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インフラ業界とは?主な職種一覧や向いている人の特徴、将来性などを解説
更新日
この記事のまとめ
- インフラ業界にはエネルギーや生活、交通などの分野がある
- インフラ業界の職種には、保守やメンテナンスを行う技術職がある
- インフラ業界は、インバウンドや海外事業の強化が進む見込みがある
- インフラ業界には、責任感やコミュニケーション能力がある人に向いている
- インフラ業界を目指すなら、転職エージェントに相談してみよう
「インフラ業界にはどのような仕事があるのか」「どのような人に向いているのか」と、疑問に思う方もいるでしょう。インフラ業界はエネルギーや交通など、人々の生活を支える分野を担っており、社会に欠かせない存在です。このコラムでは、インフラ業界の分野や職種、将来性などをご紹介します。インフラ業界に向いている人の特徴や年収事情もご紹介するので、インフラ業界に挑戦するか迷っている方は、ぜひご覧ください。
インフラ業界とは?
インフラ業界とは、人々の社会生活の基盤を支えているサービスを提供する業界のことです。具体的にどのようなことを行う業界か、詳しく確認していきましょう。
インフラ業界は人々のライフラインを支えている
インフラ業界は、電気やガス、水道、交通、通信など、生活や経済活動を行うためになくてはならない部分を担っています。「エネルギー」「生活」「交通」「空間」などに分かれているのが特徴です。
電気やガス、水道といった「生きるために必要なサービス」のほかにも、移動や運輸、報道、教育、医療などもインフラ業界に含まれることがあります。インフラ業界は、日々の生活を送るためのライフラインを支えている分野といえるでしょう。
インフラ業界の代表的な4つの分野
ここでは、インフラ業界の中心的な分野である「エネルギーインフラ」「生活インフラ」「交通インフラ」「空間インフラ」について、それぞれ紹介します。インフラ業界のなかで、どの分野を志望するかを決める際の参考にしてみてください。
インフラ業界の代表的な分野
- エネルギーインフラ
- 生活インフラ
- 交通インフラ
- 空間インフラ
1.エネルギーインフラ
エネルギーインフラは、人々の生活に欠かせない電気・ガス・石油の供給に関する分野です。エネルギーインフラには、「電気業」「ガス業」「石油業」などの業種があります。
エネルギーインフラ業は、発電や燃料の調達・供給などを行い、一般家庭や企業、施設などへ安定的に供給するのが主な役割です。災害時には素早い復旧が求められるなど、生活に密接した分野といえます。
国内でのエネルギー自給率は低く、発電やガスの製造に欠かせない石油や天然ガス、石炭などは海外からの輸入に頼っている状態です。
経済産業省 資源エネルギー庁の「日本のエネルギー 2023年度版 『エネルギーの今を知る10の質問』」によると、2021年度の日本国内のエネルギー自給率は13.3%であり、ほかの国と比較して低い水準となっています。
引用:経済産業省 資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2023年度版 『エネルギーの今を知る10の質問』(p.1)」
加えて、石炭・石油・天然ガス(LNG)などの化石燃料の利用率は、2022年度時点で全エネルギーのうち83.5%と高い割合です。
引用:経済産業省 資源エネルギー庁「日本のエネルギー 2023年度版 『エネルギーの今を知る10の質問』(p.1)」
地球温暖化対策のため、CO2を含む温室効果ガスの排出を減らすための方策である「カーボンニュートラル」への取り組みも重視する必要があります。こうした点から、エネルギー供給においては安全性(Safety)を大前提として自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成するための「S+3E」への取り組みが求められているようです。
電気業
電気業は、一般家庭やオフィス、工場などに電気を供給する業種です。主に、「発電」「送電」「拝殿」「販売営業」の4つに分かれています。地域の電力会社や民間の発電会社、電気小売事業者などが該当するほか、再生可能エネルギー事業者(風力発電、太陽光発電など)も代表的な企業といえるでしょう。
ガス業
ガス業の主な役割は、海外から輸入したガスを家庭やオフィスなどに供給することです。都市ガスとプロパンガスの2種類があり、都市ガスは地下の供給管を通して供給され、プロパンガスはガスボンベによって供給されるという違いがあります。都市ガスとプロパンガスの違いによって代表的な企業も異なるため、志望先の企業がどちらを取り扱っているか調べておくと良いでしょう。
石油業
石油業は、大きく「開発事業」と「元売事業」の2つに分かれています。開発事業は石油や天然ガスの開発を行う業種です。元売事業は原油を加工して商品化する業種で、LPガスやガソリン、灯油、アスファルトなど、その加工先は多岐にわたります。
石油業界については、「石油業界の仕事」のコラムでも詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
参照元
経済産業省 エネルギー庁
広報パンフレット
エネルギーインフラは安定してるって本当?
