履歴書郵送時の宛名の書き方とは？送るときのマナーを解説

「履歴書を郵送する場合、宛名書きはどうしたら良いの？」と悩む方も多いのではないでしょうか。書類が企業に届いたとき、まず見られるものは封筒の宛名です。就職活動の第一関門である書類選考を有利に進めるためにも、ビジネスマナーを守って準備しましょう。このコラムでは、履歴書を郵送する場合の宛名の書き方をご紹介。宛名以外のマナーについても解説しています。これから履歴書を郵送する方は、参考にしてください。

自分に向いている仕事を
簡単に診断してみましょう

性格でわかる
私の適職診断

さっそく診断START

履歴書郵送時の宛名の書き方

求人に応募した企業から応募書類を郵送するよう指定されたら、履歴書やエントリーシート、職務経歴書といった必要書類を封筒に入れて郵送します。書類が企業に届いたとき、まず見られるものが封筒の宛名。封筒の表面は、採用担当者と応募者の履歴書を通じた最初の接点になります。少しでも良い印象を与えられるよう、あらかじめ正しい書き方を理解しておきましょう。

縦書きで書く

履歴書をはじめ、ビジネス文書を郵送する封筒の宛名書きは、横書きよりも縦書きが一般的です。数字は基本的に漢数字で書きますが、郵便番号は横書きかつ算用数字で構いません。宛先と宛名の文字の大きさや配置のバランスに気を配り、見栄えよく書き上げましょう。

住所は都道府県から記入する

履歴書の郵送に必須な宛先の住所は、封筒の右側に記入します。端に寄り過ぎないよう、1cmほど空けましょう。宛名書きでは、正式名称で記載することがマナーです。住所は、都道府県名から建物名まで、省略することなく書きましょう。丁目や番地は、「△△-△△」ではなく、「△△丁目△△番地△△号」とした方が、より丁寧で礼儀正しい印象を与えられます。

企業名は正式名称で記入する

住所と同様、郵送時の宛名は正式名称で省略せずに記入します。住所の書き出しより少し下げて、封筒の中央寄りに配置しましょう。企業名を省略することや株式会社を「（株）」と記入することはマナー違反にあたるため、注意が必要です。

宛名に敬称をつける

宛名は封筒表面の中央に、一番大きな字で書きます。宛名書きでは、敬称にも注意しましょう。敬称とは、「様」や「御中」といった人名や部署名に敬意を表す言葉です。「様」と「御中」を誤って使わないよう、それぞれの使い方を理解しておきましょう。
「様」は、個人名につける敬称です。一方、「御中」は会社名や部署名など、団体に対して使うことがマナーとなっています。履歴書を採用担当者個人に郵送する場合は「様」、人事部や採用課といった個人ではない宛先が指定されている場合は、「御中」を用いましょう。担当者が不明の場合は、「採用ご担当者様」といった書き方でも構いません。

記載例

○○株式会社　人事部　御中
○○株式会社　人事部　採用ご担当者様
○○株式会社　人事部　○○　○○様

切手は丁寧に貼る

切手は裏面に水をつけて、封筒の左上に丁寧に貼りましょう。郵送時に剥がれてしまわないよう、発送する前に切手がしっかりと貼り付いているか確認しておくと安心です。心配だからとセロハンテープのようなもので切手を覆ってしまうと、消印が押せなくなってしまうため避けましょう。剥がれないか不安な方はのりを使うか、シールタイプの切手を購入しても良いです。
また、履歴書のようなビジネス文書を郵送する場合は、切手の枚数が多くならないようにしましょう。見栄えが悪くなってしまううえ、せっかく書いた宛名を隠してしまう可能性もあり、マナーの観点からも避けた方が無難です。少額の切手を複数枚貼るのではなく、過不足ない切手を1枚貼る方がベターといえます。また、料金や貼り方が不安な場合は、郵便局に直接持っていって窓口で発送することをおすすめします。郵送料金については、「6.切手の金額は不足していないか」で後述しているので、確認してみてください。

封筒の左下に「応募書類在中」と記入する

日々たくさんの郵送物を受けとる企業に「重要な応募書類が入っている封筒である」と認識してもらうため、宛名の左下に「応募書類在中」または「履歴書在中」と記入します。目立つよう、赤色のペンで記入し、定規を使って文字の周りを四角で囲んでください。

封筒裏面のマナーを守る

履歴書を郵送するときは、宛名を書く封筒の表面だけでなく、裏面のマナーも守りましょう。封筒裏面の左下には、送り主の住所や氏名を記入します。表面と同様に、郵便番号のみ横書きで、ほかは縦書きで記入してください。
省略せずに書くこと、住所より氏名を大きく書くことなど、基本的な書き方は表面の宛名と同じです。ただし、表面の宛名よりは全体的に小さく書きましょう。大学生の場合は、学校名や学部、学科名も記入しておくと、「誰から郵送されてきた応募書類なのか」が一目で分かり、好印象に繋がります。また、封筒裏面の左上には投函日を記入しましょう。記入する日付は、郵送する履歴書や送付状の日付と統一してください。

