き合いが疎遠になったりする可能性もあります。
実家暮らしで親に頼っている
家賃のかかる一人暮らしを諦めて、実家暮らしをしているワーキングプアの人も少なくありません。実家暮らしをしていても、親が年齢を重ねて介護が必要になった際に「親を支えながら生活できるか心配」という将来への不安を抱く人もいるでしょう。親が年金生活をしている場合、家庭全体の経済的負担が大きくなる恐れもあります。
まとまった額の貯金が難しい
手取りが少なく月々の出費を抑えるのにも限界があるため、まとまった額の貯金はできていないというワーキングプアの人が大半です。特に非正規労働者は雇用が不安定なため、収入が絶たれた場合の備えをしておきたい人も多いでしょう。
しかし、貯金どころか日々の生活を保つのが難しい人も少なくありません。「もし病気や怪我で働けなくなったら生活できなくなる」「今の生活を維持するので精一杯」という切実な不安を抱えている人もいます。
ワーキングプアは社会問題につながる
ワーキングプアになると、日々の生活で手一杯になりがちです。結婚や出産を考えるのも難しくなるため、将来的に少子化にもつながる可能性があります。家庭の事情や働き方の変化により非正規で働く人が増えると、企業は人手不足となって新人教育まで手が回りません。結果として若年層の働き手が減り、労働力不足にも拍車がかかることになるでしょう。ワーキングプアは個々の問題だけでなく、少子化や労働力低下といった社会問題にもつながっています。ワーキングプアが増加する背景
ワーキングプアが増加する背景
- 非正規雇用の増加
- バブル崩壊や世界金融危機後の就職難
- 高学歴者の受け入れ先の少なさ
ワーキングプアと呼ばれる低所得者層が増加している背景には、さまざまな理由があります。ワーキングプアが増加する理由について詳しく見ていきましょう。
非正規雇用の増加
ワーキングプアが増加した理由の一つとして、1999年に行われた労働者派遣法の改正に伴う人材派遣業務の自由化が挙げられます。2004年にはさらに改正され、ソフト開発などの専門的業務だけでなく製造業でも人材派遣が認められるようになりました。
引用:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書(37p)」
厚生労働省の「令和2年版 厚生労働白書」で発表された非正規雇用労働者の推移を見ても分かるとおり、1999年以降、派遣社員や契約社員といった非正規労働者が増えており、ワーキングプアも増加の一途を辿っていると考えられます。
バブル崩壊や世界金融危機後の就職難
長く続いた就職氷河期の影響も、ワーキングプア増加の一つの要因と考えられています。1993年〜2003年の就職氷河期に新卒での正社員採用を逃した人たちの多くが、30代・40代を過ぎても派遣などの非正規労働者として働き続けているのが現状です。
引用:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書(43p)」
「令和2年版 厚生労働白書」によると、2019年現在、就職氷河期世代といわれる35~44歳の層は、約20%にあたる359万人が非正規雇用で働いていることが分かります。
高学歴者の受け入れ先の少なさ
大学院に進んで修士・博士を取得しても、働き先が見つからず非正規として就職し、ワーキングプアになるケースも見受けられます。日本では、研究機関や修士・博士を受け入れる企業が少ないことが原因です。医師や弁護士として開業しても思うように仕事が増えず、ワーキングプアになってしまう人もいます。「院卒は就職で不利になる?院卒の就職事情や就活のポイントを解説」のコラムでも述べているように、高学歴になるほど就職が難しくなるのが現状です。
参照元
厚生労働省
白書、年次報告書
ワーキングプアを脱却する3つの方法
ワーキングプアを脱却する3つの方法
- 経済的な援助を受ける
- 就労支援を受けて転職する
- 副業を始める
ワーキングプアを抜け出すには、経済的な支援から就労支援までさまざまな方法があります。ワーキングプアを脱却するのに効果的な3つの方法について見てみましょう。
1.経済的な援助を受ける
手取りが少なく生活の維持が難しい場合は、生活保護制度や生活福祉資金貸付制度といった経済的援助の利用を検討しましょう。生活保護制度は、最低生活費に満たない額を保護費として受給できる制度のこと。生活福祉資金貸付制度は、生活に必要な資金を借りられる制度です。
ワーキングプアをサポートするNPO法人などの団体を探してみるのも良いでしょう。十分な収入が得られるまで公的な制度を利用するのは、適切な手段の一つといえます。第三者へ相談することで、現状を変える良いきっかけにもなるでしょう。
2.就労支援を受けて転職する
就労支援を受けて、転職を試みるのもおすすめです。転職エージェントやハローワークなど、就職に関する専門家の力を借りると早期転職を実現できる可能性があります。ワーキングプアから脱却するためには、収入を上げることが不可欠です。働いても収入が上がらないなら、現職よりも金銭的に好条件で働ける会社への転職を検討しましょう。
転職を考える場合は、現状と将来の理想を客観的に分析することがポイントです。自分がなぜワーキングプアの状況に陥っているのかきちんと把握できれば、転職活動の成功につながるでしょう。就労支援に関しては「フリーターは就職支援機関を活用しよう!おすすめのサービスを紹介」を参考にして、一歩踏み出すきっかけにしてみてください。
3.副業を始める
もし現職の就業規則に抵触しないのであれば、副業を始めて収入を増やす方法もあります。近年は、世間の認識も変わりつつあり、副業を許可している企業も少なくありません。仕事終わりに在宅ワークで副業を始める人も多いようです。
厚生労働省の資料によると、副業をしている人の70%近くが、年収300万円未満であることが分かります。
引用:厚生労働省「雇用保険の適用拡大について(40p)」
副業をする人が増えた背景として、インターネットの普及やクラウドソーシングサイトの充実などにより、家にいながら仕事の受注ができるようになったことも関係しているようです。以前よりも副業がしやすい環境が整っているといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