エネルギーインフラは「競争が少なく安定している」というイメージを抱きがちですが、電気・ガス分野において競争が活発化しています。経済産業省 資源エネルギー庁の「実施から1年、何が変わった?ガス改革の要点と見えてきた変化」によると、電気・ガスの小売全面自由化により、一般家庭向けに異業種が新規参入可能となりました。新しい料金やサービスの提供が積極的に行われ、多様化が進んでいるようです。また、経済産業省の「電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について_新電力のシェアの推移(p.3)」によると、2023年3月時点での全販売電力量における新電力のシェアは約17.7%、かつ家庭等を含む低圧分野では約23.8%を占めています。ガスの新規小売においては、2023年4月時点で500万件近くの契約件数となっており、緩やかな増加傾向にあるようです。
全面自由化後、既存の電気・ガス会社や新たに参入した事業者からは多様なサービスや料金メニューが登場し、利用者が自身のライフスタイルに合わせて選ぶスタイルに変化しつつあります。
参照元
経済産業省 資源エネルギー庁
実施から1年、何が変わった?ガス改革の要点と見えてきた変化
経済産業省
第64回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会
2.生活インフラ
生活インフラは、水道や通信に関する分野です。エネルギーインフラと同様、社会生活に広く浸透し、欠かせない分野といえます。
水道業
人々が使用する水を水道管や専用の施設を利用して管理・供給するのが水道業です。家庭で使用する水は浄水、工場で使用する水は工業用水道に分けて供給します。汚水や雨水を処理する下水業も水道業の一つです。また、水道のシステムや設備を設計する仕事を請け負っている企業もあります。
情報通信業
電話やインターネットを快適に利用できるように、回線や整備を管理するのが情報通信業です。固定電話やパソコン向けの「固定通信」、携帯やスマートフォンなど屋外や移動中のインターネット利用を可能にする「移動体通信」、インターネット上の不正侵入を防ぐ「IPS」などのサービスを提供します。スマートフォンやパソコンが日常に欠かせないのはもちろん、企業が業務でインターネットを使うことも多いため、より良い通信環境を確保するためにニーズが高い業種です。情報通信業に関する仕事は、「通信業界の仕事」のコラムで詳しく解説しています。
3.交通インフラ
交通インフラは、鉄道や航空など、人や物の移動に携わる分野を指します。仕事や帰省、観光などの交通アクセスや、物流を支える分野です。
鉄道業
鉄道業は、鉄道で人や物を運ぶサービスを行っています。一般の乗客を輸送するのが在来線や新幹線、物流会社を顧客として商品を輸送するのが貨物輸送です。鉄道会社には、公営や民営、モノレール、新交通システムなどがあります。
経済産業省によると、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2020年5月を底にして、鉄道旅客輸送業は緩やかな上昇傾向にあるようです。2020年7月から12月にかけて実施された「Go Toトラベル事業」の効果もあり、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年12月と比べて、経済指標は90%程度まで回復しています。
引用:経済産業省「アフターコロナの中で、どこまで回復したか -旅行・観光-」
鉄道業に属する企業のなかには、将来の人口減少による本業の伸び悩みを見越して、周辺事業の強化を行っているところも少なくありません。たとえば、観光スポットや駅ビル、レジャー施設など鉄道以外の事業を手がけている企業もあるようです。
鉄道業については、「鉄道業界の仕事」でも情報をまとめているので、ぜひご覧ください。
参照元
経済産業省
アフターコロナの中で、どこまで回復したか -旅行・観光-
航空業
航空業は、旅客機の運航や貨物輸送を行います。実際に旅客機の運行や貨物輸送を行う「航空会社」のほか、空港の管理や運営を担い、物販や飲食を提供する「空港運営会社」も航空業です。空港のなかには、国が滑走路を管轄し、旅客ターミナルは民間企業が管轄する体制を取っているところもあります。
航空会社には大規模航空事業者を中心に、2007年からはLCC(格安航空会社)が参入するようになりました。国土交通省の資料「我が国のLCC旅客数の推移(p.1)」によると、LCCのシェア率は国内線・国際線ともに右肩上がりに伸びており、2022年は国内線14.7%、国際線20.3%となっています。国際線は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による落ち込みが見られたものの、2022年には元の水準近くまで復活を遂げました。
参照元
国土交通省
LCC普及への取り組み
4.空間インフラ
空間インフラは、国や地方自治体などが提供する公共施設や港湾施設の維持や管理を担う分野です。たとえば、公共施設では学校や図書館、市役所、港湾施設では防波堤や灯台などが空間インフラに当たります。施設の多くは国や地方自治体が管轄しており、仕事内容や業務量が比較的安定しているのが特徴です。
公共・湾岸施設管理業
公共施設管理業は、公共施設の維持管理を行います。なお、公共施設のなかでも寺社仏閣をはじめとした文化財は空間インフラには含まれず、観光インフラに含まれるのが特徴です。
湾岸施設管理業は、沿岸部にある水門や排水機場、橋や堤防などの維持管理を行います。災害時に使用されることが多いため、人々が安全に暮らすために常日頃の維持管理業務が欠かせません。
老朽化による劣化や損傷が原因で事故が発生しないよう、責任感のある仕事が求められる仕事といえるでしょう。
IT業界・サービス業界もインフラ業界に関連する
インフラ業界に関連する業界として、IT業界とサービス業界が挙げられます。IT業界では、システムの企画・開発・保持をを担当。情報通信業に関連するシステムを構築するため、インフラ業界の企業活動を行ううえでも欠かせないといえるでしょう。
目に見える形がない「サービス」を展開しているサービス業界は、航空会社や鉄道会社など、さまざまなインフラ企業に関連します。たとえば、旅客機の利用者を増やすために旅行代理店を経営したり、観光を盛り上げるためにテーマパークやホテルの運営を行う企業と連携したりと、多角的にインフラへ関わることが可能です。
