公務員を諦めるべきタイミングとは?民間企業を目指す際の注意点を解説!

在学中から公務員試験を目指し、既卒後もチャレンジしましたが不合格となりました。 民間に切り替えて就職活動したいのですが、気をつけたほうが良いことはありますか?

「仕方なく民間を受けている」という印象を払拭するのが大切。公務員志望だった事実を隠す必要はないので、「なぜ民間なのか」「どうしてその企業を選んだのか」を明確にして、面接官にアピールしましょう。

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公務員を諦めるべきタイミングとは?民間企業を目指す際の注意点を解説!

「雇用が安定している」「福利厚生が良い」といったイメージから、人気の就職先となっている公務員。やはり狭き門ではあるため、学力試験はもちろんですが、惜しくも面接で落ちてしまったという方からもご相談をお受けすることが増えています。
公務員志望から民間企業志望へと転向する場合の、対策ポイントや注意点を解説します。

公務員を諦める主な理由

公務員を目指したもののうまくいかず、諦める決断をする際の主な理由は「公務員試験の勉強が大変」「面接対策が難しい」といった点にあるようです。また、イメージだけで公務員を目指した人が民間企業に目を向けた際、「民間にも良い会社がありそう」と考え方が変わる場合もあります。

1.公務員試験の勉強が進まない

公務員試験の勉強をしているなかで、「このままでは間に合わない」と感じ、諦めることを検討する人もいます。公務員試験は科目数が多く、出題範囲も広いのが特徴です。苦手科目が多い人にとっては、勉強が苦痛に感じる場合もあるでしょう。
公務員試験の勉強時間は志望先によりますが、概ね1000時間程度といわれています。試験までに1年時間があったとしても、1日あたり約3時間は勉強しなければなりません。卒論やアルバイトに時間を取られ、勉強が進まないと悩む人もいるようです。公務員試験の概要や対策について「公務員になるのに学歴は必要?試験や給料は異なる?」のコラムで詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

民間企業と併願するのも難しい

公務員試験の勉強と、民間企業の就活対策を同時並行で進めるのは難しいといわれています。民間企業の就活では、業界研究や求人探しに時間がかかるうえ、1社ごとに企業研究や書類作成をしなければなりません。公務員試験の勉強と両立させるには時間が足りず、結局どちらも中途半端になってしまう恐れがあるでしょう。

2.面接に失敗した

公務員試験に合格したものの、面接に失敗してしまいモチベーションが維持できなくなって公務員を諦める人もいるようです。公務員は適性が重視される傾向にあるため、面接では「なぜ公務員なのか」「公務員になって何がしたいのか」といった内容を具体的に聞かれる可能性が高いでしょう。面接で緊張してうまく答えられなかったり、軽い気持ちで受けたために曖昧な答えになってしまったりして不合格となるケースも。何度か挑戦したもののうまくいかず、年齢制限で諦めることになってしまう場合もあります。

3.どうしてもなりたいわけではなかった

公務員を目指した動機が「公務員は安定している」「民間企業より楽そう」といった曖昧なイメージによるものだと、厳しい試験勉強を乗り越えるのは難しいでしょう。前述の通り、公務員試験の勉強時間は1000時間程度といわれており、「どうしても公務員になりたい」といった強い気持ちがなければ最後までやり切るのは困難です。また、面接で熱意が低いのを見抜かれ、不合格となる可能性もあります。そのうちに、民間企業にも好待遇の会社があると分かり、公務員を諦める決断に至る人もいるようです。

諦める前に知っておこう!公務員のデメリット

公務員の良いところばかりに目がいってしまい、諦める決断がなかなかできない人もいるでしょう。無理に諦める必要はないですが、公務員か民間企業か選ぶ前に、公務員にもデメリットがあることを知っておくのも大切です。また、どのような点をデメリットと感じるかは人によって異なります。自分がデメリットと感じた点は、民間企業を選ぶ際の基準として参考にしてみてください。

大幅な昇給は見込めない

公務員は経験年数に応じた給料になっているため、大幅な昇給は見込めません。
ここでは、人事院の「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」をもとに、国家公務員の行政職の経験年数による平均給料をまとめました。

