ホワイトカラーの意味とは?ブルーカラーとの違いや当てはまる職業を紹介

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この記事のまとめ

  • ホワイトカラーは白い襟を意味し、オフィスの業務に従事している人を指す
  • ホワイトカラーの職業には事務職や営業職、販売スタッフなどが挙げられる
  • ブルーカラーは青い襟を意味し、建設業や製造業などの肉体労働者を指して用いられる
  • ホワイトカラーは、長時間労働時間やメンタルヘルスへの影響が問題視されている

「ホワイトカラーとはどのような意味?」と疑問をおもちの方もいるでしょう。ホワイトカラーとは、白のワイシャツを着る仕事を指し、事務職・研究者・弁護士などが当てはまります。このコラムでは、ホワイトカラーの特徴やほかのカラーとの違いをご紹介します。また、ホワイトカラーとブルーカラーの賃金についても比較しているので、これから就活を行う方はぜひ参考にしてみてください。

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ホワイトカラーの意味とは

ホワイトカラーの意味とはの画像

ホワイトカラーとは、オフィスで事務系や販売系の業務に従事している労働者のことで、ホワイトワーカーとも呼びます。カラーとは英語の「color(色)」ではなく「collar(襟)」で、白のワイシャツを着る仕事を指す言葉です。

ホワイトカラーの職種例

ホワイトカラーの代表的な職種例は、以下のとおりです。

  • ・事務職
  • ・営業職
  • ・企画業務
  • ・研究者
  • ・弁護士
  • ・税理士
  • ・司法書士
  • ・販売スタッフ
  • ・接客スタッフ
  • ・記者
  • ・ライター

ホワイトカラーの概要や職種例をさらに知りたい方は、「ブルーカラーに該当する職業とは?ホワイトカラーやグリーンカラーとの違い」のコラムもご覧ください。

ホワイトカラーを別の言葉に言い換えると?

ホワイトカラーと似た意味の言葉として、「サラリーマン」が挙げられます。直訳すると「給料をもらう人」という意味ですが、一般的に「民間企業に勤め、事務系の仕事に従事する人」と位置づけられることがほとんど。そのため、ホワイトカラーと意味が近い言葉として考えられるでしょう。

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ホワイトカラーの3つの特徴

ホワイトカラーにはさまざまな職種があるものの、主に以下の3つの特徴があるといえます。

ホワイトカラーの特徴

  • 頭脳労働である
  • 比較的安全に業務が行える
  • 賃金が高額であることが多い

「ホワイトカラーの仕事に就職したい」という方は、入社後のギャップを防ぐために特徴を押さえておきましょう。

1.頭脳労働である

ホワイトカラーの大きな特徴は、知的な精神労働を行う点です。ホワイトカラーの業種は体を動かして作業を行うというよりも、仕事に関する専門的な知識や技術を駆使して仕事をしています

また、知識や技術を身につければ長く働けるというわけではなく、勉強を常に続ける必要があるのも特徴です。たとえば、医療分野の研究やグラフィックの技術は常にアップデートされているほか、サービスや商品を取り巻く市場の動向や流行も日々変化しています。顧客の要望に応えるために、絶えず勉強を重ねる必要があるでしょう。

ホワイトカラーに求められる能力

ホワイトカラーに求められる能力は、職種によって異なります。たとえば、事務職であればパソコンスキル、営業職であればコミュニケーション能力が必要です。ただし、パソコンスキルやコミュニケーション能力は、業界や職種を問わず役立つスキルでもあります。ホワイトカラーの仕事をしたい方は、身につけておいて損はないでしょう。

2.比較的安全に業務が行える

ほかのカラーに比べて業務が安全に行えるのも、ホワイトカラーの特徴といえます。ホワイトカラーの作業場所は、基本的に屋内。デスクワークを主とする職種も多いため、屋外で現場作業をする仕事よりも安全に働けるでしょう。

ホワイトカラーは対人業務が多い傾向にある

ホワイトカラーの仕事は、対人業務が多い傾向にあります。販売職や営業職では顧客の求めるサービスや商品を提案したり問い合わせに対応したりするほか、事務職では電話やメールで取引先とのやり取りを任されることもあるでしょう。また、業務を進めるにあたって上司や同僚とのコミュニケーションも求められます。相手の要望や気持ちをくみ取り適切な対応をする必要があるため、精神的に高度な作業が求められる仕事といえるでしょう。

