接客の仕事
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接客とは
接客とは、お客さまを迎え入れ、おもてなしをすることです。お客さまへの声かけや提案方法など、基本的には接客マニュアルに沿って行動します。似た言葉の「接遇」は、お客さま一人ひとりに合わせた丁寧な対応のこと。実質的には接客でも接遇が求められ、心を込めてお客さまをもてなす仕事とされています。
仕事における接客と接遇との違い
接客の仕事では、「来店時の挨拶」「会計後のお見送り」など、基本的な行動がマニュアル化されています。そのため、マニュアルに沿って行動すれば、必要最低限の接客をすることは可能です。
一方、「何を提案したら良いのか」「どのようなサービスが求められているか」を自分なりに考えて行動するのは「接遇」になります。
接客業では、マニュアル通りの行動でお客さまの心を掴むのは難しいとされており、接客の心得として「接遇」の要素が重要といえるでしょう。
「接客」という言葉の意味
接客とは簡単にいうと「客に接する」ことで、「もてなす」のほか、接待する・楽しませる・受け入れる・迎え入れるなどと言い換えることができます。いずれにしても、接客という言葉には接遇の意味合いが含まれており、お客さまもそれを求めていることを理解しておく必要があるでしょう。
オンラインショッピングにはない接客の価値
オンラインショッピングで買い物を済ませられる時代だからこそ、対面での接客に価値があるといわれています。商品のサイズや金額を説明するだけなら、接客は必要ありません。お客さまを観察してニーズを見極め、満足度を高めるのが接客の仕事です。
お客さまが探している商品を出すだけでなく、使い道や手持ちの物との相性も含めて、よりニーズに合った商品を提案するのが接客の価値です。
接客業に必要な心得
接客業の心得とは、「店舗で買い物をする価値」を高めることです。ここでは、接客業に必要な4つの心得を紹介します。
1.一人ひとりのお客さまに寄り添う
接客に何を求めるかは人によって異なるため、お客さまに合わせた接客を心がけましょう。消費者のニーズは多様化しており、パターン化した接客で満足度を高めるのは難しくなっています。挨拶や言葉遣いといった「接客の基礎」はマニュアルで学び、経験を積みながら接客の質を上げていくのが大切です。
また、接客は「褒めれば良い」というものではないので、何をしたら喜んでもらえるのかを考えて行動しましょう。
2.お客さまと楽しい時間を共有する
「店舗に行くと、店員さんと一緒に買い物できるから楽しい」というお客さまもいます。そのようなお客さまに対しては、楽しい時間を過ごしてもらうことを最優先に考えて接客しましょう。
そのためには、「来てもらえて嬉しい」という気持ちで、スタッフ自身も会話を楽しむのが大切です。買い物も大事ですが、「来て良かった」と思ってもらえるようにもてなすのが、接客に必要な心得といえます。
3.断わるだけで終わりにしない
お客さまが求める商品が欠品していたり、自社で扱っていなかったりするなど、要望に応えられない場面もあります。しかし、「できません」と断って終わりにするのは良くありません。
「そちらはご用意いたしかねますが、○○はいかがでしょうか」と提案し、可能な限り要望に応えたいという姿勢を示すのが大切です。
4.接客の質を保つ
どのようなときも、接客の質は一定に保つのが重要です。「お店が混雑していて忙しい」「体調が悪い」といった事情があっても、接客の質を落として良いことにはなりません。
一度でも雑な対応をしてしまうと、「スタッフの態度が悪い店舗」というイメージが付いてしまいます。接客の仕事では、事情にかかわらず常に質の高いおもてなしをするように心得ておきましょう。また、スタッフによって接客の質に差がないように務めるのも接客業では大切なことです。
私生活を接客に持ち込まないようにしよう
私生活で悩みを抱えていたり、販売ノルマが達成できなかったりすると、ストレスや焦りを仕事に持ち込んでしまう場合もあります。しかし、感情が見え隠れする接客は、お客さまに伝わってしまう恐れも。「ちゃんと話を聞いてくれない」「営業トークばかり」と思われないように、個人的な感情と仕事を切り分けるのが大切です。
接客の5原則とは
接客の5原則とは「挨拶」「態度」「表情」「身だしなみ」「言葉遣い・話し方」です。これらは、接客に必須の要素で、できなければ「接客の質が悪い」と見なされてしまいます。親しみやすい笑顔や、気持ちの良い挨拶、TPOをわきまえた服装などは接客の基本として心得ておきましょう。
挨拶
