配偶者手当とは?共働きでももらえる?支給条件や廃止が進む理由を解説!

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この記事のまとめ

  • 配偶者手当とは、配偶者がいる社員に手当を支給する企業独自の福利厚生
  • 配偶者手当の支給条件や支給額は企業によって異なる
  • 家族手当の制度を導入している企業のうち、配偶者手当がある企業は79.1%
  • 家族手当の平均支給額は17,600円で、企業規模が大きいほど高くなる傾向にある
  • 配偶者手当は、共働き世帯の増加や実力主義への変換から廃止や見直しが進んでいる

就職したら配偶者手当がもらえるのか、支給額はいくらなのか、疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。配偶者手当は企業独自の福利厚生のため、支給条件や支給額は企業によって異なります。このコラムでは、配偶者手当の内容や一般的な支給条件を解説。また、ライフスタイルの多様化や評価制度の変化にともない、廃止や見直しが進む実態についても紹介します。

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配偶者手当とは?

配偶者手当とは、配偶者がいる社員に、基本給とは別に会社が支払う手当のことです。配偶者手当は共働き世帯がまだ少なかった時代の日本で普及し、多くの企業で「家族手当」として定着しました。当時は男性社員が1人で扶養家族を支えるのが一般的だったため、企業が社員を経済的に支援する目的で導入されたものです。

配偶者手当は企業による福利厚生の一環

配偶者手当は企業が独自で設定している福利厚生の一つです。法的義務はないため、配偶者手当がない企業もあります。そのため、配偶者手当の支給条件や支給額も企業によって異なるようです。

配偶者手当は所得税の課税対象になる

配偶者手当は給与所得と見なされるため、所得税の課税対象となり、社会保険料も掛かります。所得税や社会保険料は固定賃金が対象であり、配偶者手当は毎月の支給額が固定されるため、これに該当するのです。
 

「家族手当」や「扶養手当」との違いは?

「家族手当」とは、家族がいる社員に対して企業が支給する手当全般を指します。それに対して、「配偶者手当」や「扶養手当」は家族手当に含まれる手当の種類。前述したとおり、「配偶者手当」は配偶者がいる社員に支給される手当のことです。「扶養手当」は扶養している配偶者がいる社員のみを対象として企業が手当を支給します。
家族手当についての詳細は、「家族手当の支給は見直される!?背景にある成果主義とは」もあわせてご覧ください。

公務員の場合は「配偶者手当」ではなく「扶養手当」

国家公務員の場合、配偶者手当ではなく扶養手当が支給されます。国家公務員の給与は国税から支払われるため、対象となる家族の条件や支給額は法律で定められているのです。これは、税金の不正使用を防ぐ目的で、国会で定められた法律をもとに国民のチェックを受けていることを意味するといえるでしょう。地方公務員の場合は自治体によって支給条件が異なります。国家公務員の法律に準じて、地方自治体の条例で定められていることが多いようです。

配偶者手当や家族手当の一般的な4つの支給条件

ここでは、配偶者手当を含め、家族手当における一般的な支給条件について解説します。前述したように、配偶者手当の支給条件は企業によって異なるもの。配偶者手当を受けたいと考えている方は、自身の勤め先や就職希望先の企業が定めている適用条件をよく確認しましょう。

1.家族の対象範囲

多くの企業では配偶者や子どもを家族手当の対象にしているようです。両親を対象にする場合は、同居または同一生計を条件にすることが多いといわれています。また、配偶者手当を支給する際に配偶者を婚姻関係のある夫婦に限定するか、事実婚も対象にするかは企業によって判断が分かれるでしょう。

2.対象家族の収入による上限

対象家族の収入によっては、家族手当や配偶者手当の支給対象から外れる場合があります。また、支給対象になる場合でも、収入に応じて支給額が変わることも。人事院による令和2年職種別民間給与実態調査では、配偶者手当を支給する企業のうち、配偶者の収入に制限を設けている企業の割合は85.6%でした。配偶者の収入に制限を設けている企業を100とした場合、45%の企業が「所得税の配偶者控除が受けられる103万円」を上限としているようです。

