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異業種に転職したい!未経験でも大丈夫?志望動機のポイントとは
更新日
この記事のまとめ
- 異業種への転職は、業種だけを変えるパターンと業種も職種も変えるパターンがある
- 未経験の異業種に転職するなら、年齢が若いほうが有利になりやすい
- 異業種からの転職者を積極採用するのは、急成長している会社や人手不足の業界
- 異業種へ転職すると、スキルの幅が広がり大きく成長できるのがメリット
- 異業種への転職を希望するなら、イメージで決めずに志望先をしっかり調べることが大切
異業種への転職を希望しているものの、「ハードルが高そう」「ミスマッチが不安」と悩む人もいるのではないでしょうか。このコラムでは、異業種転職の実態や成功のコツをまとめています。また、年代別の難易度や異業種からの転職に成功しやすい業界・職種についてもご紹介。志望動機の作り方も例文付きで解説しているので、今とは違う仕事を検討している方は参考にしてみてください。
異業種への転職は増えつつある
「前職と違う仕事に就くのは無理があるのでは…」と思う人もいるようですが、実際のところ異業種へ転職する人は一定数います。業種が違っても、前職での実績や活かせるスキルをアピールすれば異業種に転職できる可能性は十分にあるでしょう。
異業種の定義とは
異業種とは、扱う商品やサービス、提供する価値などの「種類が異なる経済活動」を指します。そもそも業種とは、事業内容による分類のことです。一般的には総務省の「日本標準産業分類」が基準となっており、たとえば、「農業」「小売業」「製造業」のように分けられています。「業種とは?職種との違いや自分に合った仕事の見つけ方を紹介!」のコラムでは業種の分け方について詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
参照元
総務省
日本標準産業分類(令和5年7月告示)
大学・大学院卒の異業種転職は増加傾向
厚生労働省の「令和4年版 労働経済の分析(第2節)」によると、大学・大学院卒の20~40代で産業を超えた転職が活発化していると報告されています。男性の場合は25〜34歳、女性は35〜44歳で増加の傾向です。
また、高卒や専門学校卒といった「大卒・大学院卒以外」は増加傾向ではないものの大幅な減少はなく、ほぼ横ばいとなっています。いずれの学歴・年代でも、1992年から2017年にかけて異業種への転職は増えているといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題-
「異業種への転職」とは
ひとくちに「異業種に転職」といっても、業種は違っても職種は同じ場合と、業種も職種も変えるという2パターンが考えられます。
異業種・同職種への転職
1つ目は、業種は異なるけれど職種が同じというケースです。たとえば「小売業で経理業務を行っていた人が、製造業の経理に転職する」など、業種は違っても職種は変えないことを指します。
異業種でも同じ職種であればスキルや経験を活かしやすいため、転職に成功しやすいでしょう。また、業種が変わることで経験の幅が増え、スキルアップが期待できます。「就いてよかった仕事を選ぶには?男性・女性別にランキングで職種を解説!」のコラムでは、正社員として就職した人が実際に選んだ職種を紹介していますので、参考にしてみてください。
異業種・異職種への転職
2つ目は「アパレル販売から製造業の工場勤務」など、職種も業種も変えるケースです。今まで身につけた業務に関するスキルや経験は活用できないことが多いため、転職ハードルは高くなりやすいでしょう。ただし、業種も職種も変わるからといって転職が一概に難しいとも言い切れません。
異業種の転職について難しさを感じる方は「職種を変える転職は難しい?キャリアチェンジの叶え方と注意点」もご覧ください。
【年代別】異業種に転職するのは難しい?
