働きながら転職活動をするコツは？ハローワークを使うメリットとデメリット

「働きながらハローワークを使って転職活動をしたい」と考える方はいるでしょう。働きながら転職活動を進める方は多いですが、在職期間にハローワークを利用するには注意が必要です。
このコラムでは、ハローワークのメリット・デメリットを踏まえた活用方法を詳しく解説。転職サービスとの比較や、ハローワークに向いている場合の特徴についてもご紹介します。働きながら転職活動を行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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働きながら転職活動はできる？ハローワークは使える？

働きながら仕事を探すことは可能です。実際に、転職活動を在職中に行う方は多くいます。時間の確保や日程調整が大変になりますが、経歴に空白が生まれず、収入も途切れずに済みます。
退職してから転職活動を行う場合は、多くの時間を転職活動に使えるので、自己分析や求人探しに時間を掛けられたり、日程調整が容易だったりするのがメリットです。

転職のタイミングについては、「転職活動は仕事を辞めてから？働きながら？成功させるコツとスケジュール」のコラムも参考にしてみてください。

在職中もハローワークは使える

ハローワークは仕事を探している人なら誰でも利用できるため、在職中に登録や求人の確認が可能です。ただし、在職中は求人への応募はできません。ハローワークで扱っている求人に応募するには、離職票が必要になるからです。離職票とは、退職理由などが記載された書類で、離職する場合にしか渡されません。また、ハローワークの求人に応募するには、ハローワークが発行する紹介状が必要。紹介状をもらうにはハローワークに離職票を提出するため、在職中の場合は紹介状がなければいけません。

ハローワークの紹介状について詳しく知りたい方は、「ハローワークの紹介状のもらい方は？ネットや郵送は可能？」のコラムもご一読ください。

転職でハローワークを上手に使うコツ

ここでは、ハローワークを上手に使いこなすコツを解説します。納得のいく転職活動ができるよう、前項で紹介したメリット・デメリットを踏まえてぜひ参考にしてみてください。

最新の求人情報をチェックする

パソコンから24時間利用できる（※）ハローワークインターネットサービスでは、求人情報が毎日更新されています。前日午後9時30分時点の情報が翌日午前6時ころに公開されるので、最新の求人は常に確認しておくと良いでしょう。日ごろから最新情報に触れておくことで求人見逃しを防止でき、応募のチャンスが広がります。このとき、頻繁に募集をかけている企業をチェックしておくことも大切です。求人頻度が高い会社は、労働者が定着しにくい何らかの原因があることも。反対に、事業拡大によって新設された営業所の求人は、経営状態の良い企業が出していることが多いのでおすすめです。一度に大量の募集を出すことが考えられるため、採用の可能性が高まります。

※毎週日曜午後10時～翌日午前8時まではシステムメンテナンスのため利用不可

求人は給与や就業時間を把握してからしぼりこむ

求人検索の際には、最初から条件をしぼりこみ過ぎず、まずは気になる職種や業種をざっくりと検索し、給与や就業時間をチェックしてみてください。希望を細かく設定して検索をすると、多くの求人がはじかれてしまうことも。詳細条件を絞り込むときには、自分が妥協できる最大限の条件に設定しましょう。そうすることで、希望に叶う求人を下限から上限まで広域的に検索できます。ある程度興味のある求人票を絞れたら、「休日数・賞与欄・給与幅」に着目しましょう。

年間休日の日数120日

完全週休二日、祝日休み、夏季休暇・年末年始休暇（ともに5日間程度）を得るための基準は、年間休日120日以上です。この基準を満たしていない場合、いずれかの休日が省かれる可能性があります。

賞与の有無

賞与を支給できる企業は業績に安定感があり、経営基盤が頑丈で体力があると判断できます。特に「将来性のある企業に転職したい」と考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

給与額の幅

求人票記載の給与額の幅が広過ぎる（20万〜45万など）企業は、応募者を集めるために上限を高く設定している可能性があります。こういった求人に応募する際は、実際にもらえる給与額と、年齢・スキルなど加味している給与基準について、面接できちんと確認しましょう。

模擬面接・書類添削などの就職支援サービスを利用する

ハローワークでは、模擬面接や応募書類の添削といったサービスも行っています。マンツーマンで個人対応してくれる所もあれば、セミナーとして開催しているケースもあり、事業所によってさまざまです。

参照元
ハローワークインターネットサービス
よくある質問

転職でハローワークを使うメリット・デメリット

ここでは、ハローワークを利用した転職活動のメリットとデメリットについて解説します。失業保険や職業訓練について記載していますので、以下よりチェックしてみてください。