IT業界とサービス業の詳細は、「IT業界の仕事」と「サービス業とは?具体的な仕事例や接客業との違いについて解説!」のコラムをご覧ください。
インフラ業界の平均年収
ここでは、インフラ業界の平均年収について詳しく確認していきましょう。
国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、インフラ業界の平均年収は以下のとおりでした。
業種 | 平均年収 |
---|---|
電気・ガス・熱供給・水道業 | 747万円 |
情報通信業 | 632万円 |
運輸・郵便業 | 477万円 |
参照:「令和4年分 民間給与実態統計調査結果 〔業種別の平均給与〕(p.20)」
全体の平均年収が458万円のため、インフラ業界の年収は平均より高めだと分かります。特に「電気・ガス・熱供給・水道業」は全業種のなかで一番年収が高いという結果になりました。
そのほかの業種の平均年収が気になる方は、「平均収入の実態を年代・男女・地域別に紹介!年収アップの方法も解説」のコラムを参考にしてみてください。
参照元
国税庁
令和4年分 民間給与実態統計調査結果
インフラ業界の具体的な職種一覧
インフラ業界には、業種ごとに特徴的な専門職種があります。ここでは、分野ごとに代表的な職種を紹介するので、自分の適性ややりたいことに合った仕事がないか探してみましょう。
エネルギー(電気・ガス・石油)に関する職種
インフラ業界のなかでも電気・ガス・石油のエネルギーインフラには、共通する職種があります。ここでは、大きく「技術系職種」と「事務系職種」の2つに分けて紹介するので、参考にしてみてください。
技術系職種
技術系職種は、エネルギーの製造・供給、製造設備のメンテナンスなどを行う仕事です。エネルギーの製造・供給をする際は、発電所などの設備を運転し、安定供給の維持・管理を目指します。
ガスは製造、石油は精製して供給しますが、電力は大量に貯蔵できないため、季節や時間帯における使用量を考慮したうえで発電する必要があるのが特徴です。
製造設備のメンテナンスでは、エネルギーの製造設備の保全・保守を行うほかに、現場での電気やガス設備の点検・修理なども業務に含まれます。エネルギーインフラは24時間供給しなければなりません。事故があると社会的な影響は甚大になるため、メンテナンスは社会を支える重要な仕事といえるでしょう。
事務系職種
事務系職種には、エネルギー製造のための資材調達や広報や人事などを行う一般事務、顧客への営業などがあります。資材調達では、海外企業との価格交渉を担うでしょう。ガスの場合は、地下資源の採掘や調査を行うこともあります。
営業職は電気やガス、石油など、自社が提供するエネルギーを利用してもらうために顧客に売り込む仕事です。一般家庭や法人を対象とし、自社が提供するサービスの説明や顧客のニーズに合わせた提案が求められるため、技術に関する知識や積極的に勉強する姿勢が必要になります。
営業職では、基本的に必須とされる資格はありません。とはいえ、たとえば電力会社であれば、電気設備の工事や取り扱いの際に必要な「電気工事士」などの資格をもっていると、顧客との信頼関係を築きやすくなるでしょう。
営業職に求められるスキルや向いているタイプは、「営業って何をする職種?求められるスキルや向いているタイプを紹介」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
鉄道に関する職種
鉄道に関わる職種は、大きく「現業職」「技術職」「総合職」の3つの職種に分けられます。以下で、それぞれの職種の役割や仕事内容を確認してみましょう。
現業職
駅務員や車掌、運転士として現場で働く人たちは一般的に「現業職」と呼ばれています。前線に立ち、鉄道の安全な運行や、事故などトラブルへの対処を担う役割です。
「駅務員」とは、窓口や改札口、ホームでのお客さまへの応対を行う職種です。ホーム上や路線上の安全確認、運転手への進行・停止やドア開閉の合図、列車の着発時のアナウンスなども行います。また、自動券売機や定期券の売上管理なども役務員の仕事です。お客さまとの関わりが多いため、相手の話を聞き、要求を読み取る力や分かりやすく説明する力などが求められるでしょう。
「車掌」は、列車に乗務し、お客さまが安全・快適に目的地に到着できるようサポートする仕事です。乗客の乗車完了や到着時の列車の位置確認のうえ扉の開閉、車内での精算業務や乗車券の販売、照明や冷暖房装置の調節、車内トラブルへの対応などの業務があります。また、停車駅や到着時刻および乗り換え案内のアナウンスなども車掌の仕事です。
「電車運転士」は、運行計画に基づき、乗客を乗せた列車を目的地まで安全に運行する仕事です。路線に応じた速度調整や路線の状態に配慮してダイヤ通りに運転し、時間通りの発着を目指します。
電車運転士になるには、鉄道会社に入社後に駅務員や車掌の経験を積み、所定の試験に合格するのが一般的です。電車運転士となったあとも、日々の運行において運転技能を磨いたり、非常時の訓練を定期的に受けたりするなど、スキルの向上や迅速で冷静な判断力を培うことが求められます。
技術職
鉄道に関わる技術職は、車両の保守・点検・管理・信号通信整備といった鉄道の安全に関わる業務を行います。路線や踏切、トンネルなどのメンテナンスを行うのも鉄道技術職の仕事です。
たとえば、鉄道車両のメンテナンスには、ブレーキやドア、電気を取り込むためのパンダグラフ(集電装置)などが正常に動くかを確認したり、各機器や部品を車両から取り外して状態をチェックしたりする業務があります。また、線路の確認・補修、トンネルや橋りょうのメンテナンス、自然災害対策に対する工事といった設備強化も鉄道技術職の仕事です。
総合職
鉄道会社の総合職は、鉄道の運行計画や運行状況の確認など、現業職の牽引を担います。企業によっては駅や列車内でのサービスの考案や総務、営業などの事務系の仕事を行うこともあるようです。
運行管理の仕事は遠隔操作による信号の表示やポイントの切り替え、より良いダイヤの計画などを通して、お客さまに便利で快適な鉄道を利用してもらえるよう努めます。
鉄道では現業職からキャリアアップする傾向にある
鉄道分野では、駅員や車掌、運転士などの現業職としての経験を経て、能力に応じて列車のスケジュールや運行状況などを管理する「運行管理」の仕事に進むのが一般的です。その後のキャリアとして、季節や曜日、時間などから乗降客のニーズを分析し、最適な運転計画を作成する「運転計画」の仕事を担当する流れがあるようです。
航空に関する職種