3.安定した賃金が得られることが多い

ホワイトカラーは、一般的に安定した賃金が得られる傾向にあります。屋外で行われる仕事の一部では、天候やそのときどきの環境によって仕事の進み具合や成果物の納品状況が大きく異なるため、収入が大きく変動する恐れがあるでしょう。一方、ホワイトカラーは直接の生産性がない仕事のほか、屋内で作業に当たれるため、安定した賃金を得やすいといえます。

ただし、職種によって賃金は異なるため「ホワイトカラーだから高収入を狙える」という先入観で求人を選ぶのは避けましょう。「デスクワークの仕事とは?メリット・デメリットやお悩み解消法も紹介!」のコラムでは、デスクワークのメリット・デメリットを紹介しているので、あわせてご参照ください。

参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

ブルーカラーとは?ホワイトカラー以外のカラーの意味

ブルーカラーとは?ホワイトカラー以外のカラーの意味の画像

この項では、ブルーカラーやグレーカラーといったホワイトカラー以外のカラーについて解説します。それぞれの定義を確認したうえで、自分に合う仕事はないか探してみましょう。

1.ブルーカラー

ブルーカラーとは、肉体労働者を指す言葉です。「白い襟」という意味であるホワイトカラーに対してブルーカラーは「青い襟」を意味し、生産現場で働く人の青い作業着を表しています。

ブルーカラーは身体を動かす仕事のため、体力が求められます。また、作業現場は基本的に屋外なので、気温に応じた体調管理も必要です。高所作業や重量物の取り扱いなどを行う職場では、集中力の高さも求められるでしょう。

ブルーカラーの職種例

ブルーカラーの代表的な職種として挙げられるのは、土木作業員や建設作業員、農業従事者、漁業従事者など。また、警備員やタクシードライバー、自動車整備工などもブルーカラーに分類されます。

2.グリーンカラー

グリーンカラーとは、自然環境の保全や保護に携わる労働者を指す言葉です。具体的には、地熱や風力、太陽光などを活用したクリーンエネルギーにかかわる従事者や、林業の従事者などが該当します。

3.グレーカラー

グレーカラーとは、「ホワイトカラーにもブルーカラーにも当てはまらない」もしくは「両方の性質をあわせもつ」業務を担当する労働者を指す言葉。「頭脳労働」「肉体労働」と明確に分類されない業務が該当します。たとえば、工場における管理職や保安職の従事者がその一例です。

エンジニアはホワイトカラーではない?

エンジニアの仕事は、ホワイトカラーではなくグレーカラーと分類されることもあります。たとえば、客先に常駐したりさまざまな現場に足を運んだりするエンジニアは、ホワイトカラーとブルーカラーどちらの性質も備えているでしょう。また、長時間パソコンと向かい合う集中力や体力が必要な点や、ブルーカラーの業界と似た構造をもっていることから、「ホワイトカラーといいきれない」という意見もあるようです。
エンジニア職については、「エンジニアとは何をする人?仕事内容や求められる能力をわかりやすく解説!」のコラムで詳しく解説しています。

4.そのほかのカラー

ホワイトカラーやブルーカラー以外にも、さまざまな仕事を指す言葉があります。以下では、それぞれについてまとめているので、参考にしてみてください。

メタルカラー

メタルカラーとは、ものづくりに関する高度で熟練された技術を駆使して業務を行う技術職や職人などを指す言葉です。具体的には半導体や自動車などの製造業を指します。

シルバーカラー

シルバーカラーとは、高齢者福祉にかかわる労働者を指す言葉のこと。「シルバー」は襟の色ではなく、高齢者を指す言葉からきています。デイサービスや老人ホームといった介護施設や訪問介護の職員、高齢者向けの治療やリハビリを行う医療サービスに従事する医師や理学療法士などが対象です。

ピンクカラー

ピンクカラーとは、保育士や看護師、ハウスキーパーといった職業を指す言葉。元々は女性の従事者が多いという理由からピンクと名づけられました。

ゴールドカラー

ゴールドカラーとは、組織に所属せず、高い技術や知識を武器にキャリアを形成していく人を指します。また、研究職やコンサルなど、企業に雇用されていても専門知識やマネジメント力を活かして自立した活躍をしている労働者は、ゴールドカラーに分類されるようです。

自分に合ったカラーの仕事を見つける方法

仕事を探すなかで、「どのカラーの仕事が自分に合うか分からない」という方もいるかもしれません。自分に合う仕事を見つけるには、仕事について調べるだけでなく、「自分の適性や強みを知る」という作業が重要ですよ。なぜなら、漠然としたイメージや「やってみたい」という気持ちだけで仕事を選ぶと、入社後のミスマッチにつながりかねないためです。

