インフラとは、インフラストラクチャー(infrastructure)略で、辞書的な意味では「基盤」「下部構造」などと訳されています。
社会にとって必要不可欠な基盤であり、国民の生活だけでなく、経済活動を行うためにもなくてはならない公共施設といえるでしょう。
インフラには、生活で必須となる電気やガス、水道はもちろん、道路、航空、トンネル、鉄道、ゴミ処理場などが含まれます。
今回は、電気・ガス、航空、鉄道について、それぞれをご紹介していきます。
■電気・ガス
北海道電力
北陸ガス
K&Oエナジーグループ(2014年1月に関東天然瓦斯開発と大多喜ガスが統合)
東京ガス
東京電力ホールディングス
大阪ガス
中部電力
静岡ガス
日本原子力発電
中国電力
九州電力 など
このような生活に欠かせない電気・ガス業界は、競争も少なく安定した就職先だといわれていました。
しかし、2011年3月の東京電力・福島原発事故後により、1990年代に始まった市場改革が大きく加速しました。
2016年4月に電力小売全面自由化、2017年4月の小売自由化により、一般家庭分野に異業界が参入可能となり、競争が厳しくなることが予測されています。
■鉄道
JR北海道
JR東海
JR西日本
JR東日本
JR四国
JR九州
JR貨物
小田急鉄道
東武鉄道
西武鉄道
京成鉄道
京王鉄道
東京メトロ
遠鉄
近鉄
相模鉄道 など
平成17年から24年ごろにかけて、鉄道事業は小売事業とともに伸び悩みが続いているようです。
平成20年の秋には、国内の景気後退が影響し、中距離のビジジネス・レジャーなどの需要が低迷を記録しています。
鉄道業界では、将来の人口減少などによる本業の伸び悩みを見越して、周辺事業の強化を行っているようです。
2011年のSuicaのサービス提供以降、ICカードや電子マネーの動きが盛んになっています。
また、関東地方を中心とする鉄道・路線バスのどちらとも利用可能なPASUMOは、2007年にサービスを開始。
一方関西では、ICOCAは2005年に、Suicaとの相互利用は2008年に可能となりました。
そのほか、2012年に開業した東京スカイツリーなどを観光スポットとし、観光客が訪れているため、周辺の商業施設などでも売上が好調のようです。
■航空
ANAホールディングス
日本空港(JAL)
アメリカン・エアラインズ・グループ
デルタ航空
ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス など
<LCC(格安航空会社)>
バニラ・エア
ピーチ・アビエーション
春秋航空日本
エアアジア・ジャパン など
航空会社の収益は、燃油安や落ち着いたビジネス需要により、国内外ともに右肩上がりとなっています。
国内大手の日本航空(JAL)とANAホールディングスの双方とも2016年3月期の営業利益が過去最高を更新しました。
ANAは路線ネットワークの拡大、JALは旅客単価を引き上げた結果といえるでしょう。
国内で旅客需要が最も高いのは、東京を中心とした首都圏です。2020年に東京オリンピックを控えニーズがさらに高まることが予測されます。
そこで、東京国際空港(羽田空港)と成田国際空港はさらに発着便を増やしていく方針です。
そして2015年4月、成田空港はLCC(格安航空会社)向けの施設をオープンし、利用者に対応する準備を整えました。
政府が2015年に決めた「交通政策基本計画」では、2020年のLCCシェアを国際線17%、国内線14%まで伸ばすことが定められたため、LCC各社とも追い風が吹いているといえるでしょう。
文系、理系問わず就活生に人気のあるインフラ業界。
しかし、誰もがインフラ業界に向いているとはいえないようです。
そこで、どのような人が向いているのかを見ていきましょう。
・責任感が強い人、社会貢献がしたい人
人々の生活、社会を支えるサービスであるため、常に責任を持って業務に臨める人が向いているでしょう。
災害時など、社会や人々を優先した行動が求められます。
・ストレスを溜め込まない人
インフラ業界の仕事は、人々の生活の支えとなるもので、とてもやりがいのある仕事です。
しかし、もちろん時には地道で大変な仕事もすることがあります。そんな時でも、前向きに仕事をこなせられる人が向いているといえるでしょう。
【志望動機のポイント】
インフラ業界は、人々の暮らしにはもちろん、社会にとってもなくてはならないサービスを提供します。
その中で、会社側から「なぜこの会社を選んだのか」という問いを投げかけられることが多いと予想されます。
