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理系の就職先はどんな職種?文系との違いや学部卒と院卒の差を解説
更新日
この記事のまとめ
- 理系出身者は、金融やコンサル、ITなどの業界で実力を発揮しやすい
- 就職における理系出身者の強みは、数字や分析に強く専門性を活かせること
- 大学院卒と学部卒のどちらが就職有利かは、企業によって異なる
- 理系出身者が就職活動で成功するためには視野を広げることが重要
理系出身者が就職活動を行う際には、有利な業界や職種はあるのか、学部卒か大学院卒かなど、抱える不安があるでしょう。このコラムでは、理系におすすめの就職先や文系にはない強みなどを解説します。理系出身者が陥りがちな失敗に対する具体的な対策についてもお伝えするので、自信を持って就職活動をスタートしましょう。
理系出身者が就職する業界や職種は?
理系出身者が得意とする「論理的思考力」や「分析力」は、仕事を問わず社会人として必要なスキルと位置づけられています。そのため、理系出身者であれば、これらの専門分野において能力を発揮しやすいでしょう。もちろん、ひと言で「理系」と言っても、その学習・研究内容はさまざま。自身の経験や研究を活かせる分野への就職を希望すれば、さらに就職率は高まるはずです。
ここでは、理系出身者の主な就職先に多い業界や職種について、下記で紹介していきます。
理系出身者に多い業界
理系出身者は、専門性を生かした「エネルギー」「IT」「建築」などの業界において能力を発揮しやすいでしょう。また、金融やコンサルティングといった、数字や論理的思考力が求められる分野での活躍も目立ちます。
理系出身者に多い職種
理系出身者に多い職種を、学部ごとに挙げていきます。
工学部
・生産技術
・プラントエンジニア
・システムエンジニアなど
電気系やエンジニアリングに関わる職種で活躍することが多いようです。
理学部
・データサイエンティスト
・光学設計
・製造技術
・アナリストなど
幅広い業界や職種に関わる方が多く見られます。
農学部
・育種
・研究職
・品質管理など
生物学や農学系の研究開発・管理に関わる職種が多い傾向にあるようです。
建築系
・施工管理
・測量士
・インテリアデザイナーなど
建築や空間デザインなどに関わる職種が多いといえるでしょう。
理系に人気の職業については、「理系出身者に人気の職業とは?就職事情について解説」でも詳しく解説しています。理系ならではの就活事情について、深掘りしてみてください。
理系の就職率は高い
文部科学省の「令和3年度大学等卒業者の就職状況調査(令和4年4月1日現在)」によると、理系の就職率は文系に比べて高いことがわかっています。
文理別就職率 | 平成18年4月 | 平成19年4月 | 平成20年4月 | 平成21年4月 |
---|---|---|---|---|
理系 | 96.3% | 96.9% | 98.5% | 97.4% |
文系 | 95.1% | 96.2% | 96.6% | 95.3% |
引用:文部科学省 「令和3年度大学等卒業者の就職状況調査(令和4年4月1日現在)(8p)
」
理系出身者は「数字」や「論理的思考」に長けており、即戦力を期待できるため就職率が高いようです。次の章で理系の強みを詳しくみていきましょう。
参照元
文部科学省
令和3年度大学等卒業予定者の就職状況調査(4月1日現在)
理系出身者の就職に役立つ3つの強み
ここでは、理系出身者が就職の際にアピールできる強みを3つ解説します。これらの能力は、分野や職種を問わずに求める企業が多いようです。自分の強みを的確に理解することは、効率の良い就活につながるため、改めて理系の強みを確認してみましょう。
1.数字や分析に強い
理系出身者にとって、数字は身近な存在です。学生時代から、多種多様な数字と向き合ってきた方も多いでしょう。こうした経験は、社会に出てからも活かせるはずです。財務や労務、人事や経営企画など、幅広い分野で活躍できます。
2.専門性が高い
専門的な研究を行ってきた理系出身者の場合、自身の専門性を活かした就活をすることが可能です。
たとえ社会人経験はなくても、一定の知識やスキルを有していると考えられ、企業の需要が高まっているといえるでしょう。自身の研究が結び付いている業界をしっかりと分析することで、就職活動を効率良く進めていけます。
3.論理的思考力に優れている
あらゆる問題に対して、観察から仮説を立て、そしてそれを検証していく論理的思考力。研究が身近にあった理系出身者の中には、「科学的な視点で物事を捉え、論理的に思考する」という習慣が身に付いている方も多いでしょう。
志望先業界が抱える課題について、自身の思考力をアピールできれば、就職の強力な武器となる可能性も。また、就活全体のプランニングにおいても、強みを発揮できるはずです。
上記の強みを面接で伝える方法は「自分の強みを見つける方法と面接時の伝え方を探ろう!」で確認してみてください。
理系大学院卒の就職は不利?有利?
