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高学歴ニートの割合は?就職に踏み切れない原因と対処法や就活のコツを紹介
更新日
この記事のまとめ
- 高学歴ニートとは、高い学歴を持つ若者のうち仕事に就いていない人のことを指す
- 修士課程、博士課程修了の高学歴でニート状態の人の割合は約10~20%
- 高学歴でニート状態になるのは、挫折した経験や社会経験が少ないことなどが原因
- 高学歴ニートの人の中には、会社に属して働くことに価値を見い出せず働かない人もいる
- 高学歴ニートから脱出するためには、広い視野を持って就職活動を進めることが大切
高学歴ニートの方の中には「なぜ内定がもらえないのか」「なぜ就職活動がうまくいかないのか」といった悩みを抱えている方もいるでしょう。高学歴ニートの状態から脱却するには、自己分析を行って自分を客観視することが重要です。このコラムでは、高学歴ニートになる主な原因と脱却する方法を解説。高学歴でニートになる人の割合も説明します。希望する企業への就職を叶えて「高学歴ニート」の状態から抜け出しましょう。
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高学歴でニート状態の人の割合は?
文部科学省の「令和5年度学校基本調査(6p)」によると、2023年度の大学卒業者数は590,162人。そのうち、進学も就職もしていない人の割合は約8.2%の48,642人でした。約5万人近くが大学卒業後、ニート状態であることが分かります。
2016年以降の5年間で最も数値が高かったのが2021年で、その後は減少傾向にあります。しかし、5万人前後で推移しており、依然として高学歴ニートを含む大卒ニートの人は多い状況です。
卒業年月 | 卒業後に進学・就職 していない人の割合 | 卒業後に進学・就職 していない人数 |
---|---|---|
2023年3月 | 8.2% | 48,642人 |
2022年3月 | 9.4% | 55,286人 |
2021年3月 | 9.6% | 56,228人 |
2020年3月 | 7.1% | 40,809人 |
2019年3月 | 6.7% | 38,232人 |
2018年3月 | 7.0% | 39,854人 |
引用:文部科学省「令和5年度学校基本調査」
さらに、同調査では、2023年3月に大学院を修了した人のうち、就職も進学もしなかった人の割合も示しています。
卒業後に進学・就職 していない人の割合 | 卒業後に進学・就職 していない人数 | |
---|---|---|
修士課程修了者 | 11.4% | 8,442人 |
博士課程修了者 | 21.3% | 3,379人 |
引用:文部科学省「令和5年度学校基本調査(p7~8)」
調査結果をみると、修士課程・博士課程ともに、学部卒に比べて卒業後に就職も進学もしなかった人の割合が高いことがわかります。博士課程修了者にいたっては、約5人に1人が卒業後ニート状態になっている状況です。博士課程修了者の就職状況は「博士課程に進むと就職は難しい?メリット・デメリットや卒業後の進路を解説」のコラムで詳しく解説しています。気になる方はあわせて確認してください。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和5年度 結果の概要
「高学歴ニート」の定義
高学歴ニートとは、東大卒・京大卒など一般的に高学歴といわれる学歴を持ちながら会社に属していなかったり、働く志がなかったりする人を指します。そもそもニートとは「ニートの定義とは?フリーターとの違いや就職を目指す際のコツも解説」で説明しているとおり「15~34歳の若者で、仕事に就かず家事も通学もしていない人」のこと。「高学歴」に明確な定義はありませんが、「有名大学出身」「偏差値の高い大学出身」「大学院に進学している」といった場合を指すのが一般的です。
高学歴ニートになる主な5つの理由
高学歴ニートの人は男子・女子を問わず、能力は高くても仕事に対する自信や熱意は低い傾向があるようです。仕事に対して前向きになれなければ、就職活動に意欲的に取り組むのも難しいでしょう。高学歴ニートになる主な理由を5つ具体的に説明します。
高学歴ニートになる主な理由
- 自己分析ができていない
- 挫折した経験が少ない
- 仕事の経験が少ない
- 他人と比べてしまう
- プレッシャーに押しつぶされる
1.自己分析ができていない
高学歴ニートの人に限りませんが、自己分析が不十分だと就職に苦戦することがあります。自己分析ができていないと自分の強みと弱みを把握できないため、適性に合った企業を選んだり、面接で効果的にアピールしたりするのが難しいでしょう。