一概に「異業種への転職は難しい/難しくない」とはいえません。前項で紹介したように、一般的には「異業種・同職種への転職」のほうが、「異業種・異職種への転職」より難易度は低いでしょう。しかし、異業種への転職難易度は、前職との関係性だけでなく年齢や社会人としての経験によっても変化します。
年齢によって異業種への転職難易度は変わる
20代は新しい仕事への柔軟性や吸収力が非常に高く、未経験分野でも活躍できる可能性が高いでしょう。企業側としても、20代であれば長期的な戦力として期待できるため、異業種からの転職者も積極的に受け入れる場合が多いようです。20代の転職については「異業種への転職は若いほど有利?転職しやすい職種とは」のコラムでも紹介しています。ぜひご一読ください。
30代の異業種転職
30代は前半と後半で傾向が異なるうえ、男女による違いもあります。独立行政法人労働政策研究・研修機構「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成」によると、男性では30〜34歳で異業種転職をする人が40.3%、35〜39歳では35.6%となっています。
引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成(第5-2-2表、72p)」
30代前半であれば企業側も若手と見なす場合があり、異業種への転職難易度はさほど高くないでしょう。しかし、30代後半になると企業も転職者に対して即戦力を求める傾向が強まるため、これまでのキャリアやスキルが重視されるようになります。すなわち、30代後半の異業種転職はややハードルが高くなり、それが数字に表れているといえるでしょう。
一方、女性の異業種転職は30〜34歳が 41.3%、35〜39歳では45.3%です。男性とは反対に、30代後半になると異業種転職が増えています。しかし、30代前半に比べて転職者の数自体が減っているのがポイントです。
女性の場合、30代後半は私生活が変化する人も増える年代なので、転職者の数は一時的に減るものと考えられます。他方、数少ない転職者においては、私生活との両立を目的として働きやすい業界・業種を目指す人が一定数いると考えられるでしょう。
そのため、異業種へ転職するなら職種は変えないのが無難です。なお、30代の転職については「30代から未経験分野に転職するのは厳しい?おすすめの業界と成功のコツ」のコラムでも紹介していますので、ぜひご覧ください。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
資料シリーズ No.252
40代の異業種転職
40代の場合は、自身が持つスキルやノウハウを提供する立場になります。そのため、異業種への転職でも管理職としての需要が高い傾向です。選考では、マネジメントの実績とスキルをアピールする必要があるでしょう。
また、40代の場合は応募者自身の「今までの経験を活かしたい」という気持ちが強くなり、異業種への転職を迷う傾向にあるといわれています。40代でのキャリアチェンジに失敗すると次の転職が難しくなる恐れもあるため、業種を変えたい理由に説得力が必要です。
未経験での異業種転職はアピールの仕方が大事
異業種・異職種への転職では、「前職でどの程度の成果を挙げたか」をアピールするのが重要です。未経験の仕事へ就く場合、前職で身につけたスキルをそのまま活かすことはできないため、学習意欲や理解能力が重視されます。一定の成果を挙げた人は、新しい業務でも早めの貢献が期待できると評価されるでしょう。
選考では「売上を○%伸ばした」といった具体的な成果や、業務で工夫した点、仕事への取り組み方などをアピールしてみてください。
ハタラクティブ在籍アドバイザーからの未経験から異業種に転職する方へのアドバイス
異業種への転職は難しそうと考えている人もいるでしょう。しかし、未経験から異業種に転職することは可能です。ポテンシャル採用を実施している企業もあり、特に20代であれば異業種への転職は比較的容易といえます。
ただし、説明したように30代になるとマネジメントスキルや業界・業種の知識が求められるため、未経験の異業種に挑戦するなら20代がおすすめです。特に、介護業界や飲食業界、IT業界など、一部の業界では異業種や経験のない転職者を積極的に歓迎する傾向があります。異業種から挑戦しやすい業界・職種は以下で紹介しているので参考にしてください。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