ここでは、航空会社の主な職種を3つご紹介します。航空会社の仕事に興味がある方は、参考にしてみてください。
パイロット
パイロットは、地上の航空管制官と無線で通信を行いながら飛行機を操縦し、お客さまや貨物を目的地まで安全に運ぶ仕事です。専門知識と技術が必要とされるため、厳しい訓練を受け操縦する機体に応じたライセンスを取得できた人のみがパイロットになれます。
入社後しばらくは、搭乗手続きや乗り継ぎ案内などの地上勤務を行うのが一般的。その後、所定の訓練を受けて20代後半から副操縦士となって飛行経験を積み、30代後半~40代前半にかけて機長へと昇格するようです。
客室乗務員(CA)
客室乗務員(CA)は、旅客機に搭乗してサービスと保安の役割を担います。お客さまを座席に案内したりシートベルトの着用を促したりといった通常業務のほか、緊急時は状況に合わせたアナウンスや避難指示を行い、お客さまが機内で安全・快適に過ごせるようにサポートするのが主な業務です。また、飲食物の機内販売も行います。
採用基準は各航空会社によって異なりますが、募集要項にTOEICスコアなどの英語能力や、視力や体力などの身体的基準が設けられている場合もあります。客室乗務員の仕事に興味がある方は、求人サイトや企業のWebサイトなどで募集要項を確認しましょう。
航空整備士
航空整備士は、航空機の整備・点検を行う仕事です。仕事内容には、空港に降りたった飛行機が再び安全にフライトできるよう日常的に行う「ライン整備」や、一定の飛行時間を越えた場合に時間をかけて念入りに行う「ドッグ整備」などがあります。
国内線の場合は全国、国際線の場合は海外の空港に配置される可能性が考えられるでしょう。フライト時間外に作業を行う必要があるため、勤務は交代のシフト制となります。
通信に関する職種
通信インフラの分野からは、インフラエンジニアやフィールドサービスエンジニアなどの専門職が挙げられます。以下で詳しく確認してみましょう。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークの設計・運用・保守など、ITインフラ全般に関ります。サーバーの運用や保守などを行う「サーバーエンジニア」や、ネットワークの設計や保守などを行う「ネットワークエンジニア」などを総称して「インフラエンジニア」と呼ぶようです。
ネットワークエンジニアについては、「ネットワークエンジニアの仕事」のコラムで解説していますので、参考にしてみてください。
フィールドサービスエンジニア
フィールドサービスエンジニアは、顧客の元に赴き、自社製品の納入や設置、軽工事、ソフトウェアのインストール、メンテナンスなどを行います。トラブルの的確な把握や適切な対応ができる技術力、コミュニケーション能力などが求められるため、エンジニアとしての「キャリアパスの入口」といわれる職種です。
研究開発職
研究開発職は、より快適で安定したネットワークを提供できるように新しい技術を開発し、実用化を目指します。通信業界では、AIや6G、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などを含む、XR(クロスリアリティ)などの研究が進められているようです。
インフラ業界の現状と課題
インフラ業界の現状は安定しているものの、小売全面自由化の影響による電気やガス市場の競争の激化や、少子高齢化に伴う国内需要の減少などの課題もあります。下記でそれぞれについて詳しく解説しているので、ご一読ください。
インフラ業界の現状
内閣府の「社会資本ストック推計」によると、公的機関により整備される社会資本のストック(インフラ)は、2020年度には993兆円であり、増加傾向となっています。しかし、経過年数に伴う社会資本ストックの老朽化も進んでいることから、新たな整備や効率的な利活用を講じる必要があるようです。
インフラ業界は官民連携の事業が中心であるため、市場規模も大きくなります。以下では、公的データで市場規模や売上高の金額が示されている業界を解説しますので、インフラ業界の規模を理解するための参考にしてみてください。
参照元
内閣府
中長期の経済社会の展望と取組
電力業界の市場規模
経済産業省が2022年1月に発表した資料「今後の小売政策について(参考)2020年度の電力事業全体の市場規模(p.3)」によると、電力産業の市場規模は約15.1兆円(発電部門約10.1兆円、小売部門約0.1兆円、送配電部門4.9兆円)です。
同資料には、「小売電気事業への新規参入は700者を越え、新規参入者の電力量ベースのシェアは約2割を超えた」と記載されています。業界全体で事業者間の競争が活発化すると予想されるので、顧客満足度の高いサービスの実現が重要といえるでしょう。
参照元
経済産業省
第44回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会
鉄道・航空業界の市場規模
総務省統計局の「サービス産業動向調査年報 2022年(令和4年)2_H運輸業,郵便業(p.11)」によると、運輸業・郵便業における月の売上高の年間平均は5兆2,010億円です。そのうち、鉄道が約5,000憶円、航空運輸業・郵便業(信書便事業を含む)が約2,600憶円となっています。
参照元
総務省統計局
サービス産業動向調査年報 2022年(令和4年)
通信業界の市場規模
総務省の「令和5年『情報通信に関する現状報告』(令和5年版情報通信白書)第2部:ICT市場の動向(p.8)」によると、ICT市場規模(⽀出額)は27.2兆円です。情報通信産業の国内総⽣産(2021年、名⽬)は52.7兆円で、全産業の9.7%を占めています。
参照元
総務省
令和5年「情報通信に関する現状報告」(令和5年版情報通信白書)の公表
インフラ業界の課題
インフラ業界の課題は、人材確保や技術者の育成などが挙げられるでしょう。経済産業省 商務情報政策局の「参考資料(IT人材育成の状況等について)(p.5)」では、「若年層の人口減少に伴って、2019年をピークにIT関連産業への入職者は退職者を下回り、IT人材は減少に向かうと予想されている」と書かれています。
同資料(p.28)によれば、ダムや導水路の工事や運用などを担う「ダム水路主任技術者」は、管理すべき水力発電設備数は増加しているにもかかわらず、「ダム水路主任技術者免状の交付件数は、1997年度をピークに徐々に減少」という記載も。老朽化が進むインフラ設備のメンテナンスにあたり、今後は技術者育成の必要性が増すと考えられるでしょう。