経験年数(行政職)平均俸給額
1年未満18万957円
2年以上3年未満18万8,385円
3年以上5年未満20万7,091円
7年以上10年未満24万6,394円
15年以上20年未満32万8,364円
25年以上30年未満38万971円

引用:人事院「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果 II統計表 第7表 適用俸給表別、経験年数階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均俸給額(18p)

経験年数を重ねれば着実に昇給するものの、「今年は頑張ったから」といって、勤続3年の人が勤続7年の人と同額になるようなことはありません。公務員の給料は民間企業と均衡を保つのがルールとなっており、省庁や自治体が独断で高い給料を設定することはできない仕組みになっています。
大学中退者でも公務員になれる?面接の突破方法や給料事情をご紹介!」のコラムでは、高卒の公務員の給料や民間企業の平均給与を紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

参照元
人事院
国家公務員給与等実態調査結果

配属先によっては残業が多い

公務員は残業が少ないと思っている人もいるようですが、配属先によっては残業が多い場合もあります。また、大規模災害や緊急性の高い重要な業務があれば、長時間勤務になることも。国家公務員の超過勤務の上限時間は「月100時間未満」「年720時間以下」などと決められていますが、人事院の「上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の割合等(令和2年度)について~ 年間を通じたコロナ業務等により上限超え職員の割合が増加 ~」によると、2020年度は一般職のうち20.6%の職員が上限を超えて勤務したことが分かっています。
公務員は残業が少なく、ワークライフバランスが取りやすいというイメージだけで志望してしまうと、入職後に「思っていたのと違った」と感じる可能性もあるので注意が必要です。

参照元
人事院
2022年の報道発表 5月25日 上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の割合等(令和2年度)について

公務員は転勤や異動が多め

公務員は特定の民間企業との癒着を防ぐ目的から、転勤や異動が多い傾向にあります。国家公務員の場合は全国転勤があり、総合職では1〜2年ごとに転勤するようです。地方公務員の場合、県庁の職員なら県内での異動、地方自治体なら市町村内での異動があります。異動の頻度は各地方自治体によって異なるようですが、3〜4年に1回が一般的のようです。
そのため、家族の事情で転勤ができない人や、一つの仕事に専念したいという人は公務員を諦める決断をしたほうが良い可能性があるでしょう。

成果主義が好きな人には物足りない

公務員は営利目的の仕事ではないため、成果主義が好きな人には物足りない可能性があります。
民間企業では経験年数が浅くても、「大口契約を受注した」「大ヒット商品をリリースした」などの成果を挙げれば、先輩社員より昇給する可能性もありますが、公務員にそのようなことはありません。また、インセンティブ制や歩合制もないので、頑張った分だけ給料として見返りがあるということもないでしょう。給料がやりがいという人にとっては、モチベーションが保ちにくい仕事といえます。

公務員は副業ができない

公務員は営利目的の副業ができません。国家公務員法 第百三条では、「(前略)営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」と明記されています。地方公務員法 第三十八条にも、同様のことが明記されており、副業は原則禁止です。「収入を増やしたい」「スキルを磨きたい」と副業を望む人は、制度として認められている民間企業を目指したほうが満足度が高い可能性があります。

参照元
e-Govポータル
法令検索

専門スキルが身につきにくい

前述の通り、公務員は転勤や異動が多い傾向にあるため、専門スキルが身につきにくい点がデメリット。公務員に求められるのは専門知識よりも、幅広い視野と知見で、多種多様な人とコミュニケーションが取れるジェネラリストだからです。役職が上になるほど全体を見通して仕事を進めることが求められるので、経験年数に応じて専門スキルが高まるわけではありません。
そのため、「手に職を身につけたい」「いつかは起業したい」という目標がある人は、公務員を諦めるのが得策といえます。

厳しい目で見られることもある

公務員は立場上、市民から厳しい目で見られることもあります。自分では悪気がなくても、ちょっとした言動が「お役所仕事」などと揶揄され、精神的に辛く感じる場合もあるでしょう。
民間企業と違って税金を使う立場であることから、公務員にネガティブな感情を抱く人もいるようです。そのため、仕事中はもちろん、日常生活でも発言や立ち居振る舞いに気を遣わなければならない点がデメリットといえます。

公務員を諦めるのに最適なタイミングは?