異業種から転職しやすい会社を見極めるポイント
異業種からの転職者が多い傾向が見られる仕事として挙げられるのは、新規事業に挑戦する会社や成長が著しい会社です。転職活動では企業のビジョンや事業計画にも注目して、異業種から転職しても活躍できそうな会社であるかを見極めましょう。
新規事業を行っている会社
新しい事業をスタートさせるということは、その事業に精通した人物が求められるということ。また、これから新規事業を行う会社は、異業種での経験がある人材に対して「新たな視点の意見をくれそう」「新規事業に活用できる経験がある」などの期待を持つでしょう。
急成長している会社
会社自体が急成長している会社では、業務が増えるにつれて人材が不足しやすくなります。人材不足によって成長を止めるのを避けるために、異業種からの転職者も積極的に採用する可能性は高いでしょう。
異業種転職における実態
この項では、公的データをもとに異業種転職の実態について業界別の傾向を紹介するので、応募先を選ぶための参考にしてみてください。
サービス業から異業種転職する人が多い傾向
独立行政法人労働政策研究・研修機構の2022年の調査「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成」によると、男女別の異業種転職で人気の高かったケースは以下の通りです。なお、この調査は35〜53歳の転職経験者、企業の中途採用担当者、人材サービス企業のマッチング業務担当者を対象に行っています。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
1位 | サービス業⇒情報通信業 | 卸売業・小売業⇒製造業 |
2位 | 卸売業・小売業⇒製造業 | サービス業⇒金融業、保険業 |
3位 | 情報通信業⇒製造業 | 製造業⇒卸売業・小売業 |
4位 ※女性は3パターンが同率4位 | サービス業⇒製造業 | ・サービス業⇒製造業 ・サービス業⇒卸売業 ・小売業・卸売業・小売業⇒医療、福祉 |
5位 ※男性は2パターンが同率5位 | ・製造業⇒サービス業 ・学術研究、専門・技術サービス⇒情報通信業 |
引用:「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成(第5-2-3表、73p)」
男性の異業種転職では、転職先として情報通信業と製造業が多いことが分かります。女性においても製造業は1位と4位にランクインしており、総じて人気が高いといえるでしょう。一方、男女ともにサービス業からの流出が多い傾向にあるようです。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
資料シリーズ No.252
対人サービス関連業は異業種転職が多い
厚生労働省の「令和4年版 労働経済の分析(第2-(2)-15図 、159p)」では、2012〜2021年にかけての異業種転職の変化を示しています。この調査によると、業種を超えた転職者の流動性が高い業界と、あまり動きがない業界があることが分かりました。
小売業や宿泊業、飲食サービス業、娯楽業といった対人サービス関連業における異業種転職はかねてより多い傾向にあります。感染症の影響で「卸売業、小売業」から「生活関連サービス業、娯楽業」への転職は減ったものの、そのほかは高めの水準を保っているようです。
2021年は「卸売業、小売業」と「宿泊業、飲食サービス業」の間で、相互に人材の流動性が高まっています。
製造業から異業種に転職する人は少ない
製造業では、業界を超えて転職する人は少ない傾向があります。2021年に「運輸業、郵便業」への転職が増えたものの、それでもほかの業界に比べて動きは少ないでしょう。
製造業では、自動車メーカーや医療機器メーカー、化粧品メーカーなど、専門分野に特化した会社が多いです。そのため、身につけたスキルを異業種で活かしにくく、転職が難しい場合もあります。
製造業から異業種へ転職したいなら、キャリアチェンジがしやすい20代のうちがおすすめ。コミュニケーション能力や柔軟性といったポータブルスキルをアピールし、ポテンシャル採用を目指しましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響は?