挨拶は、店舗の第一印象を決める重要な要素です。お客さまが来店されたら、「いらっしゃいませ」と笑顔で挨拶するのは必須。お客さまと目線を合わせて挨拶し、歓迎の気持ちを示しましょう。
態度
接客時のちょっとした態度に気をつけるのも大切です。たとえば、商品を渡す際には両手を使う、声を掛けられたら作業の手を止めて話を聞くなど、細かい気配りが接客の質を左右します。
表情
仕事中は口角を上げて、にこやかな表情を保つのが接客の基本です。真顔は怒っているように見える場合があるため、声をかけにくくなってしまう恐れがあります。お客さまは接客スタッフのことをよく見ているので、微笑みを絶やさないように心得ましょう。
ただし、クレーム対応の際は真剣な表情で、反省やお詫びの気持ちを示すのが大切です。
身だしなみ
接客の仕事で求められるのは、おしゃれよりも身だしなみです。身だしなみとは、相手を不快にさせないための装いをいいます。最も重要なのは清潔感です。たとえば、「髪が整っていない」「爪が割れている」「洋服にシミ・しわがある」などは清潔感がなく、お客さまを不快にさせてしまうでしょう。
また、おしゃれを目的に制服を着崩すのもおすすめできません。制服には「機能性」「ブランドイメージ」といった意味があるので、正しく着用するのが大切です。
言葉遣い・話し方
お客さまと話すときは、正しい敬語を使います。友だち口調や間違った言葉遣いは、お客さまを不快な思いにさせる恐れがあるので注意が必要です。カジュアルな接客を好む人には多少崩しても良いですが、あくまでも相手はお客さまであり、友だちではないと意識する必要があります。尊敬語・丁寧語・謙譲語を正しく使い分け、失礼のない言葉遣いに気をつけましょう。
接客の7大用語を覚えよう
接客の7大用語とは、お客さまに使う基本的な敬語・挨拶のことです。
・いらっしゃいませ
・少々お待ちください
・かしこまりました
・お待たせいたしました
・恐れ入ります
・申し訳ございません
・ありがとうございました
上記の7大用語を覚えておき、使いこなせるように準備しておきましょう。たとえば、「了解しました」「分かりました」などはつい使ってしまいそうですが、接客業では「かしこまりました」を使うように心得ておく必要があります。
接客の仕事内容
接客スタッフが活躍する場は、百貨店やホテル、スーパーや飲食店など、さまざまな種類があります。就職先によって仕事内容は異なるものの、裏方の仕事も多いのが特徴です。
具体的な業務内容
接客スタッフの主な業務は、サービスの案内や商品説明、注文、会計、品出し、在庫管理などで、仕事は多岐に渡ります。接客業には飲食店やショップ販売、スーパーやホテルなど、さまざまな業種があり、具体的な業務内容は就職先によって異なる点もあるでしょう。
お客さまと対面で行う業務が中心ではあるものの、発注作業や伝票チェックといった、人と接しない仕事も多いです。華やかなイメージとは違い、開店前の清掃や棚卸しなど、地味な作業もあります。
接客が活躍する場
ここでは、接客スタッフとして活躍できる主な就職先を紹介します。一口に接客といっても就職先の選択肢は幅広いので、興味のある商品や身につけたい接客スキルによって、志望先を選ぶと良いでしょう。
・スーパー
・コンビニ
・飲食店
・百貨店
・ホテル
・アミューズメント施設
・アパレルショップ
・エステサロン
・病院
・スポーツジム
上記のほか、企業の受付や冠婚葬祭のスタッフも接客の仕事に含まれます。それぞれの仕事内容や特徴については「接客業とは?どんな職種がある?必要なスキルや志望動機の書き方も解説」のコラムで詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
接客のやりがい・大変なところ
接客業のやりがいは、何よりもお客さまと直接ふれあい、感謝の気持ちを受け取れることにあります。良い接客ができれば、お客さまと信頼関係ができ、リピーターとなってくれることも。自分の工夫次第で売上が上がり、会社に貢献できればやりがいを感じるでしょう。
特に、百貨店やアパレルショップなどの小売業では、個人の売上が分かりやすく、仕事の成果が目に見えて分かるのが達成感につながるようです。
一方、接客の大変なところは、予期せぬトラブルやクレームに対応しなければならない点でしょう。理不尽なクレームを受けても冷静な対応をしなければならず、ストレスを感じる人もいるようです。また、退勤時間だからといって接客中に帰ることはできないので、残業が発生しやすい側面もあります。