電気やガスの国内需要が右肩上がりに伸びるとは考えにくいため、各社の競争は激化するといえます。特に、老舗の大手企業は、電力小売全面自由化を受けて新規参入企業との競争にどのように対応するかが課題です。
参照元
経済産業省
第1回 「第4次産業革命スキル習得講座認定制度(仮称)」に関する検討会
第8回 産業構造審議会 保安・消費生活用製品安全分科会 電力安全小委員会 電気保安制度ワーキンググループ
インフラ業界の将来性
インフラの需要がなくなることはないため、将来的にも安定している業界といえるでしょう。ただし、国内需要の減少によるインバウンドや海外事業の強化、環境配慮の面から再生可能エネルギーの開発・促進など、重要性の高まりが考えられます。
ここでは、インフラ業界の将来性について解説するので、参考にしてみてください。
航空業界の今後の動向
航空業界では、新型コロナウイルス感染症からの回復や今後の需要回復を見込み、主要な空港が機能を強化し、発着数を増やそうとする取り組みを行っているようです。
経済産業省の「今後の航空需要の見通しと日本の航空機産業への期待_2.今後の航空需要見通し(p.4)」によると、2023~2025年度の航空需要の見通しでは、新型コロナウイルス感染症の拡大前の旅客数を基準として、国内旅客・国際旅客ともに増加が見込まれています。多言語サービスや無料Wi-Fiサービスの導入といったインバウンド強化のための空港の取り組みも、今後はますます活発化していくことが予想できるでしょう。
また、CO2排出を減らすことも今後の重要な取り組みの一つ。国土交通省の「航空分野におけるCO2削減の取組状況_1-4.航空局における検討体制(p.5)」によると、低炭素の機体・エンジンの技術開発や空港での再生可能エネルギー導入など、航空機運航分野と空港分野でCO2削減に向けた取り組みを行っているようです。
参照元
経済産業省
第4回 産業構造審議会 製造産業分科会 航空機宇宙産業小委員会
鉄道業界の今後の動向
鉄道業界も、航空業界と同じく訪日外国人観光客をターゲットにした取り組みに力を入れているといえます。国土交通省の「鉄道分野における利用者の利便性向上のためのデータ整備・連携・オープン化等について(p.5)」では、「インバウンド旅客が必要とする情報を積極的に発信していくことが重要」として、駅内構図や路線図などの多言語化や、アルファベットや色を用いて路線や駅を記載するなどの取り組みを実施。東京圏内の鉄道とバスが利用できる共通フリー乗車券の導入や、新幹線や在来線特急を海外から予約できるようにインターネット環境の整備など、外国人観光客を呼び込むための環境整備を行っています。
また、国内に向けた施策も欠かせません。近年は少子高齢化で利用者が減少傾向にあるほか、在宅勤務やテレワークといった多様な働き方が広まっています。そのため、鉄道や駅のあり方を見直したり、鉄道事業以外の取り組みにも力を入れ始めたりしているようです。
「今後の鉄道整備の基本的方向」によると、「駅前広場の整備、 駅周辺再開発、ターミナル機能を活用したワンストップサービス化(買い物、公的サービスの利用等のさまざまな用務を一つの場所で処理できるようにすること)」の改善や、高齢化社会を見据えたバリアフリー推進などが求められていることが分かります。
今後は多様なニーズに合わせ、鉄道に留まらず利用者の生活に密着したサービス展開が必要といえるでしょう。
参照元
国土交通省
今後の鉄道整備の基本的方向
インバウンドや海外事業の強化が進む
国内需要の減少に伴い、今後はインバウンドや海外への事業展開が強化されると考えられるでしょう。観光庁の「令和4年度補正予算 訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業(インバウンド安全・安心対策推進事業)の公募開始について」によると、観光地や宿泊施設を対象とした補助金制度や環境整備といった取り組みが行われています。
日本にはインフラ整備の高い技術やノウハウがあり、世界的なインフラ需要に着目した海外事業に力を入れる企業の増加に期待できるでしょう。とはいえ、首相官邸ホームページの「インフラシステム海外展開を取り巻く状況_入札環境(p.18)」によると、「日本企業は、信頼性、耐久性、環境性能等において、技術的な強みを有するが、相手国市場で求められる価格帯、施設仕様とのギャップが依然として存在する」という問題も。今後は、品質を維持しながら価格競争にどう対応するのかがポイントになります。
参照元
観光庁
公募情報 2023年
首相官邸ホームページ
第1回 インフラシステム海外展開検討会議事次第
エネルギーインフラ業界の今後の動向
エネルギーインフラ業界の今後の動向としては、電力・ガスの自由化により市場競争が加速すると考えられています。国内においては、2016年4月から電力が、2017年4月からガスが小売全面自由化されました。これを受けて、エネルギーインフラ各社が多様な料金プラン、電気とガスの契約一本化などを実施。今後もさまざまなサービスで差別化を図る動きが進むと考えられます。
再生可能エネルギーの普及が進む
電気・ガス・石油のいずれにおいても、CO2排出量を減らすための新しいエネルギーの開発や促進が求められます。資源エネルギー庁の「総論 再生可能エネルギーとは」によると、再生可能エネルギーは「温室効果ガスを排出しない」「国内で生産できる」といった点が特徴。地球温暖化対策だけでなく、資源に乏しい日本でエネルギーの安定供給を図るという観点からも注目されているようです。
国による各種支援制度も充実しており、エネルギー各社が今後ますます力を入れていく分野であると予測できます。エネルギー業界や再生可能エネルギーの現状については、「エネルギー業界の仕事」のコラムもご覧ください。
参照元
資源エネルギー庁
再生可能エネルギーとは
通信業界の今後の動向
通信業界は、地域活性化や防災といった社会課題を解決するうえで、インフラとしての通信ネットワークが寄与することが期待されているようです。
総務省の「令和5年『情報通信に関する現状報告』(令和5年版情報通信白書)(p.7)」には、「災害に強い通信ネットワークの構築」「Beyond 5G(6G)に向けた取組を強化・加速」「新たなツール・サービスを正しく活⽤するためのリテラシーの向上」などが今後の取り組みとして挙がっています。また、ICT分野での国際競争力の強化も今後の課題といえるでしょう。
参照元
総務省 情報通信統計データベース
情報通信白書
ロボットやAIを活用したインフラ整備が進む