メリット1：失業給付金を受給できる

ハローワークインターネットサービスの「基本手当について」によると、ハローワークでは、一定の条件を満たすと「失業給付金」を受給できます。受給対象となるのは、以下のどちらにも該当する場合です。

（1）就職の意思があり、求職活動を積極的に行っているにも関わらず、就業できない状態にある
（2）離職日より以前の2年間で、通算12ヶ月以上の雇用保険の被保険者期間がある

支給額は1日分の金額として「基本手当日額」を算出します。算出方法は以下のとおりです。

離職する前の給与（直前の6ヶ月間）の1日あたりの賃金×50～80％※（上限額あり）
※60～64歳は45～80%

メリット2：職業訓練等でのスキル獲得やマッチング判断ができる

ハローワークでは、若者の雇用対策として独自の支援施策を数多く実施しています。以下のようなサービスを活用して転職を成功させる確率をアップさせましょう。

職業訓練「ハロートレーニング」

厚生労働省の「ハロートレーニング（離職者訓練・求職者支援訓練）」によると、ハローワークは、IT・医療事務・営業・販売などといった20種類以上の分野で職業訓練を展開。受講者は3ヶ月～1年程度の訓練期間を経て、業務に必要な知識やスキルを身につけられます。なお、テキスト代をのぞき、受講料はかかりません。就業前に必要なスキルと知識が身につくので、未経験の業界や職種に挑戦したい方には最適です。

トライアル雇用制度

トライアル雇用制度とは、45歳以下のフリーターやニート、離職から1年以上経過している方などを対象にした、お試し期間として3ヶ月ほど企業で働く制度です。業務や会社への理解が深まり、採用におけるミスマッチを防止できることが利点です。また、基本的には常用雇用を前提としています。厚生労働省の「『トライアル雇用』に応募してみませんか？」によると、現状、トライアル終了後は8割以上が常用雇用に移行しています。

デメリット1：自主性が必要

ハローワークの場合、転職者が自主性を持って取り組まないと求人情報を入手しにくいというデメリットがあります。ハローワークは「公益性・平等性」というポジションのもと、積極的な求人の紹介、メールでのおすすめ企業の配信といったサービスは行いません。あくまでも求職者から要望があった際に、求人を提供するスタンスです。紹介状も郵送での発行は受け付けておらず、手渡しが原則。受け身でいるとなかなか前に進めず、転職活動が停滞する可能性が高まります。

デメリット2：開庁時間内に相談しに行くことが難しい

ハローワークの開庁時間は、午前8時30分〜午後5時15分、または午前10時〜午後6時であることが多く、ほとんどが一般企業の営業時間と重なっています。在職中に転職活動をする人にとって、ハローワークを訪れる時間を作るだけでも難しいでしょう。
平日夜間延長や土曜開庁をしている場合はサービスが限られます。受付しているのは求人情報の提供・紹介と職業相談のみで、失業給付金の手続きや申請などはできません。また、インターネットで閲覧した求人に応募するためには、ハローワークまで足を運び、紹介状を受け取る必要があります。このようなデメリットはモチベーション低下に繋がりやすく、活動が滞る原因となりがちです。

デメリット3：相談員の対応にばらつきがある

ハローワークの相談員によっては、対応の方針が異なることがあります。幅広く相談者の悩みに対応してくれる場合や、相談者が求めるものにのみ必要な解決策を提示してくれる場合など、さまざまです。どのような方針で相談対応してくれるか分からないため、質問したい内容や疑問をリスト化したりメモしたりして、準備してハローワークを訪問すると良いでしょう。

デメリット4：求人内容と賃金や就業時間が違うことが多い

なかには、「実際に働き始めたら、求人票に掲載していた内容と違った」というミスマッチがあることも。以下は、厚生労働省が公開している「令和3年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」についてまとめたものです。

［申出・苦情の件数］
3,870件

［主な要因］

引用：厚生労働省「令和3年度 ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」

ハローワークではこういったトラブルを減らすため、事実確認・是正指導といった対応をしているようです。実際に働き始め、仕事内容・雇用形態・給与・福利厚生などの条件面において、求人票と差異があると感じたときは、ハローワーク求人ホットラインに相談しましょう。厚生労働省の「ハローワーク求人ホットライン」によると、ハローワーク求人ホットライン、土日を含む全日で相談を受け付けています。