履歴書郵送時のマナーは宛名以外にもある

履歴書を郵送するときは、宛名書き以外にも注意すべきポイントがあります。マナーを守って宛名を書いても、中身のマナーが守れていなければ、悪い印象を与えかねません。封筒の中身でも好印象が与えられるよう、宛名書き以外のマナーも紹介しますので、確認しておきましょう。

封筒のサイズと色に注意する

履歴書郵送時の封筒は、履歴書を二つ折りにしたまま入るA4サイズ、またはそれに近いサイズが良いでしょう。市販の封筒で履歴書送付に適したサイズは、角形A4号か角形2号です。このサイズであれば、応募書類に折り目をつけることなく封筒に入れられます。余計なしわができないため、書類の見栄えも良くなるでしょう。
また、封筒は絵柄や模様のない白色無地のものが一般的です。フォーマルで上品なイメージの白色が、最も好印象を与えると言われています。黒字で書く宛名や、赤字で書く「履歴書在中」の文字も映えて見やすいです。封筒の選び方は、「履歴書はどんな封筒に入れればいい？適切な色やサイズを紹介！」のコラムでも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

送付状を同封する

履歴書を郵送するときは、封筒に送付状を同封します。送付状とは、封筒の中にどのような書類がどれだけ入っているか記したものです。挨拶状としての役割もあります。また、送付状は、採用担当者が封筒を開封したとき、最初に目にする書類となります。書類選考の第一印象を決めるとも言える書類ですので、ビジネスマナーに従って作成しましょう。送付状の内容は、下記のように記載します。

記載例

○○年○○月○○日

○○株式会社
人事部　採用ご担当者様

〒△△△-△△△△
○○県○○市○○△△-△△
電話番号：090-△△△△-△△△△
e-mail：○○○○@○○.com
山田　太郎

応募書類の送付について

拝啓　貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の求人に応募させて頂きたく、下記の通り応募書類を送付いたします。
ご検討の上、面接の機会をいただけましたら幸いです。
何卒ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

記

履歴書　1枚
職務経歴書　1枚

以上

上述の記載例のとおり、右寄せにすべき項目と中央寄せにすべき項目があるので、注意して作成しましょう。右上の日付は、送付年月日を記載します。履歴書や封筒に書く日付と統一しましょう。宛名や署名も、封筒と同様に省略せず、正式名称で書いてください。送付状のマナーについては、「応募書類を送るときは送付状も入れよう！例文や注意点をご紹介」のコラムでも解説しています。こちらもぜひチェックしてみてください。

封筒への入れ方に注意する

履歴書を郵送する際は、送付書類をクリアファイルに入れてから封筒に入れましょう。絵柄や模様のない、無色透明のものを選んでください。クリアファイルに入れることで、郵送中に書類が折れたり、汚れたり、雨に濡れたりすることを防止できます。
また、書類は送付状に記載した順番どおりに入れてください。送付状を一番上にして、履歴書、エントリーシート、職務経歴書の順番で入れましょう。そのほかに送付する書類があれば、これらの下に入れます。送付状の記載内容と一致しているか、確認しながら封入してください。

封筒の糊付けと〆マーク記入を行う

書類の準備ができたら、封筒をしっかり糊付けして封をします。時間をかけて履歴書を作成し、封筒に宛名を書いても、企業側に届かなくては元も子もありません。郵送中に封が開いて中身が紛失してしまうことがないように、粘着力の高い糊を使用しましょう。
液体のりは粘着力が強く剝がれにくい一方で、つけ過ぎるとはみ出して封筒が汚れてしまったり、よれてしわになりやすい面もあります。そのため、両面テープやテープ型ののりを利用することもおすすめです。逆にスティックのりやセロハンテープなどは剥がれやすいため、おすすめできません。
糊が完全に乾いたことを確認したら、封をした境目に「〆」の文字を一筆で書きます。これは、封書を閉じたあとに、誰にも開けられていないという意味を示す「封字」です。書くことで、より丁寧な印象を与えられます。なお、封字は書類を入れてから書きますが、宛名書きは中の書類にインクや筆跡が移らないよう書類を入れる前に行うようにしましょう。

履歴書郵送前のチェックポイント

履歴書郵送にあたり、すべての書類が整ったら、封筒に入れる前とあとに以下のチェックポイントを再確認しておきましょう。自分のチェックだけでは不安な場合は、家族や友人にダブルチェックをお願いして、客観的に見てもらうことも一つの手です。後悔を残さないためにも、できることはすべてやり切りましょう。

1.誤字脱字がないか

封筒の宛名や履歴書、送付状など、すべての書類において誤字脱字がないか確認しましょう。誤字脱字を見つけた場合、修正テープを使って修正することは厳禁です。新しく書き直すことをおすすめします。どうしても郵送までの時間的余裕がないときは、二重線を引いてその上から訂正印を押すことで対応しましょう。訂正印を使った修正の仕方は、「履歴書を修正する最後の手段！訂正印の使い方」のコラムを参考にしてください。