就活では学歴よりも応募者と企業の相性や仕事に対する熱意が重視される傾向があります。高学歴というだけでは、企業側に自分を採用することのメリットが伝わりません。企業が求める人物像に合う強みをアピールできなければ、採用を見送られる可能性があります。
2.挫折した経験が少ない
これまでに挫折した経験が少ないと、高学歴ニートになりやすい傾向があります。難関大学や有名大学に現役合格し、順調に希望する進路を歩んできたような場合、就活で初めて失敗に直面する人も少なくありません。失敗したときの立ち直り方がわからないと「自分は価値のない存在だ」などという極論にたどり着き、自信を失ってしまう人もいるでしょう。
高学歴の人は自分に対する期待が高いため、目標を達成できなかったときの挫折感が強くなりがちです。挫折感が強いと就職に対して意欲的になれず、ニートになりやすいといえます。
3.仕事の経験が少ない
高学歴で社会経験が乏しい場合も、ニートになりやすいといえます。偏差値の高い高校や大学では勉強が忙しく、学業以外のことに時間を割けなかった人もいるでしょう。アルバイトやインターンなどで仕事をした経験がなければ、自分が実際に働くイメージを持てず、企業側にうまくアピールできません。就職できたとしても、自分がイメージしていた姿と現実の仕事にギャップを感じ、働く意欲を失ってニートになる人もいます。
4.他人と比べてしまう
幼少期から勉強のできる人に囲まれて育ち、無意識に他人と比べてしまうクセがついていることが原因の場合もあります。たとえば、自分と同じ高学歴の友人が就活に成功していると、自分の現状と比較して劣等感を感じ、意欲が低下してしまうこともあるでしょう。
就職したあとも同僚に比べて成果を出せなかったり、別の会社に就職した友人の待遇が良かったりすれば、挫折感や失望感を感じやすくなります。他人と比較して自分の目標や理想を高く持ち過ぎると、達成できなかったときの挫折感が大きくなり、ニートになってしまうこともあるでしょう。
5.プレッシャーに押しつぶされる
高学歴というプレッシャーに押しつぶされ、ニートになってしまう人もいます。高学歴だとどうしても周囲の人の期待が高くなりがちです。以前より変化しているとはいえ、世間ではまだ「高学歴=大手企業」という価値観があるのが現実です。自然と「大手企業に入らなければ」と義務感を覚える人も多いでしょう。
しかし、プレッシャーに耐えられずに就活を途中で諦めたり、大手企業にこだわるあまり内定をもらえずにそのままニートになったりするケースも少なくありません。大手企業にこだわることの影響は「大手病の人の就職活動の傾向とは」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
高学歴ニートの3タイプ
高学歴ニートの人は、働く意欲がある人とない人に二分されます。さらに、働く意欲がある人には、働きたいのに不安で押しつぶされる人と、働きたくても内定がもらえない人がおり、それぞれが抱える状況はさまざまです。高学歴ニートによく見られる人の特徴として、3つのタイプを紹介します。
1.働く意思がない
高学歴の人の中には、働くことに意味を見いだせず、働かないという選択をする人が一定数います。高学歴で思考力が優れている人の中には「会社に属して働く」ことの価値を感じられない人もいるでしょう。深く考えすぎて行動に移せず、就活をしていない人もいます。
働くことの意味がわからず就活を迷っている方は「なんのために働くのか…分からなくなったときのヒントや面接の対策法を解説」のコラムにも目を通してみると良いでしょう。
2.働く意思はあるけど怖い
高学歴ニートの人の中には、挫折経験が少なく、働くことにネガティブな考えを持っている人もいます。「就職活動が思い通りいかなかった」「働くことが思っていたイメージと違った」という経験があると、働く意思はあっても就活には後ろ向きになりがちです。
働く意思があるのに怖いと感じる人は「なぜ怖いのか」という原因を探ることから始めましょう。働くことに対する不安を解消したい方は「働きたくない心理の原因は?改善する方法や向いてる仕事などを紹介!」のコラムにも目を通してみてください。
3.働く意思はあるけど就職できない
働く意志はあるにも関わらず、単に就職できない人も少なくありません。高学歴の人の中には書類選考に通っても、面接に苦手意識を覚えていたり、「大手企業に就職しなければ」という義務感から、自然と自分に制約を設けていたりすることがあります。