人手不足を解消するため、電車の自動運転、駅や空港の無人化といったIT変革も、今後の動向の重要なポイントです。すでにレジ業務やデータ入力といった単純作業はセルフレジやAIが担うことが増えており、この先もますます加速していくでしょう。
インフラ業界全体の今後の動向
インフラ業界の将来性は安定していますが、未来を見据えた取り組みが必要とされています。インフラ業界を目指すなら、具体的に今後はどのような動向が予想されるのか確認しておきましょう。
少子高齢化社会を見据えた取り組みが活発になる
厚生労働省の「我が国の人口について」によると、「2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になる」と推計されています。今後は、少子高齢化が進んでいくことを前提とした取り組みが重要になるでしょう。
たとえば、シニア世代をターゲットにしたバスや鉄道などの交通サービスやAI技術を活用した見守りサービスなど、インフラ業界のノウハウを活用したサービスの需要が拡大していくと考えられます。少子高齢化が新たなビジネスの創出につながる可能性もあり、インフラ業界全体で取り組みが本格化していくでしょう。
参照元
厚生労働省
我が国の人口について
インフラ業界で働く6つの魅力・メリット
インフラ業界は安定感があり、ワークライフバランスも取りやすいのが魅力です。また、人々の生活に欠かせない事業なので、社会に貢献できることがやりがいになるでしょう。
1.業界全体に安定感がある
インフラ事業は人々の生活に必要不可欠なサービスを展開しているため、ほかの業界と比較して景気に左右されにくく安定感があります。また、行政と連携して行う事業もあり、仕事がなくなる可能性は低いでしょう。
2.給与体系が明確なことが多い
インフラ業界には、長く勤めるほど給与が上がる年功序列制度を採用している企業も多いため、勤務期間が長くなるごとに給与アップが見込めるのも魅力の一つです。インフラ業界のなかには、元々国営だった大企業も少なくありません。給与体系が明確であれば、キャリアプランも考えやすいでしょう。
3.手当や福利厚生が充実している
インフラ業界には、住宅手当や扶養手当といった福利厚生が充実している傾向があります。転勤のある会社では社宅が用意されていたり、自社の交通サービスが割安で利用できたりするなどのメリットもあるようです。
4.ワーク・ライフ・バランスが取りやすい
インフラ業界に属する企業では、私生活とのバランスが取りやすいようです。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況_1労働時間制度_(4)年次有給休暇(p.6)」によると、「電気・ガス・熱供給・水道業」の年次有給休暇の平均取得率は73.7%となっています。スケジュール通りに進める仕事が多いことから、有給休暇の取得率が高いといえるでしょう。また、繁忙期やトラブル発生時を除けば、定時で帰れる傾向にあるようです。
参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査 結果の概況
5.社会への貢献度が高い
インフラ事業は社会の役に立っていると実感しやすい仕事です。職種によっては、自分が提供するサービスが活用されているのを直に見ることもあります。また、災害時に電気やガスが止まれば社会活動も止まってしまうことから、インフラ事業の重要性が分かるでしょう。
6.専門性の高い知識や技術を得られる
インフラ業界の強みの一つに、専門的な知識や技術を得られることが挙げられます。たとえば、エネルギー分野であればエネルギーの取り扱いや供給に関する知識、航空分野であれば保安業務に関する法的知識や整備の技術などです。知識や技術が身につくほどやりがいにつながりやすいほか、待遇改善も期待できるでしょう。
専門的なスキルや知識を身につければ、転職やキャリアアップがしやすいため、自分が思い描いたキャリアプランを実現しやすいといえます。「手に職をつける意味とは?専門職の仕事や必要な資格を徹底解説」のコラムでは、専門性の高い職業について紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
7.文系や理系を問わず活躍のチャンスがある
インフラ業界は理系のイメージをもたれることがあるものの、文系や理系を問わず活躍できる業界の一つです。研究開発職や技術職といった専門職以外にも、営業や事務、客室乗務員や駅務員などさまざまな職種で活躍できます。コミュニケーション能力や語学力といった文系の能力が役に立つ仕事を選べば、インフラ業界で長く活躍できるでしょう。
インフラ業界で働く3つの大変なところ・デメリット
インフラ業界の大変さには、「責任の重さ」「体力的なつらさ」「上下関係の厳しさ」などが挙げられます。具体的にどのようなデメリットがあるか確認していきましょう。
インフラ業界で働くデメリット
- ミスが許されず責任が重く感じる
- 職種によっては体力的にきつい
- 上下関係に厳しい場合がある
1.ミスが許されず責任が重く感じる
インフラ業界の社会貢献度の高さや専門性はやりがいにつながる一方で、責任が重いという大変さもあります。ミスが許されないことからルールが厳しく、仕事への姿勢が問われるでしょう。
仕事に対して責任感をもつ大切さや、プレッシャーに打ち勝つ方法について気になる方は「仕事の責任とは?重いと感じる場合の対処法と当事者意識の大切さを解説!」のコラムもぜひ参考にしてみてください。
2.職種によっては体力的にきつい
職種によっては夜勤があったり、立ち仕事だったりして体力的に大変な場合もあることが、インフラ業界のデメリットといえます。たとえば、道路関係の職種であれば、車通りの少ない深夜帯の業務が多くなるでしょう。想像していたよりもハードワークで、精神的にもつらいと感じることが大変だと感じる場合もあるようです。
3.上下関係に厳しい場合がある
インフラ業界では伝統を重んじる企業もあり、そういった企業の場合は上下関係が厳しいことも考えられます。インフラ業界は安定しているため、歴史の長い企業が多いのも特徴の一つ。古くからのルールを遵守している企業も存在するので、年功序列の落ち着いた社風が苦手な場合はデメリットに感じることもあるでしょう。
インフラ業界で働く大変さを乗り越えるためには、「人々の生活を守る」「社会を支える」といった使命感やプロ意識をもつことが重要です。「プロ意識とは?意味や高め方、仕事におけるメリットを解説」のコラムでは、仕事への責任感や使命感をもつ大切さをまとめています。
「インフラ業界はやめとけ」は本当?