自分自身の強みや弱み、適性や価値観を知るには、自己分析を行いましょう。これまでの社会人経験だけでなく学生時代の経験も振り返り、「なぜ頑張れたのか」「なぜ苦手に感じていたのか」といった感情の動きや行動の理由を分析する方法がおすすめ。

また、「一人では難しい」と感じる場合は、家族や友人といった第三者に意見をもらってみるのも良いでしょう。客観的な意見を得られるため、新たな発見がある可能性があります。「自己分析の方法をご紹介!就活や転職に役立てよう」のコラムを参考にしながら、自分自身の適性を見極めてみましょう。
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ホワイトカラーとブルーカラーの働き方の違い

ホワイトカラーとブルーカラーの働き方は大きく異なります。それぞれを比較してメリットとデメリットを客観視し、どちらが自分に合う仕事かを判断する参考にしてみてください。

オフィスワークの有無の違い

ホワイトカラーとブルーカラーの大きな違いのひとつが、オフィスワークの有無です。先述のとおり、ホワイトカラーとはオフィスで仕事を行う労働者のこと。業務の多くをオフィスや店舗のなかで行うため、肉体的な負担は少ないといえます。

一方、ブルーカラーは建設現場や農地といった野外で業務に当たったり、自動車や重機を運転したりする業務が主です。体力を活かせるという大きな強みがあるものの、肉体的な故障や事故が比較的起きやすい環境にあると考えられます。

身につく知識や技術の違い

ホワイトカラーとブルーカラーの違いとして、身につく知識や技術の違いも挙げられるでしょう。ホワイトカラーの場合、対人能力や論理的思考力といったポータブルスキルや、その仕事に関連する専門的な知識を習得できます。ただし、企業によってやり方や細かいルールが異なることもあるようです。

ブルーカラーの仕事に就くと、その分野で広く活躍できる専門知識や技術を習得できます。たとえば、建築関係の仕事であれば建築や塗装、インフラ整備といった技術、タクシーやトラックのドライバーであれば運転技術などが挙げられるでしょう。これらの知識や技術は関連する業界や職種で活かせることも多く、長く活用できる可能性が高いといえます。

転職の難易度の違い

ホワイトカラーとブルーカラーでは、転職活動の難易度が異なることがあるようです。ホワイトカラーの場合、先述したようなポータブルスキルや仕事に関する専門知識を得られます。営業職や販売職といった仕事なら、基本的な仕事の進め方や求められる能力は変わらないことが多いため、アピールしやすいでしょう。
しかし、仕事によっては能力を客観的に説明することが難しかったり、以前の勤務先と転職先で仕事の進め方が異なるため経験を活かしきれなかったりする場合もあるようです。

それに対し、ブルーカラーの仕事で求められる専門的な知識やスキルは、同じ業界・職種で広く活かせることが多いでしょう。資格や経験業務によって能力を客観的に証明しやすく、転職活動でアピールしやすいといえます。
また、ブルーカラーの仕事は人手不足が続いているため、比較的採用されやすいという側面も。将来的に長く活躍できる可能性が高く、「手に職をつけたい」という方におすすめです。

ホワイトカラーとブルーカラーの賃金の違い

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ホワイトカラーとブルーカラーどちらに就職するか迷っている方のなかには、賃金の差について知りたい方もいるでしょう。賃金は、基本的にはカラーよりも産業による違いが大きいようです。以下で詳細を解説します。

1.初任給はブルーカラーとホワイトカラーで違いは少ない

初任給は、高卒ではブルーカラーのほうが高い傾向にあります。ここでは、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査(5) 産業別にみた賃金」を参考に、初任給が含まれる年代の平均賃金についてまとめました。ただし、あくまで年代ごとの統計のため、参考としてご覧ください。

 産業平均賃金(~19歳)平均賃金(20~24歳)
ブルーカラー鉱業、採石業、砂利採 取業18万5,500円22万1,700円
建設業19万3,800円23万800円
製造業18万4,100円20万3,400円
電気・ガス・熱供給・水道業18万5,400円21万8,800円
運輸業、郵便業18万4,600円21万9,100円
平均18万6,700円21万8,800円
ホワイトカラー情報通信業18万800円23万1,600円
卸売業、小売業18万2,900円21万6,000円
金融業、保険業17万900円22万3,800円
不動産業、物品賃貸業18万3,900円23万3,600円
学術研究、専門・技術サービス業18万7,800円23万3,100円
宿泊業、飲食サービス業17万3,800円20万700円
生活関連サービス業、娯楽業18万1,000円20万8,900円
教育、学習支援業17万3,800円22万4,400円
医療、福祉18万1,700円23万900円
複合サービス事業17万3,900円19万7,600円
平均17万9,100円22万円