この問いに、企業理念に沿った志望動機をまっすぐな気持ちで答えられるかどうかがポイントといえるでしょう。
また、サービスを安定的・持続的に提供するためには、環境についてもしっかり向き合っておかなければなりません。
その上で人々の暮らしを支えていくためには、どんな新しいサービスが必要になってくるのかを考えられる力が必要といえるでしょう。専門分野のみならず、最新の知識やコミュニケーションスキルの強さもアピールしておくといいかもしれません。
さらに、勉強やスポーツなどでコツコツと地道に努力を積み重ねてきた経験を伝えれば、堅実さをアピールすることができるでしょう。
規制で守られてきたインフラ業界ですが、規制緩和によって新規参入が増えることが予想されると先ほど述べました。今後のインフラ業界では、ただ与えられた仕事を着実にこなせるだけでなく、他社との競争に勝つために新しい企画やクリエイティブな要素を持った人材が求められてくるのではないでしょうか。
私たちの日常に常に関わるサービスであるため、「安定」のイメージが強いインフラ業界。
確かに、電気・ガス、鉄道、航空などのインフラ業界は、規制の保護もとに置かれている状況が多かったため、他業界と比べると安定していたといえるでしょう。
しかし、これまで独占状態だった電気・ガス業界において、小売自由化が進んだため、今後のインフラ業界にも市場の競争原理が働くと考えられています。
人口の減少により規模の縮小が問題視される鉄道業界では、今後も電子マネーや商業施設の開業、駅ナカなど、さまざまな周辺事業を開拓していくことが考えられます。
航空業界では、海外から日本に来る外国人の数がここ数年で急増しており、いい追い風となっているといえるでしょう。
インフラ業界における職種について、電気・ガス、鉄道、航空それぞれご紹介していきます。
<電気>
営業職
技術職
事務職 など
電力会社などにおける営業での仕事は、最適な料金メニューや機器・システムの提案などが挙げられます。
技術職の代表的な仕事として挙げられるのは、発電所から運ばれる電気をお客さまに届ける配電部門。
具体的には、配電設備建設全般、配電設備の定期点検、電気に関するお問い合わせ、停電・漏電時の対応などで、消費者との距離が近いのが特徴的です。
<ガス>
プロフェッショナル職
技術職
事務職
営業職 など
ガス会社における主な職種は、プロフェッショナル職や技術職、事務職、営業職などに分けられます。
プロフェッショナル職では、パイプラインの保安業務、施工関連業務、業務用や家庭用ガスの整備、ガス発電所でのオペレーティング、エネルギー機器開発、ガス機器営業、エリア拡張営業などがあります。
基本的に営業や技術職、事務職の求人が多い傾向にあるようですが、その時の会社の事業展開や状況によって変化するようです。
<鉄道>
整備系職種
現業職
運行管理
輸送計画
技術職にあたたる「整備系職種」は、鉄道会社にとって欠かせない存在といえるでしょう。
具体的な業務内容は、車両の保守・点検・管理・信号通信整備といった鉄道の安全に関わる業務です。
鉄道会社に所属し、駅員や車掌、運転士として働く人たちは一般的に「現業職」と呼ばれています。
運行管理は、鉄道の安全を確保するために、列車の運行状況をリアルタイムで確認する仕事です。
輸送計画は、「ダイヤ」の策定を専門的に手掛ける職種で、より良いダイヤを創り出し、お客さまに便利で快適な鉄道を利用してもらえるよう努めます。
<航空>
パイロット
客室乗務員(CA)
航空整備士 など
専門知識と技術が必要とされるため、厳しい訓練を受け操縦する航空機に応じたライセンスを取得できた人のみがパイロットになれます。
地上の航空管制官と無線で通信を行いながら、航空機を操縦士、お客さまや貨物を目的地まで安全に運ぶ仕事です。
客室乗務員(CA)は、旅客機に搭乗してサービスと保安の役割を担います。女性の仕事というイメージが強いですが、海外では男性も客室乗務員として多く活躍されています。
航空整備士は、航空機の整備・点検を行う仕事。フライト前に日常的に行う「ライン整備」と、一定の飛行時間を越えた場合に時間をかけて念入りに行う「ドッグ整備」などがあります。
事務・アシスタント
営業系
販売・サービス職
IT系
技術職
専門系
金融
IT・メディア
自動車・機械
小売・卸
サービス
建設・不動産
エネルギー・資源
電機・精密
生活関連
飲食
娯楽・レジャー
物流・運送
食品
衣料・装飾
おすすめ記事
RECOMMEND
おすすめ記事