電機メーカー

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電機業界は2008年のリーマンショックに影響を受けて全社とも業績が悪化しましたが、その後各企業は事業売却や撤退で赤字を回復。一部の企業では、いまだ先行き不透明な経営状況が続いています。

製品別の動向を見ると、テレビ市場が2010年の地デジ特需を境に縮小を続ける一方、家庭用電気機器(白モノ)は年別に見ても安定した需要が続いています。

ここでは各電機メーカーの特徴について解説するので、電機業界の動向や時代に先駆けた取り組みを知りたいという方は、ぜひご覧ください。

◆重電系(重電=大型の電機機械)

【日立製作所】

電機業界における国内最大手の企業で、「技術の日立」と呼ばれるように高い技術力を誇っています。先進のITを活かした水インフラの実現や、ビックデータなどの情報技術、AI(人口知能)やIoTを使った未来のモノづくりなど、幅広い事業領域を抱えています。

他の企業と同様リーマンショック後には不況と円高の影響を受けて業績が悪化しましたが、携帯電話事業からの撤退やHDD事業の売却、グループ企業の完全小会社化などを経て回復を果たしました。

現在同社は「社会イノベーション事業」に注力し、エネルギーや水、気候変動や安全保障といった世界規模の社会問題の解決に向けて動き出しています。

日立製作所とこれからご紹介する東芝と三菱電機は、合わせて「総合電機3社」と呼ばれています。

【東芝】

1904年(明治37)創立の歴史ある企業。からくり人形や万年自鳴鐘などの発明で名を知られていた創立者・田中久重が、電機設備メーカーとして設立した田中製造所が始まりです。

現在私たちの生活に身近な冷蔵庫や扇風機、電機掃除機などはいずれも東芝が国内で初めて完成させたものです。そのほかにも蛍光ランプや電機釜など、今ではすっかり当たり前となっている製品の開発実績があります。

今東芝が力を入れているのは、エネルギー・社会インフラ・ストレージの3領域でのBtoB事業。長年培ってきた技術を土台として、グローバルな事業展開を続けています。

【三菱電機】

リーマンショック後も黒字経営を続けた数少ない企業。年々海外での売り上げを伸ばしていて、質の良い成長で2020年までに連結売上高(※)5兆円の達成を目指しています。

同社は1920年(大正9)に三菱造船(株)電機製作所を母体として設立し、さまざまな製品を世に送りだしてきました。

三菱電機は2020年の目標達成とその後の成長のために、技術の相乗効果を狙った事業展開に力を入れ、さらに事業郡の連携で新たな強みを生み出そうとしています。

※グループ企業全体の売上高

◆通信系

【富士通】

ICT(情報通信技術)で生活を支えることを使命として、サーバーやネットワーク機器の開発を行う「テクノロジーソリューション」、パソコンやスマートフォンなどを販売する「ユビキタスソリューション」、電子部品を開発製造する「デバイスソリューション」の3つの事業を展開しています。

同社は1935年(昭和10)に通信機器のメーカーとして設立。第二次世界大戦後には電話復興事業を手がけるなど、公共性の高いインフラの発展に寄与してきた歴史があります。

そして、1950年代には「電算機」(今のコンピューター)の開発に着手し、1954年には社内初のコンピューター「FACOM100」を完成。その後は「通信とコンピューターはいずれ一体になる」という当時の社長の考えのもと、コンピューター開発に力が注がれるようになりました。

◆家電系

【パナソニック】

1918年(大正7)、松下幸之助が大阪に「松下電気器具製作所」を設立したところから歴史が始まる企業。

現在のパナソニックでは、家電と住宅、車載、そしてBtoB(企業間取引)という4つの事業領域に力を入れた経営を行っています。BtoBでは航空会社に機内エンターテインメントやグローバルサービスなどを提供。そのほか、サッカースタジアムにはLED投光器や大型映像表示装置など、パナソニックの技術を取り込んだ細心のシステムを導入しました。

【ソニー】

音楽と映像を中心にエレクトロニクス事業を展開している企業です。ゲームをはじめとするエンターテインメントや金融など、枠にとらわれない事業展開で新規分野を開拓しています。

ソニーは設立当時から「人がやらないことをやる」という姿勢を貫き、日本・世界初の商品を生み出してきた歴史があります。リーマンショックでは他社と同様大きな打撃を受けましたが、2013年に発売されたプレイステーション4は欧米を中心に大ヒットを記録しました。

大手メーカー各社の特徴や現在の状況をイメージできたでしょうか?

ご紹介した以外に大手といわれる電機メーカーには、通信系ではNEC、家電ではシャープなどがあります。

東芝やシャープは先行きが不透明な中、業績回復に向けた道を模索している状況です。

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