引用:厚生労働省「第5表 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率

上表から分かるように、高卒が含まれる19歳までの賃金はブルーカラーのほうが高く、大卒が含まれる20~24歳の賃金はほぼ変わらないという結果に。ブルーカラーの仕事はより専門的な知識・スキルが必要な業務を行う場合が多く、そのぶん高くなっていることが考えられます。また、多くの企業では大卒の初任給を高く設定しているため、20~24歳の平均賃金では両者に差がなくなったと予想できるでしょう。

大卒者の平均初任給は「大卒者の平均初任給と手取り金額!初給料の使い道は?」のコラムでご紹介しているので、そちらとも比較してみてください。

2.平均賃金はホワイトカラーのほうが高い産業が多い

平均賃金は、ホワイトカラーのほうが高い産業が多い一方で、低めの産業も見受けられる傾向にあります。下表は、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査(5) 産業別にみた賃金」のデータをもとにした、ホワイトカラーとブルーカラーの平均賃金です。

 産業平均賃金
ブルーカラー鉱業、採石業、砂利採 取業34万7,400円
建設業33万5,400円
製造業30万1,500円
電気・ガス・熱供給・水道業40万2,000円
運輸業、郵便業28万5,400円
平均33万4,300円
ホワイトカラー情報通信業37万8,800円
卸売業、小売業31万4,600円
金融業、保険業37万4,000円
不動産業、物品賃貸業33万9,500円
学術研究、専門・技術サービス業38万5,500円
宿泊業、飲食サービス業25万7,400円
生活関連サービス業、娯楽業27万1,600円
教育、学習支援業37万7,700円
医療、福祉29万6,700円
複合サービス事業29万8,800円
平均32万9,500円

引用:厚生労働省「第5表 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率

ホワイトカラーの一つである「学術研究、専門・技術サービス業」は、ホワイトカラーに分類した産業のうち最も平均賃金が高く、38万5,500円でした。そのあとは「情報通信業」が37万8,800円、「教育、学習支援業」が37万7,700円、「金融業、保険業」が37万4,000円と続きます。ホワイトカラーのなかでも、研究や教育、通信情報業といった専門的な知識が必要な産業や、営業職が多くインセンティブを得やすい金融業、保険業などが賃金が高い傾向にあるといえるでしょう
一方で、専門的な知識や技術が求められないことが多いサービス業や飲食業などは、全体と比較しても賃金が低いという結果に。産業や職種によって賃金に大きな差があることが推察できます。

それに対して、ブルーカラーの仕事は賃金が30万以下の産業が「運輸業、郵便業」のみ。産業にかからわず、一定の賃金を得やすい傾向にあることが分かるでしょう。特に、「電気・ガス・熱供給・水道業」の平均賃金は40万2,000円で、全産業で最も高い数値でした。

3.賃金の伸び率はホワイトカラーよりブルーカラーが高い

賃金の伸び率は、ホワイトカラーよりブルーカラーのほうが高い傾向にあります。下表は、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査(5) 産業別にみた賃金」をもとに作成した、ホワイトカラーとブルーカラーの賃金の伸び率です。

 産業20~24歳の賃金 (A)50~54歳の賃金 (B)賃金の伸び率 (B-A)/A
ブルーカラー鉱業、採石業、砂利採 取業22万1,700円40万6,800円83%
建設業23万0,800円41万1,300円78%
製造業20万3,400円36万0,300円77%
電気・ガス・熱供給・水道業21万8,800円51万8,600円137%
運輸業、郵便業21万9,100円31万4,300円43%
平均83.6%
ホワイトカラー情報通信業23万1,600円46万2,5 00円99%
卸売業、小売業21万6,000円37万5,300円74%
金融業、保険業22万3,800円48万1,200円115%
不動産業、物品賃貸業23万3,600円40万3,400円72%
学術研究,専門・技術サービス業23万3,100円46万0,000円97%
宿泊業、飲食サービス業20万0,700円29万3,300円46%
生活関連サービス業、娯楽業20万8,900円31万3,200円50%
教育、学習支援業22万4,400円44万8,700円100%
医療、福祉23万0,900円32万3,700円40%
複合サービス事業19万7,600円36万3,900円84%
平均77.7%