「インフラ業界が気になるけど、やめとけと言われて不安…」という方もいるかもしれません。インフラ業界は「全国で整備を行う必要があるため転勤が多い傾向にある」「保守的な傾向がある」「人口の減少に影響を受ける可能性がある」といった理由から、「やめとけ」といわれることもあるようです。
しかし、これらの条件が合うかどうかは人によって異なります。自分がインフラ業界に適性があるかどうかを分析したうえで、検討してみると良いでしょう。判断材料の一つとして、このコラムの上部にある適職診断もおすすめです。およそ1分の短時間で自分にどのような仕事が合っているか診断できるため、適職が分からないという方は試してみてくださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
インフラ業界に向いている人に見られる10個の特徴
インフラ業界の仕事は社会生活を支える役割を担っているため、責任感のある人やコミュニケーションが得意な人などに向いているでしょう。以下で詳しく解説します。
1.責任をもって仕事に取り組める人
インフラ業界の仕事は人々の生活、社会を支えるサービスに携わるため、常に責任をもって業務に臨める人が向いているでしょう。たとえば、大きな災害が起きた際は、社会や人々を優先した行動が求められます。周囲を優先し、一刻も早く日常を取り戻すための責任感があると、インフラ業界で重宝されやすくなるでしょう。
2.コミュニケーションが得意な人
鉄道会社の駅務員や航空会社の客室乗務員など、担当する業務によってはお客さまと関わる機会が多いため、コミュニケーション能力は必須です。また、ヒューマンエラーを防ぐためにも、職場の人たちと積極的にコミュニケーションを取る必要があります。そのため、コミュニケーションが得意な人はインフラ業界で活躍しやすいでしょう。
就職や転職活動におけるコミュニケーション能力の重要性や鍛え方については、「コミュニケーション能力とは?スキルを鍛える具体的な方法をご紹介!」のコラムで詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
3.細かい作業を正確にこなせる人
インフラ業界は、細かい作業を確実にこなせる方が向いているでしょう。たとえば、整備やメンテナンス、鉄道の運行に関わる駅員や運転士といった職種の場合、ちょっとしたミスが社会に大きな影響を与えてしまう可能性があります。与えられた仕事を正確にやり遂げられ、細かい作業が得意な方は、インフラ業界に向いているかもしれません。
4.ストレスを溜め込まない人
ストレスを溜め込まない人は、インフラ業界の仕事に向いている可能性があります。インフラ業界の仕事は、人々の生活の支えとなる、やりがいのある仕事です。しかし、地道で大変な作業が続き、「ルーティンワークでつまらない」とストレスに感じる人もいるかもしれません。
適度にストレスを発散し、前向きに仕事をこなせる人が、インフラ業界に向いているといえます。ついストレスを溜め込んでしまいがちな方は、「仕事でイライラする原因は?限界までストレスをためない解消法をご紹介!」のコラムで対処法を紹介しているので、ぜひ確認してみましょう。
5.忍耐力がある人
インフラ業界で働くには、忍耐力が必要不可欠です。インフラ事業は安定供給が求められるため、難しい仕事でも最後までこなさなければいけません。トラブルが発生すれば、解決するまで残業することもあるでしょう。
業種によっては、繁忙期は激務になる可能性もあります。忍耐力に自信がある人はインフラ業界に向いているでしょう。
6.仕事に安定性を求めている人
インフラ業界は取り扱うサービスの性質上、景気や社会情勢の影響を受けにくいといえます。そのため、安定志向の方に向いているでしょう。
ただし、「安定する仕事だから」という理由だけで適性とは異なる職種に就いてしまっては本末転倒です。仕事探しをするときは、安定性だけでなく「自分に合った仕事か」「長く働ける環境か」なども一緒に確認することが重要といえます。
「安定した職業12選!仕事選びのコツやおすすめの資格をご紹介」のコラムではインフラ業界以外の安定している職業を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
7.社会貢献をしたい人
「仕事で社会に貢献していると実感したい」「人の役に立つ仕事がしたい」という方は、インフラ業界がおすすめです。
ハタラクティブの「若者しごと白書2024 02 現在の仕事について(p.17)」によると、仕事でやりがいを感じることを回答した正社員は、「人の役に立つこと」が15.6%で最多でした。このことから、仕事を通して誰かに貢献したいと考える人は多いようです。
インフラ業界ではエネルギーや交通、通信など、日々の生活に欠かせない分野を担っています。そのため、「社会や人の役に立っている」と感じられる機会が多く、やりがいをもって仕事に取り組めるでしょう。
参照元
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
8.マニュアルに沿った仕事が好きな人
インフラ業界ではマニュアルが用意されている仕事も多いため、決められたフローに沿った業務が好きな人に向いている傾向があります。マニュアルに従わないとミスが発生したり大きな事故につながったりしかねません。「業務において一定のクオリティを維持したい」「イレギュラー対応の少ない仕事に携わりたい」という希望のある方は、マニュアル化されいる業種に適しているでしょう。
9.論理的思考力があり物事を分析できる人
インフラ業界のなかでも特に技術職として働く人には、論理的思考力が求められることもあります。論理的思考力とは、物事を分析し、筋道を立てて説明できるスキルのこと。インフラ業界でいうと、トラブルの原因を探って素早い対応をしたり、求められている新しいサービスを考えたりといったことに役立ちます。
10.グローバル化に対し苦手意識がない人
インフラ業界では、海外企業とやりとりする業種もあるため、グローバル化への苦手意識がない人に向いている可能性があるでしょう。海外企業へサービスを提供する場合、多様性への理解が必要とされます。グローバル社会で働ける耐性がある人は、インフラ業界の適性があるでしょう。
英語スキルが必要とされるグローバル企業に興味がある方は、「英語を使う仕事は未経験から挑戦可能?歓迎されるスキルや就職のコツを紹介」もあわせてご覧ください。
インフラ業界を目指すときの志望動機の書き方
「インフラ業界が気になるけど、志望動機の書き方が分からない」という方もいるでしょう。ここでは、未経験者の場合と経験者の場合に分けて、志望動機の書き方のコツをご紹介します。
未経験者の志望動機
未経験者の志望動機では、「なぜインフラ業界なのか」「インフラのなかでもなぜその業種なのか」といった点がポイントになります。単に「社会貢献がしたい」といった理由では、採用担当者に「インフラ業界でなくても良いのでは」と思われてしまう可能性があるため、将来の夢や目標とあわせて明確な理由を伝えましょう。そのうえで、応募先企業を選んだ理由を述べます。
未経験者は専門知識やスキルをアピールできないため、意欲や将来性といったポテンシャルをアピールすると良いでしょう。志望動機の作り方や注意点は、「履歴書の志望動機の書き方とは?例文とともに転職時のポイントを解説」のコラムを参考にしてみてください。
経験者の志望動機
経験者の志望動機は、前職を辞めた理由と、応募先企業を選んだ理由をつなげましょう。たとえば、「前の会社は既存事業の維持に力を入れており、新しい事業へ挑戦する機会がありませんでした。貴社は新しい市場を開拓することに力を入れているため、志望いたしました」といった志望動機が考えられます。