2.必要書類はすべて封入されているか

宛名を書いた封筒に入れて履歴書を郵送する前に、必要な応募書類が揃っているか、もう一度確認しましょう。企業によっては、履歴書やエントリーシート、職務経歴書といった書類のほかに、郵送する書類を指定している場合もあります。求められている書類がすべて用意できているか確認しましょう。また、郵送前にコピーを取り、手元に控えを残しておくと今後の選考にも役立ちます。

3.宛先は間違っていないか

用意した履歴書や送付状と、封筒に書いた宛名が合っているか、今一度確認してください。就職活動中は、複数の企業への応募書類を用意しているときもあるでしょう。間違った宛名の封筒で郵送してしまうと、ほかの企業に向けた志望動機が書かれた履歴書を送ることになります。先方に失礼なうえ、選考に影響が出る可能性もあるため、宛名・宛先と封筒の中身が一致しているか、細心の注意を払って確認してください。

4.書類の向きや順番が正しいか

履歴書や送付状などの書類を封筒に入れるときは、順番や向きにも気を配りましょう。順番は、先述のとおり送付状を一番上にし、送付状に記載した順序で書類を並べます。向きは封筒の宛名を書いた方に書類の表面が出るよう表裏や上下を揃え、クリアファイルにまとめてから封筒に入れましょう。そうすることでまとまりが良く、整然としたイメージを与えることができます。

5.しっかり封をしてあるか

封筒に履歴書を入れたあとは、封筒のフタの全面に糊がついて封がされていることを確認しましょう。端や中央だけに糊がついていると、郵送時に破れてしまったり、開いてしまったりする恐れがあります。最終確認を怠らないようにしましょう。

6.切手の金額は不足していないか

先方に確実に書類を郵送するには、切手の料金にも注意が必要です。角形A4号か角形2号の封書は、どちらも定形外郵便になります。料金が不足してしまうと、差出人に戻されるか、受取人が不足分を負担することもあるようです。受取人にお金と手間を掛けさせることになるうえ、ネガティブなイメージを持たれかねません。不安な場合は、郵便局の窓口に直接持っていく方が確実で安心です。
A4サイズが入る角形A4号または角形2号の場合、料金は書類の重さによって異なります。「日本郵便株式会社」によれば、2024年6月現在の郵送料金は、以下のとおりです。

引用：日本郵便株式会社「手紙（定形郵便物・定形外郵便物）の基本料金」

定形外郵便では、長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および最大1kg以内の書類を郵送できます。なお、A4サイズに入りきらない書類を送る場合に、宅配便を使うことを考える方もいるかもしれませんが、履歴書や応募書類は信書に該当します。信書の郵送は、日本郵便以外が行ってはならないと法律で定められているため、宅配便を使うことは避けましょう。

7.封筒に汚れや傷がないか

履歴書を郵送するときは、応募書類や封筒が汚れていないか、宛名の文字が滲んでいないか、折り目がついてしわができていないかを発送前に確認しましょう。ポストに投函するまでの間や、郵便局の窓口に持っていくまでの間に、カバンの中で破れたりしわができたりすることもありえます。持ち運びする際も、封筒ごとクリアファイルに入れるか、ほかの荷物と分けて持つなど、対策を取りましょう。

8.締切日までに間に合うか

どれほど時間を掛けて書類や宛名を書いても、期限に間に合わなければ意味がありません。郵送には、近場でも大抵の場合、1日から2日ほど掛かるとされています。距離が遠い場合や土日・祝日を挟む場合は、それ以上の日数が掛かるでしょう。また、大きなイベントごとの開催や、天候不順によって遅延が発生することも考えられます。そのため、締切日に間に合うよう、日程に余裕を持って準備しましょう。どうしても締め切り直前になってしまう場合は、速達を使うことも手です。詳しくは、「履歴書は速達で送っても大丈夫？」のコラムをご覧ください。

参照元
日本郵便株式会社
国内の料金表　手紙・はがき

履歴書を郵送したあとに報告メールは必要？

履歴書を郵送したあと、採用担当者のメールアドレスが分かるのであれば、応募書類を郵送した旨をメールで連絡しておくことも一つの手です。万が一郵送トラブルが起きて応募先に届かなくても、何かしらの対応をしてくれる可能性があります。また、採用担当者に、「数日後に応募書類が届く」ということが伝わり、丁寧な印象を与えられます。

「履歴書の書き方に自信がない」「封筒の宛名書きをチェックしてほしい」など、応募書類の郵送にお悩みの方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代をはじめとした若年層の就職や転職を支援する転職エージェントです。応募書類の作成はもちろん、面接対策や求人紹介など、就職活動を全面的にサポートします。サービスはすべて無料で利用できるので、就職活動に対する不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事に関連するタグ

• 就活
• 履歴書