       
配偶者の収入に制限がある企業の割合  
103万円(所得税の配偶者控除の上限額) 45%
130万円(社会保険料の被扶養者の上限額) 31.7%
150万円(配偶者特別控除の満額支給の上限額) 9.4%
その他 13.9%

引用:人事院「民間給与の実態(令和2年職種別民間給与実態調査の結果)-3 手当の支給状況 表12 家族手当の支給状況及び配偶者の収入による制限の状況

上の表から分かるとおり、「社会保険料の被扶養者とされる130万円」や「配偶者特別控除の満額支給の対象となる150万円」を上限とする企業もあります。

参照元
人事院
民間給与の実態(令和2年職種別民間給与実態調査の結果)-3 手当の支給状況 表12 家族手当の支給状況及び配偶者の収入による制限の状況

​​3.同居や同一生計の有無

対象家族の条件を「同居しているかどうか」で家族手当の支給可否を判断する企業もあります。この場合は、扶養している子どもであっても、一人暮らしで別居していれば対象外になるでしょう。単身赴任で一時的に別居している場合は、企業によって判断が分かれるようです。また、「生計を一つにしているか」で判断する企業もあり、この場合は一人暮らしで別居していても、生活費を仕送りしていれば対象となります。

4.対象家族の年齢

家族手当の対象となる家族を年齢で判断する企業もあります。子どもは大学進学前の18歳、または大学卒業の22歳を上限にすることが多いようです。両親は定年退職にあたる60歳以上を対象とするのが一般的でしょう。家族手当は、扶養家族がいる社員の経済的負担を軽減するためのものなので、就業中の家族は対象外にするという考え方がベースにあります。

配偶者手当を実施している企業の割合は79.1%

先で参照した人事院の令和2年職種別民間給与実態調査によれば、家族手当を支給している企業の割合は75.9%と過半数を超えています。家族手当の制度がある企業のうち、配偶者手当を支給する企業は79.1%です。ただし、前述したとおり、多くの企業で配偶者の収入制限を設けています。

参照元
人事院
民間給与の実態(令和2年職種別民間給与実態調査の結果)-3 手当の支給状況 表12 家族手当の支給状況及び配偶者の収入による制限の状況

配偶者手当や扶養手当の平均相場

家族手当(配偶者手当・扶養手当を含む)の支給額は企業によって異なりますが、厚生労働省 の「令和2年就労条件総合調査の結果の概況p14」によると、平均で17,600円です。また、下の表が示すとおり、企業規模が大きいほど支給額も多い傾向にあります。

  
企業規模による家族手当の平均支給額の違い  
1,000人以上 22.200円
300~999人 16.000円
100~299人 15.300円
30~99人 12.800円

引用:厚生労働省 「令和2年就労条件総合調査の結果の概況p14

家族手当の支給額は、家族によって設定額を変えている企業も多いようです。東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版) - 賃金事情p21」によれば、家族手当を支給する都内企業のうち、家族によって異なる支給額を設定している企業の割合は89.2%に上ります。配偶者への平均支給金額は10,589円、子どもへの平均支給金額は約5,550円です。
「配偶者手当の内容は分かったけど、一律手当ってどんな手当なの?」といった疑問がある人は、「毎月決まった額が支給される?一律手当の定義と内容とは」をぜひ参考にしてください。

参照元
厚生労働省
令和2年就労条件総合調査 結果の概況
東京都産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版) - 2 賃金事情

配偶者手当を廃止する企業が増えている3つの理由

昨今、配偶者手当や家族手当は廃止や見直しを検討する企業が増えているといわれています
平成30年の職種別民間給与実態調査で人事院が調べた「配偶者に対する家族手当の見直し予定の状況」では、家族手当の見直しを検討している企業は約14%。そのうち廃止を検討している企業は24%、支給額の減額を検討している企業は約20%です。この項では、家族手当や配偶者手当の廃止・見直しが進む背景について解説します。

参照元
人事院
民間給与の実態(平成30年職種別民間給与実態調査の結果) - 3 手当の支給状況 表12 家族手当の支給状況 ウ 配偶者に対する家族手当の見直し予定の状況