ただし、接客で身につけたマナーやコミュニケーション能力は、どのような仕事でも重宝されるスキルといわれています。人によっては、トラブルを乗り越えることにやりがいを感じる場合も。接客には大変なところもありますが、将来的に役立つという意味では、メリットが多いとも考えられるでしょう。
接客の年収
接客業の正社員の平均年収は、約350〜約450万円が一般的です。政府統計の総合窓口(e-Stat)に掲載されている厚生労働省の調査「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、接客に関する仕事の平均給与は以下のような結果が出ています。
職種名 | 平均給与 | 年間賞与 |
---|---|---|
サービス職業従事者 | 25万7,900円 | 40万4,500円 |
販売従事者 | 30万8,900円 | 88万2,800円 |
引用:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和4年賃金構造基本統計調査 職種(大分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
「平均月収×12+年間賞与」で計算すると、サービス職業従事者の平均年収は約350万円、販売従事者の平均年収は約459万円となっています。
インセンティブがつく仕事の場合は、平均よりも多い年収を得ることも可能です。ほかにも、資格手当や役職手当が用意されている職場では、主体的に仕事に取り組むことで給与アップを期待できます。
参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
接客の将来性
IT技術の発達により、人々の買い物スタイルは多様化しつつあります。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、非対面でのコミュニケーションも一般的になりました。一方で前述の通り、そのような状況だからこそ、対面での接客に価値を感じる人もいるようです。ここでは、接客の将来性について解説します。
ニーズ
オンラインショッピングが広まった影響で、わざわざ店舗に行く意味とは何かを問われる時代になりました。昨今はセルフレジやタッチパネル式オーダーの導入により、人件費を削減している店舗も増えているのが実態です。「待ち時間がなくなる」「人為的ミスがなくなる」といった理由から、IT化を歓迎するお客さまもいるといわれています。
一方、接客に対して「自分に合った対応を受けられる」「分からないことをスタッフに聞ける」といったメリットを感じるお客さまもいるので、接客業のニーズがなくなるとは考えにくいでしょう。
ただし、マニュアル通りの接客はAIやロボットでもできるため、ニーズが減っていくと予想されます。
今後は、ITと人を組み合わせた新しい接客にニーズが高まり、接客スタッフにおいては接遇スキルの高い接客がより一層求められるといえるでしょう。
キャリアアップ
接客におけるキャリアアップの一つは「昇進」です。店長やマネージャーといった管理職を目指す道があります。そのほか、異業種への転職も選択肢の一つです。接客の仕事で身につくスキルを活かし、職種を変えることもできます。
店長やマネージャーを目指す
スタッフから店長やマネージャーへの昇進を目指すのが、接客における一つのキャリアアップです。そのためには、まずは販売員として売上実績を残す必要があります。そのうえで、昇進試験や店長の推薦などを受け、「チーフ」「副店長」といった役職へステップアップするのが一般的です。
さらに、店長になって店舗の実績を伸ばせば、本社の営業本部長やエリアマネージャーなどに昇進できる可能性もあります。
異業種へ転職する
店長やマネージャーになると、マネジメントスキルやマーケティングスキルが身につくため、異業種への転職も可能です。百貨店からホテルへ転職したり、販売職から営業職へキャリアチェンジをしたりすることもできます。
また、売上管理や在庫管理で身につけたPCスキルを活かし、事務職へ転職する人もいるようです。
接客業でキャリアアップを目指す場合は、明確なキャリアプランを持ちましょう。「○年以内に店長になる」「資格を取ってマネージャーを目指す」というように、目標に向かって計画を立てるのが重要です。
接客に必要な資格
接客業に資格は必須ではないですが、知識や技術の証明、スキルの向上には有効です。ここでは、接客業を目指す方に役立つ各種資格を解説します。
販売士(リテールマーケティング)
販売士は、マーケティングの基本や接客の技術・知識を身につけられる資格です。1級、2級、3級があり、最もレベルの高い1級では経営に関する高度な知識も習得できます。