就職できないと悩んでいる高学歴ニートの人は、働くことに対してハードルを低く設定しましょう。たとえば、正社員にこだわらずにアルバイトやパートから始めるのも一つの手です。正社員と比べて、責任の大きさや業務量の範囲などは変わりますが、「働く」経験をすることで自信になり、次のステップへと進みやすくなるでしょう。
高学歴ニートから脱却する4つの方法
高学歴ニートから脱却するためには、これまでの自分としっかり向き合うことが重要です。自分と向き合ってニート状態から脱却するための具体的な方法について解説します。
高学歴ニートから脱却する方法
- 周囲と比較をしない
- 新しい目標を探してみる
- 幅広い視野を持つ
- 社会や周囲との接点を増やす
1.周囲と比較をしない
周囲と比較せずに、自分の考え方について振り返ってみましょう。もし「恥をかきたくない」と思っているなら「何が恥ずかしいのか」をよく考えてみてください。自分自身を改めて見つめ直すことで、本当に大切なものが何なのかを把握できます。「他人にどう思われるか」より「自分がどうしたいのか」を重視することがポイントです。
「高学歴」というプライドとうまく付き合おう
高学歴という経歴に対する自信から「この学歴でこの仕事はできない」と無意識に制限を設けていることも少なくありません。「この学歴があるんだから△△に就職して当たり前」と、プライドが高くなっている可能性もあるでしょう。自分に自信をもつことは大切ですが、過度なプライドは就職の壁になります。自分なりの妥協点を見つけましょう。
2.新しい目標を探してみる
「高学歴」を取り除いた「自分」を見つめて、新しい目標を探してみましょう。たとえば「小さいころから好きだったこと」や「一番興味があること」は何なのかを思い出し、違う角度から自分を分析します。
シンプルな考え方としては「勉強が好き=探究心や向上心がある」ということ。「探究心」「向上心」という大きな長所を活かせる仕事を探すのも良いでしょう。勉強してきた経験や知識は、大きな武器になります。これまで努力してきた経験やノウハウを人に指導したり、多くの人に発信したりとさまざまなことにつなげてみるのも一つの手です。
3.幅広い視野を持つ
「高学歴=優秀」という考え方を取り払い、広い視野を持ちましょう。人間性や人柄、行動力など、世の中には学歴以外で評価されている人が多く存在します。「高学歴」であることは一つの強みとして、ほかにも自分の中でアピールできるポイントを探ってみましょう。
視野を広げて自分を客観視することで、思わぬ強みに気付けることもあります。学業以外で人から褒められた経験を振り返るのもおすすめです。「学歴って就活に本当に有利なの?学歴社会は今後も続く?」そのような疑問がある方は「「学歴社会」を就活時に感じる?影響を受けない採用方法についても解説!」のコラムもあわせてご覧ください。
4.社会や周囲との接点を増やす
高学歴ニートを脱却するには、ボランティア活動などに参加してみるのも有効な方法といえます。特に「人と話すのが怖い」「社会とのつながりがなくなってしまった」と悩んでいる人におすすめ。
ボランティア活動などに参加すると、社会的に自分が存在する意義を再確認できます。複数人で作業を行うことが多いため、自然とコミュニケーション能力が鍛えられるでしょう。就活時のアピールポイントにも役立つので、積極的に参加してみてください。ボランティア活動を行うメリットは「ニート期間中のボランティア活動は就活に有利に働く?」でも紹介しており、面接でアピールする方法も解説しています。
高学歴ニートが就職するため取り組みたいこと
「高学歴ニートを脱出したい!」という思いがあるならば、小さなことから早めに行動に移しましょう。高学歴ニートが就職に向けて取り組むべきことについて詳しく解説します。
高学歴ニートが就職するため取り組みたいこと
- 自己分析をする
- 雇用形態を問わず働く経験をする
- 独立を考える
- 就職エージェントを活用する
1.自己分析をする
高学歴ニートの人に限らず、適性に合う企業への就職を叶えたければ、自己分析をすることが重要です。過去の経験から自分にとって価値を感じるものや得意なこと、好きなことなどを洗い出し、自分の強みや仕事に対する価値観をじっくりと探りましょう。
自己分析により自分の考えや求めるものが明らかになり、希望する企業に就職できる可能性が高まります。働く目的や目標を叶えられる会社を探してみてください。自己分析の方法は「自己分析のやり方が知りたい!ノートやツールを使って実践しよう」のコラムなどを参考にすると良いでしょう。
2.雇用形態を問わず働く経験をする
高学歴ニートの方は、雇用形態問わず働く経験をして、自信をつけましょう。できることから始めることで自信がつき、就職活動を有利に進めやすくなります。アルバイトやパートなどから始めるのも良いでしょう。