また、前職で身につけたスキルを応募先企業でどのように活かせるかをアピールすることも重要です。業界研究・企業研究をしっかりと行い、どのようなスキルをどのような事業で活かせそうかを志望動機に織り交ぜましょう。
業界研究のやり方は「業界研究のやり方から情報収集の仕方・ノートのまとめ方まで徹底解説!」で、企業研究の仕方は「企業研究とは?その必要性とスムーズに行うコツを知っておこう!」のコラムでそれぞれ解説しています。
インフラ業界に就職・転職するための6つの方法
「インフラ業界への就職・転職を考えているものの、何から始めて良いか分からない…」とお悩みの方もいるでしょう。ここでは、インフラ業界で働くための方法を紹介します。就職・転職活動の際にぜひ参考にしてみてください。
インフラ業界に就職・転職するための方法
- 自己分析を行う
- インフラ関係の最新知識を調べる
- 資格やスキルを身につける
- インターンシップに参加する
- 求人サイトを利用する
- 就職・転職エージェントを活用する
1.自己分析を行う
インフラ業界に興味があり、就職・転職したいと思っている場合は、自己分析から始めてみるのがおすすめです。興味がある分野やこれまでの経験、得意なことなどを自己分析で把握すれば、自分に合う仕事が見つけやすくなります。インフラ業界にはさまざまな業種があるため、どのような業種・職種が向いているのかを、自己分析で判断しましょう。
「自己分析とは?実施するメリットや簡単に行う方法をご紹介」のコラムでは、自己分析のやり方について解説しています。
2.インフラ関係の最新知識を調べる
インフラ業界の最新技術に興味をもち、情報を仕入れることも大切です。再生可能エネルギーやIoTなどの情報を集めておけば、入社後もその知識を仕事に活用できるでしょう。
情報収集は、インターネットや新聞などで行えます。インフラ業界に関連するニュースを積極的に確認しておくと面接にも役立つでしょう。
3.資格やスキルを身につける
インフラ業界は職種によって必要な専門資格が異なるため、就きたい業種に応じた資格を取ってスキルアップするのもおすすめです。たとえば電力会社なら、電気施設の保安監督になるために「電気主任技術者」、商業施設や一般住宅の電気工事を行うために「電気工事士」などの資格が必要です。ガス会社なら、ガス工作物の工事や運用などを担うために「ガス主任技術者」が求められる場合があるでしょう。
インフラエンジニアを目指すなら、「基本情報技術者」や「応用情報技術者」などのIT系の国家資格が役立ちます。未経験や知識をもっていない状態からIT系の仕事をスタートしたい場合は、「ITパスポート」もおすすめです。「ITパスポートで就職が有利になる?アピール方法も解説!」で取得のメリットを解説しているため、ぜひご覧ください。
4.インターンシップに参加する
興味のある業種や企業を見つけている場合は、インターンシップに参加してみるのも手段の一つです。インターンシップに参加することで企業の詳しい情報を知れたり雰囲気がつかめたりするため、入社後のミスマッチが減りやすくなります。また、現在働いている方の生の声が聞けるのもインターンシップのメリットです。インターンシップは企業のWebページで案内されていることがあるため、一度調べてみると良いでしょう。
5.求人サイトを利用する
求人サイトを利用して、インフラ業界の求人を探してみる方法もあります。求人サイトを利用すれば、勤務地や給与などの希望条件を選んでインフラ関連の仕事を検索できます。スマートフォンやパソコンで調べられるので、隙間時間を活用できるのもメリットです。
6.就職・転職エージェントを活用する
効率的にインフラ業界への就職・転職を目指す場合、希望条件に合う求人探しや選考に向けた準備が必要なため、エージェントの活用が有効といえるでしょう。就職・転職エージェントでは、専任のアドバイザーが希望条件に沿った求人を紹介してくれます。希望の働き方や仕事選びに迷っている場合も、適性に合った求人紹介やアドバイスをもらえるため、ミスマッチ防止にも有効です。
選考に向けて応募書類の添削や面接対策も行ってくれるため、一人での選考対策が不安な方や、プロのアドバイスを取り入れたい方は活用してみましょう。
転職・就職エージェントのハタラクティブは、フリーターや既卒、第二新卒といった若年層に特化した支援を行っています。専任のキャリアアドバイザーが丁寧なヒアリングを行い、一人ひとりに合った求人情報を厳選してご紹介。人柄やポテンシャルを重視する企業の求人を扱っているため、経歴に不安のある方も安心です。
また、応募書類の添削や模擬面接といった選考対策や、企業とのやり取り代行といったサポートも実施。全面的なサポートを受けながら、自信をもって就職活動を進められるでしょう。仕事での適性が簡単に分かる「適職診断」もご用意しております。サービスの登録・利用はすべて無料のため、まずはお気軽にご相談ください。
インフラ業界に関するFAQ
ここでは、インフラ業界に関する疑問をQ&A方式で解消します。代表的な職種や将来性についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
インフラ業界への就職は文系出身だと不利ですか?
文系出身だからといって、インフラ業界への就職が不利ということはありません。マーケティング力・語学力・対人能力などがあれば、インフラ業界にある営業職や事務職、客室乗務員といった仕事に活かせるでしょう。
ただし、設計や研究開発といった専門職では、理系出身者が有利になる場合もあるようです。文系に向いている傾向にある仕事は、「文系におすすめの職業一覧をチェック!年収ランキングも紹介」のコラムで情報をまとめているので、参考にしてみてください。
インフラ業界は女性も活躍できますか?
インフラ業界は、女性も活躍できます。航空会社のCAやIT系の技術者、鉄道業界の車掌など、幅広い仕事で女性の活躍が見られるので、男女比率も参考に挑戦してみるのがおすすめです。
インフラ業界に興味がある女性の方は、どのような分野のどのような職種が自分に合っているのか、その仕事で何を成し遂げたいかを考えたうえで検討してみると良いでしょう。自分に合う仕事が分からない方は「適職の見つけ方を解説!好きなことだけでなく得意なことを探そう」のコラムもぜひ参考にしてみてください。
インフラ業界は将来性のある仕事ですか?
人々の生活基盤を支えるインフラ業界は需要がなくなることはないため、将来的にも安定が見込まれます。とはいえ、少子高齢化による国内需要の減少や、電力・ガス業界では小売全面自由化による市場競争の激化などの課題も。インフラ業界を目指す際は、海外展開やサービスの差別化など、解決に向けた対応を意識する姿勢が必要です。
「将来性のある業界とは?その特徴や仕事選びのポイントをご紹介」のコラムでは、「生活になくてはならない仕事」としてインフラ業界を紹介しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
未経験からインフラ業界を目指すときのポイントはある?
未経験でインフラ業界を目指す際は、就業意欲や積極性、働くうえでの将来性などをアピールすることが重要です。業種ごとに求められる人物像を把握し、方向性にマッチする人材であることを伝えましょう。就職・転職エージェントのハタラクティブでは、相談者一人ひとりに専任のアドバイザーがつき、就活を全面サポートします。1人でインフラ業界を目指すことに不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
業界一覧
- 金融
- IT・メディア
- 自動車・機械
- 小売・卸
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