同調査によると、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年は、小売業や生活関連サービス業、娯楽業においては流出・流入がともに減少しています。一方、「社会保険、社会福祉、介護事業」では女性の入職・離職が増えたようです。
男性では「運輸業、郵便業」の入職者が大幅に増加しており、インターネット通販の利用者が増えたことに起因していると考えられます。
参照元
厚生労働省
令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題-
将来的に需要が高まるといわれる2つの業界の異業種転職とは
厚生労働省の「令和4年版 労働経済の分析(第3章)」では、今後需要が高まる代表的な分野として、介護・福祉業界とIT業界を挙げています。これから需要が高まりそうな業界へのキャリアチェンジは、私生活で変化があっても仕事を続けやすく、長期的なメリットがあるでしょう。
この項では、介護・福祉業界とIT業界における転職事情について詳しく解説します。
介護・福祉業界
介護・福祉業界へ転職した人の前職の産業は以下のようになっています。
引用:厚生労働省「令和4年版 労働経済の分析(第3章)、(1)前職の産業(第2-(3)-23図 201p)」
介護・福祉業界では同業種からの転職者が21.1%と最も多く、次いで製造業、教育・学習支援となっています。また、「(4)前職の職種別の転職者に占める介護・福祉職に転職した者の割合」を見ると、サービス職から介護・福祉職へ転職した人の割合が高いのも特徴です。これは、介護・福祉業界で必要とされるコミュニケーション能力が、業種を超えて活かされるためと考えられるでしょう。
IT業界
IT業界は人手不足の状況が続いており、今後さらに加速するといわれています。そのため、キャリアチェンジのチャンスが多い業界といえるでしょう。
引用:厚生労働省「令和4年版 労働経済の分析(第3章)、(1)前職の産業(第2-(3)-29図 207p)」
IT業界においても、同業である情報通信業からの転職者が多いようです。また、男女比では男性の転職者が71%と多く、且つ社会人経験が10年未満の人が30%と最も高い割合を占めています。職種別では前職が専門職・技術職という転職者が多いため、異業種転職でもある程度のスキルは必要と考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題-
異業種から転職を目指しやすい業界
異業種から転職しやすいのは、離職者が入職者を上回り、人手不足の状況にある業界です。そのほか、異業種で身につけたスキルを活かせる業界や、企業数が増えている業界などもあります。
IT・情報通信業界
前述の通り、近年ますます需要が高まっているIT・Web業界は、需要に対応できないほど人手不足といわれています。IT業界の経験がなくても、独学である程度の知識を身につけていれば採用される可能性はあるでしょう。ITに関する資格を持っていたり、趣味でプログラミングを行っていたりすれば、ポジティブな印象を与えやすくなります。
また、研修制度を充実させ、未経験者を採用して育てようとする企業もあるようです。20代での異業種転職ではチャンスの多い業界なので、「IT業界は未経験者も挑戦できる?おすすめな職種と転職成功のコツをご紹介」のコラムも参考に検討してみてください。
福祉業界
前項で紹介したように、高齢化に伴って福祉・介護業界も人手不足のため、異業種から転職しやすい仕事です。福祉・介護の仕事は専門職ではありますが、採用後に働きながらスキルアップすることを想定している企業も多いため、未経験でも挑戦しやすいでしょう。「介護職の志望動機はどう書く?未経験や転職など状況別の例文を紹介」で解説しているように、経験やスキル以上に人柄が重視される仕事です。
宿泊・飲食サービス業界
厚生労働省の「令和4年 雇用動向調査結果の概要(2. 産業別の入職と離職)」を見ると、「宿泊業、飲食サービス業」は入職率が34.6%でトップです。つまり、ほかの業界に比べて、転職者を多く受け入れていると分かります。ただし、離職率も26.8%で最も多いため、入れ替わりが激しい業界といえるでしょう。
小売業界
小売業界は離職率が入職率を上回っているため、異業種からの転職にもチャンスがあります。小売業界のなかでも販売職は求人数が多く、未経験から挑戦しやすい職種の一つです。さらに、近年はECサイトの拡充が進み、業界未経験でもITツールやアプリに詳しい人は評価される可能性があるでしょう。
卸売業界