参照元
ハローワークインターネットサービス
トップページ
厚生労働省
ハロートレーニング
就職活動を続ける若者のみなさま、事業主の皆様へ
トップページ

ハローワークを使う際の概要と利用の流れ

ハローワークは、求職者の就職を支援する行政機関です。各都道府県に設置されており、全国に500箇所以上あります。転職を検討している在職中の方はもちろん、無職やフリーターの方など、仕事を探しているなら誰もが利用可能です。ハローワークでは、主に以下のサービスを提供しています。

・求職申込み
・就労相談
・職業紹介
・求人票の閲覧
・雇用保険手続き
・職業訓練の受講相談
・求人先への問い合わせ

ハローワークでは、若者の雇用対策を支援するサービスがあります。代表例は、新卒者向けの「新卒応援ハローワーク」や、若年層向けの「わかものハローワーク」といったサービスで、自分が対象かどうか、一度調べてみるのもいいでしょう。

ハローワークの利用の流れ

ハローワークインターネットサービスの「求職申込み手続きのご案内」によると、まずは最寄りのハローワークに向かいます。ハローワークで求職活動を行うには、「求職申込書」の受理が必要です。求職申込書とは、住所・氏名などの基本情報や、収入・就業形態といった就職についての希望条件を記載する書類のこと。受付の際に窓口で申込書を受け取り、記入しましょう。

求職申込書による本登録の前にインターネットから求職情報仮登録を行えるため、記入時間を短縮したい場合や、事前に記入内容を考えたい場合は検討してみてください。本登録が済むと「ハローワークカード」が発行され、就職・転職相談や求人紹介が可能となります。

参照元
厚生労働省
若者への就職支援
全国ハローワークの所在案内
ハローワークインターネットサービス
トップページ

ハローワークと転職エージェントはどう違う？

転職活動の際、ハローワーク以外だけでなく民間の転職エージェントも利用するという手段があります。転職エージェントとは、人材を募集している企業から求人を預かり、仕事を探している求職者に紹介する会社です。やみくもに紹介するわけではなく、企業と求職者、双方のニーズやマッチ度を見極めたうえでマッチングを図ります。以下の比較項目をもとに、ハローワークと転職エージェントにはどのような違いがあるのか、確認してみてください。

求人量

ハローワークの求人登録は、「審査なし・無料」というシステム。そのため多くの企業が登録しています。すべての事業所の求人がインターネットで閲覧できるので、全国的な職探しが可能です。
企業が転職エージェントで求職者を募集するにはコストがかかります。その分、ハローワークと比べると求人量はやや少なく感じることがあるでしょう。しかし、登録している企業は資金源に余裕があり、業績が安定している傾向にあります。

求人企業の質

ハローワークは、資金力のない企業や待遇の良くない企業も登録できます。そのため、先述した「求人票と実際の内容が違う」といったミスマッチが起こることも多く、すべての求人企業の質が高いとは言い難いでしょう。
転職エージェントが扱う求人は、多くが優良企業のものです。転職エージェントの登録システムは、「企業と転職者の雇用契約が成立すると、企業から紹介手数料が支払われる」という仕組み。そのため、「コストをかけて良い人材を獲得したい」と考えている企業の求人が集まります。また、企業も求職者も、登録時にニーズのヒアリングが行われるため、収入面や待遇面で入社後のミスマッチが起こる心配は少ない傾向です。

求人企業の特徴

ハローワークは国の事業ですが、管轄は各地域の労働局です。ハローワークは、以下の「職業安定法」に基づいて運営しています。

［第十七条］
公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない。

こういった特性上、ハローワークは管轄地域にある企業との繋がりが強く、地元中小企業の求人が集まりやすい傾向です。ハローワークインターネットサービスを活用すれば、紹介状を必要としない求人に在職中も応募できるので、「在職中に地元での就職先を見つけたい」という人におすすめといえます。

転職エージェントが取り扱う企業は大手〜中小企業が多いので、経営状態に安心感がある傾向です。なお、ジャンル（業界・職種・年齢層など）に特化した専門型のエージェントであれば、より効率の良い仕事探しが可能。「若年層に向けた求人が良い」「IT業界で働きたい」「コンサルの仕事をしたい」など、要望が定まっている方におすすめします。また、オンラインで面接のアドバイスも受けることができる転職エージェントもあるため、在職中でも効率よく転職活動が進めることが可能です。

サポート体制

ハローワークでは公平性を保つ性質上、利用者一人ひとりに手厚いサポートを行うことは難しいことが多いでしょう。企業に関する情報の入手方法も、求人票のみです。職員を通して詳細を知ることが可能ですが、情報量が少なく見極めが難しくなることも。
転職エージェントでは、基本的に業界に精通した専任アドバイザーが転職活動をしっかりサポート。職場環境や業務内容について、詳しい情報を提供してくれます。また、待遇面の交渉、面接のスケジュール調整、履歴書の書き方・模擬面接など、徹底的にフォローする体制が特徴。求職者のニーズに寄り添い、内定まで丁寧に導いてくれます。