サービス待遇検定
サービス待遇検定は、サービス業務に対する心構えや振る舞いなどが審査される検定です。筆記試験に加えて実技試験も行われるため、より実務に役立つ能力を習得できます。
サービス介助士
サービス介助士は、ご高齢のお客さまやハンデをお持ちのお客さまに対して、おもてなしの心と正しい介助技術を身につけるための資格です。飲食店やデパート、駅や空港などで困っているお客さまがいたときに、適切なサポートをするための知識が身につきます。高齢化社会において、持っていると役立つ資格の一つです。
TOEIC
TOEICは、英語でのコミュニケーション能力を測定するための試験です。海外からのお客さまも増えている昨今、英語力があるスタッフを採用したいという企業は増加傾向にあります。コミュニケーションを取れるレベルとして、スコア600点以上を目安としている企業が多いようです。接客業で英語を活かしたいと考えている方は、600点以上を目指すと良いでしょう。TOEICについて詳しくは「就活でアピールできる!TOEICのスコアについて」のコラムをご覧ください。
実務に必要なスキルは、就職後に研修を通して身につけるのが一般的です。資格取得はより良い接客を追求するための一つの手段と考えるのがおすすめ。勉強に時間がかかり就職が遅れるよりは、早めに仕事に就いて実務経験を積むほうが良い場合もあります。
上記のほかにも役立つ資格を知りたい方は、「接客の仕事に役立つ資格とは」で詳しく紹介しているので、ご覧ください。
接客になるには
接客の仕事は未経験・無資格からでもスタートできるため、多くの人に就職するチャンスがあります。下記では、接客業に就職するための流れやプラスになるスキルについてまとめました。
就業までの流れ
接客業に就職するには、正社員採用に応募するか、パートやアルバイトといった非正規から正社員登用を目指すのが基本的な流れです。接客業は、正社員の求人にも未経験から応募できるものがあります。
ただし、有名なアパレルブランドや高級ホテルでは「接客経験必須」と明記されている求人が多いので、まずは未経験歓迎の求人に挑戦し、実績を作りましょう。知識と経験を身につけてから、希望の会社へ転職するのがおすすめです。
接客の求人倍率について「接客業とは?どんな職種がある?必要なスキルや志望動機の書き方も解説」のコラムで紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
プラスになるスキルや要素
業種が違っても、何かしらの接客経験があると選考ではプラスの要素として評価されます。一般的にアルバイト経験は正式な職歴と認められませんが、接客業の就職では「実務に役立つ経験」として好印象になる場合もあるようです。
そのほか、接客の仕事でプラスになるスキルや要素を以下にまとめました。
観察力
お客さまがどうしたら喜んでくれるのかを察知するためには、観察力が必要です。年齢や服装などから、お客さまの好みや来店の目的を推測しましょう。
たとえば、男性向けの店舗に女性が来店された場合、プレゼントを選んでいると推測できます。女性のお客さまが悩んでいる様子があれば、「何かお探しでしょうか」と声を掛けると、自然と話が進むでしょう。
店内を歩くスピードや見ている商品の種類や色などを観察して、何をすべきか判断する能力は重要です。
お客さまとの距離感も大事
人によって心地良い距離感は違います。声を掛けられるだけで緊張してしまうお客さまもいれば、フレンドリーに話したいというお客さまもいるでしょう。どの距離感が適切かは、相手をよく観察しなければ分かりません。声をかけたほうが良いのか、そっとしておくべきなのか、適切な距離感をつかむためにも相手をよく見ることが大切になります。
傾聴力
接客では相手の話をよく聞くことも重要です。話を聞いているうちに、お客さま自身が選んだものより、ほかの商品・サービスが適していると気づく場合もあります。よりお客さまに合ったものを提案することで、顧客満足度が高まり、信頼される接客スタッフになれるでしょう。そのためには、些細な話も聞き洩らさず、相手の好みや困りごとを把握するのが重要です。
共感力
接客業では、お客さまの困りごとや趣味の話、世間話にも、できるだけ共感することが必要です。「良いと思えないことには共感できない」「噓はつきたくない」と思ったときは、オウム返しで良いので、お客さまの「話したい」という気持ちを損ねないようにしましょう。