第185回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会
ワーキングプア脱却に向けて収入を増やす方法
ワーキングプア脱却に向けて収入を増やす方法
- 固定費を抑えて節約する
- 非正規の人は正社員を目指す
- 正社員なら転職を検討する
ワーキングプアとして抱える将来への不安を解消したければ、収入アップを目指しましょう。年収を増やすための具体的な方法を紹介します。
固定費を抑えて節約する
食費や光熱費、通信費などの固定費を抑えて、少しずつでも貯蓄を増やしましょう。直接的な収入アップにはつながりませんが、固定費を抑えることで実質的に使えるお金を増やせます。
節約できた分を貯蓄に回せば、いざというとき自由に使えるお金を用意でき、日々の不安も和らいでいくはずです。そのほかの節約術は「貯金がない人は多い?効果的な節約術と対処法を紹介」のコラムで紹介しているので、チェックしておきましょう。
非正規の人は正社員を目指す
非正規社員として働いている場合は正社員を目指しましょう。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、20~30代の正社員と非正規職員は、約3万~10万円もの差があります。
正規職員 | 非正規職員 | |
---|---|---|
20~24歳 | 228,700円 | 194,800円 |
25~29歳 | 263,600円 | 216,400円 |
30~34歳 | 294,100円 | 221,400円 |
35~39歳 | 327,000円 | 220,500円 |
正社員登用制度のある会社なら、契約更新時に交渉したり、正社員登用試験を受けたりするのも一つの手です。非正規として通算5年以上勤めている場合は、無期雇用に転換できる可能性もあります。詳細は「契約社員から正社員になるには?登用は難しい?確率の上げ方や就職するコツ」のコラムを参考にすると良いでしょう。
アルバイトやパートから正社員を目指す場合は「フリーターから正社員になるには?就職活動の基本や受かりやすい求人を紹介」や「パートから正社員になるのは難しい?就職のメリットやおすすめの職種を解説」のコラムに目を通してみてください。就活の方法や受かりやすい仕事も確認しておきましょう。
非正規から正社員になるのは難しい?
新卒一括採用という雇用慣行のなかでは、新卒で就職しなかった人が卒業後に正社員を目指すのは困難とされてきました。しかし、人材不足などを背景とした売り手市場の現在、既卒者を対象とした正社員の求人も増えており、非正規から正社員になるのも以前ほどは難しくないようです。正社員なら転職を検討する
正社員であっても同年代の業界内平均よりも年収が低すぎると感じている場合は、転職を検討してみるのもおすすめです。これまでのキャリアやスキルを活かせば、転職による収入アップも期待できるでしょう。
正社員就職を見据えて、資格を取得したりスキルを磨いたりしておくと、転職に成功する可能性を高められます。転職に成功するためのポイントは「人に教えたくない!転職成功のポイントとは?」のコラムでチェックしてください。
ワーキングプアから抜け出すならすぐに動き出そう!
ワーキングプアから抜け出したいなら、すぐに行動に移しましょう。就職は年齢が若いほどチャンスが豊富です。資格取得やスキルアップを目指す場合は、時間がかかることもあるため、早く行動を開始したほうが有利になるでしょう。
20代は若さを武器に転職活動をするのがおすすめ
20代の人は、社会人経験がなかったり短かったりしても、人柄や成長性を重視する「ポテンシャル採用」を狙えます。ポテンシャル採用とは、保有するスキルや知識よりも将来性を重視して採用することです。収入アップを目指して転職を検討中の20代の方は「ポテンシャル採用とは?何歳まで適用される?重視されるポイントを解説」のコラムを確認しながら、将来の自分のために積極的にチャレンジしましょう。
ワーキングプアの原因を知り取るべき行動を考える
具体的な行動に移す前に、なぜ自分がワーキングプアなのかという原因を探りましょう。今は低年収でも勤続年数とともに収入が上がる可能性がある場合、転職せず留まるのも一つの選択肢です。
先輩や上司を見て今後収入が増える見込みがないと感じるなら、転職を検討しても良いでしょう。自分の現在の状況や、今後の見通しを整理して検討することが大事です。
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ワーキングプアに関するQ&A
ワーキングプアに関するさまざまな疑問について、Q&A方式で解決します。
ワーキングプアは年収いくらの人を指す言葉ですか?
ワーキングプアの基準は、地域や国によって経済的状況が異なるので明確ではありません。
日本に限定した場合は、おおよそ年収200万円以下が一つの目安として定着しています。一般的にワーキングプアに該当する人は、生活保護で得られる生活と同等のレベルで生活をしているケースが多いようです。今の年齢と年収が適切か判断するには「【年齢別】年収の平均や中央値は?収入アップの方法も紹介」を、ぜひ参考にしてください。
高学歴ワーキングプアとは何ですか?
高学歴ワーキングプアとは、国立大学や難関大学などと呼ばれる大学・大学院を卒業しているのに、就活で大手企業や有名企業に就職ができなかった人を指します。高学歴であるという自負心から、大手企業の就職にこだわる人も少なくありません。新卒での就職の機会を逃し、無職や非正規社員になるケースもあります。高学歴のフリーターや無職の方が転職で成功するには「高学歴フリーターを続けても大丈夫?将来のリスクと就職成功のコツを解説」のポイントを実践してみましょう。
ワーキングプアが抱える問題点に対する解決策は?
ワーキングプアから抜け出すには、転職活動をするのがおすすめです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。