参照:厚生労働省「第5表 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率

上記から、ホワイトカラーでは、伸び率が70%以上の産業と50%以下の産業の二極化していることが分かります。ブルーカラーも同様に、「運輸業、郵便業」は43%であるものの、ほかの産業は70%以上の伸び率を記録。特に、「電気・ガス・熱供給・水道業」は137%の伸び率と、全産業で最も高い数値でした。

参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

ホワイトカラーが抱える3つの問題

ホワイトカラーは肉体労働が少ないため働きやすいと思われがちですが、長時間労働やメンタルヘルスへの影響が問題として挙げられます。ホワイトカラーの仕事に就きたい方は、問題点についてもしっかり把握しておくと良いでしょう。

ホワイトカラーが抱える3つの問題

  • 過重労働
  • メンタルヘルスへの影響
  • ロボットやAIに仕事を奪われる可能性がある

1.過重労働

ホワイトカラーが抱える問題のひとつとして、「過重労働」が挙げられます。厚生労働省の「令和2年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況 第 1-1-1-10 図 月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合(週間就業時間40時間以上の雇用者に占める割合)(業種別) 」によると、サービス業や教育・学習支援業など、週60時間以上勤務している雇用者が14%にのぼるホワイトカラーの産業も。また、学術研究や不動産、金融業なども5%以上と長時間労働をしている雇用者が一定数いることが分かります。

ホワイトカラーの仕事は、取引先や顧客とのやりとりが生じるため予想外の時間外労働が発生したり、デスクワークのため長時間労働のハードルが下がりやすかったりすることも。また、近年はリモートワークによって仕事のオンオフを切り替えにくくなっていることも、過重労働のリスクのひとつと考えられます。過重労働については「長時間労働による過労への対策とは?睡眠の質を高める方法もご紹介!」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

2.メンタルヘルスへの影響

メンタルヘルスへの影響も、ホワイトカラーの仕事の問題点として挙げられるでしょう。厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」によると、労働者が仕事に不安やストレスを感じる主な原因は、以下のとおりです。

項目割合
仕事の質・量56.7%
仕事の失敗、責任の発生等35.0%
対人関係(セクハラ・パワハラを含む)27.0%
会社の将来性20.9%
顧客、取引先等からのクレーム18.9%
役割・地位の変化等(昇進、昇格、配置転換等)17.7%
雇用の安定性15.0%
事故や災害の体験2.7%
その他11.5%

引用:厚生労働省「第2-2図 「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容(令和2年)

ホワイトカラーは顧客や取引先とコミュニケーションを取る機会が多く、クレームや要求に対応しなければならないことも。また、ホワイトカラーの仕事は、1人に対して課される業務量や責任が大きく、精神的負担が掛かりやすいといわれています。ホワイトカラーの業務は上記のストレス要因と関連性がある場合が多く、働き方や職場環境によってはメンタルヘルスに影響を及ぼすリスクがあるでしょう

ストレスを溜めるリスクについては、「仕事のストレスで涙が止まらない理由とは?原因と4つの対処法を紹介」のコラムをお役立てください。

3.ロボットやAIに仕事を奪われる可能性がある

ホワイトカラーの仕事は、ロボットやAIに奪われる恐れがあるといわれています。データの打ち込みや分析などの業務は、ロボットやAIが得意とする分野だからです。また、近年は文章や画像、映像を生成できるAIが注目を浴びていることもあり、将来的にAIがホワイトカラーの幅広い分野で人間に代わって活躍する可能性があります。

AIに仕事を奪われないためには、コミュニケーション能力や創造力、折衝力など人間ならではの強みを磨くのが良いでしょう。折衝力の身につけ方は「折衝力とは?自己PRの材料になる?コミュニケーション能力との違いと鍛え方」のコラムでご確認ください。

参照元
厚生労働省
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ホワイトカラーエグゼンプションとは

ホワイトカラーエグゼンプション(高度プロフェッショナル制度)とは、「労働時間ではなく成果で評価する制度」のことです。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「諸外国の労働時間法制とホワイトカラー労働者への適用に関する調査(p.40)」では、以下のように定義されています。

「2020 年時点で、一定の年収要件(年収1075万円以上)を満たし、かつ高度な専門知識などを有する労働者を対象に労働時間制限を撤廃した制度」

業務を効率良くこなせるスタッフが正当に評価される一方で、時間が掛かる業務に取り組む際、作業時間に見合った報酬がもらえないのはデメリットといえます。以下で、ホワイトカラーエグゼンプションの主な対象業種やメリット・デメリットを詳しくまとめました。