理系の場合、大学院卒でも比較的就職しやすいようです。一般的には「大学院卒は学部卒に比べて2年間、社会人経験が遅れている」といわれます。しかし、即戦力となる専門的なスキルであれば、その期間がプラスの評価につながるでしょう。
大学院卒と学部卒で就活に有利なのは?
大学院卒と学部卒、どちらが就職活動に有利なのかというのは、企業によって異なります。
柔軟性を重視する企業の場合は、特定の分野に特化している院卒よりも、学部卒を求める傾向にあるようです。特に部門の異動が多い企業では、学部卒が重宝されるでしょう。高い専門性を求める企業や研究職の場合は、専門的な知識が身についている院卒のほうが有利になる可能性が考えられます。
大学院卒が不利な点
大学院に進むと、どうしても学部卒より年齢が上がります。学部卒がおよそ22~23歳であるのに対し、院卒はおよそ24~25歳。理系の大学院では、修士の場合はおよそ2年前後、博士の場合はおよそ3年前後かかります。場合によってはそれ以上の年齢になることも。専門性よりも若さや柔軟性を求める企業の場合は、年齢で不利になることもあるでしょう。
また、大学院は、自分が目指す分野の専門性をより高められるのが魅力です。しかし、研究分野(得意分野)が限定的だと、そのぶん習得できる技術や知識が偏りがちになり、就職先も限られてきます。前述のとおり、柔軟性を求める企業の場合は、院卒が不利になってしまう傾向があるようです。
大学院への進学と就職で悩んでいるなら「大学院卒と学部卒の違いは?就活アドバイザーに詳しく聞いてみました!」のコラムがおすすめ。アドバイザーが院卒と学部卒の違いについて詳しく解説しています。
理系と文系の就職活動の違い
理系と文系は専攻以外にも、大学での過ごし方や就活方法も異なります。ここでは、理系学生と文系学生の違いについてまとめました。
理系学生は研究が忙しく就活との両立が難しい
理系学生は研究などで忙しく、就活に十分な時間を割けないといわれています。自己分析や企業研究が足りないため、就職してもミスマッチを感じたり、就活が思うように進まなかったりすることもあるようです。
理系学生は大学院に進学する人が多い
一般的に、文系よりも理系のほうが大学院に進学する人が多いといわれています。
文部科学省が実施している「学校基本調査」によると、人文科学で大学院研究科に進学した人が3,350人なのに対し、工学は32,021人と約10倍にものぼります。
大学院に進学したのちの就活事情については、コラム内の「理系大学院卒の就職は不利?有利?」でも触れています。あわせてご確認ください。
参照元
文部科学省
学校基本調査/令和3年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学
理系学生は学校・教授推薦の傾向が強い
文系学生の多くが、自分で就職先を見つけて選考に参加する「自由応募」を活用している一方で、理系学生は学校や教授に企業を紹介してもらう「学校推薦」「教授推薦」を利用する方も少なくありません。前述したように、理系学生は研究などで就活に割ける時間が少ないため、選考プロセスの少ない推薦が活用されていると考えられます。ただし、推薦は基本的に第一志望のみの応募で、内定辞退もできません。この特性から、自由応募を利用する理系学生も増えているようです。
理系出身者が就職活動で失敗しないためのコツ
理系出身者は文系に比べて自身の専門分野がはっきりしており、就職先も専門分野を中心に就職活動を行うでしょう。しかし、前述したように専門性以外にも理系ならではの強みはアピールポイントがあります。視野を広げ、専門外の仕事も検討してみましょう。
また、研究や開発といった仕事を希望する方に多いのが大手思考。大手企業のほうが研究・開発分野において有利なのは確かですが、中小企業にも活躍の場はあります。企業規模ではなく、仕事内容や企業理念などにも目を向けてみてください。
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理系の就職に関するFAQ
理系出身者が就職活動する際に想定される疑問にお答えします。
理系に多い職種は?
文部科学省の「学校基本調査」によると、理系出身者は専門的・技術的職業に就職する割合が多いことが分かります。そのため、専門性を生かした「エネルギー」「IT」「建築」などの業界へ就職する人が多いでしょう。
参照元
文部科学省
学校基本調査 / 令和3年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学
なぜ理系は就職に有利なの?
理系は文系に比べて就職率が高いことが分かっています。理系出身者は「論理的思考力」や「数字に強い」といわれており、即戦力としての活躍を期待できるので就職に有利になるのでしょう。このコラム「理系出身者の就職に役立つ3つの強み」で理系の強みについて詳しく説明しています。就職活動で活かせる強みを確認してみてください。
理系が営業職に就職するためにはどうしたら良い?
専門分野を活かせる商品を取り扱っている企業を選ぶと良いでしょう。また、理系出身者の強みである「論理的思考」はコンサルティング業界で活かせます。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。