卸売業界も離職率が入職率を上回っているので、異業種からの転職者も歓迎される可能性があります。卸売業界の場合、前職と同じ商品やサービスを扱っている会社なら、異業種でも知識が活かせるため転職しやすいでしょう。たとえば、自動車メーカーから自動車部品を卸す商社へ転職するといったケースが考えられます。
金融業界
金融業界も入職者より離職者が多いため、異業種からの転職を狙いやすい業界です。特に、営業職を経験している方は、銀行や保険会社の営業部門が狙い目といえるでしょう。また、金融業界もデジタル化が進んでいるため、ITエンジニアは異業種からも転職成功の可能性が高いといえます。
建設業界
建設業界は、2022年度から2023年度にかけて離職率が伸びてしまった業界です。厚生労働省の「令和4年 雇用動向調査結果の概要(図3-2 産業別入職超過率)」によると、2022年度は入職率が高かったのに対し、2023年度は離職率のほうが高い状況となっています。
かねてより、建設業界では後継者不足が問題となっているので、20代であれば異業種からの転職も歓迎されるでしょう。
不動産業界
不動産業界は入職率が高く、離職率が低い傾向です。公益財団法人不動産流通推進センターの調査「2023 不動産業統計集(9月期改訂、不動産業の法人数)」によると、不動産業界は法人数が右肩上がりに増えています。2022年と2023年を比較すると、1年間で約1万5,000社も増えており、人手不足の状況が続いているようです。そのため、異業種からの転職に成功できるチャンスが多い業界といえます。
参照元
厚生労働省
令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題-
公益財団法人不動産流通推進センター
不動産業統計集
転職で異業種に挑戦しやすい職種
転職で異業種に挑戦しやすい職種
- 営業職
- 事務職
- エンジニア職
- サービス・接客職
- マーケティング職
異業種への転職を考えたとき、職種も変えたいと考えることもあるでしょう。一般的に営業職やエンジニア職は未経験から挑戦しやすいので、業種も職種も変更したいなら検討してみてください。
営業職
営業職はすべての企業に存在するともいえる職種のため、そもそも求人数が多い傾向です。また、経験やスキルも大切ではあるものの、ヒアリング力や傾聴力、提案力といったビジネスの基礎的な部分が重視されるので、職種未経験でも挑戦しやすいといえます。
転職を検討しているなら、「未経験で営業職はきつい?厳しいといわれる理由とおすすめの業界」のコラムで営業職についてチェックしてみましょう。
事務職
事務職は経験者を歓迎する傾向にありますが、適性があれば異職種からの転職も可能です。特に、営業職や販売職などの経験があり、対人スキルが高い人は採用される見込みがあります。
事務職は部署を超えて人と関わる機会が多く、コミュニケーション能力が必要な職種です。また、営業事務や貿易事務では社外の人とのやり取りも多いので、対人サービスの実務経験があることは高く評価されるでしょう。
エンジニア職
前述の通り、IT関連の仕事は需要に対して人手が不足している状態です。近年は、多種多様な業種でデジタル化が進んでおり、異業種・同職種の転職は成功しやすいといえます。エンジニア職について詳しく知りたい方は「エンジニアとは何をする人?仕事内容や求められる能力をわかりやすく解説!」にて、詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
サービス・接客職
小売業の接客・販売は、人の入れ替わりが激しく異業種転職がしやすいといえるでしょう。また、接客や販売といったサービスの仕事は特別な資格は必要ないため、未経験から挑戦しやすい職種として人気があります。
マーケティング職
マーケティング職は、顧客の動向を分析し、収益アップの戦略を立てる仕事です。異業種でも、データ分析や企画立案の経験があれば評価され、採用される可能性があります。
また、近年はインターネット上の消費活動が増えたため、デジタルマーケティングに力を入れ始めた企業が多いです。そのため、マーケティング職の需要も増えているといわれており、狙い目の転職先といえます。
異業種への転職を成功させる5つのコツ
異業種への転職を成功させるには、イメージではなく実際の業務内容や企業情報を知ることが大切です。しっかり調べて事実を知ることで自分に合っているかの判断材料になるでしょう。
また、面接では「なぜ業種を変えるのか」「未経験者を採用するメリットはあるのか」といった質問をされることも。転職先として異業種を選ぶ理由や、業種が変わっても活用できるスキルがあることを明らかにしておきましょう。