公務員を諦めるのに最適なタイミングは人によって異なりますが、自分でなかなか決められない場合は以下の2点を参考にしてみてください。

やり抜いたと思えたとき

公務員を諦めるのに良いタイミングは「ここまでやり抜いたから十分だ」と思えるときでしょう。やれることはやったと納得して諦めるなら、後悔する可能性は低いです。「もう少し頑張れるかも…」という気持ちがあると、民間企業へ気持ちを切り替えるのが難しくなるでしょう。結果的に中途半端な就活対策になってしまい、正社員就職が難航する恐れがあります。
公務員を諦めるなら、無理やりではなく、自分自身が納得できたときがおすすめです。

新卒枠が使える25歳が目安

自分の気持ちに踏ん切りがつかない場合は、年齢で区切るのも良い方法です。既卒が新卒枠に応募できる25歳を目安にすると良いでしょう。厚生労働省では『卒業後3年以内の既卒者は、「新卒枠」での応募受付を!』と通達を出し、学校を卒業後3年以内の既卒は新卒枠で応募できるように企業へ呼びかけています。その結果、新卒枠で応募した既卒者が採用に至った企業は32%という参考データも。新卒枠が使えなくなると、中途採用枠で応募することになり、社会人未経験での正社員就職はハードルが高くなります。その前に公務員を諦める決断をして、民間企業へ切り替えるのを検討しましょう。
既卒就活を成功させるには?プロがおすすめする就活のやり方や体験談を紹介」のコラムでは、新卒枠に「既卒者も応募可」とした企業の割合が高い業界を紹介していますので、ご覧ください。

参照元
厚生労働省
青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について 若者雇用促進法に関するリーフレット集

公務員を諦めるか迷ったら

公務員を諦めるか、挑戦を続けるか迷ったら、本当に公務員になりたいのかを改めて考えてみてください。まずは、そもそもなぜ公務員を目指そうと思ったのか、原点に立ち返るのも大切です。

本当にやりたいことを考える

公務員か民間企業かを選ぶ前に、そもそも自分が本当にやりたいことは何かを考えてみましょう。たとえば、「地元に貢献したい」「社会の役に立ちたい」がやりたいことだとしたら、公務員でなくても実現できる可能性はあります。民間企業にも地域活性化に貢献している会社や、社会貢献を理念としている企業があるので、最初から公務員と決めつけずに、視野を広げて探してみてください。人によっては、民間企業のほうが自分のやりたいことに合っていると気づく場合もあるようです。

実際に働いている公務員の話を聞く

実際に省庁や市役所などで働いている職員に、「なぜ公務員を目指したのか」「どのような点にやりがいを感じているか」といった話を聞くのも良いでしょう。また、残業の実態や、仕事で大変なことなど、マイナス面も聞いておくと、「それでも公務員になりたいか」と考えるための材料になります。
職員への訪問は知り合いを通じて申し込んだり、省庁や自治体の人事課を通じてお願いしたりするなどの方法があるようです。また、人事院では質疑応答や職場見学ができる「官庁オープンツアー」を開催していますので、Webサイトをチェックしてみてください。

参照元
人事院
イベント情報

期限を決めて再挑戦するのもあり

過去の公務員試験に失敗して諦めるかどうか迷っている場合は、「あと○回だけ」と期限を決めて再挑戦するのも良いでしょう。未練を残したまま諦めるくらいなら、再挑戦して後悔を残さないのも大切です。ただし、ずるずると挑戦を続けて年齢が上がると、民間企業への就職が難しくなるため、期限の決め方には注意してください。

公務員を諦めて民間企業を目指す際の注意点

公務員を諦めて民間企業を目指す際は、仕方なく民間企業を目指しているわけではないと説明するのが重要です。志望動機を明確にし、就職後にやりたいことを伝えて意欲をアピールしましょう。

1.公務員志望だったことを隠さない

既卒として就活する場合、面接で「在学中の就職活動について」や「卒業後に何をしていたのか」という質問を受ける可能性が高いです。公務員を志望していた方の中には、そのことを隠したほうがいいの?と悩まれる人がいますが、嘘をつく必要はありません。正直に「在学中から公務員を目指しており、卒業後も公務員試験の勉強をしていた」と答えましょう