参照元
e-Gov電子政府の総合窓口
職業安定法

利用に向いている場合・向いていない場合

ハローワークの利用に向いている場合・向いていない場合の特徴を紹介します。ハローワークを利用しようか迷っている人は、参考にしてみてください。

向いている場合

業界や職種、勤務先などを限定せず、幅広く仕事を探したい場合はハローワークの利用が向いているでしょう。求人数は民間の転職サイトや転職エージェントより多く、全国の事業所から探すことが可能です。また、地元で働きたい方にとって、地域求人に強いハローワークは好都合。IターンやUターン就職を希望する方にも向いています。社員数が数10人〜100人未満の企業規模で働きたい方にとっても、中堅企業の登録者数の多いハローワークでは求めている企業が見つけやすいでしょう。
ハローワークでは、未経験OKの求人も数多く取り扱っています。今まで経験したことのない仕事に就いてみたい方にはおすすめです。

向いていない場合

給与や待遇面で好条件を求める場合は、ハローワークの利用に向いていない傾向があります。なぜなら、ハローワークが扱う求人は中小企業が中心で、希望条件に近い求人が見つからないことも。また、ハローワークは開庁時間の間に直接訪れなければ求人に応募できないので、時間がないなかで転職活動をする人・大手企業を狙いに定めている人はハローワークの利用はあまりおすすめではありません。

ハローワークよりも転職エージェントがおすすめ

現職が忙しくハローワークに行けない場合には、転職エージェントがおすすめ。メールで丁寧なカウンセリングや企業紹介をしてくれるため、効率良く転職活動を進められるでしょう。
また、プロのアドバイザーからの客観的な意見が欲しい場合、ハローワークよりも転職エージェントの方が向いています。転職エージェントのキャリアアドバイザーには業界出身者や人事経験者などもおり、業界の動向や採用事情に詳しいことが特徴です。プロの視点で利用者の適性や能力を見極め、仕事選びから選考に至るまで、的確なアドバイスで活動を推し進めてくれます。

「ハローワークの利用だけでは不安」「1人で転職活動をする自信がない」という人は、転職エージェントのハタラクティブでは、専任のキャリアアドバイザーが求職者一人ひとりの適性・スキル・要望を丁寧にヒアリング。そのうえで、希望条件にマッチした求人を紹介します。そのほか、応募書類の書き方や面接対策など、就活全体に対してアドバイスを行い、内定まで徹底サポート。すべてのサービスは無料で利用できますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

働きながらハローワークを活用するときのQ＆A

働きながら転職を成功させるには、ハローワークや転職エージェントの利用がおすすめです。ここでは、働きながら転職するときのお悩みをQ＆A方式で解決していきます。

ハローワークの窓口では何を相談できますか？

ハローワークの窓口では、就職や転職に関する相談や失業保険の受給手続きに関する相談ができます。担当者の客観的な意見を参考に、仕事探しへ反映させることも可能です。また、気になる求人の応募倍率や労働市場の状況についての情報を得られます。ハローワークで職業相談をしたいと考えている方は、「ハローワークで相談する内容は？窓口の利用方法や失業保険の受給方法を紹介」も参考にしてみてください。

ハローワークで県外の求人を紹介してもらいたいです

ハローワークでは全国の求人情報をインターネットで検索できます。そのため、県外の求人も紹介状を発行してもらうことが可能。ただし地域によっては、就職を目指せる業種や職種が限られてしまう場合も。県外へ就職するときの注意点は、「ハローワークで県外の求人を紹介してもらえる？転職活動の注意点も解説！」で詳しく解説しています。

ハローワークに行くときはどんな準備が必要ですか？

ハローワークに向かうときは、基本的に私服で問題ありません。面接練習で服装をチェックしてほしい場合は、スーツで来所するのがおすすめです。また、履歴書を持参していくと、求職申込書の記入をスムーズにできます。ハローワークを利用する際の服装や便利な持ち物については、「ハローワークに行くときの服装と持ち物について」をご一読ください。

働きながら転職を成功させるコツが知りたいです

採用面接の際は有給休暇を活用し、転職日が決定したら必ず引き継ぎを行うのが働きながら転職を成功させるコツです。詳しくは「働きながら転職活動するのは無理？メリット・デメリットや成功のコツを紹介」をご覧ください。

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