異業種への転職を成功させる5つのコツ
- 転職先の仕事を調べる
- 転職する理由を明確にする
- 異業種でも活かせるスキルをみつける
- 志望先企業が求める人材を把握する
- 異業種からの転職者の受入れ状況を確認する
1.転職先の仕事をしっかり調べる
イメージだけで業界や企業を捉えると、入社後にミスマッチを起こす可能性が高くなります。
業務内容や将来ビジョンなどの企業研究だけでなく、業界がこれからどう変化していくのか、課題はあるのかなど、全体をしっかりと研究することが大切です。
2.異業種に転職する理由を明確にする
なぜ業種を変える必要があるのか、業界のなかでもなぜこの企業なのかといった志望動機をはっきりさせておくことも重要です。業界を変えることで得られるメリットや、異業種からの転職者だからこそ貢献できるポイントなどをアピールするのが良いでしょう。
転職してどのようなスキルを身につけたいか、将来的にどのポジションを目指したいかなど、明確な目標を持つのが大切です。
3.異業種でも活かせるスキルをみつける
異業種に転職する場合は、前職の業務に関する知識だけでなく、業種が変わっても活かせるスキルをアピールする必要があります。そのため、これまでの経験を振り返り、仕事での成功体験や強みなどを書き出してみましょう。
また、現在不足しているスキルを見つけるのも大切です。働く前に身につけなければいけないスキルを可視化していくことで、自分のやるべきことや、自分に適した職業が把握できます。
4.志望先企業が求める人材を把握する
異業種を問わずに転職を成功させるには、応募先企業がどのような人物を求めているかを把握する必要があります。特に未経験の仕事に挑戦するなら、自社とのマッチ度からポテンシャルをチェックされる可能性が高いです。「業務経験はなくても自社の考えや求める人物に合っている」と印象付けることができれば、内定獲得に近づけるでしょう。
5.異業種からの転職者の受入れ状況を確認する
応募先企業が異業種からの転職者をどの程度受け入れているかを調べるのも大事なポイント。民間のコンサルティング会社や人材派遣会社などが調査しているデータで業界の動向を調べたり、企業説明会などで質問してみたりする方法があります。
一般的に、未経験歓迎の求人が多い業界は、異業種からの転職者を受け入れる傾向にあるようです。
異業種への転職でよくある失敗例
ここからは、異業種への転職でよくある失敗例を解説します。
経験やスキルが不足している
まず、経験やスキル不足により失敗してしまうケースです。業種を変えるということは、その業界特有のスキルや経験が求められるということ。転職先の業種で求められるスキルが不足していると、選考を通過するのは困難になるでしょう。
そのため、自身のスキルと経験を客観的に評価し、それが新しい業種にどのように適用可能かを理解することが重要です。その上で、足りないスキルや経験を補うための具体的な計画を立てましょう。
志望動機に説得力が無い
採用担当者が応募者の志望動機を評価する際、説得力のある根拠が大切です。そのため、その企業や業種を選んだ具体的な理由と、自分がその企業でどのように貢献できると考えているのか、その見通しを示すことで、自分の志望動機に説得力を与えることができるでしょう。
志望動機の考え方は「志望動機の作り方を解説!好印象な回答をするポイントとは」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。また、このコラムの「異業種から転職する際の志望動機の作り方」でも例文付きで詳しく解説します。
入社後にミスマッチを感じる
異業種への転職は入社後に苦労したり、業務についていけなかったりするケースも少なくありません。異業種へ転職すると、これまでのスキルが役に立たなかったり、業界の文化が全く違ったりするからです。そのため、業界独自の文化や専門用語をいち早く覚え、前向きに努力する心構えが大切です。
業務についていけず辛くなってしまう
異業種への転職で仕事に慣れるまでに時間がかかるのは覚悟していたものの、思った以上についていけず辛くなってしまう場合もあります。特に、異業種・同職種の転職では、前職で身につけたスキルがある程度活かせると考えていたのに、「同じ職種でもやり方が違う」と苦労することもあるでしょう。
前の会社より労働環境が厳しいと感じる