ただし、大切なのは伝え方。公務員から民間企業へと志望転向した場合には、面接官に「本当はまだ公務員を目指しているんじゃないか」「仕方なく民間を受けただけでは?」という疑念を抱かせてしまう可能性が高くなります。
そう思われないためにも、民間に転向したきっかけと、なぜその企業を志望したのかを伝えられると良いでしょう。
働きながら公務員試験を目指しているのでは?という懸念を払拭するためには、「公務員試験に挑戦するのは卒業後○年と決めていました」というように、あらかじめ期間を決めていたと話すことが効果的です。

2.仕方なく民間企業を選んだと思われないようにする

経歴上どうしても、仕方なく民間企業を受けていると思われやすくなってしまう公務員志望からの就活。都合の悪い部分を隠していた、という印象を与えないためにも、面接官から聞かれる前に自分から伝えるのがポイントです。
また、公務員を諦める方の中には、嫌々…という気持ちで民間企業を受けようとしている方もいます。そこまでは思っていなくとも、どこかで「民間よりも公務員のほうが上」というような気持ちを持っていると、思わぬ失言をしてしまう可能性も。面接に行くからには「働きたい」という気持ちを持ち、失礼がないように心がけましょう

3.応募先企業を選んだ理由に説得力を持たせる

公務員を諦める決断をした理由と、応募先企業を選んだ理由に一貫性を持たせるのも重要です。さらに、「教育現場の改善に興味があり公務員を目指しましたが、実際には民間企業によるデジタル化が変革を早めることに気づきました。」など、民間企業でなければできないことを理由にするのも説得力があります。また、企業の採用担当者が知りたいのは、「なぜ民間企業なのか」ではなく、「なぜウチの企業で働きたいのか」という部分です。「御社の理念が自分の価値観に合っている」「○○というシステムが教育に大きな影響を及ぼしていると知った」など、その企業ならではの内容を志望動機に織り交ぜましょう。

公務員と民間企業それぞれの就職に関するFAQ

ここでは、公務員と民間企業それぞれの就職に関する疑問をQ&A方式で解消します。

公務員試験の勉強は民間就職にも役立つ?

合格に向けて努力した過程は役に立つでしょう。試験勉強の内容は民間企業への就職に必ずしも役立つとはいい切れませんが、身についた計画性や忍耐力はアピール材料になります。『一覧で確認!就活で聞かれる長所が思いつかないときの対処法』のコラムでは、忍耐力を長所としてアピールする例文を紹介していますので、参考にしてみてください。

民間企業にも待遇が良い会社はある?

民間企業のなかにも優良企業はあります。優良企業とは、「離職率が低い」「残業時間が少ない」「有給取得率が高い」といった特徴を持つ会社のこと。大企業だけでなく、中小企業にも隠れた優良企業があるといわれています。「高卒で入れる優良企業はある?おすすめの就職先や探し方のポイントを紹介!」のコラムで、優良企業の探し方を詳しく解説していますので、求人探しの参考にしてみましょう。

後悔しない就職をするためには?

自己分析が重要です。自己分析で自身の価値観やモチベーションが上がるポイントなどを確認すると、自分に合った選択ができ、後悔しない就職につながります。公務員か民間企業かを選ぶうえでも、自己分析が役立つでしょう。「自己分析とは?実施のメリットと就活・転職活動での必要性を解説」のコラムを参考にして、就職の方向性を明らかにしてみてください。

既卒が民間企業の正社員になるためには?

既卒になった理由を説明する、未経験歓迎の求人を探す、などがポイントです。既卒は社会人経験がない点がデメリットではあるものの、若さや伸びしろがあるため業界・職種によっては高い需要があります。「既卒の就職先におすすめの10職種を紹介!就活を成功させる方法も解説」のコラムで、既卒が就職しやすい職種を紹介していますので、参考にしてみてください。また、既卒の就活では就職エージェントの活用もおすすめです。既卒やフリーターを対象にしているハタラクティブでは、既卒歓迎の求人も紹介していますので、ぜひご相談ください。

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