ホワイトカラーエグゼンプションの対象となる主な仕事

『労働基準法等の一部を改正する法律案』について」によると、ホワイトカラーエグゼンプションの対象となる主な仕事は以下のとおりです。

  • ・金融商品の開発業務
  • ・金融商品のディーリング業務
  • ・アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)
  • ・コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)
  • ・研究開発業務

上記の対象業務は、「高度の専門的知識等を必要とする」「従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」という性質のもと規定されています

ホワイトカラーエグゼンプションのメリット

ホワイトカラーエグゼンプションのメリットは、以下のとおりです。

  • ・成果を出せば仕事を終了できる
  • ・残業時間が長いほど賃金が上がる不公平感がなくなる
  • ・就業時間内に仕事を終わらせようという意識が芽生えやすくなる

残業代が出ないため、仕事を早く終わらせようと心掛ける労働者が増えるでしょう。ホワイトカラーエグゼンプションによって、経営者側、労働者側のどちらにもメリットが生まれます。

ホワイトカラーエグゼンプションのデメリット

ホワイトカラーエグゼンプションのデメリットは、以下のとおりです。

  • ・残業代が発生しない
  • ・業務内容によっては就業時間内に終わらせることが難しく、精神的な負担になる場合もある
  • ・個人主義的な考え方が浸透しやすく、チームプレーがしにくい可能性がある

効率良く働いたとしても、仕事内容や能力によっては残業時間が発生する場合もあるでしょう。

参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
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ホワイトカラーに限らず自分に合った仕事を選ぼう

ホワイトカラーには「危険性が少ない」「体力の有無を問われにくい」という大きなメリットがあります。ただし、仕事を選ぶときはホワイトカラーのメリットばかりに注目するのではなく、「どのような働き方が自分に合っているか」を考えて選ぶことが重要です。

たとえば、「体力に自信がある」「じっとしているのが苦手」という特性がある場合、安全性や賃金だけに注目してホワイトカラーの仕事を選んでも、入社後に「適性と合っていない」と感じてしまう恐れがあります。自己分析や企業研究を念入りに行い、自分に合った仕事を見つけましょう。

「ホワイトカラーの仕事が自分に合っているか分からない…」「豊富な選択肢から適職を知りたい」とお悩みの方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。
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ホワイトカラーに関するQ&A

ここでは、ホワイトカラーについて良くある質問と回答をまとめています。ホワイトカラーの意味や「仕事がなくなる」といわれている理由についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ホワイトカラーとは何ですか?

ホワイトカラーとは、主にオフィスに出社して勤務する仕事や、従事する労働者を指す言葉です。
ホワイトカラーの特徴として、「頭脳労働や対人業務が多い」「比較的安全に業務が行える」といったものが挙げられます。ホワイトカラーの概要については、このコラムの「ホワイトカラーの意味とは」をご参照ください。

「ホワイトカラーの仕事がなくなる」といわれるのはなぜですか?

「ホワイトカラーの仕事がなくなる」といわれているのは、将来的にデータ入力や文書作成といった定型業務や単純作業がAIによって自動化される可能性があるためです。10年後もなくならない仕事の特徴や具体例については、「10年後もなくならない仕事とは?職業や就職する方法を紹介!」のコラムで解説しています。仕事探しの参考にしてみてください。

ホワイトカラーとブルーカラー、どちらを選ぶべきですか?

自分の適性に合ったほうを選びましょう。考えるのが好きならホワイトカラー、体を動かすのが好きならブルーカラーといった単純な選び方でなく、自己分析を通じて自分の適性をじっくり考えることが大切です。ホワイトカラー、ブルーカラーというのはあくまで仕事の傾向であり、世の中の多様な職種は、その2つのどちらかにはっきり分かれているわけではありません。自分の適性を知るためには、「自己分析とは?実施のメリットと就活・転職活動での必要性を解説」のコラムをご参考にしてみてください。

自分に合ったホワイトカラーの仕事に就きたいです

このコラムの「ホワイトカラーの職種例」でご紹介したホワイトカラーの主な職種を参考に、自分の適性と照らし合わせながら求人を探しましょう。うまく求人を探せなかったり、向いている仕事が分からなかったりする場合は、就職エージェントのハタラクティブにご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが、仕事探しや書類添削など、転職活動を幅広くサポートします。

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