会話のなかから、お客さまのニーズが分かったり、「ここに来ると楽しい」と感じてもらえたりして、結果的に売上につながる可能性もあります。自分の「噓をつきたくない」という気持ちも大事にしつつ、お客さまが「共感してもらえた」と思えるような接客スキルを身につけましょう。
提案力
提案によって商品・サービスに付加価値を付けるのが接客の役割の一つです。接客スタッフの提案によって、「1人で買い物をするより良いものが選べた」と思ってもらえることが、オンラインショッピングとの差別化になります。
たとえば、お客さまが「取引先への手土産を探している」という場合、取引先の業種や社員の平均年齢などによって、最適な商品は異なるでしょう。また、「配りやすいので個包装がおすすめ」「常温で賞味期限が長いものが良い」といった、商品知識を活かしたアドバイスも大切です。
ワンランク上の接客・接遇を目指すには
ワンランク上の接客・接遇には、「お客さまの決断をさり気なく促す」「接客に個性を活かす」などがあります。
たとえば、お客さまが商品選びに迷っているときは、「お手持ちの洋服と合うのはどちらでしょうか」とさり気なく決め手を示し、最終的にお客さま自身が決断する流れを作ると良いでしょう。
また、個性を活かした接客・接遇はリピート率の向上に効果的です。私生活や趣味に関する話をお客さまと共有することで距離感を縮め、自分を指名してもらえるようになりましょう。そのほか、キャンペーンやセールの案内をDMなどで送り、「お待ちしております」と一言添えるといった心配りもワンランク上の接客・接遇となります。
接客の志望動機
接客業の志望動機では、自分が接客に向いている点をアピールしましょう。その際、具体的なエピソードを交えて、説得力を持たせるのが重要です。
ここでは、接客が向いている人の特徴を紹介したうえで、志望動機の例文を紹介します。
接客が向いている人
接客の仕事に就くなら、「人が好き」「コミュニケーションを取るのが楽しい」と思えることは必須です。反対に、「1人でコツコツと仕事がしたい」という人は、接客業には向いていないでしょう。以下で紹介する特徴が、自分に当てはまるかチェックしてみてください。
人とコミュニケーションを取るのが好き
人とのコミュニケーションに楽しみを見出だせたり、誰とでも気軽に交流ができたりする人は接客に向いています。接客の仕事では、初対面のお客さまに自分から話しかける機会が多いです。相手の要望を聞き出し、最適な提案をするためにコミュニケーションは欠かせません。話すきっかけづくりが上手で、さらに会話のキャッチボールを楽しめる人なら、お客さまと円滑にコミュニケーションが取れるでしょう。
気配りが得意
常に相手の立場に立って物事を考え、先読みして行動できる人は接客に向いています。たとえば、ベビーカーを押して来店した方がいればさっとドアを開ける、手荷物が多いお客さまには「おまとめしましょうか」と大きい袋にまとめる、といった行動が「気配り」です。自分だったら何をしてもらったら嬉しいかを考え、主体的に行動できる人が気配り上手といえます。
親しみやすい
接客業には、親しみやすさも大切です。たとえば、普段からよく人に相談を受ける、よく道を聞かれるといった方は、お客さまから「親しみやすい」という好印象を抱かれる可能性があります。親しみやすい人は、お客さまから「話しやすい人」「良い相談相手」と思われ、良好な関係を築ける可能性が高いでしょう。
臨機応変
どのような場面でも、臨機応変に対応できる人は接客に向いています。接客業では、商品の欠品や不良品の発覚、お客さまからのクレームといったイレギュラーな事態が発生することも多いです。そのような場面で、代替案を出すなど臨機応変な対応ができると、お客さまとの信頼関係につながる可能性が高いでしょう。
接客が上手い人を観察してみよう
おもてなしに定評のあるレストランやホテルに行って、「良い接客だな」と感じるスタッフを観察してみましょう。その人のどのような点が良いと感じるのか、そのようなスタッフに共通する特徴は何かを分析してみてください。そのうえで、自分が活かせる長所や、目指すべき接客スタイルを明確にしておくと、就活の選考で説得力のあるアピールができるようになります。
また、コミュニケーションの取り方や気配りの仕方などを観察して、「あんな接客ができるようになりたい」と目標を持つのもおすすめです。
未経験者の志望動機
接客業が未経験で志望動機を書く場合は、接客を選んだ理由や熱意を伝えることが大切です。その際は、自分の長所やこれまでの経験も交えて書くと良いでしょう。また、アルバイトや学校生活での経験で接客業に活かせそうなことは、些細なことでもアピールになります。
例文
『ボランティアで培った経験を活かしたいと思い、貴社を希望しております。