1.共働き世帯増加により生活スタイルが変化した

配偶者手当が普及・定着した時代と比べて、企業で働く従業員構成・家族構成は変化しています。配偶者手当が普及した当時は男性が仕事に専念し、女性は家事・育児に専念する家庭が一般的でしたが、1997年には共働き世帯が専業主婦世帯の数を上回るようになりました。
厚生労働省の「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書p2」によれば、1975年と2015年の女性の就業率の比較は以下のとおりです。

<女性の就業率の推移>
・25~29歳 1975年:41.1% 2015年:76.5%
・30~34歳 1975年:30.0% 2015年:68.4%
・35~39歳 1975年:53.1% 2015年:69.4%

また、共働き世帯は1980年には約600万世帯でしたが、2015年には1114万世帯になり、反対に専業主婦世帯は約1100万世帯から、687万世帯に減りました。

共働き世帯増加により生活スタイルが変化したの画像

引用:厚生労働省「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書p3

配偶者手当は、家族を扶養する男性従業員を支えるために普及した制度ですが、共働き世帯が多い現在では、配偶者手当の目的と家庭のあり方が合わなくなってきていると考えられます

2.配偶者手当による給与調整を防ぎたい

配偶者がいる女性のパートタイム労働者では、配偶者控除や配偶者手当を理由に就業調整をしている人が21%いることが前出した厚生労働省の調査で分かっています。そのうち、就業調整する理由を「配偶者の配偶者手当の対象から外れるから」とする人は約21%です。
このような就業調整によって、繁忙期の人手不足を招いたり、就業調整をしない従業員に負担が偏ったりするなどの問題が生じているといわれています。また、労働力人口が減っている現状から考えて、パートタイム労働者を活用できていないことが社会的な問題であるという考えもあるようです

3.改正された配偶者特別控除の要件とズレが生じる

さらに、配偶者特別控除額が改正されたことも影響しています。2017年までは38万円の満額控除額を受けられるのは、配偶者の年収が103万円以下の世帯でしたが、改正により年収の上限が150万円以下になりました。前述のとおり、配偶者手当・家族手当の支給対象となる家族の収入上限を103万円、または130万円としている企業は合計で約76.7%になるため、配偶者の収入上限と税制が合わなくなったことも廃止や見直しが進む理由の一つと考えられます。
配偶者控除について詳しく知りたい人は、「配偶者控除ってなに?対象者や計算方法を確認しよう」を参考にしてください。

参照元
厚生労働省
女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書
国税庁
平成30年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて

配偶者手当を廃止した企業の実例を紹介

厚生労働省の「配偶者を対象とした手当に関する見直しが 実施・検討された事例等」では、企業による多様な制度の変更事例が挙げられています。以下で、そのなかの事例の一部を紹介しているので、参考にしてみてください。

配偶者手当を廃止し子ども手当を新設

配偶者手当を廃止し、子どもや障がい者への支援策を新設した企業の事例があります。
この企業では配偶者扶養給として20,000円を支給していましたが、段階的に廃止。その代わり、新たに子どもが生まれた社員には、子ども1人あたり55万円を支給する支援策を新設しました。さらに、子どもや障がい者等支援が必要な家族を扶養している社員には、月額5000円を支給することになったということです。別の企業では、新たに「介護を要する本人・配偶者の親族」を対象家族に認めた例もあります。いずれも、社員が子育てや介護に対する不安を解消し、安心して働けるようにするのが目的です。

実力・成果主義への変化のため廃止

ある企業では配偶者手当を見直すだけでなく、賃金制度そのものを見直しました。成果主義である海外の企業と競争するため、年功序列を廃止して実力主義へと転換。その際、配偶者手当や住宅手当は仕事の成果とは関係ないという理由で廃止しました。

ジェンダーレスの観点から廃止

配偶者手当は、支給対象が世帯主であったり、扶養している従業員であったりと、主に男性社員を対象にしてきました。しかし、男女均等の観点から廃止する企業が増えているといわれています。
また、配偶者手当だけでなく、各種手当を公平・公正の観点から廃止し、賃金制度に移すという企業もあります。この場合、廃止による余剰金は全員に再配分したことで、特に若手社員のモチベーション向上につながったようです。

参照元
厚生労働省
配偶者を対象とした手当に関する見直しが 実施・検討された事例等

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