「前の会社より成果を求められる」「残業が多い」など、労働環境の厳しさに苦労するパターンもあります。スキルアップを目指して、ノルマのある仕事や難易度の高そうな職種を選んだ場合、実際に働いてみると想像を超えた厳しさに追い込まれることも。「多少給料が低くても前の会社のほうが良かった」と後悔しないように、自分に合った環境を選ぶのも重要です。
短期間で再び転職してしまう
異業種の転職に成功したものの、「やっぱり違った」とすぐに辞めてしまい、短期間で2度目の転職をするという失敗例もあります。たとえば、飲食業でカジュアルな接客をしていた人が、ホテルやブライダルといったマナーの厳しい接客に転職し、ミスマッチを感じてしまうといった例です。
そのほか、希望の部署に配属されなかったり、目標としていたポジションがなくなってしまったりするなど、想定外の事態もあります。
しかし、早期離職はマイナスイメージを持たれやすく、次の転職活動が難航する恐れがあるでしょう。すぐに転職して再び想定外のことが起こる可能性もあるため、急いで判断するのは危険です。まずは、与えられた仕事でどのような成長が見込めるかを考え、スキルアップを目指してみてください。
異業種転職におけるメリット・デメリット
異業種へ転職するとスキルの幅が広がり、キャリアアップを見込めるのがメリットです。一方で変化が大きく、慣れるまでは苦労するのがデメリットでしょう。この項では、異業種転職のメリット・デメリットを紹介するので、転職を決断する判断材料にしてみてください。
スキル・キャリアの幅が広がるのがメリット
異業種に転職すると、今までとは仕事のやり方や求められるスキルが異なるため、大きく成長できる可能性があります。経験値が上がることで将来の選択肢も幅が広がり、キャリアアップもしやすくなるでしょう。
また、新しい環境でがんばろうとモチベーションも上がり、仕事を楽しめるメリットもあります。
変化が大きい点がデメリット
異業種への転職は前職で培ったノウハウが通じない場合が多く、一時的にストレスが増すのがデメリットです。業界によって人との付き合い方や慣習も異なり、慣れるまではうまくいかないこともあるでしょう。前職での実績に自信がある人ほど、最初は辛さを感じる可能性があります。
しかし、このようなストレスは仕事に慣れれば自然と解消するので、あまり気にし過ぎないようにしましょう。
異業種から転職する際の志望動機の作り方
前述の通り、異業種への転職では、「なぜ業種を変えたいのか」「キャリアプランをどう考えているか」といった点が大事なポイントになります。また、数ある企業のなかで応募先の会社を選んだ理由も重要です。
異業種転職における志望動機の注意点
業種を変えるからには、転職理由と志望動機に明確な根拠が必要です。採用担当者は、「逃げの転職ではないか」「前職で困難を乗り越えられなかっただけなのでは」といった点を懸念するでしょう。
このような懸念を払拭するためには、前職での実績や転職に向けて努力したエピソード、業界・業種についてしっかりと勉強していることなどを伝えるのがポイント。また、業種未経験でも応募先企業で活かせるスキルがあるとアピールするのも大切です。
志望動機の失敗例文
志望動機の失敗例としては、以下のような例文があります。
「前職は昇給やボーナスの額が少なく、長く働くには厳しいと感じました。御社は福利厚生が非常に充実しており、社員を大切にしている点に魅力を感じます。また、研修制度も整っているため、新しいことに挑戦して成長できる会社だと思いました。」
この志望動機では、給料の高さや福利厚生の充実といった、条件面の理由が強調されているのが失敗ポイントです。面接官には、「条件さえ良ければ自社でなくても良いのでは」と見なされてしまうでしょう。また、「新しいことに挑戦したい」「成長できる」といった理由だけでは、企業側のメリットが伝わりません。志望動機では、自分の成長が企業への貢献につながることを説明する必要があります。
また、前職についてのネガティブな発言は、「悪口」と見なされる恐れがあるため避けるのが無難です。
志望動機の良い例文
ここでは、小売業の販売職から介護職員へ転職する際の志望動機の例文を紹介します。
「私は販売職での経験を通じて、お客さまとのコミュニケーションやサービス提供の重要性を学びました。しかし、家族が要介護者になった経験から、より直接的に人々の生活に貢献したいという思いが強くなったため、介護職への転職を志望しております。前職では、お客さまのニーズに寄り添う姿勢や状況判断能力を養いました。この経験を活かして、人との関わりを大切にし、誠実なケアを提供したいと考えております。将来は介護福祉士の資格を取得し、助けを必要としている人に価値をもたらす人材を目指したいです。」