私は学生時代に、介護施設でボランティアをしていました。介護施設のボランティアでは、高齢の方を敬い、尊重することが求められます。最初は自己満足で求められていない介助をして、利用者さんに怒られることもありました。そこで、先輩スタッフに確認しながら、徐々に一人ひとりが求めていることを覚えていきました。
それからは利用者さんから「よく気がつく」「私達を理解してくれている」と評価していただき、信頼関係を結ぶことができました。この経験を高齢者向けのサービスを提供している貴社でも活かし、お客さまのニーズに答えていきたいと考えています。』
ポイント解説
実務経験はないものの、接客に活かせそうなボランティア経験があるとアピールできているのが良い点です。ボランティアのなかで一定の評価を得ており、即戦力を期待される可能性もあります。
経験者の志望動機
接客業の経験がある方は、前職での経験をアピールしましょう。接客業は未経験の方もチャレンジしやすい仕事ですが、経験があることは大きな強みになります。前職で学んだことや身につけたスキルなどがあれば、それも盛り込むと良いでしょう。
例文
『私は百貨店での接客経験を活かし、さらに質の高いおもてなしを目指したいと考え、貴社を志望いたしました。
3年間の百貨店勤務で得たスキルは、観察力と臨機応変な対応力です。百貨店には老若男女問わず、多種多様なお客さまが来られます。そのため、相手に合わせて自分の接客スタイルを臨機応変に変える能力が身につきました。
一方で、自分の接客スタイルを確立したいと思うようになり、転職を決意するに至りました。貴社は高いホスピタリティを誇るホテルで、臨機応変さもありながら、スタッフの接客スタイルに統一感がある点に魅力を感じております。これまでに身につけた観察力と対応力を活かし、自分が成長するとともに貴社のホスピタリティを一層向上させることに貢献したいと考えております。』
ポイント解説
前職で身につけたスキルをアピールできているのがポイントです。退職した理由と志望動機がつながっており、応募先企業を選んだのも納得感があります。また、自分が成長したいというだけでなく、応募先企業に貢献する意欲も示しているのが良い点です。
志望動機の書き方については「志望理由の書き方とは?就活で志望動機を考える際のポイントや例文を紹介!」のコラムでコツや注意点を解説していますので、参考にしながら自分の志望動機を作成してみましょう。
接客に関するFAQ
ここでは、接客業の仕事内容や就職活動に関する疑問や悩みをQ&A方式で解消します。
接客が上手い人の特徴は?
相手に合わせて臨機応変に対応できるのが特徴です。どのような接客が「上手い」かは、お客さまによって異なります。そのため、マニュアル通りの対応ではなく、相手が求めている距離感や提案方法などを察知して、行動に移せるのが「接客が上手い人」といえるでしょう。「高卒でホテルに就職できる?仕事内容や採用試験について解説」のコラムでも、ホテルスタッフに向いている人の特徴として「臨機応変な対応ができる人」を挙げていますので、ご覧ください。
接客対応で難しいのは?
個々のお客さまに合わせることです。接客に正解はなく、同じ対応でも人によって感じ方が違います。そのため、成功パターンが通用するとは限らないのが難しい点です。このコラムの「プラスになるスキルや要素」で、接客に求められる能力を解説していますので、参考にしてみてください。
接客業のやりがいは?
人を喜ばせたり、助けたりして役に立つことでしょう。お客さまから「ありがとう」と感謝を伝えられると、大きなやりがいを感じられます。そのほか、接客スキルを身につけられる、人との出会いが増える、などもやりがいとなるようです。「仕事のやりがいとは?見つける方法や面接で聞かれる理由も紹介」のコラムで、仕事でやりがいを感じるときを紹介していますので、ご覧ください。
未経験から接客業の仕事に就ける?
接客業は未経験者も挑戦しやすい仕事といわれています。「人をもてなすのが好き」「困りごとを解決するのが得意」といった適性があれば、就職できる可能性は十分にあるでしょう。「未経験でも就職できる仕事の特徴は?求人の見極め方やおすすめ業種を紹介」のコラムで、未経験歓迎の求人の探し方を紹介していますので、チェックしてみましょう。ハタラクティブなら、就活アドバイザーが求人探しを代行します。1人での就活に不安がある方はご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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