どうしても働くことに抵抗を感じるなら、雇用関係を結ばないボランティアから始めるのもおすすめです。こだわりを緩めて妥協点を探し、働く経験をすることから始めてみてください。ニートの人におすすめのアルバイトは「ニート脱出におすすめのバイトは?正社員として就職できる?」のコラムで紹介しています。
3.独立を考える
起業による独立を検討するのもおすすめです。高学歴ニートの人は経営に必要な能力を持っていることが多く、独立したほうが大きく稼げる可能性もあります。自分が「これなら独立できそう」「将来的に可能性がありそう」という分野を見つけて、徹底的にビジネススキルを磨くのも良いでしょう。
ただし「会社から離れたい」「会社に属したくない」といった理由で、無計画に独立すると成功の可能性は低くなります。起業を視野に入れたい方は「自営業とは?確定申告は必要?個人事業主との違いや税金・社会保障を確認!」のコラムを確認し、メリットとデメリットを理解しておきましょう。
4.就職エージェントを活用する
高学歴ニートで就職を目指す人は、就職エージェントを活用しましょう。就活経験がなかったり、過去に就活で失敗していたりする人には特におすすめです。エージェントを活用することで、就活の基本から確認できます。書類作成や面接でのアドバイス、入社後のフォローなどを行ってくれるところを利用するとよいでしょう。迷っている場合には、無料でカウンセリングを行っているところに、一度足を運んでみてください。
「高学歴ニートを脱出したいけど勇気がない…」という方は、若年層向け就職エージェントのハタラクティブにおまかせください。あなたが不安に思っていることを、ハタラクティブで打ち明けてみましょう。プロの専任アドバイザーが一人ひとりの悩みや不安をヒアリングし、具体的な改善方法を提案します。
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高学歴ニートに関するFAQ
高学歴ニートの方は、就職活動のコツやおすすめの仕事などに疑問を抱く人も少なくありません。ここでは、高学歴ニートの方の就職活動に関する悩みや疑問をQ&A方式でご紹介します。
高学歴ニートは簡単に就職できる?
高学歴ニートで会社の知名度にこだわる方だと、就職が難しくなる傾向があります。
大手企業は採用基準が厳しく、一度でもニートになってしまうと不利になる可能性が高いからです。しかし、大手や有名企業にこだわらなければ、就職の可能性は高まります。単に「高学歴」というだけで就職は決まらないため、仕事への熱意や人柄、企業との相性などをアピールしましょう。ニートの人が就職するための具体的な行動について知りたい方には「ニートから就職するには?6つの理由別の対処法やおすすめの職種をご紹介!」のコラムをおすすめします。
高学歴ニートにならないためには?
高学歴ニートにならないためには「自己分析」をすることが大切です。
自分のことを知らないと、そもそも働くことに目的を見いだせない場合があります。具体的には、過去に行ったことから強みを見つけたり、興味のある仕事を探したりすると良いでしょう。高学歴ニートにならないためにも、しっかりと分析することが重要です。より詳しい自己分析の方法を知りたい方は、ヒントのたくさん詰まった「フリーターが自己分析するのは何のため?やり方がわからない方へのヒント集」のコラムも参考にしてください。
高学歴ニートが仕事を探すコツは?
高学歴であっても、ハードルを下げて就活するのがおすすめです。
高学歴ニートの人は、仕事に対して自信を持てなくなっているケースが少なくありません。未経験可の求人に応募するなど、条件にこだわり過ぎずに取り組んでみましょう。ハードルを下げて就活することで、内定をもらったときに社会から必要とされている感覚が得られ、自信につながるはずです。ニートで仕事を探すコツは「ニートの仕事の探し方とは?おすすめの職種や就活のポイントも紹介!」で具体的に紹介していますので、参考にしてみてください。
高学歴ニートにおすすめの仕事は?
高学歴ニートの人は、試行錯誤して進める仕事に適性がある傾向があります。
受験期から自分で考えることを習慣にしているので、問題解決能力の高い人が多いでしょう。具体的には、WebエンジニアやWebマーケターなどがおすすめです。「自分に合う仕事がわからない」という方はハタラクティブにご相談ください。専任のアドバイザーが親身になってお話を伺い、内定までをサポートします。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。