転職理由や今後の目標が明確なため、意欲・熱意を感じてもらえるでしょう。また、介護職を目指すきっかけが具体的なエピソードで伝えられており、「逃げの転職」ではないことも分かります。「将来は資格を取得したい」と長期的なプランも考えられており、長く働く意思をアピールしているのも良い点です。
異業種転職の体験談
この項では、異業種転職に成功した人の体験談を紹介します。ここで紹介する2つの例は、ハタラクティブがサポートした求職者の事例です。このほかにも、「みんなの就職エピソード」で多数の事例を紹介していますので、ぜひご覧ください。
【異業種・異職種】IT系人材派遣からコンサルティングへ
大学が工学部だったため、学んだことを活かそうと新卒でIT系人材派遣会社に入社し、エンジニアとして活躍していたSさん。しかし、学生時代に接客のアルバイトを経験しており、人と関わる仕事に興味を持っていました。
就職後、やはり本当にやりたい仕事をやろうと営業職への転職を決意します。最終的に転職先は通信事業分野に強いセールスプロモーション・コンサルティング会社に決まりました。入社後は通信機器の販売促進を任され、2〜3年目で営業職を目指したいと努力を重ねているようです。
この例では、Sさんは「人を喜ばせる仕事がしたい」と転職の目的を明確にしていたのが成功のポイントでしょう。転職を決めた会社では、面接官とのやり取りで価値観の一致を感じたそうです。
詳しい体験談は『エンジニアから念願の営業職に!転職の秘訣はLINEでの面接対策と「笑顔」?』をご覧ください。
【異業種・異職種】不動産業界からIT業界へ
専門学校卒で食品関連会社での営業職を経験し、その後派遣の事務職、不動産会社の営業職と転職経験があるKさんは、未経験でITエンジニアへの転職に成功しました。
不動産業界の営業職は自由で働きやすいと感じていたものの、経験・スキル不足で自分にはレベルが高かったと感じていたようです。転職先のIT会社は研修制度が整っており、業界の将来性もあることから「長く働ける環境」と感じたのが決め手となりました。
この例では、いつまでに転職するかゴールが決まっていたため、Kさんの行動力が高かったのが転職成功の一つの要因といえます。転職活動ではタイミングを逃さないのも大事なポイントです。自分に合った企業と出会うためには、行動力を上げて選択肢を広げるようにしてみてください。Kさんの体験談は「良好な職場環境で働いていた専門学校卒30歳。それでも転職を決意した理由とは?」からご覧いただけます。
参照元
ハタラクティブ
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未経験の異業種に転職することを決めたら
未経験の業種に転職することを決めたら、本当にキャリアチェンジをしても後悔しないか考えることが大切です。しっかりと業界について理解し、今後のキャリアプランまで考えないと、「思っていたのと違った」「前の業界のほうが自分に合っていた」ということになりかねません。
転職することで得られるスキルや経験なども考慮し、自分が求めるものとマッチしているか冷静に判断しましょう。
また、求人をしっかり読み解いて、転職に成功しやすい会社を選ぶのも大事なポイントです。即戦力を求めている求人に応募しても、異業種からの転職は育成が必要と判断されて不採用になる可能性が高いといえます。「転職しても後悔しないか不安」「求人の見極め方が分からない」という方は、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
「異業種転職に興味はあるけど、自分でも挑戦できるか分からない」「本当に向いている業界や職種が知りたい」という方は、転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。
ハタラクティブでは、多くの方の転職をサポートしてきた転職のプロによるカウンセリングを実施しています。アドバイザーと一緒にキャリアの棚卸しをすることで、異業種でも活かせるスキルやあなたの適性を客観的に把握できるでしょう。
そのうえで、異業種からも挑戦しやすく、希望に合いそうな求人を紹介します。入社後のサポート体制も万全なので、未経験の業界や職種でも安心して働けるでしょう。カウンセリングや求人紹介など、ご利用は全て無料です。ぜひご活用ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2014年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。